※本記事はポルノグラフィティ18thライヴサーキット「暁」のネタバレを含みます。これから参戦される方はご注意ください
「暁達(ぎょうたつ)」という言葉がある。
意味は「物事や道理によく通じること」である。
暁に達するということ、ポルノグラフィティ18回目のツアーは、まさにそんな体験であった。
【再注意】
ツアー中につきネタバレに十分ご注意ください。
また、こちらの記事のSNSでの取り扱いも配慮いただければ幸いです
首都圏のチケットが軒並み落選し、僕がなんとか確保したのが大分のiichikoグランシアタであった。
コロナ禍以降としては、久しぶりの遠征となった。それ程までしても、僕はアルバム「暁」を引っ提げたツアーを目の当たりにしたかったのだ。
理由は言わずもがな。
これがアルバム「暁」のツアー、だからだ。
本題が長くなること確定なので細かいことは省くが、大分駅周辺で食べたランチと夜の居酒屋が最高に美味しくて、この街が好きになった。酒が美味しい街は無条件で好きな場所に認定である。
では本題に入ろう。
場内に入ると、目に飛び込むステージセット。
そのビジュアルにときめかざるを得ない。
不穏なBGM、不規則に浮かんで並ぶ窓、暗がりに浮かぶシャンデリア、そしてステージ下手側にある謎の怪しげな扉。
どうしよう、好きなもんしかない。
マンガだったらキュンキュンの擬音でコマが埋まってる。
ゴシックホラー好きとしてはステージセットだけでチケット代の元を取ったようなものだ。
正直なところ、この時点でもう1曲目がわかったようなものだが、窓の中に"あの少女"が現れたことがトドメであった。
あと関係ないけど、ステージ上に幽霊っぽい人形が飛んでいた。見落とした可能性もあるけど本編で出た記憶がないが、それだけのために仕込んだのか?
開演5分ほど前に影アナが流れる。いつもの女性のアナウンスではなく、「亡霊たちが喜んでしまうので、サイリウムなどは使わないように」とか夢の国のあの幽霊ホテル(ギリギリ濁しておく)のアナウンスをパク…意識したものになっていた。
この時点でライヴはもう始まったようなものなので、ホーンテッドマンション後にオンタイムでスタート。あまりに不穏なマイナー調の音が漂うなか、上手側からサポートメンバーが登場。
そしてステージに設置された扉が開き、ポルノグラフィティが登場する。座席が9列目の右端側だったので、姿がしっかりよく見える。
僕にとっては去年12月の有明以来のポルノグラフィティだ。
BGMが止み、一拍の間をおいて、あのストリングスのイントロが流れる。
1. 悪霊少女
ある程度の確信を持って待ち構えても心を持ってかれてしまう。窓はスクリーンの役割を兼ねていて、時折MVの映像も出ていた。
スリリングなのにどことなく儚げで、まさに夢を見ているような感覚。ライヴという空間に戻ってきたのだと、興奮に身震いしてしまう。
会場のiichikoグランシアタはクラシックのコンサートもよく行われるということもあって、音がめちゃくちゃ良い。
9列目の右端だったけど、それでも音がバランス良く聴こえて、全く耳鳴りもしない。もちろんそれは会場だけでなく音響チームの力によるものも大きいのだろう。
そしてステージメンバーの演奏が素晴らしいのはいうまでもなく、特に岡野昭仁の声は間違いなく去年よりさらに磨かれている。最近のこの人は常に、見た瞬間が最盛期だ。
2. バトロワ・ゲームズ
「フォン♪」という音と共にスクリーンにはツアータイトルと、明らかにPlayStationロゴをもじったPGのロゴ。怒られるだろ、と思ったけどレコード会社がSONYだから問題なかった。
元々打ち込みが多めの楽曲だけど、そこにライヴならではの肉体感が加わって、程よい熱量の仕上がりに。途中で銃の選択画面が出たり、今回は視覚的にも盛りだくさんなので目が忙しい。
最後の「バトロワ・ゲームズ」のフレーズを歌う岡野昭仁が音源よりもさらにキレッキレなうえに、最後アレンジで二回繰り返して曲が終わったので、地味ながらこういうライヴならではのアレンジが堪らない。
3. カメレオン・レンズ
1~3曲目までの流れ、完璧すぎないか。
