2024年4月28日日曜日

【ライヴレポ】THE YELLOW MONKEY SUPER BIG EGG 2024 "SHINE ON"








暁に、果てるまで──


2024年4月27日(土)

THE YELLOW MONKEYが一夜限りの東京ドームを行った。

実は当初別の予定が入ってしまい、行けないかもということもあって見送ろうとしていたんだけど、なんとか行ける算段になったので、チケットを確保することにした。

一般販売ではすでに通常の指定席は売り切れており、残っていた注釈付き指定席を購入。所謂「見切れ席」である。

すっと情緒を揺さぶられる、凄まじい夜だった。
その大切な夜の記録を残そう。


※敬称略




BIG EGG




この日を迎えるまでのTHE YELLOW MONKEYの過酷な運命は、ライヴ途中で直接触れられるので、そこで書くことにする。

それを知る者は、どれほどこの日を無事に迎えられた喜びに溢れただろうか。

久しぶりの東京ドームは、やはり大きかった。

集まった人々の前のめりなほどの圧を強く感じる。

スクリーンのカウントダウンの秒数が2桁になってから、その熱は増していく。
割れんばかりの拍手と、すでにクライマックスのような歓声。

オープニングのシーケンスからメンバーが登場。

このようにして夜は訪れ、そのステージは吉井和哉の語りから始まった。


吉井:Everybody!遂にこの日がやってきました。今宵は「SHINE ON」、俺たちと皆さんが最も輝く夜にしたいと思います。
2020年に、声が出せなくなったとき。皆さんからたくさんの声を集めて、この東京ドーム、2万人、小規模で集めてやらせてもらいました。その時の声も、今夜ここで一緒に復活させたいと思います。
それでは今日は遠慮なく、たくさん大きな声で騒ごうぜ!yeah!


1. "バラ色の日々"
ピアノのフレーズから、もうこの曲がくることはわかっていた。
何より2020年、この場所に僕は居た。

コロナ禍のなか、少しずつライヴが手探りで再開されていたなか、THE YELLOW MONKEYは有観客として、当時最大規模の東京ドーム公演を敢行した。

その模様は以前レポに残しているので、あとで読んでいただければ幸いだ。

だからこそ、あの「LIVE LOUD」の声まで復活させてくれたことがとにかく嬉しくて、もう最初から感極まってしまう。


2. "SHINE ON"
こんな序盤でやると思ってなかったの、結構ビックリした。
スクリーンには今回のライヴのロゴが映っていた。改めて曲を聴くと今度出るアルバムのキーワードが散りばめられているし、このギラギラとしたトーンはアルバム全体のカラーにも繋がりそうだ。この傾向、楽しみしかねぇ。

関係ないけどこの曲で「夜通し呑んだらぐでんぐでんで」って歌詞があるけど、僕はこの日諸事情で昼から日本酒呑んでたりしてぐでんぐでんになるところだった。


吉井:改めまして元気でしたか東京!
いやもう本当に、ここまで長かったです。色々と言いたいことはありますけど、今夜はそういうことよりもとにかく、THE YELLOW MONKEYのロックンロールを久しぶりにぶちかましたいと思います。
そんなにヒット曲はありませんけど、大ヒット曲のオンパレードでいきたいと思います!


自虐的に言っていたけど、ここから怒涛の展開となっていく。


3. "Romantist Taste"
嘘? 嘘やろ?? 嘘やろ??? イエッサーーーーー!
もう興奮しすぎてネジが飛んだ。やると思ってなかったもん。

しかも菊地英昭がライト側、つまり自分側のサイドステージに歩いてくる。もう無理、理性なんて消し飛んだ。何あのグリーンがかったエクスプローラー、めちゃくちゃカッコイイ。

見切れ席はステージのほぼ真横ではあるんだけど、その分ステージにも結構近い。
それでスタンドの高さで見られるから、サイドステージに来るとしっかり人間の大きさとして認識できる。カッコイイ以外の語彙力がない。もう無理。

何もかも嬉しすぎて"バラ色の日々"から溜めてた涙が、もう滝のように流れたさ。


続くドラムのリズムとギターで曲が判り場内が沸く。

吉井:前にここでやった時は声が出せなかったら、身体で表現してもらいましたが、今日は声が出せるので声と身体で表現してもらいます。


4. "Tactics"
このコール&レスポンスの喜び。曲としても一段と感性が大きかったと思う。
最後のツインギターが何度聴いても最高だ。幸せ。


菊地英昭のギターが響く。空間系とデジタルディレイのエフェクトをかなり効かせていて、そこに要所要所でワーミーペダルも加えていたので、かなり特徴的な音作りになっていた。
ロングトーンやタッピングも使ったりして、ずっと聴き惚れてしまう。あと3時間聴いていたい。
しかしながら、このタイミングで演奏中に「ロビンー!」って叫んだバカ、本当に許さねぇからな。お前帰れ。

