2019年3月6日水曜日

ミスチルファン必見「アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜」という奇跡のドラマ










2001年にフジテレビで放映されたドラマ「アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜」


近年は夕方のドラマ再放送枠もなくなったので知らない人もいるかもしれない。

ひと昔前は冬になる度に再放送していた。

このドラマはストーリーもさることながら、ドラマ全編でMr.Childrenの楽曲を使用していたのが特徴である。

そんな思い出を紹介したい。







ストーリー










洋菓子店「アンティーク」を舞台に、元ボクサーで見習いパティシエの神田エイジやオーナーの橘圭一郎、天才パティシエの小野裕介、子持ちのギャルソンである小早川千影が、様々な理由で店を訪れる客たちと繰り広げるハートフルコメディ。

原作 - よしながふみ『西洋骨董洋菓子店』
脚本 - 岡田惠和
音楽 - Mr.Children
演出 - 本広克行、羽住英一郎
プロデュース - 高井一郎

キャスト
神田エイジ(20)・・・滝沢秀明
橘 圭一郎(35)・・・椎名桔平
小野 裕介(28)・・・藤木直人
小早川千影(35)・・・阿部寛
飯塚 桃子(25)・・・小雪
吉永 正太(17)・・・えなりかずき
内野  茜(24)・・・西野妙子
野間 篤史(43)・・・小林すすむ
宗像 克雄(56)・・・辻 萬長
島崎 珠美(21)・・・真鍋かをり



アンティーク









「アンティーク」という洋菓子店が舞台で、そこで働く人々、訪れる人々の物語。

一話完結であるが、それぞれのキャラクターが謎を抱えているという全体を通しての大きな流れもある。

店側のキャストはアンティークの店長として椎名桔平、女嫌い(?)のパティシエを藤木直人、元ボクサーでたまたま店に転がり込む滝沢秀明、そして店を見つめる謎の男を阿部寛が演じる。ハッキリ言ってこのドラマの藤木直人は腹も立たないほどイケメンだ。

この4人の掛け合いとバランスが絶妙で、岡田惠和による脚本によって今見ても面白いコメディとなっている。本広演出としてナレーション代わりに、画面上にキーボードでテロップを打ち込まれてくような手法が使われている。

このテロップが時にツッコミの役割も果たし絶妙である。
後半はスタッフもどんどん悪ふざけが悪化して最高だ。






実は、4話のこの子は大島優子



甘いもの好きとして、このドラマは覚悟して見ないとやられてしまうほど見た後に糖分を欲してしまうようになる。


このドラマでいくつか画期的だった点がある。


ひとつは月9枠でありながら、恋愛要素がとても薄いこと。もちろんオムニバス形式なので恋愛がテーマとなる回もある。けれど、所謂「月9らしい」主要キャストの恋愛はあまり描かれない。

それはよしながふみによる原作がBL要素を含んでいるからである。それは作者本人が後に「それからのアンティーク」という同人雑誌を発売したほどだ。
※原作関連は読んでないので詳細違ったらすみません。とりあえず原作とドラマは設定は同じものの別物らしい

ドラマ化にあたってその辺りはかなり薄まっているかと思うので、苦手な方も見やすい仕様である。そっち方面に全く明るくない僕が大丈夫なほどと思っていただきたい。

これだけの面々がいる中で一番恋愛要素を醸し出すのがえなりかずきと眞鍋かをりである。











ケーキ



そして、登場するケーキがとても美味しそうで、甘いもの好きとして、かなり食欲をそそられる。

見終えると、かなりの確立で帰りに無意識でシュークリームとか買って帰ることになる。





そんな気持ちに重ねてしまうキャラクターがいる。
眞鍋かをりが演じる珠美というのが「失恋した経験からダイエットに励み、トラウマから大好きなケーキを食べることが出来なくなった」というキャラクターなのだ。





「孤独のグルメ」のようにダイエット中の方には間違いなくオススメ出来ないドラマである。


ケーキは「辻調グループ校」が提供していて、まだ解説のページが残っている。
これを見たせいで、今甘いもの欲がとんでもないことになっている。




星になれたら



今ではミスチルの曲聴いただけで糖分を欲するようになる。

そう、もうひとつの特徴が最初に書いたようにドラマの楽曲がすべてミスチルの楽曲で構成されている点である。




音楽:Mr.Children









音楽担当だからということで、ドラマ用に音楽を創ったわけではない。

Mr.Childrenがリリースしてきた楽曲が"そのまま"引用されて流れるのだ。

主題歌は"youthful days"である。


2001年のミスチルといえば夏に「肉」と「骨」ベストのヒットをした時期である。この翌年に桜井和寿が小脳梗塞を発症する。キャリア的にも一番脂がのっていた頃のミスチルだ。

全曲特定のアーティストの楽曲で構成するというのは、かなり革新的である。

けれどミスチルの楽曲はドラマを盛り上げ、時にその歌詞はドラマとリンクしている。これは脚本が歌詞からインスパイアされた部分もあると思われる。

取り上げられる楽曲はシングル、アルバム、カップリングなどすべてフラットに選出されマニアックな曲もかなりの曲数が1話の中で流れる。

どれほどかというと全11話で1話平均17曲が使われているのだ。最終話では24曲という盛り込みっぷりである。詳細はWikipediaにすべて掲載されている。


それほどの楽曲を盛り込みながら成立させてしまえるアーティストはそういないだろう。それを成立させてしまうMr.Childrenというバンドの恐ろしさたる所以だ。



キャスト、演出、時代性、そして音楽。そのどれもが奇跡的なバランスで成り立ったドラマであった。

今見ても色褪せない魅力があり、特にミスチルファンは必見といえるだろう。

是非一度見て欲しい。








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