2017年10月6日金曜日

「私にとっての失恋ソングは、誰かの応援歌だった」一言で刺さるコピーの世界 C-1グランプリ






キャッチコピーや短歌が好きだ。


どちらも短い言葉の中に様々なメッセージやドラマが込められているという意味で似ている、と個人的には思っている。
削ぎ落とされた言葉の洗練さと美しさである。

このブログを読めば分かるの通り、往々にして僕は長文をだらだらと書いてしまうクセがある。

記事のタイトルなどから考えても明らかにコピーライトや短歌に向いていない人間であることが伺える。

人は自分にないものに惹かれるのだ。
だからこそ隣の芝は青く見えて、人は道を踏み外すのだ。

今回は広告コピーについて触れてみたい。
TCC主催のC-1グランプリを取り上げようと思う。






TCCのC-1グランプリ




というものをご存知だろうか。

TCCとは「東京コピーライターズクラブ(Tokyo Copywriters Club)」のことである。
具体的な活動などについては公式ホームページを見ていただきい。

その中でC-1グランプリという企画がある。

簡単に説明するとコピーライターの方が出題したお題に対してのコピーを公募し、グランプリを選ぶという趣向のものである。
一般公募なので、企業の方もおそらく一般であろうという方も含まれる。

これがまた素晴らしくて、読んでて言葉の力の偉大さを学べるものだったので紹介したいと思う。

短歌の方は穂村弘さんが『ダ・ヴィンチ』で連載している『短歌ください』を以前取り上げたので、そちらをどうぞ。

穂村弘『短歌をください』短歌を難しい世界だと思ってる全ての人へ

こういうことを書いているから長くなるのである。

個人的に好きな作品をピックアップしていく。順不同です。








C-1グランプリお気に入り作品




第51回
出題テーマ「電子じゃない本を読みたくなるコピー」

グランプリ

じいちゃんの本に、
ばあちゃんの写真が挟まっていた。
藤本奈穂子(創造社デザイン専門学校)


こういう短い中でたくさんのドラマを感じさせる文とても好き。



第39回
出題テーマ「『手紙を書こう』キャンペーン」


セミグランプリ

「わたし」より「あなた」の多い手紙がすき。
新井久美子


見た瞬間に思わず「キュン」としてしまった。



第62回
出題テーマ「長時間通勤も悪くないねと思わせるコピー」


セミグランプリ

夫は毎晩、1時間かけて私に会いにきてくれる。
味村真一(フリーランス)


これも言われてドキッとしてしまうコピー。果たして日本にこんなことを想ってくれる奥様たちがどれだけいるか。



第105回
出題テーマ「「若者よ、バーに来れ!」。お酒を飲まなくなった若い人たちをバーに誘(いざな)うコピー。」


グランプリ

なりたい大人は会社にいない。
髙木 守(コクヨ)



第10回
出題テーマ「『有給休暇をとろう』キャンペーン」


グランプリ

坂本龍馬の命日は休ませていただきます。
辻井暁(東洋大学)


セミグランプリ


土日じゃ三日坊主も出来ゃしねぇ。
武田朝子(大広)


特にセミグランプリ好き。上手いし思わずクスッとしてしまう、そして悲しくなる。



第125回
出題テーマ「普段聴かない人が、ラジオを聴きたくなるコピー」


セミグランプリ


私にとっての失恋ソングは、誰かの応援歌だった
大堀陽平

一番最近のだけど、本当に良いと思った。




おわりに。


いかがだっただろうか。一般公募でもこれほど豊かなコピーが並ぶ。本当に才能はどこにでもいるものだ。

面白いのは、名前を見ると分かるが、コピーと性別があまり一致しないことが多いこと。

こういうのを書ける人が発想の転換とかを引き出せるのだろうな。

こんな才能が欲しい。






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