聖地巡礼がしたい。
”推し”を持つものの宿命ともいえるテーマであろう。
しかしながらコロナ禍で気軽に都内に来れないという方も多いと思う。
ということで、東京に来られない地方の方が行ったつもりになれるよう、休日を使って都内にあるポルノグラフィティの聖地巡礼スポットを巡ってきた。歩いて。
いつの日かコロナ禍が落ち着いて東京に来た際の参考にしていただければと思う。
※軽い気持ちで歩くと地獄を見ますので、聖地巡礼の際は可能な限り公共交通機関を使いましょう
※かなり長いので聖地だけまとめて見たいという方は最後にまとめてます
歩いて聖地巡礼
今回、歩いて聖地巡礼をしようと思った理由を、自分の愚かさと過信に対する懺悔を含め書いておきたい。
突然だが、僕はほとんど運動ができない。
不思議なことにほとんどが会ったことのない読者の皆様も「知ってた」と答えてくれることだろう。
ただでさえ酒を飲んだり、酒を飲みながらゲームをしたり、酒を飲みながら文章を書いたり、酒を飲みながら可愛いうさぎの画像をネットで見ることに追われているので、運動する余裕などないのだ。
運動といえば「バイオハザード ヴィレッジ」で主人公のイーサン・ウィンターズを奔走させているだけである。
34歳になり、さすがにこれでは人としてもマズいと思い始めてきた。かといって、運動を始めるのは面倒くさい。
強いていえば昔から歩くことには自信があったので、とりあえず歩くかという結論にいたった。
かといって、八王子の街を歩いてもただおっさんが近所を徘徊しているだけなので、目的が欲しい。
そういえばと思い出したのが、聖地巡礼である。 この間ドレスコーズのライヴで川崎のクラブチッタへ行った時に、ポルノグラフィティの”ラック”のMVの聖地巡礼をして感動したのだ。
そうだ。聖地巡礼ならヤル気が出る。そう思ったのが運の尽きだった。
今回場所を選定する上でもう一つ候補になったのは横浜だったが、緊急事態宣言中ということもあり都内にした。山梨県八王子市から東京都内に行くのは大丈夫か迷ったが、通勤で毎日行ってるからいいだろう。
ルールは以下のとおりとした。
【ルール】
・リストアップした聖地を1日で巡礼する
・無理をしない
・聖地巡礼中の公共交通機関・レンタサイクルの使用は禁止
・キープディスタンス、マスク着用(外で周りにいなければ外す)などの感染症対策をしっかりする
・無理をしない
・水分補給はスポンサー都合によりポカリスエットかC1000ビタミンレモン、酒とする
・無理をしない
こうして愚かな男の辛い1日が始まった。
2021年7月23日
世間ではオリンピックの開会式当日である。
せっかくなので聖地巡礼をしながら、当日の東京がどんな感じだったのかという記録にもなればと思う。
梅雨明けを過ぎてから連日猛暑である。
こんな日は出歩かずに昼から家でビールでも飲んでいたい。
これはマスクをして歩いたら死ぬのではないかと不安が過った。
しっかり水分補給と休憩を取りながら歩かねばならない。
最初に訪れたのが、浅草である。ここで遊覧船「ヒミコ」を見る。
「ヒミコ」は“Zombies are standing out”のMVで使われた船である。いくつか似た船があったが、ホームページの写真を見比べたところ、内装で判別がついた。
最初に浅草に来た理由は、この遊覧船の時間が決まっているからだ。
この遊覧船、実は竹芝に行くルートとなっている。先に書いてしまうと、この後に汐留方面に行くので、竹芝まで乗っていけば良かったし、そもそも浅草でなくて竹芝で時間を合わせて待ち構えれば良かった。
なんでそうしなかったといえば、自分が「歩こう」と決めたからという理由だけだった。今になって思えば、人としてなくてはならない思考回路が欠如していたとしか思えない。
ともかく、そういうことになったしまったので、ヒミコを見る。
この先鋭的なデザインは「銀河鉄道999」の松本零士氏が手掛けている。だから、とてもスターウォーズに出てくる宇宙船っぽい。
ただ、正直なところ聖地巡礼として見ると、MVに外観は出ないので「うおー! あのシーンの時のあれだ!」とテンションを上げることができない。尚更「なら遊覧船に乗れよ」と思ってしまうが、当日も同じことを思ってた。
「内装を見た感動は、ぜひ自分の目で確かめてください」そう書くことにした。
さて、浅草を終えて向かうのは汐留・浜松町方面だ。
しれッと書いたが、浅草からとりあえず7.5kmある。なんで遊覧船に乗らなかったんだろう。
久しぶりだったので浅草を少し覗いたが、いつもの休日くらい混んでいた。人力車の兄ちゃんたちは相変わらず若い女性に熱心に声をかけている。
意気揚々とスタートしたが、ちょうど昼時だったので、ひとまずご飯を済ませることにした。
浅草で前から気になっていた、鴨のラーメンで人気の中華ソバ ビリケンさんへお邪魔した。
一番人気の手揉み中華ソバ全部入りを注文。
鴨の出汁のスープが和を感じさせてめちゃくちゃ美味い。手揉みの麺のモチモチ感と合わさって無限に食える。
そして何より、鴨チャーシューが最高だ。レア気味で肉の食感と旨味もしっかり感じさせてくれる。スゲー美味い。6枚も入っていて嬉しい。