セットリストを見返しても、マジでここしかないというタイミングで"カメレオン・レンズ"がくる。
少女が内なる恋心と向き合う"悪霊少女"、電脳世界のアバターに染まる"バトロワ・ゲームズ"。これらの曲から思うのは、自分をなにか他の存在に投影することで、自分と向き合うことを描いていることだ。
ここで、より現実世界的な"君"と向き合う"カメレオン・レンズ"
がくると、想いが実際に縁取られ形づくられていくような印象を受ける。
でも、だからこそ「どれだけ自分の心を理解できても、相手の気持ちは決して完全には理解できない」という"カメレオン・レンズ"のメッセージがより立体的に浮かび上がることにもなる。
この一連のシークエンスの締めが「待ち続ける」というフレーズなのが、あまりにも切ないではないか。
MC①
昭仁:大分!盛り上がってますか!心は熱くなってますか!
14年ぶり……じゃって。すみません、なかなか来れずで。みなさん14年も待たせたんだから怒ってもいいはずなのに、こんなに温かく迎え入れてくれて嬉しいです
わしらがポルノグラフィティじゃ!
晴一:14年。14年ってピンとこないでしょ?教えてもらったけど14年前って、iPhoneが3だったんだって。そう聞くと、だいぶ前だなって思えるよね
昭仁:iPhone3ってなにができたんでしょうね。LINEとかもないだろうし
晴一:LINEは2011年からなんだって。いまあっても、YouTubeとか見られないだろうね。
何が言いたいのかというと、もっとちょくちょく来るべきでしたねって。iPhone7、10くらいのタイミングでも来るべきでした
昭仁:14年も待ってもらったので、今日はワシも遠慮せず全力で行きますよ。岡野昭仁、しんけん※です!しんけん!「しんけん」って方言、教えてもらったんですよね、わかる?
※しんけんは大分地方の方言(若者言葉)で「とても」とか「一生懸命」みたいな強調のニュアンスで使われるらしい。焼き肉食いながら「マジでパンチ効いてるわ」とか言ってる友人の言葉を訳すと、「しんけんパンチ効いてるわ」になるということか
昭仁:えー、今回は「暁」のアルバムのツアーということで、アルバムの曲を中心に聴いてもらうんですが、僕らには24年の歴史があるので、そんな曲たちも久しぶりに聴いてもらおうかと思います。
4. ジョバイロ
物凄く意外だった。なぜなら、MC中に見えていた新藤晴一のギターがレスポールだったからだ。
元々"ジョバイロ"は新藤晴一がアコギ、岡野昭仁がエレキ(主にES-335)を弾く場合が多かった。それが「UNFADED」ツアーではサポートギターにtasukuが加わったことで、tasukuがアコギを弾き新藤晴一がテレキャスターを弾くという場面はあった。
けれど、まさかレスポールで弾くという発想はなかったので、意外であった。担いでいるギターから次の曲を想像するフェチとしては、これは油断できない、由々しき事態だ。
それはともかく、やはり声が出せず手拍子が主体となる観客たちにとって"ジョバイロ"のもたらす一体感は、とても頼もしい。
5. Stand for one's wish
アルバム「暁」の特典映像に収録された「稀・ポルノグラフィティ」。ライヴで一度も演奏されていなかった曲たちから4曲が選抜され、スタジオライヴにて演奏された。
その中から大分公演では"Stand for one's wish"が演奏された。
本人たちも「ライヴで盛り上がりそうなのになんでやってなかったんだろう?」と、この曲を好きな人間からしたら「じゃあやってくれろや」としか言い様がないことを言っただけに、音源よりも力強さが増している。
最後のコーラス、今はできないけれど、いつかきっとこの曲を大きな声で合唱できることを祈り、今は手を合わせ願おう。
ここでも新藤晴一はレスポールであった。
6. サボテン
今回演奏された中では最も意外な選曲だったかもしれない。直近では東京ドームで演奏されていたし、しばらくは披露されないと思っていたからだ。
新藤晴一は黒みの強いサンバーサトのストラトキャスターを弾いていた。あれはたしか、今のメインのテレキャスターと一緒に買ったヴィンテージものだっただろうか?
