2018年3月26日月曜日

【ライヴレポ】15thライヴサーキット “BUTTERFLY EFFECT” @NHKホール Day.2 前編







※ツアー終了したので注意文抜きました


15thライヴサーキット “BUTTERFLY EFFECT”

 @NHKホール 2018.2.1(Day.2) 前編


※文中敬称略



昨年の単独公演は台湾のみ、日本ではイベントやフェスのみだったため、2016年9月の横浜スタジアム公演「横浜ロマンスポルノ'16 ~THE WAY」以来の単独公演となったポルノグラフィティ。

そんなポルノグラフィティのアルバム「BUTTERFLY EFFECT」を引っ提げた15回目のツアーは始まった。

アルバム「BUTTERFLY EFFECT」に関しては、かなりの回数を聴いていても、どうしてもそのバラエティの豊かさによるまとまりのなさが気になってしまい、「アルバム」として見るとちょっと弱いかなと思う部分があった。1曲1曲は素晴らしいものばかりだけども。

なので、このツアーを見ることでアルバム「BUTTERFLY EFFECT」について、違う何かが掴めるのではないかという期待を胸に会場へ向かった。
幸いなことに、NHKホール二日目に当選し雨から雪へ変わった夜、月蝕の夜を抜けた晩に、その全貌を目の当たりにした。


ということで、ライヴレポを書いていくのだが、このブログをご存知の人は想像つくと思うが、今回も凄まじく長いものとなる予定である。僕に短くまとめろというのがそもそも無理な話なのだ。


今回は彼女さんと参戦したのだが、異例の対応を一つした。
ツアーが始まってからファンがやたらとセットリストか凄いと騒ぎ立てるため、まだポルノ初心者の彼女さんには厳しそうだったので、可及的な処置としてセットリスト見て予習しておいてと伝えた。結果的にはそれが正しかったと言わんばかりに、ファンを泣かせでマニアックなセットリストとなっていた。

1曲目については、とにかくあれこれと妄想の風呂敷を広げていた。

アルバムに則り"THE DAY"かなと漠然と思っていたが、最後まで何かなと迷っていた。迷ったところで仕方ないのだが。
今回ライヴに挑むにあたって、1週間前からポルノを聴かずにいて、飢餓感を植え付けてから臨もうという、ストイックなというよりも、マゾヒスティックな言行をしていた。

1週間ポルノを聴かない日々を乗り越え無事に会場に着いたが、最後に油断をしてしまった。彼女さんがトイレに行っている間にのほほんとしていたら知らないうちに"夜間飛行"を口ずさんでいた。
なぜなら、グッズ売り場で大音量でアルバムが掛かっていたのだ。この瞬間、僕の1週間は無意味なものとなった。というか、端から意味があったのか分からないが。

そんなこともありつつ、場内へ。スクリーンには飛行機が飛ぶ映像が。飛行機からふと先程の"夜間飛行"が頭に浮かぶ。そこで、少し「"夜間飛行"が1曲目でも素敵だな」と思っていた。
ライヴが始まり、まるで映画のような美しいクレジットが流れ、暗いままのステージにメンバー2人だけの姿がライトに淡く照らされ、ピアノの音色が鳴り響く。

なんと、"夜間飛行"だ。

セットリストを見ていた彼女さん曰く、"夜間飛行"について2人であれこれ話していたのもあって「1曲目が"夜間飛行"と知ったらビックリするだろう」と思っていたそうだ。
「飛行機か……」と僕が言った時点でドキッとしたそうである。

確かに事前にそんなことを全く考えず、突然"夜間飛行"がきたら、それはそれで心臓が止まっていたかもしれない。心の片隅で1曲目にきても、という覚悟ができていたので、生きて最後までライヴを楽しむことができた。

1曲目にこれほど繊細な曲を持ってくるということは、今まであまりなかったのではないだろうか。ミディアム~バラードの曲とすると74ersの"ヴォイス"くらいではないだろうか。生で見たことはないが。







ライヴDVD「Purple's」の副音声にてライヴに「入る」までの時間という話がある。「Purple's」の3曲目の"フィルムズ"で「入って」演奏をしないと熱も何もない演奏になってしまうという話だ。この「入った」状態でないと"夜間飛行"のような曲は聴かせることができない曲だろう。つまりは、1音1音に熱量を持たせるという演奏だ。それを1曲目に持ってくること、それだけでも挑戦だっただろう。

長いツアーだからこそか、18年というキャリアだからこそか、それをしっかりやってのけたのだ(若干歌詞が詰まった箇所はあったが)。それにしても、あぁなんて愛しい曲なんだろう。本当に大好きな曲だ。
意外な1曲目であるが、終わってみると「"夜間飛行"が1曲目以外考えられない」と思ってしまう不思議。

