Mr.Childrenの25周年ツアーの日産スタジアム公演初日に参戦してきた。
日産スタジアムでミスチルを見るのは3度目、前回の「未完」ツアー以来となる。
25周年に相応しい、出し惜しみのなしの3時間を越える公演であった。
以下はネタバレを含むためツアーにこれから行く方はご注意を。
間違いなく余計な予備知識なしで見た方が楽しめる内容なので、まっさらな気持ちで参戦していただきたい。
短く抑えたいと思いつつも、案の定長くなったため、記事を前後編に分けてアップする。
※文中の敬称略
Mr.Children DOME & STADIAM TOUR 2017「Thanksgiving 25」
8/5 日産スタジアム
セットリスト
01. CENTER OF UNIVERSE
02. シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~
03. 名もなき詩
04. GIFT
05. Sign
06. ヒカリノアトリエ
07. CROSS ROAD
08. innocent world
09. Tomorrow never knows
10. Simple
11. 思春期の夏~君との恋が今も牧場に~
12. 365日
13. HANABI
14. 1999年、夏、沖縄
15. 足音 ~Be Strong
16. ランニングハイ
17. ニシエヒガシエ
18. himawari
19. 掌
20. Dance Dance Dance
21. fanfare
22. エソラ
EN01. overture~蘇生
EN02. ポケット カスタネット
EN03. 終わりなき旅
感想(1)
セットリストを見ても分かる通り、近年稀に見るほどシングル曲を多く含むベストヒットな内容。
ステージはかなりシンプルな造りで、横長に広がったスクリーンが存在感を放っていた。
定刻を10分ほど過ぎた頃、そのスクリーンには過去のアートワークをコラージュしたオープニングの映像が流れる。サポートメンバーによる演奏が入りつつ("over"にグッときた)、メンバーが登場。
歌い出したのは"CENTER OF UNIVERSE"だ。
1曲目はなんだろうと思っていたがこう来たか。
でも本当に価値ある物とは一体何だ?
国家 宗教 自由 それとも愛
1日中悩んだよ でも結局それって理屈じゃない
国家 宗教 自由 それとも愛
1日中悩んだよ でも結局それって理屈じゃない
セットリストを踏まえてからあらためて歌詞をみると、あの3時間の全てが詰まっていたではないか。
理屈にならない気持ちを音楽に乗せて叫ぶ、そして想いは「あぁ世界は素晴らしい」と着地する。
実は1曲目にしてこのライヴの総まとめでもあるかのよう。
序盤、序盤とは思えないほど、ミリオンヒットを惜し気もなく披露。2曲目にしてカラーテープが飛ぶし、老若男女問わず口ずさめる曲が次から次へと演奏される。全部メインディッシュである。
それを分かっているかのように、桜井和寿はサビで観客に歌わせる。そうどの曲も「みんなの歌」なのだ。
面白いなと思うのが、"Tomorrow never knows"はライヴで何度か聴いているが、サビは必ず桜井和寿が歌うこと。もちろん途中入る合いの手に関しては観客が歌うが、歌部分については絶対に譲らないことである。
※例外があったらすみません
それはこの曲が「みんなの歌」ではなく、「僕の歌」だからだ。「孤独なレース」の中まだ見ぬ明日を掴もうとする主人公、こうした曲のメッセージを伝える場面はキッチリと歌いきってくれた方が曲のメッセージも活きる。
3曲目の"名もなき詩"を終えた後に桜井は言う。
みんな暑い中待っててくれて、そんな人のために物販に扇風機を置いたり、かき氷を用意したりしました。
そして『Thanksgiving』と題しているとおり、何をやるのか期待していることでしょう。今日はその期待を遥かに、遥かには言い過ぎ? いや、遥かに越えるように考えに考えてきました。その中でこの曲は外せないなという曲をやりたいと思います