今回のステージが扉や窓が配備されていたこともあって、どちらかというと、閉じた箱庭的な空間を思わせるものであった。だからこそスクリーンを使った演出になると、窓を通して雨の外の世界を見ているという感覚になる。
そこまでは意図していない気もするが、だからこそ演出チームの表現と楽曲がうまく相乗効果を生み出していたのではないだろうか。
東京ドームで聴いた"サボテン"も良かったけれど、こうしてホール規模の会場で聴く"サボテン"はしとやかに、切なく心に沁みていく。
MC②
昭仁:ありがとうございます。大分、14年ぶりということで、(新藤晴一を向き)あれ、あなたは2日前から前のりしてたんですよね?何してたんですか?
晴一:1コ前のライヴが松山で、そこからフェリーで大分まで行ったんよ。そういえば、そのフェリーが"あかつき丸"っていうフェリーだったのね。偶然だけど「おおー」ってなった。
昭仁:2日間過ごしてどうだったんですか?
晴一:そりゃ、2日間温泉に入って。だからか、(手足を振りながら)めっちゃ(身体が)動くよ!
昭仁:そりゃよかったですね。お顔もツルッツルになってますよ、テッカテカに。
晴一:それで、後ろの愉快な仲間たちと行ったんだけど、温泉めぐりするのにスタッフが「せっかくなら浴衣で行きましょう」っていうの。それでみんなで浴衣着て行くことになって、でも別府の街って温泉街って感じで街があるんじゃなくて、転々と温泉があって、まさに生活の中に温泉があるって感じで。
だから浴衣で行くってことに、みんな疑心暗鬼なままで、それでもロビーに降りたらみんな浴衣姿で、ちょっと安心したの。でも5人くらいで浴衣で歩いていると、向こうから普通の仕事帰りのサラリーマンの人がスーツで歩いてきたりして。
ご飯食べ行ったりしても、浴衣が風情あって良かったねって、ほどにもなれず。
昭仁:そうだったんですね、サポメンのみなさん。
→参加した皆川真人やtasukuが何度も頷く
晴一:というか、なんか俺すごく滑ったみたいになってない?
昭仁:いえいえ、よかったんじゃないですか(棒)
晴一:違うわ、こんな話してる場合じゃなかった。ここ(のMC)で言いたかったのは。
こうしてアルバムを創って、ツアーを回らせてもらえて。ここ(足元の曲目リスト)に書いてあるように18回目のツアーとか、24周年とかそういうのはただの数字でしかなくて。
大切なことは、今こうして新しいアルバムを出して、新しい曲を聴いて貰えるということで、それこそが大事なことだと思って、これからもやっていきます。
この新藤晴一のMCは、前に言っていた「現役のバンドとして、新しい曲を出して演奏していかなくてはいけない。そうでないと、懐メロバンドになってしまう」という言葉を思い出す。
あと書くとこなくてここに書くけど、新藤晴一の頭はだいぶ赤くなってた。髪の長さは2011年のつま恋くらいかな?