メンバーの顔が切り貼りされたコラージュ写真がスクリーンに映る。"Montage"だ。こうした音源では打ち込みが多用された曲をライヴでどうやって再現するのかというのは、アルバムツアーの楽しみでもある。
特に野崎真助のドラムは本当によくこれだけ叩きわけられるなと驚くほど、表現豊かな曲たちを支えている。

そこから"真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ"に続く。この曲は岡野昭仁というヴォーカリストが、自身の限界に挑むかのような曲で、かなりの挑戦であっただろう。結果的に生で聴いた"真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ"は会場を掌握するほどの歌声で、その手応えはとてつもなく大きかったことだろう。

あまりのカッコ良さに3曲目が終わって彼女さんに「どうしよう……ポルノめちゃくちゃカッコイイ……」と恋する乙女レベルの発言をしてしまったほどである。



MC
昭仁「わしらがポルノグラフィティじゃ!」
といつもの一発。

晴一「やっぱり東京は凄い。シティだからか?シティなライヴでバイブスを感じて、チェケラ
昭仁「おーカッコイイねー(棒)」

昭仁「アルバム『BUTTERFLY EFFECT』からはもちろん今日はポルノグラフィティの18年間の歴史を振り替えるような曲たちもやってこうと思います」


次に演奏されたのは"ワールド☆サタデーグラフティ"。幕張ロマンスポルノ以来なので6年ちょっとぶりに聴くことになる。最初の歌詞で「木曜なのに雪だね みんな帰りは大丈夫かい?」と替え歌。こうして文字にすると全くメロにハマらないはずなのだが、岡野昭仁はどう歌ったか若干思い出せないくらいに見事に歌メロに乗せていた。

岡野昭仁がギターリフを掻き鳴らして"ダリア"へ。これもまたマニアックな展開だ。序盤にしてカップリングを立て続けに披露するとは。どちらの曲もそれぞれの温度で身体の芯に熱を灯すような曲だ。
しっかり楽しませてくれる"ワールド☆サタデーグラフティ"と無条件に「これぞロック」と思わされる"ダリア"2曲のベクトルは違いながらもポルノグラフィティという枠において演奏を聴いていると、不思議と全く違和感なくスッと受け入れられてしまう。それこそがポルノグラフィティの魅力なのだろう。

カップリングの並びと対照的に"ネオメロドラマティック"~"メリッサ"とメジャーどころが続く。序盤にしてこれほどのバリエーションを見せるところがポルノグラフィティの恐ろしさだ。特に"メリッサ"のとんでもなく長いロングトーンを放った岡野昭仁の歌声には、十二分に温まった身体は否応なしに反応し、興奮は鳴り止まない。この盛り上がり方は本来ライヴ終盤で見るようなクラスのものだ。
そして僕はスーツでいることを後悔した(仕事帰り)










MC

昭仁「ありがとうございます。今聴いてもらった"ワールド☆サタデーグラフティ"は久しぶりにライヴでやったし、その後の"ダリア"はライヴで2~3回しかやったことない曲。それでもその後の"ネオメロドラマティック"とか"メリッサ"みたいな曲と同じくらい盛り上がっていて、みんな凄い!」

昭仁「ここで『BUTTERFLY EFFECT』とはどんな意味なのか晴一さんから説明してもらいます」

晴一「今から『BUTTERFLY EFFECT』の意味を説明するんですけど、長くなるので、もう知ってるよって人は、LINEでもしててください
※以下は「BUTTERFLY EFFECT」についての説明。随所で言っている内容なので、こちらでは割愛。MC後にやたらと「ありがとう」を連発して頭を下げる岡野昭仁に笑ってしまう。


昭仁「今回のツアーは新たなサポートメンバーに参加してもらってます。"オー!リバル"とかのアレンジをしてもらった、ギターtasuku!」
tasuku「よろしくお願いしまーす」
昭仁「tasukuは広島の福山出身で、ワシらに比べると(広島のなかでは)都会出身なんよ」
tasuku「都会って、それ東京の人の前で言ったり怒られません?笑」
昭仁「じゃあなんなん?」
tasuku「田舎です」
昭仁「福山で田舎なら(因島の)ワシらのはどうなるんじゃ」
tasuku「笑」
昭仁「福山の人口は46万人で、ワシらのとこは2万人やぞ」
tasuku「田舎です笑」
昭仁「ものすごく上から言ってな笑」

そう。昨年に引き続きtasukuがサポートギターとして参加していることでギターに厚みが出て、新藤晴一もさらに自由にギターを弾いていたような印象であった。


昭仁「ここからはアルバム『BUTTERFLY EFFECT』の曲たちを聴いてもらおうと思います」


"Working men blues"。歌と同じくらい歌うギターが楽しい。ライヴで聴くと熱量がかなり高く、仕事後に聴くとなお心にくる。終わるとニュースの切り貼りされた音声が流れ"170828-29"へ。歌詞同様にピースを掲げる観客たち、写真を撮るときのような浮わついたピースではない。そこに信念のようなものが宿った光景であった。