ソロが終わり、イントロと共にまだ「ふわぁ」という声が出てしまう。


5. "聖なる海とサンシャイン"
モノクロ調の海の映像が流れる。メンバーの映像も、色調を落としたセピア調の演出になっていてよかった。全体的にアッパーなセットリストの中で、こういう曲が来るとしっかり締まるという感覚になる。

菊地英二と廣瀬洋一のドッシリとしたリズム隊の安定感と安心感。菊地英昭のフロントPUを使ったギターソロも大好物である。

吉井和哉のヴォーカルも、まだ高音部では苦しそうで出し切れていない部分もあるが、この曲における落莫たる想いとうまく重なって聴こえた。


6. "BURN"
間髪入れずに咬まされたイントロに、場内にどよめきに近い悲鳴が挙がる。
この曲って体感としては、特に男性陣の反応が一段と高くなる気がする。"BURN"は身体の芯が奮い立つような感覚になる。


7. "ROCK STAR"
漠然と、僕はこの曲を聴く度に海外のロックスターが死んだ場面を思い浮かべていた。
それこそ前回のドームの時期はデヴィッド・ボウイの喪失が大きかった。

しかしながら、ここ最近だけでもチバユウスケや櫻井敦司がこの世を去ったように、最近はどうしても日本のミュージシャンの死が目に付くようになった。みんな、早すぎる。

この後に語られるけど、THE YELLOW MONKEYにとっても、決してそれは他人事ではないものとなった。それでも、今はまだ僕らを踊らせてくれるこの瞬間を噛み締めよう。


吉井:thank you thank you!ありがとう !I love you!
帰ってきました。2020年東京ドーム2Daysほぼソールドアウトしたのに、その先は言わないけど。因縁の東京ドーム、その後にコロナもあったり、皆さんも大変なことがあったと思いますが。この4年のブランクがあり、平均年齢が58歳というバンドになるにも関わらず……
(なんか仕草してる廣瀬洋一に向かって)……いやいや。言っちゃうけどヒーセね、今日ね興奮しすぎて一睡もしてません。いないだろ!こんな61歳、遠足じゃねぇし。

吉井:そして何よりTHE YELLOW MONKEY復活祭、居ますよ。古くからのファンの人はお気づきでしょうが。90年代のTHE YELLOW MONKEYの数々の曲を支えてくれた、名キーボードプレイヤー三国義貴!ヨシタカちゃん!若く見えるけど70歳ですから
三国:(手を横に振りながら)来年だよ!
吉井:「みなしごハッチ」のお母さんのモデルになった人ですから
三国;違うよ!
吉井:そしてこちらには、再集結からTHE YELLOW MONKEYを支えてくれてる鶴谷崇 大先生も。今日は左右でLRでお届けします。

吉井:いやー最高だ。東京ドーム。中止になってねぇぞ!……今のところ。
最近は外国人の旅行客が増え、ホテルも取りづらくなったとXで見かけます。なのに、家庭の事情も突破して、色々な事情があったでしょう。ここに来るまで本当に大変な想いをして来てくれてありがとう。
そして、運が悪くかどうかわからないけど端っこになってしまった方、後ろになってしまった方、端っこで申し訳ないですけど、今日は皆さんのハートのド真ん中に届けます。
「楽園」にいきましょう!

端っこの見切り席にいた自分歓喜ですよ、こんなこと言われたら。
それにしても、映像でしか見たことがなかった三国さんのキーボードをようやく味わうことができて、本当に感無量である。しかもツインキーボードなんてね。


8. "楽園"
9. "Spark"
まだまだ勢いは止まらない。
この2連発でもう筋肉痛になりそうだ。吉井和哉は前方エリアの客席へ向かい、頭ワシャワシャされた女性ファンを見て後ろにいた方が「良いなぁ」とときめいていた。

ここで菊地英昭が青紺系の色のSGを使ってて珍しいなと思った。


菊地英二によるドラムソロ、後半はそこに廣瀬洋一が加わりリズム隊によるセッションとなった。
ドラムとベースだけであっても、人間はこんなに感情を揺さぶられるのだ。


10. "ソナタの暗闇"




