2018年5月1日火曜日

【ライヴレポ】ポルノグラフィティ 15thライヴサーキット "BUTTERFLY EFFECT" @オリンパスホール八王子





※今回の記事はかなり個人的な想いが多分に含まれてます
※最後に八王子公演のMC集を記憶の限り書きました




人生を生きていると、こんな魔法のような夜が時折訪れる。

その日はまさにそんな夜だった。

2月のインフルエンザによる公演中止というアクシデント、それすらも今となっては2018年4月23日という日のためのものであったのではないか。そう思えてしまうほど。

長い時間を越え、誰もが待ち侘びた"その日"を迎えたのだった。



八王子という土地




ちょくちょく書いているが、僕は生まれも育ちも八王子である。この土地への想いというのは、人一倍負けないほど持っていると自負している。相棒の友人も生まれこそ違うが、多感な思春期の大半を八王子で過ごした男である。

八王子でポルノグラフィティを見る、この意義の大きさは空の広さの如く計り知れない。今まで"東京"でポルノグラフィティを見ることは何度となくあった。しかしここ八王子は東京であって東京ではないのだ。

3曲目"真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ"の冒頭で「行くぞ!八王子!」泣いた。いや、そもそも"夜間飛行"から涙ぐんではいたけど、この言葉が聴ける日がくるなんて。

それが終わり最初のMC

昭仁「八王子!」
観客「Yeah!」
昭仁「わしらがポルノグラフィティじゃ!!」

いつものやり取りなのに、全く泣くところじゃないのに、ここもダメだった。その後に"ワールド☆サタデーグラフティ"の「月曜日なのに曇りだね ここは八王子なのにひとりじゃない」と歌うのだ。その挙動全てに、恥ずかしいくらい観感興起(かんかんこうき)してしまう。

いや、土台無理な訳で堪えきれるはずがないのだ。どれだけ好きだと思っているんだ。ポルノグラフィティがやってきたのだ、僕の生まれ育った、大好きな街に。

よくアーティストのツアー映像などでも「ようやく来てくれた!」と喜ぶファンの姿を見受けることがある。(一応なりとも)東京に住んでいると、あまりそういう感覚になることはない。しかし、こうしてみて初めてわかった。地元に大好きなアーティストが来てくれるのって、こんな嬉しいんだね。

手前味噌だが、この日は本当にとんでもない盛り上がり方でなかったか。最初から観客の熱量もとても高かった。もちろん振替公演でようやく、というところもあるが「八王子は凄い」と思ってくれるほどのものを見せることができたのではないか。



セットリストについて




本来の八王子公演はツアーの位置付けとしては"前半戦"であった。つまりセットリストの内容も元々は前半戦の予定だったはずである。

そのため振替公演はどう来るだろうと構えていた。お陰で後半戦のセットリストも見ないように気をつけた。当然WOWOWの中継も録画したまま放置である。まぁ我慢出来ずに"夜間飛行"だけ見ちゃったんだけど。結果的には八王子公演は"後半戦"のセットリストが採用されていた。

2曲目からセットリストに変更があり驚いた。前半戦では"Montage"だったが、後半では"LiAR"に変わっていたのだ。個人的にだが"Montage"のオープニングのメンバーのコラージュ写真の映像演出が凄まじく格好良くて、あれが映像として残らないのはとても残念である。特典映像とかで入れてくれないだろうか。

しかしながら"LiAR"は"LiAR"で聴きたかったというファン心理はなかな面倒である。横浜スタジアムでは別歌詞バージョンだったので、リリースされたバージョンの"LiAR"がこの度ようやく聴ける段となったのだ。

こちらはこちらで映像も良いし、もう前半と後半両方映像化しようよ、と思ってしまう。お願いします。

ここからはこれ以外の前半と後半のセットリストの変更点等をまとめよう。


"ワールド☆サタデーグラフティ"
「月曜日なのに曇りだね ここは八王子なのに ひとりじゃないね! 」


"ネオメロドラマティック"→"リンク"
"リンク"とても好きなんでイントロで叫んだ。バンドでカバーしているのもあって、思い入れが強い曲なのだ。カバーしてると言ったが、未だにこれをギターでまともに弾けない。


クリスマスのHide&Seek""→"MICROWAVE"
そもそも前半戦で"MICROWAVE"やらなかったことに驚いていたのだが、八王子公演でようやく聴くことができた。
この曲をどうやってバンドサウンドにするのだろうと思っていたが、圧巻であった。まだこんな見せ方もできるのかポルノグラフィティ。
その奏でられたリズムに身を委ねるだけで、心は踊る。