スクリーンには映画予告風の映像が。舞台は高校。女子高生の女の子と、相手役はなぜかはっさくメガネである。あの曲をなぞるように、女の子はある本を読んでいる。たまたま落ちた本を拾い、表紙を見たはっさくメガネ。その本には『オン・ザ・ロード』ジャック・ケルアックの文字。そこから女の子の難病が発覚して、あれこれある"いかにも"な展開となる。ちなみに、女の子の病院にいる医者は、メガネをかけたアヒル口の例の人である(演出と脚本も)。最後に(嘘予告だけど)タイトルが呼ばれる"君の愛読書がケルアックだった件"







ポルノグラフィティの面白いところは同じ曲でもCDとライヴで全く印象が異なるということだ。たとえば「THUMPx」はアルバムとしては通して聴くとポップな印象が強いが、そのアルバムを引き連れたツアー「SWITCH」は全くもってロック全開だったのを見れば分かるだろう。
しかし、ケルアックはライヴでも爽やかに軽やか。青いままの姿で僕らに届けられた。それがすごく気持ち良くて。濃くて重い曲が多かったので中盤の清涼剤となった。
ところで、なんとなく自分のなかでサビは縦のイメージだったけど、みんな横に手を振ってて面白いものだなぁと思った。


続く曲は"クリスマスのHide&Seek"一番意外な選曲は間違いなくこれだったのではないだろうか。2月1日である。あまりの意外さにどよめきに近い歓声が上がった。けど、よく考えたら真冬に当たり前のように"ミュージック・アワー"やってるバンドだったわ。

正直なところアルバムのなかではそんなに聴き込んでいなかったが、ライヴで聴いてかなり印象が変わり、今ではとても好きな曲となった。
アウトロのアコギのリフが続き、終わるとスクリーンには森が映る。そこにいるのは岡野昭仁1人となった。

昭仁「うん。いま森におるよ。大切な人を探すうちに森に迷いこんだって設定に、5公演目くらいで固まったの
昭仁「ここから数曲、1人で弾き語りで歌いたいと思います」

昭仁「20年間やってきて、ありがたいことに「個性的な良い声をしているね」とか「滑舌が良くて(ここで観客苦笑い)、歌詞『が』聞き取りやすいね」とか言って貰えたんです。それでワシみたいな調子こきは、すぐ調子に乗ってしまってそれできてしまっていた。それじゃいけないと思ってボイトレに通いはじめた。そこで4年前に、ようやくそこでまたあらためて歌うことの楽しさに目覚めたんよ。

去年Amuse FesでPerfumeの"ポリリズム"を唄ったら("ポリリズム"を少し弾き語りで歌ってみせる)、大先輩で尊敬してるスガシカオさんが情報番組の映像を見たみたいで、「岡野くん!"ポリリズム"全然歌えてないよ!青筋立てて歌っちゃダメ!」と言われ、「引いた」歌い方を習得しようと思った。青筋立てて歌うのがワシの良さなんじゃけど、引いた歌い方を聴いてみてください。

あらためてポリリズムを歌う。
(少し柔らかくなるが、かなり岡野昭仁成分が濃い気が)

「(前列を指して)まだ青筋立ててるとか言っちゃダメ。まだヴォーカリストとして成長しなければいけないと思います」

そんな歌い方を意識して、この曲を聴いてもらおうと思います"カゲボウシ"。






折しも「カメレオン・レンズ」のカップリングにはこの前日の弾き語りが収録された。思えばポルノグラフィティのステージで岡野昭仁ただ1人で歌ったというのは、自分のなかでは記憶にない。
より歌に注力された"カゲボウシ"はあまりに美しく優しかった。"真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ"のようなタイプの曲もその凄さは分かりやすく見せつけられるが、MCのとおり「引いた」歌声というのは、今まであまりなかったものである。

何より驚いたのは"数曲"と言ったのに弾き語りは"カゲボウシ"しかなかったことである。まさか"ポリリズム"もカウントに入っていたのだ。


ここまでの流れでも分かるように、今回のツアー、ライヴは岡野昭仁オンステージというほど、岡野昭仁色の強いステージである。普段ギターにメロメロになってる僕ですら岡野昭仁から目が離せないほど、そのヴォーカリストとしての存在感に圧倒された。


しかし、ポルノグラフィティはやはり2人でポルノグラフィティであった。

後編に続く。

後編
【ネタバレ有】15thライヴサーキット “BUTTERFLY EFFECT” @NHKホール Day.2 後編














このエントリーをはてなブックマークに追加
 


0 件のコメント:

コメントを投稿