現在「ソルファ」の再録盤が話題のASIAN KUNG-FU GENERATIONのゴッチこと後藤正文の発言である。
『Wonder Future』を作ってる途中で、俺はこのアルバムを作り終わったらバンドをやめようと思ったんですけど、もし今ここまで来てバンドを本当にやめるっていう時に『ソルファ』があのままじゃ悔いが残るなって思ったんですよね。あと、それとは別にもうひとつ、常々『バンドってそんなに新曲いるか?』みたいな気持ちがあって。それは、アジカンに関わらずなんですけど」
■それはどういう意味で?
「たとえばインディのロックバンド、特に若いバンドは、常に自分達にとってベストみたいなセットリストでライヴをやるじゃないですか。で、その中で生き残った曲がファーストアルバムに残ったりするわけで」
■ライヴをやりながら楽曲を育てていく、精査していくという。ファーストアルバムに名盤が多い理由のひとつは、そこにもありますよね。
「そうそう。そういうことを考えると、自分達が今やってる音楽のやり方っていうのは果たして本当にクリエイティヴかどうかわかんないよなと思って。アジカンに関しては割と時間をもらえてるから、のんびりやらせてもらってコンセプト立てたりしてできますけど、仮に自分達が1年に1枚出さなきゃいけないような状況になった時に、そういうルーティンみたいな楽曲の作り方ってどうなんだろうなっていう気持ちがあって。実際、『ソルファ』の話とは関係ない時に、メンバーに『もうそんなに曲作らなくていいんじゃない?』って言ったことがあるんですよ。『ツアーだけやってればいいんじゃない? アルバムは5年後だっていいじゃん』みたいな」
■それはどういう意味で?
「たとえばインディのロックバンド、特に若いバンドは、常に自分達にとってベストみたいなセットリストでライヴをやるじゃないですか。で、その中で生き残った曲がファーストアルバムに残ったりするわけで」
■ライヴをやりながら楽曲を育てていく、精査していくという。ファーストアルバムに名盤が多い理由のひとつは、そこにもありますよね。
「そうそう。そういうことを考えると、自分達が今やってる音楽のやり方っていうのは果たして本当にクリエイティヴかどうかわかんないよなと思って。アジカンに関しては割と時間をもらえてるから、のんびりやらせてもらってコンセプト立てたりしてできますけど、仮に自分達が1年に1枚出さなきゃいけないような状況になった時に、そういうルーティンみたいな楽曲の作り方ってどうなんだろうなっていう気持ちがあって。実際、『ソルファ』の話とは関係ない時に、メンバーに『もうそんなに曲作らなくていいんじゃない?』って言ったことがあるんですよ。『ツアーだけやってればいいんじゃない? アルバムは5年後だっていいじゃん』みたいな」
http://musica-net.jp/articles/preview/5852/
この発言はちょっと本来の意図と違う感じで広まっているような気がしたので、自分なりにこの発言の意図を書いてみようと思う。
ちなみに「ソルファ」は大好きなアルバムだけど、最近のゴッチのキーの低さが気になってしまうので買うかは迷っている。
ゴッチの考え
まずは、今回取り上げたゴッチの考え方を見てみよう。
この発言は「メジャーのバンド」として、ルーティーンのように新曲を作って定期的にリリースしていることを指している。
メジャーなアーティストほど契約もあって、ある程度コンスタントに新作をリリースしなければならない。
そうすることで、自分のモチベーションに関係なく新曲を生み出さなければいけなくなる。
ゴッチの発言は結局のところ、そのルーティーンで製作される曲ではなく、自然に生まれた曲をライヴでブラッシュアップしていきたいということなのだ。
現状、アジカンはそこまでハイペースな活動は求められていないようだけど、本来はそれくらいのペースで活動したいのだろう。
それは、ゴッチが海外のインディーバンドが好きということから来ているのだろう。
海外のバンド
そもそも日本と海外とではバンドの活動方針は全く違う。
国内のアーティストは比較的頻繁に新曲をリリースし、アルバムも1~2年に1枚リリースしてるアーティストも多い。
それに比べ、海外バンドは一度アルバムをリリースすると次のアルバムまで4~5年開かかるくなどザラである。
それは海外バンドは売り出してるマーケットの規模が違うから、日本のマーケットと比較しても仕方のないことだ。
ある程度の有名バンドであればひとたびワールドツアーに出れば、ありとあらゆる国でライヴを行うこととなるし、その間には世界各地のフェスにも出演する。
海外のバンドに「家族と過ごす時間を増やしたい」と脱退するメンバーが多いことが、その過酷さを物語っているだろう。
ライヴで演奏していくこと
そして、ゴッチが語っている新曲をライヴの中で演奏して育ててからリリースするという方法。
これはこれでいいと思う。
よくあるものでいえばツアーで何曲か新曲を披露するケースだ。
これをもっと突き詰めたようなスタイルだろう。
しかし、悲しいことにライヴは新曲を沢山やるより、昔の"みんなが知ってる"曲をやるほうが盛り上がる。もはやレディオヘッドクラスになると違うが。
日本で例を挙げれば、直近ではミスチルだろう。
ミスチルは「REFLECTION」のアルバムの発売前にツアーで収録曲をかなりの曲数プレイした。ツアー最終日くらいでやっと発売したくらいだったかな。
もちろん喜んだファンも多かったけど、戸惑うファンの声もそれなりにあったように感じた。
ゴッチの語ったようなライヴで演奏して磨かれた曲をリリースするというのは、キャリアが重なるごとに難しくなる。
こんな発言をしつつも、ゴッチはソロやったりプロデュースやったり随分と働いてるが。
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