突然ですが、スキマスイッチの名曲といえば何を思い浮かべるでしょうか。
おそらく"奏(かなで)"や"全力少年"や"ボクノート"などの意見が多いことと思う。
もちろんどれも名曲だし、大好きな曲たちだ。
そんな中で、僕は"奏(かなで)"に負けずとも劣らない評価をされてもいい曲なのに、イマイチ知名度が高くないと勝手に思っている曲がある。
それが2011年1月にリリースされた14枚目のシングル"さいごのひ"だ。シングルであるが、タイアップも特になかったためか、上記の曲たちよりは少し知名度は落ちる印象にある。
だが、タイトルの意味、歌詞、メロディ、アレンジ、演奏、とにかくどれもが完璧なまでに調和した名曲である。
そんな曲について語らせて欲しい。
まずはしっかり曲を聞いてからどうぞ。
愛情の実体
揺れる 揺れている か弱く燃えている
巡る 巡っている 僕を取り巻くモノ
巡る 巡っている 僕を取り巻くモノ
キャンドルのように揺れながら頼りなく燃えている"火"。
まず僕がこの曲を聴いて想像したイメージを書いておこう。僕は病室で意識がなく眠り続けている君に語りかけている曲ではないかと感じた。
何故そう思ったかというと、主人公の喪失感と君への消えぬ、いや募るばかりの想い。
僕は君へ語りかけてるのに、僕のは君に呼び掛けて欲しいと願う。
淡い希望を持ちながらも、いつか訪れる"最期の日"に向けて。
この2人の関係はなんだろう。
ある人には夫婦、ある人には恋人、ある人には親子、ある人には、聞き手によって様々な愛情の実体(かたち)に写るだろう。
愛情とは光であり、希望なのだ。
だからこそ僕らはいつか最期の日が訪れると分かっていながらも、明日を信じて生きていける。
つけっぱなしのテレビはまた 子供が犠牲になったという
これはもはやイエモンの"Jam"に匹敵する歌詞だろう。
さいごのひ
さいごのひが消える時に人は
いったい何色の世界を見て 誰を想うの?
スキマスイッチの中だけでなく、僕の人生のオールタイムベストにも入れているほど好きな歌詞である。
メロディも大橋卓弥の歌声も演奏もあまりにも素晴らしい。
死が恐ろしいのは、それが決して生きてる間に経験できないものであるからだ。
生を失うその瞬間。人の目には何が見えるのだろう。
だからこそ、このフレーズはいつまでも美しくも残酷なまでに響くのだ。
タイトルの"さいごのひ"がここに登場する。
「最期の日」「最後の火」「最後の灯」「最後の陽」など、この言葉にどんな漢字を当てはめるか、それは歌詞の2人のように、聞き手それぞれの心に委ねられる。
僕が君の意識がない状態ではないかと思ったのは、ここにもある。
まるで延命装置をそっと外すような想い。
タイトルについてはインタビューを引用しよう。
常田:”さいごのひ”っていうのは、僕のなかでは希望なんですよ。最後の日が来ないでほしい、っていう思いを込めてるというか。
大橋:いろんな意味に取れるのもいいなって思うんですよ。曲を聴き返すごとにタイトルの意味合いも変わってくるかもしれないし、”何で平仮名なんだろう?”って考える人もいるんじゃないかなって。すごくストレートで味がある、いいタイトルだと思いますね。
大橋:いろんな意味に取れるのもいいなって思うんですよ。曲を聴き返すごとにタイトルの意味合いも変わってくるかもしれないし、”何で平仮名なんだろう?”って考える人もいるんじゃないかなって。すごくストレートで味がある、いいタイトルだと思いますね。
死の瞬間に見える世界を知り得ないように、君の気持ちを僕は知る由はない。しかし、僕は君のことを強く思い続ける気持ちは変わることはない。
どうして僕には、君しかいないんだろう
知る由のない君の気持ちはきっと僕と同じものであるはずだ。
その"ひ"はまだ消えていないのだ。
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