2017年8月10日木曜日

ラスト オブ ヒーロー歌詞解釈~ヒーローは逃げない、一度も





ポルノグラフィティ歌詞解釈シリーズ。

手間だ何だといいながらも、なんだかんだやりだすと楽しい。


今回は伊坂幸太郎作品から抜け出してきたようなシニカルなヒーローの曲。



ラスト オブ ヒーロー/ポルノグラフィティ




ツェッペリン・リスペクト満載のロックナンバー。







ヒーローの存在




この曲は3rdアルバム「雲をも掴む民」に収録されている。

そして、この曲のことを考えなければいけないことは、9・11テロである。
ポルノグラフィティはこのテロが起こる少し前2001年8月にニューヨークでレコーディングをしていたのだ。

そして、そのレコーディングの後にあの悲劇が起きた。
アルバム1曲目の"敵はどこだ?"はテロと後のイラク戦争の影響を受けて書かれた歌詞である。


そして今回取り上げた"ラスト オブ ヒーロー"もその内容を踏襲している。

当時のことを晴一さんが連載してたエッセイ『自宅にて』で「戦争が始まった」と書いてる。





クリント・イーストウッド監督作品の「アメリカン・スナイパー」という映画があったが、あの映画でブラッドリー・クーパー演じる主人公のクリス・カイルはスナイパーとして名を馳せアメリカの英雄となる。

だが戦争の後遺症に悩まされた彼を見ていて、その姿にヒーローを重ねることができただろうか?
彼に憧れを抱けるだろうか。


定義という話になると色々な意見が出るかもしれないけど、ヒーローというものを定義する時に大切なことは「憧れ」を持たせる存在であることだと思う。

個々人の中にそれぞれのヒーローがいたとしても、社会に対してヒーローというものはもはや現代には存在しない。











ヒーローは逃げない、一度も




この曲について今でも覚えてることがある。

それは晴一さんの言葉で、カフェイレで掛ける時だったかな云っていたこと。

「自分で書いた歌詞だけど、『一度だって逃げたか』ってフレーズにハッとさせられた。あぁ、俺は逃げてばっかりだなって」


最近でこそ様々な作品でヒーロー像が描かれている。その中にはあえて弱さを持つヒーローを描いた作品もある。映画で例をあげるとすれば大傑作「キック・アス」や「スーパー!」のようなものだ。









だけど、昔の晴一さんが思い描いたような時代のヒーローは決して逃げなかった。
何があろうと悪に立ち向かっていたのだ。


何回か解釈記事で書いているように、晴一さんは音楽業界との向き合い方への葛藤が窺えることがある。
「壊すべきヒットチャート」に立ち向かうこと、昭仁さんの言葉だが「音楽業界を潰してしまうかもしれないくらいの音楽」を考えてきただろう。


晴一さんにとってロックンロールスターこそヒーローだったのだ。


ヒーローは仮面ライダーやウルトラマンのようなヒーローだけではない。


体制に刃向かい、反逆の狼煙を上げて鬱々とした社会を壊すために音楽を鳴らす。
そんな姿はまさにヒーローではないか。


しかし今、ロックンロールの力はなくなってしまった。

勝負の見えてきた現代は
立ちはだかる壁も探せない
~"プッシュプレイ"


ヒーローの不在と同時に世界を買えるロックスターが現れなくなった。

それでもロックンロールスターは歌う、叫ぶ。

もう一度オーヴァードライヴミュージックを掻き鳴らして。

ヒーロー不在の世界でも、確かにそこにヒーローはいる。

僕にはそれがミュージシャンであったらいいなと思う。


ヒーローよ歌え。

僕らもそれに応えよう。

世界をひっくり返せ。

住民税をちょっとだけ気にしながら。


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