"カゲボウシ"→"ハート"
その流れから続く岡野昭仁1人による弾き語りコーナー。「カップリングとして発表」という前代未聞のネタバレにより曲目も変更となった。しかしながら、まさかの"ハート"が来るとは。全く予想していなかった。内容もお見事というほど素晴らしい弾き語りであった。


"ミュージック・アワー"(追加)
ツアーの最初の方ではアンコールが"ミュージック・アワー"だったのも後で知った。NHKホールはもう"カメレオン・レンズ"になっていたので、このツアーでは初めて聴くことができた。
しかも振替公演になってしまったということで"お詫び"として披露されたので通常2曲のアンコールが3曲聴くことができたのだ。


セットリストの変更点は以上である。どちらにもそれぞれの良さがあって、甲乙付けがたいセットリストだった。











岡野昭仁という人




八王子公演は決して完璧なライヴではなかった、歌詞は間違ってたし(いつもか)、"ギフト"の2番Aメロでは歌詞が飛んでしまっていた。しかし、そんな"ギフト"が自分の中で大きなハイライトとなった。

歌詞を飛ばしてしまった瞬間、そこに観客たちの声が響いていたのだ。今回の"ギフト"では歌詞がスクリーンに出ていたのもあるが、口ずさんでいた人が多いのだろう。その優しき歌声が聴こえてきて、更なる感動をくれたのだ。

ずっと歌っていた人もいるかもしれない、慌ててフォローするように歌った人もいるかもしれない。

《どうせ自分なんかって思う その度にギフトが》

気づいたら僕も歌っていた。
まるで自分自身に言い聞かせるように。

そんな想い想いの"ギフト"が会場に木霊した時、これこそがLIVEなんだ、そう思えてまた込み上げてきてしまった。只でさえ"ギフト"の2番は毎回泣いているのに。

"Fade away"でだいぶ消耗したようで、続く"THE DAY"ではかなり苦しそうに歌う場面もあった。しかし、だからこそ歌声はエモーショナルであり、想いとして僕らに強く響いたのだ。

以前SWITCHツアーのドキュメンタリーで風邪を引いた岡野昭仁について新藤晴一が「クラシックのコンサートじゃないから上から下までちゃんと出なくても、それはそれで伝わるものがある」と語っている場面があった。

まさに今回のライヴはそれを体現しているようだった。そもそも声が出てなかったといっても圧倒的に高いレベルでの話だし。振り絞り、叫ぶように歌う岡野昭仁の姿は、今までのどんな姿よりも強く心に焼き付いた。

今回やってないけど"LIVE ON LIVE"のフレーズが思い浮かぶ。

今ここに居る 全部がここにある
細胞を震わせ ただこの瞬間を焼きつけて行け

~"LIVE ON LIVE"



ライヴとはなんなのか。時間と同じように、現れてはどこかに消えゆく音たち。その断片は僕らの心に止まって、いつまでも消えないピースとなってゆくのだ。

長いツアーであっても同じ公演はひとつとしてない。だからこそ僕らは無我夢中になり、今この瞬間を目に、胸に焼きつけようとしているのだ。



MC集




最後に八王子公演のMCを記憶とメモと人のTwitter感想から思い出して書き起こしました。ツアーで共通のMCについては割愛させていただいてます。


昭仁「本来なら2月にやってた公演を、僕の不徳の致すところで、本当に申し訳ありませんでした。もしかしたら、延期になってしまって来れなくなった人もいるかもしれない。その人たちの分まで盛り上がって帰りましょう! 」
晴一「2月からチケット握りしめとってくれてチケット、もうしわくちゃになってるんじゃないかな。最初郡山が中止になって、ニュースでも『ポルノ、インフル公演中止』みたいなのが出てて。それでその後2回目で『ポルノ、インフル、再び公演中止』って出て、みんな俺のことだと思ったのよ
昭仁「笑」
晴一「かといって今度は俺が『元気すぎじゃね?』ということになって。なんかアホの子みたいな扱いを。実は俺も仕事関係ないところでインフルエンザになってて
観客「えー!?」
晴一「でも、(仕事に影響しないから)わざわざ言うことでもないじゃん。とりあえず今日は2人とも元気なので頑張ります」