今月発表されたアルバムに先駆けて配信された最新曲。
スクリーン全体に歌詞を散りばめた演出がめちゃくちゃ格好良かった。文字配置といいフォントといい、演出だけでも圧倒される。これステッカーにしてくれないかな。今この記事を書いてるMacBookに貼りたい。

この曲は特にベースがもう主役だろってくらい、廣瀬洋一の存在を大きく感じさせられた。


11. "天道虫"
ステージそこそこ近いから最後のサビの花火にビックリした。
全体的には昔の曲が多いなかで、こうした曲がしっかり食い込んでくるのは嬉しいよね。


12. "太陽が燃えている"
ヒット曲オンパレードは伊達じゃない。見るベストアルバム過ぎる。

菊地英昭も客席に向かったと思ったら、そのままずっと通路を進んでいて、アリーナ後方の真ん中あたり行ったと思ったら、そこに設けられたステージも迫り上がる仕様になっていた。
フライングVを掲げる姿、カッコ良すぎないか(エマに関しては語彙が消失する)

吉井和哉が照明に触って「熱っ」って言った後すぐに「熱くなーい」って言ってたの笑った(本当は熱かったけど心配かけないために戯けた可能性もあると思う)



吉井和哉と命




ここでメンバー全員が一度ステージを掃けて、映像が流れる。
それは初期の咽頭癌を宣告された吉井和哉と、それを知ったメンバーの言葉。

特に菊地英昭の「本人の気持ちが固まるまでは黙っておこうかなと思っていた」という言葉が優しすぎる。

そして、映し出された痛ましいレントゲン写真に、場内に静かな悲鳴が木霊する。
様々な言葉たちが胸を打つけど、

「急に星回りが変わった気がする」

という吉井和哉の言葉がずっと頭に残っていた。

2023年9月、吉井の回復具合から年末の日本武道館公演は中止の判断となった。

ライヴに絶対はない。そんなこと音楽好きをやってきて、何度となく味わった。
だからライヴを見届けられた喜びは、何にも勝るものなのだ。

「ずっと死にたくないと思ってきたけど、癌になってからあまりそれはなくて。『そっか』みたいな、下手したらもう死んでるんだなみたいと思ったら。人はみんな死ぬし、人は過去には戻れないし。みんな平等に死は訪れるし、それを恐れることはないかって。すごく命とは何かを考えた数年間じゃないですか。みんなそうだと思うんだけど。
だから終わり方はなんでしょうね」

この言葉の最後に鳴ったイントロが、今度はステージから直接届けられる。



13. "人生の終わり(FOR GRANDMOTHER)"


間違いなくこの夜の核であり、ハイライトとなった曲だ。

そういえば初めてライヴで聴いたなと思って調べたら、最後に披露したのは1999年3月10日「PUNCH DRUNKARD TOUR」最終日の横浜アリーナ公演以来だという。

つまり四半世紀ぶりに披露されたことになる。

歌詞が映し出されたこともあり、あの映像を想いながら、胸を抉られるような心地であった。

僕は死神に気に入られた旅人

この夜のために書き下ろされたかのような、そんなことさえ考えてしまう。

チバユウスケが亡くなり、最低限ミシェルを履修してきたレベルの僕ですら打ちのめされて哀しい、悔しい気持ちでいっぱいになった。それだけ日本のロックというものが大きなものを失ったと思ったからだ。

そして、吉井和哉の咽頭癌のニュースを見て、僕は一瞬でも一瞬以上に「吉井和哉の喪失」を想像してしまった。まだ、ずっと先のいつかの話だと思っていたそれ。
しかし、チバユウスケは食道癌で55歳にしてこの世を去った。もちろん、他の例を出せばキリがない。

だからこそ、僕はこのライヴをなんとしても見届けたいと思い、色々な事情を突破(ぶっぱ)してチケットを取ったのだ。
白状しよう、怖くて怖くて仕方なかったのだ。もしかしたらイエモンを見られるのはこれが最後かもしれない、とまで思って僕はドームに足を運んだ。もちろん吉井和哉は快方に向かっているようだけど、僕はその呪縛に囚われていたのだ。


続くドラム、笑ってしまった。これだけこちらがシリアスになっているのに、これをぶつけてきやがった。


14. "SUCK OF LIFE"
もちろん曲としてはスラングとして「しゃぶる」的なミーニングとして使っているけど(久しぶりのロビン×エマの"絡み"もあったし)、この流れじゃ「SUCK=最悪」って意味合いがどうしても思わずにいられないじゃん。

それくらいこの曲での「LIFE」という言葉の意味が強まったと思う。



15. "LOVE LOVE SHOW"
towaie 踊ろうよ ※ドレスコーズ"towaie"より
こんなに楽しい夜なんだからさ。なんて素敵で、最高最悪のLIFEじゃないか。