お腹を満たし、鋭気を養ったのでもう帰りたい出発。
鴨肉の旨味があまりに感動的だったので、余韻のままエナジードリンクを補充。銘柄はアサヒビールのビルに敬意を払った。
一番懸念したのが暑さだったけど、ビルの陰で思いの外しっかり日陰を歩くことができたので、かなり助かった。
浅草と合羽橋でアニメ「さらざんまい」聖地巡礼にすればよかった。
着いたのは“この胸を、愛を射よ”の撮影場所となったイタリア街だ。
その名の通りイタリアの街並みを意識した場所で建物や石畳など、とてもイタリアっぽい。イタリア行ったことないけど。
ただ、正直イタリアを感じたいならディズニーシーに行った方がいいと思う。
休日なので人は少ない。スーツのOLさん風のポートレート撮ってるおっちゃんとかがいた。
めちゃくちゃ格式高い銀行のような建物があるが、実はこれは競馬の場外馬券場ウィンズなのである。金が動く場所ということに違いはないが。おそらく競馬好きの友人の溶かした金がこの柱の一部になっているのだろう。
“この胸を、愛を射よ”は9月のリリースだったので、MVの撮影の日は真夏でとても暑かったという話を聞いた気がする。なので、灼熱のコンクリートジャングルで見る聖地は、当時の撮影の大変さも感じることができた。
ということで次のスポットへ向かうのだが、次は渋谷だ。
MVの撮影場所というわけではないのだが、どうせ下北に行くし聖地巡礼には相応しいスポットもあるので、寄っていくことにした。といってもここから6kmくらいあるので「寄ってく」という次元ではない。
せっかくなので、御成門方面を通り東京タワーを目指す。
途中でプリンスホテルの横を通ったんだけど、駐車場がオリンピックで貸し切り中になっていた。
それを見つつ、東京タワーの麓へ。やはりデカい。
最初にスカイツリーも見ているので、2大タワーを制覇した。
ここから六本木を抜けて渋谷を目指す。
浅草から汐留はそうでもないんだけど、ここから渋谷方面は結構高低差があるので、道のアップダウンが激しくなるので地味に辛い。
六本木で14,717歩になった。
聖地というほどではないけど、ポルノグラフィティはテレビ朝日が移転して初めて六本木ヒルズの屋上で演奏したアーティストなので縁が深い。
ちなみにミュージックステーションで"メリッサ"を演奏した。
疲れがそれなりにきているので、栄養補給。
疲れた時にはレモンの酸味である。
飲食店は結構お休みのところもあったりしたけど、オリンピックに合わせた営業をしているお店もあった。
頭がぼーっとしてきて、途中のガソリンスタンドで洗車されている車を見て「あー俺も全身に水をかけてほしい」とぼやいている程度に疲れている。
青山トンネルを抜けて渋谷へ。行ったことあるライヴハウス(ロフトヘブン)のところに出たので、気持ちが上がった。
渋谷の宮下パークに到着。タワレコの線路向こうがすごい開発されたとは聞いてはいたけど、全く違う場所みたいになってて困惑した。
岡野昭仁の配信ライヴ「Dispachers」で会場に使われたお店だ。
正直、歩き疲れてボロボロの男一人で入っていい雰囲気でなかったため、外観だけで勘弁していただきたい。内装を見た感動は、ぜひ自分の目で確かめてください。
個人的にメニューが自分の好きな感じなので、お店でビールが飲めるようになったら改めて訪問したいと思う。
屋上の芝生エリアの開放感がとても気持ちいい。
下に降りるといつもの渋谷の雑踏となった。
スクランブル交差点もいつもくらいの人手だ。あと駅前ではオリンピック反対のデモをやっていた。
陽が傾いてきた。予定よりも遅れ気味だ。
道玄坂を上り、もう一つの目的地へ。
渋谷といえば”まほろば〇△”の舞台となる丸山町である。要するにラブホ街である。
聖地巡礼というならばどこかのラブホに入ってワンナイトラブを決めるしかないのだが、当然そんなわけにもいかないので、見た感動はぜひ自分の目で確かめてください。
そもそもホテルというよりはこの町自体が舞台だし、疲れすぎてタブーを泳ぐどころか、水溜まりで溺れるレベルで気力がない。 ラブホ行くくらいなら本当の意味での「休憩」がしたい。
ここから下北沢を目指すわけだけど、正直、距離は3kmくらいなので、これまでの道中に比べれば短い部類だ。
道も井の頭線に沿って行けばいいだけなので、余裕だと思っていた。
それでも、ここから下北沢までの道のりが本当にキツかった。
松濤(しょうとう)の高級住宅街を抜ける。
ベンツ、BMW、レクサスが入れ替わり立ち替わりに走り抜けて行って、自分には一生縁がなさそうな世界だ。
井の頭線の線路を発見、線路沿いを意識しながら進む。
登り坂のせいもあるんだけど、足が上りきらなくて地面を擦ってしまうことが増えてきた。
暗くなってきたし、下北沢に着いてもゴールというわけではなく、まだ残りがあるのでかなりの心労だ。
気持ちが折れそうになりながら懸命に歩を進める。
坂の上から「行くよ」と声が聞こえて、娘さんを乗せた母親の自転車が颯爽とジェットコースターのように走り抜けて行った。いいなぁすごく楽しそう。一瞬だけ息子にして乗せてくれないかな。
一歩一歩確実に進んでいるということだけを心の支えに、足を動かした。そして遂に。