晴一「岡野さん。業務連絡です。このツアー、こんな5月前までやってる予定じゃなかった。だから、衣装がめっちゃ暑い
昭仁「すみませんね」
晴一「このパンツとか、裏が起毛になってて……上脱ぎたいけどこれ脱いだらインナーが黒いタンクトップだから全身真っ黒になって。京都の人みたいになる。なんだっけ?えーと」
昭仁「人力車?」(←よく分かったな)
晴一「そう!人力車の人みたいになってしまう。とりあえずこのマフラー(ストール)だけ取るか。あ、これ縫い付けてある! 」
昭仁「ハサミ持ってきてあげてー! 」
晴一「これ切って。もしくは僕の髪を切って」
昭仁「サポート陣は、あ、衣装変えたのか。nang-changは、頭が涼しげに(坊主)」


弾き語り前
昭仁「森じゃね……高尾山

歌うことについては、生中継とほぼ同じのため割愛。ただ、最初の"ポリリズム"で盛大に歌詞を間違えてやり直した。


昭仁「タイトルである『BUTTERFLY EFFECT』について、晴一さんから説明してもらいます」
晴一「おっしゃ説明しよう! といってもこの間の生中継見たりして知ってる人も多いだろうけど……ファンの子たちはみんな良い子だから、ツアー中SNSとかで所謂"ネタバレ"が全然流れてなかったみたいなの。だけど、WOWOWで中継するという最大のネタバレが……
昭仁「本来あれがツアーファイナルじゃったからね。ホームページにも"ファイナル"ってしっかり出とった」
晴一「生中継見たという人も、今日は記憶を消して楽しんでください」


アンコール


昭仁「アンコールありがとうございます。もう発表になったけど、9月8日と9日に尾道で、ライヴやります!八王子からはちょっと遠いかもしれないけど、本当に良いところなんです。だからみんなに見てもらいたい。是非遊びにきたください」


メンバー紹介

晴一「こうやって18年やっていると『じゃあ20周年も』って簡単に考えてしまうけど、ただなんとなくやってて20周年を迎えても意味がないので。さっきの"カメレオン・レンズ"もそうだけど、まだやれることないかなと、辺りを見渡してやってかなきゃいけなくて。飛行機に例えようか。今上空でCAさんにコーヒー注いでもらってるようなもんなの」
観客「ぽかーん( ゚д゚)?
晴一「あのね、えーとデビューはまさに飛び立つわけ。その時は"アゲハ蝶"とか作ってくれた本間さんがいて、それからは、メンバーが1人抜けたりして。今は上空で"快適な空の旅を"なんて安定しているようだけど、実際は外では飛び立つ時よりも速い速度で飛んでいて。それもなんとなくじゃなくて、ちゃんとジェットエンジンを回していないといけない。ま、僕らの場合はジェットエンジンというか」
昭仁「プロペラ機みたいなね」
晴一「そう。プロペラを必死に回さんといけんのよ。だから少しでも長く空の旅を楽しめるように、これからも頑張ります。まだやりたいこともあるし、それがある限りはやっていきたい。つまり何が言いたいかというと『ありがとう』! 」

※この「空の旅」のくだり神戸のでした。管理人はアホの子なので許してください。せっかくなので残しておきます


晴一「ありがとう。こうしてバンドをやってきて。デビューして18年を越えて、バンドの結成からしたらどれくらいよ?高校の学園祭からだから17歳くらい?まぁざっくりとすると」
昭仁「25年くらい?」
晴一「そうだね。25年、四半世紀よ?いよいよ"世紀"って単位になってきた。それくらいやってると、デビューしてからも、(メンバーが)1人抜けたり、ずっと一緒にやってきた本間さんって、"アゲハ蝶"作ったりしてくれた人ね、と離れて2人でやってみたり。そうして25年経って、まだやれることはないかって探したり、やりたいこともまだあって。だからこそそうやってこれからもやって行けたらと思います。何が言いたいかというと『ありがとう!! 』」
↑八王子こんな感じだったかな


晴一「さて、ヴォーカルは?」
観客「あきひとー!」
晴一「インフルエンザにはA型、B型、C型があtt……」
昭仁「やかましいわっ! 」


昭仁「みなさん昨日は!!……じゃない!!!今日は!!!!
岡野昭仁、空の旅どころか時空を越える。

昭仁「何度も言ってますが、こうして延期になってしまって、本来なら罵声を浴びせられてもおかしくないのに、こうしてみんな温かく迎えてくれて、僕らは本当に素晴らしいファンに愛されているんだなと思います」


生声

晴一「また(ゴルフのスイングのポーズをする)遊びに来ますね」
昭仁「今日はありがとうございました!また遊びに来てね!」


ということで、まとまりがなくなってしまいましたが、八王子公演についてでした。






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