昭仁:さて、ここからはまたアルバム「暁」の曲を聴いてもらおうと思います。
7. ナンバー
去年の有明公演で聴いてから、どうしようもなく大好きな曲。スクリーン※にはアメリカを走る車窓の風景が映る(MVのテイストに近いが登場人物はいない)。
※相棒によると映像はバックの壁(白幕?)に投影しているタイプ(?)らしい。細かいことはよく知らないので、近くのポルノグラフィティ演出チームに訊いてください
リアルタイムで見ていた時はグダグダMCに惑わされて気づかなかったけど、こうして書いていると新藤晴一の「何回めとか~」のMCと"ナンバー"の歌詞にある数字に惑わされる人という存在とリンクする。
スクリーンの映像に映る森羅万象の世界。
カメレオン・レンズを通さなければ、世界はこんなにも美しく見えるのだろう。
だからこそ最後の「Life goes
on」が、ライヴという空間を、生きているということを、教えてくれる。
8. クラウド
カウントから曲が始まったんだけど、なぜかコンマ数秒前に僕の頭に「"クラウド"がくる」と虫の知らせが響いて身構えてしまった。
理由はわからないけど、"クラウド"が好きすぎるあまり、動物レベルの防衛本能が発揮されたのかもしれない。良かった、致命傷で済んだ。
スクリーンは引き続き街頭中心の映像。たぶんチャイナタウンだと思うんだけど、だとするとやっぱりMVのモチーフを上手く使いながらライヴのアクセントになっている。ちなみに後半の方の映像は記憶を失っているので覚えてない。
音源を聴いた時からどうしても泣けてしまう、2番の歌詞。
駅裏の小さなあのカフェ ひっそりと閉店したみたいひとつずつ消える 名残というか 歴史というか 不意に涙
いつの間に訪れた、サヨナラのない別れ。
気がついたら失っていたもの。
そんなものが、僕らの周りには溢れている。
9. ジルダ
皆川真人のラグジュアリーなピアノフレーズから"ジルダ"へ。
スクリーンの映像はMVを再編集したもので、渋谷のスクランブル交差点の映像やサポートメンバーの自撮り映像なんかも追加されてて、より視覚的にも楽しい内容に。
最初はおどろおどろしく浮かんでいたステージ上のシャンデリアも、この時だけはゴージャスに輝いていた。
ちなみに新藤晴一は何のギター使うんだろう?と思っていたらストラトだった。
(音源のギターはフルアコorセミアコだと思っていたため)
程よくリラックスしたムードで、心地好い横揺れに身を任せるのが気持ちいい。
ステージは少し模様替え。
メンバーも椅子に座り、リラックスしたムードに。
MC③
昭仁:今まであまりやらなかったんですけど、僕らも座るので、皆さんも座ってゆっくり見てください。僕らもアラフィフだし、アンケートでも「座って見たい」という声もいただいていたので。でも座りっぱなしはダメですよ。この後なんとなく立つタイミングがあるので、感じとったらまた立ち上がってください。
昭仁:さて、アルバムには「稀・ポルノグラフィティ」といって、今までライヴでやってなかった曲たちを演奏した映像が入っています。同じように、皆さんからご支持をいただいてると思う曲なのに、うっかり13年も演奏していなかった曲がありました。この曲を最後に演奏したのは2009年の東京ドーム以来です。
聴いていただくのは"うたかた"です。
10. うたかた
そう来たかー、と思わず感嘆の溜め息が溢れた。MCから"グァバジュース"とかかと思ってた。
思えばそうか、ライヴではそんなに披露していなかった。
個人的な推測になるんだけど、やってなかった理由はNAOTOがサポートを離れたことが大きいと思う。
東京ドームの時は琴がメインのフレーズを引っ張っていたけど、他のツアーの時は大抵NAOTOが二胡やヴァイオリンで演奏していたから、サポートを離れたことに伴って、自然と候補から外れるようになってしまっていたのだと思う。
曲が始まると歌い出しはかなりゆったりめで、音を切りながら、ひとつひとつ言葉を紡ぐように歌っていく。たしか伴奏はキーボードだったと思うけど、自信ない。
一番の終わりでバンドが入ってくる。
新藤晴一はガットギター、tasukuはアコギ、山口寛雄はウッドベースのアコースティックなアレンジ。あとたしか中盤から皆川真人はアコーディオンを弾いていた。あと角度的に手元が見えなかったけど、玉田豊夢は横を向いていたので、パッドかエレドラか何かを叩いていたのだろうか。
アレンジを変えたことで、原曲とも違う浮遊感は、闇夜に浮かぶ篝火でゆらゆらと揺らめく陽炎のように揺蕩う。ひとつひとつの音が想いを灯しながら、それでも儚く消えてしまう泡沫のように。
バカみたいな感想になるけど、すっごく良かった。
11. 瞬く星の下で
岡野昭仁がアコギを構えて歌い出す。
「ラヴ・E・メール・フロム・1999」ツアーの時のアコースティックアレンジを想像して貰えればいいと思う。
切々と歌いながらも、やっぱり最小限の楽器構成になると、岡野昭仁の歌声の凄みがよりダイレクトに伝わってくる。
前回ツアーの"元素L"と同様に、1番の終わりで原曲構成に近いバンド演奏へ展開。ソロコーナーの代わりに定番化していくのか?