ようやく下北沢に辿り着いた。あとは新宿だけなので、ゴールが見えてきた。
下北沢はまさに”VS”のMVの舞台となった聖地の宝庫である。
しかもメンバー2人が歩いているワンカット撮影のため、行動範囲も狭いので、ハッキリ言って聖地巡礼で死にかけている僕にとってはボーナスステージだ。
下北沢には他にも金髪鬼軍曹が愛するスープカレーのお店「マジックスパイス下北沢店」などもあるので、電車で来て余裕のある方は食べて欲しい。
あと下北沢といえば”ワールド☆サタデーグラフティ”や”タネウマライダー”にも登場する。これらの曲たちの歌詞の地名も考えたが、NYや上海に行かなければいけなくなるので却下した。ちなみに「ポルノグラフィティのMVの外ロケ撮影場所を全部回る」という案もタイやフィンランドへ行かなくてはならないという理由で却下した。
まず真っ先に向かったのは岡野昭仁がクレープを食べた店「ナチュラルクレープ 下北沢店」さんだ。
なぜここかというと、とにかく疲れて甘いものを欲していた。
忠実にイチゴ&ホイップを注文。
生地がしっかり焼いたサクサク気味になっていて、中のホイップと合わせるととても美味しい。下にイチゴのジャムが入っているのも嬉しい。
MVでは岡野昭仁がクレープを子どもにカツアゲされるという微笑ましいシーンがあるが、疲れてクレープをむさぼるように食べている僕がやられたら、鬼の形相でブチ切れていたと思う。
そんな精神状態を平穏にさせるくらい美味しいクレープだった。
ちなみに近くにある不動産屋さんがカツアゲの現場である。
あとおまけでMVのスタート地点など。それぞれ近くにあるので、至る所に「あ!あそこだ!」という感覚になれる。
その辺りを見つつ、次の目的場所へ。こちらもすぐだ。
下北沢では有名な古着屋さん。古着に疎い自分でも知っているし行ったこともあるメジャーなお店だ。
新藤晴一が一瞬立ち寄って下げてあったシャツを見るシーンで出てくる。
ただ、とにかく疲れていたため、店内を見て歩く余裕さえなかった。新藤晴一くらい軽くチラ見して次へ。
“VS”のMVの終着点であり、ポルノグラフィティにとっては始まりの場所だ。
“VS”のMVで最後に辿り着くのがこのライヴハウスCLUB251だ。
なぜこの場所だったかというと、ポルノグラフィティが東京で初めてライヴをやったのが、ここCLUB251だからである。
この日は複数のバンドが出るイベントがあったようだ。
入り口でスタッフさんが忙しそうにしていたので、サッと撮影してお暇した。
コロナ禍において、苦境に立たされているライヴハウスをよく耳にする。
とりわけ2020年2月のパンデミック初期段階で大阪の複数のライヴハウスで感染が発覚したため、世間の風当たりはかなり強かった。
それでもなんとか懸命に経営を続けている方々の苦労を思うと、胸が痛くなる。今は足が痛いが。
ちょうど前日になきごとのライヴでライヴハウスに行って、改めてその楽しさを体感していた。何よりMCで「ここ(ライヴハウス)のステージにまた立てて嬉しい」という言葉とともに、ライヴハウスへの想いをたくさん受け取った素晴らしいライヴだった。
ライヴハウスがまた前と同じ日々を取り戻すことを願っている。
“VS”のMVではゴール地点だし、締めの言葉のようになってしまったが、僕にとってはまだゴール地点ではない。
最後の目的地である、新宿へ向かう。ゴールが見えれば足取りも心も軽くなるかと思ったが、新宿では2箇所いかなければならないので、まだ気が重い。
外は一気に暗くなってきた。正直、明るいうちに終わるやろと思っていたので予定がいかに甘い見積もりだったかわかる。
足は相変わらず痛いが、クレープを食べたことと最後の目的地に向かうということで、気力が復活してきた。
疲れて写真がかなりブレているが、視界の先にパークタワーの高層ビルが見えてきた。こうして見えるとかなり気持ちが楽になる。
首都高沿いを進むと、オペラシティに到着した。あとオリンピックの規制の看板が出ていた。
この時点で19時半なので、開会式ももうすぐだ。
そしてようやく新宿の目的地へ到着した。
通いなれた新宿だが、松濤くらい縁のない世界である。
紹介文にも「五つ星」「ラグジュアリー」などの言葉が躍っている。これ五輪貴族とかが泊まるとこだろ。
ここ「パークハイアット東京」は”カメレオン・レンズ”のMVの撮影場所だ。
この正面玄関の前にランボルギーニが停められていた。
ここで演奏するメンバーはとても色気があり、とても小学生にクレープを奪われるようには見えない。
どう少なく見積もっても、Tシャツにハーフパンツにくたびれたスニーカーを履いた疲れ顔のおっさんが入っていい場所ではない。ドレスコーズのファンだが、ドレスコードは壊滅的だ。
五輪貴族になりたいと願いながら、違う意味でまほろばなホテルを後にした。
いよいよ最後だ。
靖国通りを進み、新宿ゴールデン街へ。
少し離れた先では開会式が行われている。そのタイミングで都庁の前を通ったが、静かそのものだ。
歌舞伎町方面へ向かうんだけど、ここで最悪なことに雨がポツリポツリと降ってきた。聖地巡礼してるファンに容赦なく雨を降らせる雨バンドなんている?