そして『Thanksgiving』と題しているとおり、何をやるのか期待していることでしょう。今日はその期待を遥かに、遥かには言い過ぎ? いや、遥かに越えるように考えに考えてきました。その中でこの曲は外せないなという曲をやりたいと思います
そこから"GIFT"へと移る。
"GIFT"後には「みんなからの拍手とか声、少しでも見落とさないようという想いをこめてこの曲を」と"Sign"。
この二つのMCが短いながらも感動的であった。序盤とは思えぬ選曲、しかしちゃんと意味のあるものであるということがMCから伝わってきたからである。
このタイミングでこの曲をやるということの意味、後からしっかり考えれば伝わるものでもあるが、ちゃんと言葉にすることで、会場がさらに一体となる効果があった。
感想(2)
ライヴの構成としてかなり早いと思ったが6曲目にして、もうセンターステージに集まっての演奏となった。
今回は総勢11人のステージメンバーで、サウンドも豪華である。しかしながら、しっかりと押し引きのアレンジがなされていて、ただ音圧を上げるためにいるというわけではない。
適材適所の場所に配置されて、大人数でありながらもかなり耳馴染みの良いアレンジとなっていた。そして、CDの時のアレンジの再現性もかなり高くなっていた。
センターステージでは"ヒカリノアトリエ"が披露された。かなりアコースティックな印象で、田原健一はミニサイズのアコギで彩りを加える。
ここではチャラン・ポ・ランタンの小春の力が大きいといえるだろう。
最近のライヴ音源を聴いていてもMr.Childrenの音楽とアコーディオンの相性の良さには驚かされる。
その中でも最もアコーディオンをフィーチャーした楽曲が"ヒカリノアトリエ"である。コーラスで彩りも加え、ステージには優しい時間が流れていた。まるで小さなホールで演奏しているかのようだった。
センターステージでの桜井和寿一人で弾き語りされた"Simple"の感動もひとしおの後、浸ってる間にスクリーンには映像が。
「思春期」にまつわる、時に真面目でほとんどふざけたような内容のものだ。
「思春期」というキーワードから"思春期の夏~君との恋が今も牧場に~"へ。あまりにも意外な選曲は、ハードなセットリストの中で桜井を休ませるためだろう。
もちろんJENがヴォーカルを取る。正直13年ぶりくらいにこの曲聴いた気がする。だいぶ陽も落ちてきて涼しい風が吹くなか、ポップな映像も相まって、ホッと一息つけるひとときであった。
一転して、桜井和寿の切々としながらも希望に満ち溢れたバラード"365日"、夏の野外には欠かせない"HANABI"と比較的新しい曲で聴かせる。
"HANABI"の2番の後に観客が自然にCメロを歌う。しかし、実際は8小節間をあけるアレンジとなっていたのだった。
予想外の展開に曲終わりで「あそこ歌えるんだ!想定外でした。嬉しい方に!」と顔を綻ばせた桜井が印象的であった。
こうしてライヴの前半が終わった。
感想(3)
今日はほとんどシングル曲なんですけど、次の曲はそうではありません。でも、僕らにとってとても大切な旅について歌ってます。
人と人の出会い、人を愛すること、家族、自由、平和、日本とは、ということをこの曲の中にこめてます
人と人の出会い、人を愛すること、家族、自由、平和、日本とは、ということをこの曲の中にこめてます
そう言ってアコギを手に歌い出す。
"1999年、夏、沖縄"
「NOT FOUND」のカップリングナンバーである。
このタイミングでくるとは。これもとても予想外の選曲であった。
フォーク調の曲であるが、少しずつ楽器が重なり、歌も熱を帯びていく。
「でも本当に価値ある物とは一体何だ?」という1曲目の"CENTER OF UNIVERSE"の歌詞へのアンサーがこの曲ではないかと思った。それこそが、
あぁ そして君にこの歌を聞かせたい
あまりにも純粋な願いだ。
音楽に希望を抱くなんて野暮なのかもしれない。でも「音楽をやりたかった」そんな純粋な桜井和寿の声が全て肯定してくれた、そんな気がした。
