やられた。
完全にやられた。
そうだ、忘れていた。
Mr.Children
ミスチルとは、そういうバンドではないか。
Mr.Children「Tour 2018-19 重力と呼吸」
Blu-ray レビュー
※あまりに動揺と感動が激しくて、いつも以上に散文しています。
Monster
数えきれない溜め息と、数えきれない後悔と、数えきれない悲鳴をあげた。
なぜ、これを生で見なかったのだろう、なぜ見れなかったんだろう。
それでも、せめて生きてこの映像作品を見れたことが嬉しい、そんな気分だ。
Mr.Childrenの最新アルバム「重力と呼吸」ツアー。その最終公演である大阪城ホールを収録した映像作品がリリースされた。
DVDとBlu-rayでリリースされるが、何としてもBlu-rayで見て欲しい。プレーヤーが家になければ、今すぐヨドバシカメラに行って欲しい。
それほど、映像作品としてあまりに映像が素晴らしい。ハッキリ言って1画素ごとに幸福度が上がると思っていただいていい。つまり、デカくて綺麗なほど正義だ。
数々の映像作品を見てきた僕でさえそこまで思う程なので、余程のことと思っていただいていいだろう。
アルバム「重力と呼吸」について、僕は判断を保留していた。「誰も憧れたいと思わないくらい、圧倒的な音」と桜井和寿が豪語していたけれど、正直にいえばそこまで入れ込む程ではなかった。
猛烈に反省している。
もう心は裸になりたがっている。
これを見たら憧れなんて抱きようがない。抱けるのはただ畏敬の念ばかりだ。
こんな真似したいとも思えない気持ちになるのはトム・クルーズのスタントくらいなものである。
「重力と呼吸」というアルバムに感じたのは、まだピークはこの先にあるということだ。全部出し切ったというよりも、これが新たな始まりであるということ。なので、次のアルバムがとんでもないことになるのではないかということだ。
しかし、僕はどこまでも愚かだった。
Mr.Childrenはモンスターだ。
何より、Mr.Childrenはライヴバンドではないか。
演奏×演出
"himawari"をライヴで初めて聴いた時に、音源で物足りなかったものが、全て払拭されてぶちのめされ、まさに「この曲でみなさんをこてんぱんにやっつけてやろうと思います」という桜井和寿の言葉の通りとなった。
その感覚を、アルバム全曲でやられた。
音源でどこか物足りなさを感じていた部分はライヴの爆発的なエネルギーで、破裂するための余地だったのだ。
それは観客と対峙することのエネルギーであり、ライヴという特別な空間がもたらす、生命の攻めぎ合い。
それを支えるスタッフワーク。
なんだ、このWONDERな演出の数々は。
床に仕込まれたLEDは照明としての効果と映像が流れる。それだけでも恐ろしいのだ。何故なら「重力と呼吸」。床に流れる映像を上から捉える視点、それでグラグラと心の均整が揺らいでいく感覚。
そしてセンターステージでの"花 -Mémento-Mori"で紗幕をスクリーンにした演出、"addiction"の可動スクリーン演出、"ハル"において上空をひらひらと舞う布地、どれもが新鮮で。
"風とメビウスの輪"の桜井和寿の絶叫からの照明は、今月だけでもPerfumeやSEKAI NO OWARIで凄まじい照明演出を見たのに、息をするのを忘れたほどだ。生で見てたらたぶん死んでた。
何よりそれらの技術が、ただ見せびらかすだけに終わらないことに、その感動はある。なぜなら、そのフレッシュな演出に負けないほど、演奏が強靭であるからだ。
逆にいえば、このMr.Childrenを表すには、ここまで演出が強くなければ太刀打ちできないのではないだろうか。
その鍔迫り合いがあるからこそ、これだけ凝ったステージながら、とてもシンプルで純粋な音楽への喜びがある。
1曲1曲語り出したら止まらないし、それも野暮と思えてしまう。
とにかく、見て欲しい。見なければわからないし、見ればわかるだろう。
僕は"Dance Dance Dance" のイントロと、"擬態"のイントロのチャーミングな田原健一で死亡したとだけ伝えよう。
さて、それでも書きたいことはたくさんあるので、特に記したいことをダイジェストで書いておこう。
①世武裕子
世武さん!?とまず驚いた。いや、アルバムとかに参加してるから何もおかしくないんだけど、まさかツアーにも参加したとは。
②セットリスト
アルバムツアーだけど、それ以外の選曲がどこまでも胸熱。ドームツアー「Against All GRAVITY」の方はセットリスト見ちゃってたけど、こちらのツアーはあまり情報がなく、セットリストも見るまで触れないようにしたので、次々演奏される曲たちにうちひしがれていた。
それは観客と対峙することのエネルギーであり、ライヴという特別な空間がもたらす、生命の攻めぎ合い。
それを支えるスタッフワーク。
なんだ、このWONDERな演出の数々は。