傘なんて持っていないので、これ以上降ってくると大変ヤバい。
歌舞伎町もいつもの通りの混雑だ。しかし、聞こえてくる会話はオリンピックのものが多い。
最後の気力で足を進める。あの番組に思い入れも愛着もないのに、人はこういう時に頭に"サライ"が流れるのだなと思い知った。
"Rainbow"のように、一歩一歩進める。そして、なんとかたどり着いた。
締めはMVではないが、新宿を訪れたポルノグラフィティのファンが行ってみたくなる場所だ。
そう、新宿ゴールデン街はシングル「黄昏ロマンス」のジャケット撮影地である。
僕は外での一人飲みはあまりしないので行かないが、ゴールデン街は酒飲みにとってはひとつの聖地といえるだろう。
撮影場所を探す際は「Hair Of the Dogs」というお店が目印になると思う。
写真の真ん中少し左上にある白い看板のお店だ。
写真がブレブレなのはかなり雨が降ってきて慌てていたからである。申し訳ない。
ちなみにスナック「夜間飛行」というのもあったので、スナックに行きたいと思ったポルノファンは寄ってみて欲しい。いま僕はじゃがりこスナックをツマミにしてビールが飲みたい。
ということで、東京の街を聖地巡礼してきた。
3万6千歩、28.8kmという結果だった。やってみてフルマラソンを走る人たちがいかに人間離れしているか痛感した。
東京という街が面白いのは、少し歩くと全く違う世界が広がっているところにある。
都会的なビルがあったかと思えば、一歩路地に入ると古き良きお店が並んでいたりもする。
聖地巡礼をしながら街を眺めていると、ポルノグラフィティの楽曲のようだなと思った。
“Zombies are standing out”のような攻撃的な曲もあれば、”黄昏ロマンス”のようにアコースティックで優しい曲もある。
色とりどりな面が組み合わさって、ステンドグラスのようにポルノグラフィティを彩っている。
そんな多面的な魅力を再確認することができた。
僕はこれからもきっと東京の街が、ポルノグラフィティが大好きであり続けることだろう。
①浅草 遊覧船「ヒミコ」 (“Zombies are standing out”)
②汐留 イタリア街 (“この胸を、愛を射よ”)
③渋谷 ドンシー(Dōngxī)亜細亜香辛料理店
④渋谷 丸山町(“まほろば〇△”)
⑤下北沢 ナチュラルクレープ 下北沢店(”VS”)
⑥下北沢 シカゴ 下北沢店 (”VS”)
⑦下北沢 CLUB251 (”VS”)
⑧新宿 パークハイアット東京 (”カメレオン・レンズ”)
⑨新宿 ゴールデン街 (”黄昏ロマンス”)
ポルノグラフィティ「VS」歌詞解釈〜夜ごと君に話した約束たち
「ポルノグラフィティがどんな曲を出してもついて行きますか?」
「喉からCD音源」が出る男、岡野昭仁
ツイート
34歳になり、さすがにこれでは人としてもマズいと思い始めてきた。かといって、運動を始めるのは面倒くさい。
強いていえば昔から歩くことには自信があったので、とりあえず歩くかという結論にいたった。
かといって、八王子の街を歩いてもただおっさんが近所を徘徊しているだけなので、目的が欲しい。
そういえばと思い出したのが、聖地巡礼である。 この間ドレスコーズのライヴで川崎のクラブチッタへ行った時に、ポルノグラフィティの”ラック”のMVの聖地巡礼をして感動したのだ。
ラックMV聖地巡礼。
— サトシ/飴玉の街 (@zattastore74) June 29, 2021
初めてきた。 pic.twitter.com/93EeymF2ma
そうだ。聖地巡礼ならヤル気が出る。そう思ったのが運の尽きだった。
今回場所を選定する上でもう一つ候補になったのは横浜だったが、緊急事態宣言中ということもあり都内にした。山梨県八王子市から東京都内に行くのは大丈夫か迷ったが、通勤で毎日行ってるからいいだろう。
ルールは以下のとおりとした。
【ルール】
・リストアップした聖地を1日で巡礼する
・無理をしない
・聖地巡礼中の公共交通機関・レンタサイクルの使用は禁止
・キープディスタンス、マスク着用(外で周りにいなければ外す)などの感染症対策をしっかりする
・無理をしない
・水分補給はスポンサー都合によりポカリスエットかC1000ビタミンレモン、酒とする
・無理をしない
こうして愚かな男の辛い1日が始まった。
2021年7月23日
世間ではオリンピックの開会式当日である。
せっかくなので聖地巡礼をしながら、当日の東京がどんな感じだったのかという記録にもなればと思う。
梅雨明けを過ぎてから連日猛暑である。
こんな日は出歩かずに昼から家でビールでも飲んでいたい。
これはマスクをして歩いたら死ぬのではないかと不安が過った。
しっかり水分補給と休憩を取りながら歩かねばならない。
①浅草 遊覧船「ヒミコ」 (“Zombies are standing out”)
13:15 0歩
最初に訪れたのが、浅草である。ここで遊覧船「ヒミコ」を見る。
「ヒミコ」は“Zombies are standing out”のMVで使われた船である。いくつか似た船があったが、ホームページの写真を見比べたところ、内装で判別がついた。
分かりづらいが床の仕様などが同じ
