このブログ「日記」は書かないというポリシーで動いているが、他に書けるところもないので、たまにはのんびり書かせていただく。
ここ数ヶ月、無い頭で凄まじく真面目な記事を書きすぎたので。
会社の昼休みは基本的にコンビニで済ましている。
しかし週一程度、会社の近所のお店でランチを食べている。
僕の昼休みは記事を書くか、記事のことを調べるか、うさぎは何故あんなに可愛いのか、或いは世界からなぜ争いがなくならないのかに想像を廻らせている。
なので、基本的には1人ゆっくり過ごしたいのだ。
そのお店はマスターの料理がとても美味しくて大好きなのだが、予算的なものとカロリー的なものの壁があり、週一程度しかお邪魔できていない。
でも、本当に美味しいお店だと思う。
特に揚げ物が絶品なのだ。
叶うなら毎日でも行きたいのだが。
20人くらいでいっぱいにあるくらいの大きさ(全てテーブル席)で、程度常連の人たちがいて、たまに初めてのお客さんがいるくらいの割合だ。
とても静かなお店で、のんびりとしたムードが漂っているところが好きなのだ。
お店のマスターとおば様がとても優しくて、行く度に、孫を見るような目で見られている。
それが、ここ数ヶ月、新たな常連さんが生まれた。
おばちゃんたち2~3人のグループで、これがまぁよく喋る。息をする→喋る→食べるというローテーションをひたすら繰り返している。
静かな店内なので、どこの席でもしっかり声が耳に届く。別にそれが不快というわけではなくて、まぁよく喋るなと感心してしまうほどだ。
メインメンバーの2人は静かな"今いくよ くるよ"という感じである。今くるよの方が穏やかな声でよく喋り、今いくよが聞き役に回るのがいつものスタイルである。
もう1人和泉節子から眼鏡を取ったようなおばちちゃんが準レギュラーでいるが、節子も聞き役である。
つまり、ほとんど今くるよオンステージである。
さて、問題はどうやっても聞こえてくる話題なのだが、大抵が「昨日の夜から朝に掛けての生活」を語るスタイルだ。
そしてそのほとんどが「最近暑くて寝苦しい」という話である。
ここ数ヶ月は熱帯夜ばかりだったので、今くるよは暑くて寝付きが悪いとボヤいている。
そこで終わればいいのだが、今くるよは止まらない。
まず部屋の状況を説明する。
今くるよ「私の部屋って窓ひとつしかないじゃない?」
今いくよ「うんうん」
和泉節子-眼鏡「うんうん」
なぜ窓がひとつしかないことが共通認識であるのかということは置いておこう。僕が知らないだけかもしれない。
今くるよ「だから窓開けるだけど、全然涼しくならないでしょ」
今いくよ「うんうん」
和泉節子-眼鏡「うんうん」
うんうん。分かるぞ。確かに窓を開けても生温い空気がたまに部屋に迷い込むばかりだ。確かに寝苦しい。
今くるよ「そうするとパジャマ暑いじゃない」
今いくよ「うんうん」
和泉節子-眼鏡「うんうん」
うんうん。確かに暑いよな。
今くるよ「そうすると脱いじゃうじゃない」
今いくよ「うんうん」
和泉節子-眼鏡「うんうん」
うんうん。
……うんうん?
一瞬、ヒレカツをフォークに刺したまま固まってしまった。
他2名が普通に「うんうん」と言ってるのもさすがにおかしくないだろうか。みんな脱ぐのか?
さらに今くるよは止まらない。
今くるよ「ほら、私って暑がりじゃない?すぐ身体暑くなるし、恒温なのよ」
人は皆恒温動物だと思っていたが、あらためて言われると迫真である。
というか。
もしかして、「更年期」……?
今くるよ「クーラーつけないとさすがにダメね」
和泉節子-眼鏡「そうよ。今は冷房つけないと、危ないし、死ぬわよ」
ここで聞き役だった和泉節子-眼鏡が斬り込む。もちろん今年の暑さは猛烈だ、熱中症で亡くなった方もかなりいる。
それにしても和泉節子-眼鏡のおばあちゃんがトーンを落として語ると、まるで占いでズバリと未来を予言された気分になる。
冷房つけないと本当に、死ぬわ。
そしてこれを書いている今まさにまたもおばあちゃんたちは語り合っていた。
今くるよ「昨日は夜、楽だったわね」
今いくよ「うんうん」
今くるよ「もう暑いのはイヤ、暑いと暴れちゃうもの。ベッドから落ちそうになっちゃった」
今いくよ「うんうん」
僕は思わず想像してしまった。
完全に目覚めてますわ。
暴れ、のたうち回る、それ。
暑さにうなされる、それ。
繰り返すが、盗み聞きでもなんでもなく、否応無しに耳に入ってくるということを念を押しておきたい。
あんまりやっているとスタバでだべる女子大生のようになっていってしまうので、そろそろ終わりたい。
それにしてもいつ何時も話続けててすごいパワーだ。
ほとんどあの店のBGMと化しているのだから。
しかし、寝苦しい夜を越えておばあちゃんが暴れず、脱がない夜を迎えられて何よりである。
そして今後、冬になるといかに寒くて寝られない話にシームしていくのかと思うと、僕は今から待ち遠しく思えてしまうのだ。
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