もう刹那的な衝動だって良いんだ。
だってそれがライヴなんだから。

さっきまであんなシリアスな気持ちになっていたのに、ここではもう楽しくて楽しくてそれが全てだった。


吉井:楽しんでますか。色々ありまして、本当生まれて生きて50年過ぎると色々なことがあるし。ますますね、想像しにくい世の中になっていっているような気がします。
でもこうやってまたステージに立てて、THE YELLOW MONKEYのロックンロールを一緒に楽しむことができて、今日は本当にね、ありがたく思ってます。どうもありがとう。


吉井:そうだ、こんな状況の中THE YELLOW MONKEY、アルバムが完成しております。皆さんご存知の通り「Sparkle X」という10枚目のアルバムが完成しました。まぁ本当に、当たり前のようにロックをやることが、こんなに色々視界が見えづらくなるのかなって思いますけど。
みんな同じように歳を重ねるし、自分だけがとか思わないし、それぞれ大変だし。その中で思い正すこともあって創ったアルバムです。今までのTHE YELLOW MONKEYの旨み成分はちゃんと残しつつ、新しい、みんなで楽しみながら創ったアルバムですので、発売日を心待ちにしていただければと思います。
「Sparkle X」の中に入っている曲の歌詞の中に<人生の7割は予告編で 残りの命 数えた時に本編が始まる>本当にそう思って、この曲を創りました。一緒に、まぁまだお若い方もたくさんいると思いますが、一緒に本編を楽しみたいと思います。


16. "ホテルニュートリノ"





この2トーンスカっぽい裏打ちの雰囲気が大好物。THE YELLOW MONKEYの中でもあまりなかった曲調かと思う。
元々ドラマ主題歌だったこともあって、そのタイアップ要素も取り入れているのだろうけど(ドラマが未見で申し訳ない)、それでも積み上げてきたもの、ドミノに例えられるその脆さというテーマは、ここまでのライヴ本編とは決して切り離せないだろう。

タイトルはダブルミーニングっぽいけど、どうしても「ニュートリノ」という言葉が引っかかる。素粒子のことであるとして、そうすると歌詞にある「大事なものが見えないなら 繋いでく 意識だけ」というフレーズが重なると思えるのだ。

見えないもの、それはきっと音も同じで、それがこうして集まった人々に、或いは配信を見ていた方へ目に見えない電波に乗せて届いて、繋がっていく。








アンコール




吉井:(アコギを鳴らしながら)おこんばわ。東京ですよー。東京のバンドですよー。東京のドームですよー。
まだここでやったことのないTHE YELLOW MONKEYの大ヒットナンバーがありましたよー。260万枚を売り上げる予定だった、東京のブギウギが前置きについたこの曲でございます。やらせてもらっていいでしょうか。それでは失礼します。



17. "東京ブギウギ"〜"アバンギャルドで行こうよ"
キタ――(゚∀゚)――!!(死語) 状態。
年末にやれなかったこれが、東京ドームで春にやることになるとは。しかしながら、今回は「おそ○ブギウギ」ではない原曲準拠なので全年齢OKである。
それにしても"アバンギャルドで行こうよ"が聴けると思ってなかったので、めちゃくちゃ嬉しい。大好きなんですよ、この曲。ところでちゃんと聴き取れなかったけど2番で「satisfaction」とか言い換えてたよね?



18. "ALRIGHT"
イントロで1番叫んだ。本編を見て、この曲をどうしても、どうしても演ってほしかったのだ。
吉井和哉は通路を練り歩き、時にファンのタオルで汗を拭っていた(あの方もうあのタオル洗えず家宝になるだろうな)。

ここまで読んでくれた方には言うまでもないが、2016年の再集結時に発表された曲である。
そのためのフレーズが散りばめられているんだけど、今の僕らが聴くと、それはまた違って聴こえる。

何よりもここでこうしてることが奇跡と思うんだ
命はいつか果てるだろう だけど 最高の出会いが

再集結してくれたから聴けたこのフレーズが、生きてくれたから聴けたフレーズとなった。
再終結後も聴くたびに大きくなっていった曲だと思うんだけど、ここで更にその意味が深った。人間って枯れてもなお涙って出るんだな。


吉井:暁に果てるまでー!悲しき!ASIAN BOY!