最初に浅草に来た理由は、この遊覧船の時間が決まっているからだ。
この遊覧船、実は竹芝に行くルートとなっている。先に書いてしまうと、この後に汐留方面に行くので、竹芝まで乗っていけば良かったし、そもそも浅草でなくて竹芝で時間を合わせて待ち構えれば良かった。
なんでそうしなかったといえば、自分が「歩こう」と決めたからという理由だけだった。今になって思えば、人としてなくてはならない思考回路が欠如していたとしか思えない。
ともかく、そういうことになったしまったので、ヒミコを見る。
この先鋭的なデザインは「銀河鉄道999」の松本零士氏が手掛けている。だから、とてもスターウォーズに出てくる宇宙船っぽい。
ただ、正直なところ聖地巡礼として見ると、MVに外観は出ないので「うおー! あのシーンの時のあれだ!」とテンションを上げることができない。尚更「なら遊覧船に乗れよ」と思ってしまうが、当日も同じことを思ってた。
「内装を見た感動は、ぜひ自分の目で確かめてください」そう書くことにした。
さて、浅草を終えて向かうのは汐留・浜松町方面だ。
しれッと書いたが、浅草からとりあえず7.5kmある。なんで遊覧船に乗らなかったんだろう。
歩数計のアプリをインストールして起動。果たして何歩になるのだろうか
久しぶりだったので浅草を少し覗いたが、いつもの休日くらい混んでいた。人力車の兄ちゃんたちは相変わらず若い女性に熱心に声をかけている。
意気揚々とスタートしたが、ちょうど昼時だったので、ひとまずご飯を済ませることにした。
浅草で前から気になっていた、鴨のラーメンで人気の中華ソバ ビリケンさんへお邪魔した。
一番人気の手揉み中華ソバ全部入りを注文。
鴨の出汁のスープが和を感じさせてめちゃくちゃ美味い。手揉みの麺のモチモチ感と合わさって無限に食える。
そして何より、鴨チャーシューが最高だ。レア気味で肉の食感と旨味もしっかり感じさせてくれる。スゲー美味い。6枚も入っていて嬉しい。
お腹を満たし、鋭気を養ったので
鴨肉の旨味があまりに感動的だったので、余韻のままエナジードリンクを補充。銘柄はアサヒビールのビルに敬意を払った。
ちゃんと水分補給も欠かさず
一番懸念したのが暑さだったけど、ビルの陰で思いの外しっかり日陰を歩くことができたので、かなり助かった。
マスクがかわいい
ある会社のディスプレイにブルーナアニマル(ミッフィーの作者さん)のうさぎさんがいっぱい並んでいて、とても興奮した。
ちなみに四つ足の場合はミッフィーではなく動物さんのシリーズなのでうさぎさんなのである。テストに出るから覚えるように。
大通り沿いにはバンダイの会社もあり、ビルのところには色々なキャラクターが飾られている。
ここまで、あまりオリンピックの要素がなかったんだけど、あるホテルの前に停まっていたバスが大会関係者(プレス)の送迎用のもので少し感じることができた。
しばらく進むと線路の高架が見えて、黄色い電車が走走っていった。総武線の浅草橋駅である。
浅草と浅草橋は1.5kmほど離れている。ここまで3,000歩くらい。
日陰を歩けていることもあって、思ったよりも快調だ。正直、ちょろいとさえ思っていた。この辺りは。
しばらく進むと交差点に地下道があって、なんとなく降りてみた。全然人がいないが、通路脇にびっしりと「国土交通省」と印字された赤いコーンが並んでいる。これだけ並んでいると鬼気迫るものがある。
外は快晴で明るいのに、ここだけ異様な雰囲気だった。
地上に戻り先に進む。しばらく進むと、日本橋へ到着した。
日本橋に到着時で6,173歩で5kmほど
日本橋のたもとにはオリンピックのオブジェが飾られていて、メディアの人がいたり多くの人が写真を撮っていた。
ここの通りをひたすら真っ直ぐ行って銀座を抜けるんだけど、思いの外ここの区間がすごく長く感じた。地味に疲れてきている。
銀座から新橋に抜けるところの警察博物館がある辺りにおもちゃ屋さんがあるんだけど、そこの店頭で店員のお姉さんがずっとけん玉をやっていた。
ここまで、あまりオリンピックの要素がなかったんだけど、あるホテルの前に停まっていたバスが大会関係者(プレス)の送迎用のもので少し感じることができた。
しばらく進むと線路の高架が見えて、黄色い電車が走走っていった。総武線の浅草橋駅である。
浅草と浅草橋は1.5kmほど離れている。ここまで3,000歩くらい。
これが由来の浅草橋
日陰を歩けていることもあって、思ったよりも快調だ。正直、ちょろいとさえ思っていた。この辺りは。
しばらく進むと交差点に地下道があって、なんとなく降りてみた。全然人がいないが、通路脇にびっしりと「国土交通省」と印字された赤いコーンが並んでいる。これだけ並んでいると鬼気迫るものがある。
外は快晴で明るいのに、ここだけ異様な雰囲気だった。
地上に戻り先に進む。しばらく進むと、日本橋へ到着した。
日本橋に到着時で6,173歩で5kmほど
日本橋のたもとにはオリンピックのオブジェが飾られていて、メディアの人がいたり多くの人が写真を撮っていた。
ここの通りをひたすら真っ直ぐ行って銀座を抜けるんだけど、思いの外ここの区間がすごく長く感じた。地味に疲れてきている。