曲の終盤では語りが挟まれた。
25周年目を迎えました。デビューした時にはこんな日がくるなんて思ってもいなくて。
僕らの世代なら分かるだろうけど、昔ノストラダムスの予言っていうのがあってね。その予言では1999年に世界は滅ぶというものだった。だからこそやりたいことをやって、それで世界が滅んでもいいのかなと思ってた。
でも、世界は滅ばなくて。2000年になって、2001年になって、2002年になって。そこで僕らは10周年を迎えた。その時も今日みたいに多くの人に「おめでとう」と言ってもらえたんだけど。まだ若かったから「いま好きで聴いてくれてる人も減っていくんだ」なんて思ってた。だからインタビューとかで「10周年どうですか?」なんて訊かれても「まぁ、事務所とかレコード会社の話題づくりなんで」なんてひねくれてた。
そこから今日まで、本当にあっという間で。「いつか離れてくだろう」と思ってた人たちも、まだこんなにいてくれて、心から幸せに思います。でも同時にこうしていつまで歌っていられるだろうとも考えていて。同世代のミュージシャンが、歌えなくなったり、病気になったり……亡くなったりして。だからこそ1曲1曲を大切にしていきたいし、こうして演奏している時間を嬉しく、愛しく感じてます。
僕らの世代なら分かるだろうけど、昔ノストラダムスの予言っていうのがあってね。その予言では1999年に世界は滅ぶというものだった。だからこそやりたいことをやって、それで世界が滅んでもいいのかなと思ってた。
でも、世界は滅ばなくて。2000年になって、2001年になって、2002年になって。そこで僕らは10周年を迎えた。その時も今日みたいに多くの人に「おめでとう」と言ってもらえたんだけど。まだ若かったから「いま好きで聴いてくれてる人も減っていくんだ」なんて思ってた。だからインタビューとかで「10周年どうですか?」なんて訊かれても「まぁ、事務所とかレコード会社の話題づくりなんで」なんてひねくれてた。
そこから今日まで、本当にあっという間で。「いつか離れてくだろう」と思ってた人たちも、まだこんなにいてくれて、心から幸せに思います。でも同時にこうしていつまで歌っていられるだろうとも考えていて。同世代のミュージシャンが、歌えなくなったり、病気になったり……亡くなったりして。だからこそ1曲1曲を大切にしていきたいし、こうして演奏している時間を嬉しく、愛しく感じてます。
最後まで話題には出なかったが、Mr.Childrenのファンとして「桜井和寿の小脳梗塞」が過った人も少なくないと思う。
1999年ではなく2002年にMr.Childrenの、いや桜井和寿の時計は止まってしまっていたかもしれない。だからこそ、この言葉の説得力の強さが増している。
カウントから"足音 ~Be Strong"へ。どうやらドームツアーではもっと後半にやっていたらしい。だけど僕はこの"1999年、夏、沖縄"の流れに持ってきたことはとても意味深いと思う。なぜなら、1歩ずつを大切にしようという決意の言葉を経ているからこそである。
また一歩 次の一歩 足音を踏み鳴らせ!
新たなる決意を持って次に進み始めるのだ。
そこから決意がさらに加速するように"ランニングハイ"、"ニシエヒガシエ"が続く。
息耐えるまで駆けてみよう
~"ランニングハイ"
明日に向かっていきてくんだって
~"ニシエヒガシエ"
~"ランニングハイ"
明日に向かっていきてくんだって
~"ニシエヒガシエ"
僕はドーム公演を見ていないが、このスタジアム公演の"1999年、夏、沖縄"~"ニシエヒガシエ"のブロックは必然的ともいえる並びになっていると感じた。
後編に続く。
後編→
【ライヴレポ】Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25. セットリストと感想 後編
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