19. "悲しきASIAN BOY"
言うまでもないだろう。これこそがTHE YELLOW MONKEYだ。
それにしても病み上がりで、ここまで歌ってきて、何でまだこれだけパワフルなの。"ALRIGHT"のアウトロなんて走ってたよ。


吉井:thank you Tokyo, thank you Japan!あ、外タレになっちった。本当にどうもありがとう。
なんか、すげーアドレナリンが出た。(ヒーセを向いて)大丈夫?眠くない?
この満員の東京ドーム、皆さんの歓声、何だろう俺たちの宝物とかそういう次元じゃない、その歓声のために音楽をやり続けています。
観客:歓声
吉井;そう!それよ!あー気持ちいい!イヤモニなんかしたくねーよ!
観客;大歓声
吉井:ね!そう、アルバムができたってことは……
観客;おー!(ツアー?)
吉井;ごめんね、俺まだ完璧な声になってないけど、少しずつちゃんと治ってきてるから。
ごめんね、なんの保証もないまま確信もないまま東京ドームやっちゃって本当に申し訳ないけど。本当にごめん、でも皆さんの歓声があるからできると思った!大谷翔平さんがいいことを言いました「ファンの歓声が1番のドーピングです」って。今日この球場に立って「ホームランって本当に遠くに飛ぶんだな」って感心しました。だけど、俺たちは遠くまで音楽を飛ばします。


何度も「ごめんね」って言うけど、そんなこと言わないでって会場全員が思っていたと思う。


吉井;えーそれじゃあ、本当に色んな人がこの日を願ってくれて。願いの力強さ、祈りの確かさにすごく確信を得ている最近です。とにかく願えば絶対に叶うという、これからもTHE YELLOW MONKEYと人生を共にしてください。thank you!good night!


20. "JAM"
東京ドームという舞台で、この曲をやらないわけがない。

決して万全のコンディションとまでは回復していなくとも、この夜のTHE YELLOW MONKEYの、吉井和哉の想いはしっかりと届いている。

歌は声を届けることではない。

歌は想いを、魂を届けるための手段でしかないからだ。

2番のサビを会場に委ね、孤独な歌が東京ドームに響く、それでも1人たちが集まれば、こんな力となる。


ちなみに配信ではここで映像が終了していたようだが、アーカイブではダブルアンコール、もちゃんと復活していた。

会場ではそのダブルアンコールまでの間に新曲の映像が流れていた。
おそらく新しいアルバムのラストナンバー"復活の日"と思われるが、これがまた強烈であった。

「oh it's restart of my world」と繰り返されるシンガロングなコーラス(サビ)パート、それが「復活の日にぴったりだ」で結ばれる。

この曲でも「先に旅立ってしまった人々」を表すフレーズがあって、"人生の終わり(FOR GRANDMOTHER)"へのアンサーソングのようにも響いた。


再度現れたメンバー。

12弦のアコギを掻き鳴らし、吉井和哉が叫ぶ。

吉井:ようやくまたこれが言えると思います! THE YELLOW MONKEYは永久に不滅です!ウェルカム!


21. "WELCOME TO MY DOGHOUSE"
ようこそ、大きな犬小屋へ。
急遽とは言いつつ、アコギまで準備していたから多分やるつもりは満々だったとは思う。けど、もしかしたら吉井和哉の喉のコンディション次第では、本当に確定でなかったダブルアンコールかもしれない。

充実した時間を噛み締めるように、一音一音を大切に記憶に留めてゆく。

無闇に未来を期待してはいけないけれど、僕はやっぱりこの音がまだ長く響いていてほしい。「今度は2Daysやるぞ!」と言い放った吉井和哉の言葉に、未来を期待せずにいられるだろうか。


「"暁"とは夜明け前の闇の時間を言います」ポルノグラフィティファンの僕として、岡野昭仁の言葉をどうしても思わずにはいられない。


「暁に果てるまで」


吉井和哉は叫ぶ。

また明日を待っている僕らに、夜明けはまだ遠い。


【セットリスト】
01 バラ色の日々
02 SHINE ON
03 Romantist Taste
04 Tactics
05 聖なる海とサンシャイン
06 BURN
07 ROCK STAR
08 楽園
09 Spark
10 ソナタの暗闇
11 天道虫
12 太陽が燃えている
13 人生の終わり(FOR GRANDMOTHER)
14 SUCK OF LIFE
15 LOVE LOVE SHOW
16 ホテルニュートリノ

17 東京ブギウギ〜アバンギャルドで行こうよ
18 ALRIGHT
19 悲しきASIAN BOY
20 JAM
21 WELCOME TO MY DOGHOUSE




NHK 「SONGS」第493回 THE YELLOW MONKEY の"Horizon"がダメ、本当にダメ


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