銀座から新橋に抜けるところの警察博物館がある辺りにおもちゃ屋さんがあるんだけど、そこの店頭で店員のお姉さんがずっとけん玉をやっていた。
お客さんの呼び込みでいるんだろうけど、やってもやっても上手くいかずで、あまりに真剣にやっているので信号待ちの間ずっと見てしまった。最後まで成功しなかった。あの店員さんはもしかしたら、成功したら店内に戻れるルールなのかもしれない。
新橋まで来ると、ようやく次の目的地が近い。汐留方面へ抜けてイタリア街を目指す。
たまに日向に出ると炎天下が容赦なく襲いかかる。いつかこの場所も「この街がまだコンクリートジャングルだった頃から」と歌われるようになるかもしれないが、とりあえずコンクリートジャングルの夏はとてつもなく暑い。
ようやく到着した。8kmは「とりあえず」という距離じゃなかった。正直この時点で帰りたくなった。新橋まで来ると、ようやく次の目的地が近い。汐留方面へ抜けてイタリア街を目指す。
たまに日向に出ると炎天下が容赦なく襲いかかる。いつかこの場所も「この街がまだコンクリートジャングルだった頃から」と歌われるようになるかもしれないが、とりあえずコンクリートジャングルの夏はとてつもなく暑い。
②汐留 イタリア街 (“この胸を、愛を射よ”)
15:43 10,376歩
浅草と合羽橋でアニメ「さらざんまい」聖地巡礼にすればよかった。
着いたのは“この胸を、愛を射よ”の撮影場所となったイタリア街だ。
その名の通りイタリアの街並みを意識した場所で建物や石畳など、とてもイタリアっぽい。イタリア行ったことないけど。
ただ、正直イタリアを感じたいならディズニーシーに行った方がいいと思う。
休日なので人は少ない。スーツのOLさん風のポートレート撮ってるおっちゃんとかがいた。
めちゃくちゃ格式高い銀行のような建物があるが、実はこれは競馬の場外馬券場ウィンズなのである。金が動く場所ということに違いはないが。おそらく競馬好きの友人の溶かした金がこの柱の一部になっているのだろう。
“この胸を、愛を射よ”は9月のリリースだったので、MVの撮影の日は真夏でとても暑かったという話を聞いた気がする。なので、灼熱のコンクリートジャングルで見る聖地は、当時の撮影の大変さも感じることができた。
ということで次のスポットへ向かうのだが、次は渋谷だ。
MVの撮影場所というわけではないのだが、どうせ下北に行くし聖地巡礼には相応しいスポットもあるので、寄っていくことにした。といってもここから6kmくらいあるので「寄ってく」という次元ではない。
せっかくなので、御成門方面を通り東京タワーを目指す。
途中でプリンスホテルの横を通ったんだけど、駐車場がオリンピックで貸し切り中になっていた。
それを見つつ、東京タワーの麓へ。やはりデカい。
最初にスカイツリーも見ているので、2大タワーを制覇した。
近くにあるみんな大好きフリーメーソンのシンボル
ここから六本木を抜けて渋谷を目指す。
浅草から汐留はそうでもないんだけど、ここから渋谷方面は結構高低差があるので、道のアップダウンが激しくなるので地味に辛い。
六本木で14,717歩になった。
聖地というほどではないけど、ポルノグラフィティはテレビ朝日が移転して初めて六本木ヒルズの屋上で演奏したアーティストなので縁が深い。
ちなみにミュージックステーションで"メリッサ"を演奏した。
疲れがそれなりにきているので、栄養補給。
疲れた時にはレモンの酸味である。
「瀬戸内レモン」というだけで選んだ
飲食店は結構お休みのところもあったりしたけど、オリンピックに合わせた営業をしているお店もあった。
飲食店のこういう遊び心あるボード好き
頭がぼーっとしてきて、途中のガソリンスタンドで洗車されている車を見て「あー俺も全身に水をかけてほしい」とぼやいている程度に疲れている。
青山トンネルを抜けて渋谷へ。行ったことあるライヴハウス(ロフトヘブン)のところに出たので、気持ちが上がった。
渋谷の宮下パークに到着。タワレコの線路向こうがすごい開発されたとは聞いてはいたけど、全く違う場所みたいになってて困惑した。
③渋谷 ドンシー(Dōngxī)亜細亜香辛料理店
17:17 19,114歩
岡野昭仁の配信ライヴ「Dispachers」で会場に使われたお店だ。
正直、歩き疲れてボロボロの男一人で入っていい雰囲気でなかったため、外観だけで勘弁していただきたい。内装を見た感動は、ぜひ自分の目で確かめてください。
個人的にメニューが自分の好きな感じなので、お店でビールが飲めるようになったら改めて訪問したいと思う。
屋上の芝生エリアの開放感がとても気持ちいい。
下に降りるといつもの渋谷の雑踏となった。
スクランブル交差点もいつもくらいの人手だ。あと駅前ではオリンピック反対のデモをやっていた。
陽が傾いてきた。予定よりも遅れ気味だ。
道玄坂を上り、もう一つの目的地へ。
④渋谷 丸山町(“まほろば〇△”)
17:35 20,836歩
渋谷といえば”まほろば〇△”の舞台となる丸山町である。要するにラブホ街である。
聖地巡礼というならばどこかのラブホに入ってワンナイトラブを決めるしかないのだが、当然そんなわけにもいかないので、見た感動はぜひ自分の目で確かめてください。