床に仕込まれたLEDは照明としての効果と映像が流れる。それだけでも恐ろしいのだ。何故なら「重力と呼吸」。床に流れる映像を上から捉える視点、それでグラグラと心の均整が揺らいでいく感覚。
そしてセンターステージでの"花 -Mémento-Mori"で紗幕をスクリーンにした演出、"addiction"の可動スクリーン演出、"ハル"において上空をひらひらと舞う布地、どれもが新鮮で。
"風とメビウスの輪"の桜井和寿の絶叫からの照明は、今月だけでもPerfumeやSEKAI NO OWARIで凄まじい照明演出を見たのに、息をするのを忘れたほどだ。生で見てたらたぶん死んでた。
何よりそれらの技術が、ただ見せびらかすだけに終わらないことに、その感動はある。なぜなら、そのフレッシュな演出に負けないほど、演奏が強靭であるからだ。
逆にいえば、このMr.Childrenを表すには、ここまで演出が強くなければ太刀打ちできないのではないだろうか。
その鍔迫り合いがあるからこそ、これだけ凝ったステージながら、とてもシンプルで純粋な音楽への喜びがある。
1曲1曲語り出したら止まらないし、それも野暮と思えてしまう。
とにかく、見て欲しい。見なければわからないし、見ればわかるだろう。
僕は"Dance Dance Dance" のイントロと、"擬態"のイントロのチャーミングな田原健一で死亡したとだけ伝えよう。
好きなポイント(ダイジェスト)
さて、それでも書きたいことはたくさんあるので、特に記したいことをダイジェストで書いておこう。
①世武裕子
世武さん!?とまず驚いた。いや、アルバムとかに参加してるから何もおかしくないんだけど、まさかツアーにも参加したとは。
②セットリスト
アルバムツアーだけど、それ以外の選曲がどこまでも胸熱。ドームツアー「Against All GRAVITY」の方はセットリスト見ちゃってたけど、こちらのツアーはあまり情報がなく、セットリストも見るまで触れないようにしたので、次々演奏される曲たちにうちひしがれていた。
あのアレンジで"and I love you"始まった時に心臓止まるかと思った。
購入特典で全部にAEDをセットに付けてくれ
③アレンジ
そのアレンジについて。原曲に忠実にって曲、なかったんじゃないか。それくらい、どの曲も全く印象が異なった。それにしてもバンドとしてベテランの風格もありながら、まだ瑞々しさまで放つって、化物。
④大丈夫じゃない
最初の方で、曲終わりにあまりに場内が鎮まりかえって「こんな静寂聴いたことありません、大丈夫ですか?」と桜井和寿が言うけど、とりあえず僕は序盤の圧巻の流れでもう大丈夫じゃなかった。
⑤映像
Mr.Childrenのライヴ映像作品は途中でドキュメンタリー挟んだり、演出が入ったりすることも多いんだけど、今回はライヴのスタートからラストまで、一貫してライヴを見せることに終始する。ここまでライヴだけをちゃんと見せる作品は実は久しぶりでは。
⑥ギター
田原氏相変わらずほとんど1曲ごとにギター持ち換えてるってくらい、色々使ってる。毎回見たことないの増えてる気が(今回だと"擬態"で使ってたグレッチ)。そして、"here comes my love"で桜井和寿がレスポール弾いてて新鮮だった(もちろん桜井和寿がギターソロを弾くという)。
⑦ナカケー
中川敬輔のベースがいつもより、より骨太になっていた気がする。そして、"海にて、心は裸になりたがる"で桜井和寿にマイクを向けられて叫ぶナカケーは完全にハイライトのひとつ。今回の映像を見て、過去最高にMr.Childrenの「バンド感」を感じて、それを思わせたのは間違いなく中川敬輔のベース。
⑧ジェン
鈴木英哉のドラムも相変わらず素晴らしいのだけど、改めてこの人のスネアは特徴的だなと思う。機材が変わって音色は変化してもその出音には必ず「ジェン節」ともいえる抜けの良いスネアが聴こえる。合わせて、今回のアレンジの数々を支えた多彩なドラム表現は必見。
⑨バンド感
上でも少し触れたが、バンド感について。なぜこんなにも強く感じたのかと思った時に、前回が25周年の「Thanksgiving 25」でホーンやストリングスなどをふんだんに盛り込んだものだったからだろう。そのお祭り感も大好きだが、こうしてMr.Children4人の音が最大限に活かされるような曲が多かったように感じる。それを支えるsunnyと世武裕子のキーボードが本当に良い調和を見せていた。
⑩桜井和寿
やはりこの人は凄い。今回も最初から出し惜しむことなく全開だ。だから3曲目くらいでもうTシャツになっていた。そして冒頭で「大丈夫?」と言っていたこの人のTシャツはとんでもなく汗に濡れ、あなたの方が大丈夫?と心配になるほど。しかしながら最後まで全く途切れることなく全力を保つ辺りがさすが一気にスターダムを掛け上がった(本人談)風格。
正直、ここまで凄いと思ってなかった。
桜井和寿が「みんなMr.Childrenのライヴを見に行こうと思って来てくれてるんだけど、今日はそれ以上のMr.Childrenの姿を見せます」と言っていたことに、今となっては全力で首肯くしかない。
