2018年7月22日日曜日

ダイアリー 08/06/09を弾き語りしていたら号泣した話








以前「THE WAYのダイアリー00/08/26に涙した理由」という記事を書いた。

あれも映像を見ていて、気付いた瞬間に涙が浮かんだのだが、この度、続編に当たる"ダイアリー 08/06/09"を家でなんとなく弾き語りでふわふわと歌っていたら、あることに気付いて突然号泣した。

その記録である。





曲について




10年前のシングルのカップリングなので、一応曲について少し触れておこう。

2008年にリリースされた25thシングル「ギフト」のカップリングである。





同年に行われたライヴを収録した「横浜・淡路ロマンスポルノ’08 ~10イヤーズ ギフト~ LIVE IN AWAJISHIMA」の最後に2人で演奏される。
このシーンがまた感動的なので、まだ持っていないという方は是非見ていただきたい。





曲としては5thシングル「サボテン」のカップリングである"ダイアリー 00/08/26"の続編に当たる。





"ダイアリー"という曲は完全にノンフィクションとして書かれた歌詞である。
ノンフィクションとして書かれたものについては、別に"デッサン"シリーズがある。

日付が入っていることからもわかるように「その日」に思ったことが歌詞に書かれている。
更に特徴して"ダイアリー 00/08/26"は新藤晴一が作詞(作曲はTama)、"ダイアリー 08/06/09"は岡野昭仁が作詞(作曲は新藤晴一)が担っている。

ある種のアンサーソングとも言える作品だ。











アンサーソング




それを踏まえてあらためて"ダイアリー 08/06/09"の歌詞を見ていきたい。

"ダイアリー 00/08/26"の歌詞はデビューした自分と音楽業界を見つめ直し、忘れてはいけない「信念」を歌っている。
その信念はずっと変わらずに、だからこそライヴでも節目節目で歌われてきた。

そんな自分たちを10年の節目で見つめ直したのが"ダイアリー 08/06/09"である。

10年間音楽業界でヒットを飛ばしてきたポルノグラフィティ。「運が良かっただけでしょ?」と言う自分を「違う」と言い切れずにいた。

「叶えた夢」が多くなった自分、だからこそこれから先に目指すものがわからなくなる。
だからこそ探し続けなければならない。

これは「BUTTERFLY EFFECT」ツアーで新藤晴一が語っていた内容にも通ずる。

デビューした頃は、そこは可能性の大地で、どこを見ても可能性しかなかった。そこからいくつかを選んでここまでこれた。

でも「もうやれることないんじゃないか?」と思ってしまうこともあって。でもさっきの新曲の"カメレオン・レンズ"みたいに新機軸になるような曲を、自分たちで探していかなければいけないし、長いツアーだけど1本1本可能性を見つけていきたい


これだけの年月、ヒットチャートを牽引してきたポルノグラフィティ、その活動は決して安定したものではなくて。ポルノグラフィティはずっと模索して闘ってきた。

それでも「偽りないもの」は確かにあって、それは「目の前の君に歌い続けること」



アーティストとファン




"ダイアリー 00/08/26"は自分自身と向き合っているが、"ダイアリー 08/06/09"では自分自身からポルノグラフィティ、更には僕たちファンのことまで内包している。その優しい包容は、とても岡野昭仁の歌詞らしいものだ。


それが最も表れているのが、次の歌詞。


「君の見る夢はどうですか?」


この一節。これに岡野昭仁という人の優しさが詰まっていて大好きなフレーズだ。

「目の前の君に歌い続けること」が「僕自身の明日」に繋がる。アーティストがいてファンがいて、ファンがいるからこそアーティストは活動できる。この関係性を当然のものとして考えていたなと思ってしまっていて。

これだけ長い間「当たり前」になっていることが、どれだけ凄いことなんだろう、それが、おこがましいが、それを弾き語りでふわふわ歌っていた時に、突然心に刺さった。

"TVスター"において「満たされてはいけない/満たされるために僕は歌うのに」と歌うように、"AGAIN"において「夜ごと君に話していた約束は今も果たせず」と歌うように。
アーティストは「探し続けること」が使命なのかもしれない。だからこそ、日夜、新しい表現を求めて夢を描くペンを持っている。

アーティストとファンは同じものを探し続けているのかもしれない。
だからこそ、岡野昭仁は歌う。


「探してるもの見つけよう 一緒にね」


そうして歌詞は終わるが、歌は続く。
「ラララララ」と岡野昭仁と新藤晴一が歌って、僕らもそれに続いて歌う、一緒になって。

終わりのないメロディ、それを「一緒に歌い続けること」それこそが音楽の喜びであって、幸福である。

先日のロッキンとの記事でちょっとエモーショナルな気持ちになっていたこともあって、また泣けてしまったのだ。


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