そもそもホテルというよりはこの町自体が舞台だし、疲れすぎてタブーを泳ぐどころか、水溜まりで溺れるレベルで気力がない。 ラブホ行くくらいなら本当の意味での「休憩」がしたい。
ここから下北沢を目指すわけだけど、正直、距離は3kmくらいなので、これまでの道中に比べれば短い部類だ。
道も井の頭線に沿って行けばいいだけなので、余裕だと思っていた。
それでも、ここから下北沢までの道のりが本当にキツかった。
松濤(しょうとう)の高級住宅街を抜ける。
ベンツ、BMW、レクサスが入れ替わり立ち替わりに走り抜けて行って、自分には一生縁がなさそうな世界だ。
井の頭線の線路を発見、線路沿いを意識しながら進む。
登り坂のせいもあるんだけど、足が上りきらなくて地面を擦ってしまうことが増えてきた。
暗くなってきたし、下北沢に着いてもゴールというわけではなく、まだ残りがあるのでかなりの心労だ。
気持ちが折れそうになりながら懸命に歩を進める。
坂の上から「行くよ」と声が聞こえて、娘さんを乗せた母親の自転車が颯爽とジェットコースターのように走り抜けて行った。いいなぁすごく楽しそう。一瞬だけ息子にして乗せてくれないかな。
一歩一歩確実に進んでいるということだけを心の支えに、足を動かした。そして遂に。
看板を見た瞬間に泣いた
ようやく下北沢に辿り着いた。あとは新宿だけなので、ゴールが見えてきた。
下北沢はまさに”VS”のMVの舞台となった聖地の宝庫である。
しかもメンバー2人が歩いているワンカット撮影のため、行動範囲も狭いので、ハッキリ言って聖地巡礼で死にかけている僕にとってはボーナスステージだ。
下北沢には他にも金髪鬼軍曹が愛するスープカレーのお店「マジックスパイス下北沢店」などもあるので、電車で来て余裕のある方は食べて欲しい。
あと下北沢といえば”ワールド☆サタデーグラフティ”や”タネウマライダー”にも登場する。これらの曲たちの歌詞の地名も考えたが、NYや上海に行かなければいけなくなるので却下した。ちなみに「ポルノグラフィティのMVの外ロケ撮影場所を全部回る」という案もタイやフィンランドへ行かなくてはならないという理由で却下した。
⑤下北沢 ナチュラルクレープ 下北沢店(”VS”)
18:32 26,390歩
まず真っ先に向かったのは岡野昭仁がクレープを食べた店「ナチュラルクレープ 下北沢店」さんだ。
なぜここかというと、とにかく疲れて甘いものを欲していた。
忠実にイチゴ&ホイップを注文。
生地がしっかり焼いたサクサク気味になっていて、中のホイップと合わせるととても美味しい。下にイチゴのジャムが入っているのも嬉しい。
MVでは岡野昭仁がクレープを子どもにカツアゲされるという微笑ましいシーンがあるが、疲れてクレープをむさぼるように食べている僕がやられたら、鬼の形相でブチ切れていたと思う。
そんな精神状態を平穏にさせるくらい美味しいクレープだった。
ちなみに近くにある不動産屋さんがカツアゲの現場である。
あとおまけでMVのスタート地点など。それぞれ近くにあるので、至る所に「あ!あそこだ!」という感覚になれる。
新藤晴一スタート地点
岡野昭仁スタート地点の帽子屋さん
その辺りを見つつ、次の目的場所へ。こちらもすぐだ。
⑥下北沢 シカゴ 下北沢店 (”VS”)
18:39 26,667歩
下北沢では有名な古着屋さん。古着に疎い自分でも知っているし行ったこともあるメジャーなお店だ。
新藤晴一が一瞬立ち寄って下げてあったシャツを見るシーンで出てくる。
ただ、とにかく疲れていたため、店内を見て歩く余裕さえなかった。新藤晴一くらい軽くチラ見して次へ。
“VS”のMVの終着点であり、ポルノグラフィティにとっては始まりの場所だ。
⑦下北沢 CLUB251 (”VS”)
18:43 26,909歩
“VS”のMVで最後に辿り着くのがこのライヴハウスCLUB251だ。
なぜこの場所だったかというと、ポルノグラフィティが東京で初めてライヴをやったのが、ここCLUB251だからである。
この日は複数のバンドが出るイベントがあったようだ。
入り口でスタッフさんが忙しそうにしていたので、サッと撮影してお暇した。
コロナ禍において、苦境に立たされているライヴハウスをよく耳にする。
とりわけ2020年2月のパンデミック初期段階で大阪の複数のライヴハウスで感染が発覚したため、世間の風当たりはかなり強かった。
それでもなんとか懸命に経営を続けている方々の苦労を思うと、胸が痛くなる。今は足が痛いが。
ちょうど前日になきごとのライヴでライヴハウスに行って、改めてその楽しさを体感していた。何よりMCで「ここ(ライヴハウス)のステージにまた立てて嬉しい」という言葉とともに、ライヴハウスへの想いをたくさん受け取った素晴らしいライヴだった。
ライヴハウスがまた前と同じ日々を取り戻すことを願っている。
“VS”のMVではゴール地点だし、締めの言葉のようになってしまったが、僕にとってはまだゴール地点ではない。
最後の目的地である、新宿へ向かう。ゴールが見えれば足取りも心も軽くなるかと思ったが、新宿では2箇所いかなければならないので、まだ気が重い。
外は一気に暗くなってきた。正直、明るいうちに終わるやろと思っていたので予定がいかに甘い見積もりだったかわかる。