これを書いてる今「重力と呼吸」のアルバムを聴くと、全く違って聴こえる。我ながらなんと単純なことか。どこまでも愛しい。謝罪しかない、如何に釈迦に説法であったか。
けれども、やはりライヴでの爆発的なエネルギーはとんでもないものであったとも再認できる。
僕は「シフクノオト」が映像作品としては大好きだったけど、もしかしたらこれは、抜いたかもしれない。
25周年を越えて、その先でまだまだ更新を続けるMr.Childrenに、ただただ感服するしかない。
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Mr.Childrenアルバム「重力と呼吸」 が、物足りねぇ
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購入特典で全部にAEDをセットに付けてくれ
③アレンジ
そのアレンジについて。原曲に忠実にって曲、なかったんじゃないか。それくらい、どの曲も全く印象が異なった。それにしてもバンドとしてベテランの風格もありながら、まだ瑞々しさまで放つって、化物。
④大丈夫じゃない
最初の方で、曲終わりにあまりに場内が鎮まりかえって「こんな静寂聴いたことありません、大丈夫ですか?」と桜井和寿が言うけど、とりあえず僕は序盤の圧巻の流れでもう大丈夫じゃなかった。
⑤映像
Mr.Childrenのライヴ映像作品は途中でドキュメンタリー挟んだり、演出が入ったりすることも多いんだけど、今回はライヴのスタートからラストまで、一貫してライヴを見せることに終始する。ここまでライヴだけをちゃんと見せる作品は実は久しぶりでは。
⑥ギター
田原氏相変わらずほとんど1曲ごとにギター持ち換えてるってくらい、色々使ってる。毎回見たことないの増えてる気が(今回だと"擬態"で使ってたグレッチ)。そして、"here comes my love"で桜井和寿がレスポール弾いてて新鮮だった(もちろん桜井和寿がギターソロを弾くという)。
⑦ナカケー
中川敬輔のベースがいつもより、より骨太になっていた気がする。そして、"海にて、心は裸になりたがる"で桜井和寿にマイクを向けられて叫ぶナカケーは完全にハイライトのひとつ。今回の映像を見て、過去最高にMr.Childrenの「バンド感」を感じて、それを思わせたのは間違いなく中川敬輔のベース。
⑧ジェン
鈴木英哉のドラムも相変わらず素晴らしいのだけど、改めてこの人のスネアは特徴的だなと思う。機材が変わって音色は変化してもその出音には必ず「ジェン節」ともいえる抜けの良いスネアが聴こえる。合わせて、今回のアレンジの数々を支えた多彩なドラム表現は必見。
⑨バンド感
上でも少し触れたが、バンド感について。なぜこんなにも強く感じたのかと思った時に、前回が25周年の「Thanksgiving 25」でホーンやストリングスなどをふんだんに盛り込んだものだったからだろう。そのお祭り感も大好きだが、こうしてMr.Children4人の音が最大限に活かされるような曲が多かったように感じる。それを支えるsunnyと世武裕子のキーボードが本当に良い調和を見せていた。
⑩桜井和寿
やはりこの人は凄い。今回も最初から出し惜しむことなく全開だ。だから3曲目くらいでもうTシャツになっていた。そして冒頭で「大丈夫?」と言っていたこの人のTシャツはとんでもなく汗に濡れ、あなたの方が大丈夫?と心配になるほど。しかしながら最後まで全く途切れることなく全力を保つ辺りがさすが一気にスターダムを掛け上がった(本人談)風格。
正直、ここまで凄いと思ってなかった。
桜井和寿が「みんなMr.Childrenのライヴを見に行こうと思って来てくれてるんだけど、今日はそれ以上のMr.Childrenの姿を見せます」と言っていたことに、今となっては全力で首肯くしかない。
これを書いてる今「重力と呼吸」のアルバムを聴くと、全く違って聴こえる。我ながらなんと単純なことか。どこまでも愛しい。謝罪しかない、如何に釈迦に説法であったか。
けれども、やはりライヴでの爆発的なエネルギーはとんでもないものであったとも再認できる。
僕は「シフクノオト」が映像作品としては大好きだったけど、もしかしたらこれは、抜いたかもしれない。
25周年を越えて、その先でまだまだ更新を続けるMr.Childrenに、ただただ感服するしかない。
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Mr.Childrenニューアルバム「重力と呼吸」を想って、ミスチルがいる世界を憎む
Mr.Childrenアルバム「重力と呼吸」 が、物足りねぇ
「Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25」Blu-rayレビュー
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