足は相変わらず痛いが、クレープを食べたことと最後の目的地に向かうということで、気力が復活してきた。
疲れて写真がかなりブレているが、視界の先にパークタワーの高層ビルが見えてきた。こうして見えるとかなり気持ちが楽になる。
首都高沿いを進むと、オペラシティに到着した。あとオリンピックの規制の看板が出ていた。
この時点で19時半なので、開会式ももうすぐだ。
いつの間にか3万歩を超えていた。しんどいわけだ
そしてようやく新宿の目的地へ到着した。
⑧新宿 パークハイアット東京 (”カメレオン・レンズ”)
19:54 33,265歩
通いなれた新宿だが、松濤くらい縁のない世界である。
紹介文にも「五つ星」「ラグジュアリー」などの言葉が躍っている。これ五輪貴族とかが泊まるとこだろ。
ここ「パークハイアット東京」は”カメレオン・レンズ”のMVの撮影場所だ。
この正面玄関の前にランボルギーニが停められていた。
ここで演奏するメンバーはとても色気があり、とても小学生にクレープを奪われるようには見えない。
どう少なく見積もっても、Tシャツにハーフパンツにくたびれたスニーカーを履いた疲れ顔のおっさんが入っていい場所ではない。ドレスコーズのファンだが、ドレスコードは壊滅的だ。
五輪貴族になりたいと願いながら、違う意味でまほろばなホテルを後にした。
いよいよ最後だ。
靖国通りを進み、新宿ゴールデン街へ。
少し離れた先では開会式が行われている。そのタイミングで都庁の前を通ったが、静かそのものだ。
歌舞伎町方面へ向かうんだけど、ここで最悪なことに雨がポツリポツリと降ってきた。聖地巡礼してるファンに容赦なく雨を降らせる雨バンドなんている?
傘なんて持っていないので、これ以上降ってくると大変ヤバい。
疲れてくると階段が本当にしんどい。この世の全てがエスカレーターになればいいのに。
歌舞伎町もいつもの通りの混雑だ。しかし、聞こえてくる会話はオリンピックのものが多い。
最後の気力で足を進める。あの番組に思い入れも愛着もないのに、人はこういう時に頭に"サライ"が流れるのだなと思い知った。
"Rainbow"のように、一歩一歩進める。そして、なんとかたどり着いた。
⑨新宿 ゴールデン街 (”黄昏ロマンス”)
10:28 36,588歩
締めはMVではないが、新宿を訪れたポルノグラフィティのファンが行ってみたくなる場所だ。
そう、新宿ゴールデン街はシングル「黄昏ロマンス」のジャケット撮影地である。
僕は外での一人飲みはあまりしないので行かないが、ゴールデン街は酒飲みにとってはひとつの聖地といえるだろう。
撮影場所を探す際は「Hair Of the Dogs」というお店が目印になると思う。
写真の真ん中少し左上にある白い看板のお店だ。
写真がブレブレなのはかなり雨が降ってきて慌てていたからである。申し訳ない。
ちなみにスナック「夜間飛行」というのもあったので、スナックに行きたいと思ったポルノファンは寄ってみて欲しい。いま僕はじゃがりこスナックをツマミにしてビールが飲みたい。
ということで、東京の街を聖地巡礼してきた。
3万6千歩、28.8kmという結果だった。やってみてフルマラソンを走る人たちがいかに人間離れしているか痛感した。
東京という街が面白いのは、少し歩くと全く違う世界が広がっているところにある。
都会的なビルがあったかと思えば、一歩路地に入ると古き良きお店が並んでいたりもする。
聖地巡礼をしながら街を眺めていると、ポルノグラフィティの楽曲のようだなと思った。
“Zombies are standing out”のような攻撃的な曲もあれば、”黄昏ロマンス”のようにアコースティックで優しい曲もある。
色とりどりな面が組み合わさって、ステンドグラスのようにポルノグラフィティを彩っている。
そんな多面的な魅力を再確認することができた。
僕はこれからもきっと東京の街が、ポルノグラフィティが大好きであり続けることだろう。
開会式で盛り上がっているようですが僕は聖地巡礼を粛々と閉幕します。
— サトシ/飴玉の街 (@zattastore74) July 23, 2021
マジで疲れた…… pic.twitter.com/4YgLNrDVoU
【ポルノグラフィティ聖地巡礼(東京編)まとめ】
①浅草 遊覧船「ヒミコ」 (“Zombies are standing out”)
②汐留 イタリア街 (“この胸を、愛を射よ”)
③渋谷 ドンシー(Dōngxī)亜細亜香辛料理店
④渋谷 丸山町(“まほろば〇△”)
⑤下北沢 ナチュラルクレープ 下北沢店(”VS”)
⑥下北沢 シカゴ 下北沢店 (”VS”)
⑦下北沢 CLUB251 (”VS”)
⑧新宿 パークハイアット東京 (”カメレオン・レンズ”)
⑨新宿 ゴールデン街 (”黄昏ロマンス”)
ポルノグラフィティ「VS」歌詞解釈〜夜ごと君に話した約束たち
「ポルノグラフィティがどんな曲を出してもついて行きますか?」
「喉からCD音源」が出る男、岡野昭仁
ツイート
ポルノグラフィティ全書 ~ALL TIME SINGLES~(初回生産限定盤) (CD+Blu-ray) (コットン巾着付) |
0 件のコメント:
コメントを投稿