ちなみにバンド演奏とともにみんな再び立ち上がったので、休憩は1曲半くらいである。
ギター弾いてるくせに演奏に対する語彙力がないので伝えづらいんだけど、2番Aメロでの新藤晴一のギターフレーズが、ちょっとアレンジされてるように感じた。
今までのライヴだと、抜けのいいコードフレーズを弾いていたと思うんだけど、今回はところどころでミュートを挟んだり、原曲とまた違った面白いギターアプローチだった
。それが最初の岡野昭仁による弾き語りのときのギターのニュアンスと似ていて興味深かった。
もはや言葉で伝えられないので、武道館が配信にでもなったら注目してほしい。ていうか配信して。
それにしても、この曲のギターソロどうしようもなく好きだ。
昭仁:さて、大分。次はみんな生きる屍になってもらいましょう。"Zombies are
standing out"
12. Zombies are standing out
無条件という名の条件反射、イントロで昇天。
何度聴いても、やっぱり最高だ、最高なんだ(失われる語彙力)。
スクリーンは全体的に赤が広がり、時折脈打つように動いていた。
冗談でなく、これ以上言うことがない。天才。
人はこれを心酔と呼ぶ。
13. メビウス
"Zombies are standing
out"が相変わらず強烈なのに、次は違う角度で強烈なのをぶち込まれた。
なんとなくここからが後半戦!と勢いづきそうな曲を選ぶかと思ってたのに、真逆で落としてきた。
といってもここで演奏された"メビウス"は感情においては"Zombies are standing
out"にも引けを取らない熱量であった。
今回のライヴで自分が最も引き込まれたのが、この"メビウス"だ。
昨年披露された"メビウス(仮)"からアルバムに収録された際に、岡野昭仁の意向でサビのアレンジが変わった。新藤晴一としては(仮)時のアレンジのイメージで歌詞を書いたので、少し戸惑いがあったようだが、岡野昭仁の意向を尊重したという。
かく言う自分も、正直にいえば最初はアルバム版のアレンジに戸惑っていた。
それは歌詞の淡々とした世界観に引っ張られていたからだ。だから(仮)と違って、サビで音数を増やして大きく波打つアレンジに、若干違和感を持っていた。
けれど、こうしてライヴで聴くと、このアレンジだったことが、とても腑に落ちた。なぜかというと"メビウス"における情景描写は比較的淡々としているが、内面には強烈な激情が潜んでいるからだ。
"メビウス(仮)"をどこか俯瞰した自分を見つめる視点とするならば、ツアーで披露された"メビウス"は強烈なまでの主観視点。なにがその違いを生んだかといえば、それこそが他ならぬ岡野昭仁の歌の力によって生まれた、強烈な説得力だ。
ちなみにライヴでは(仮)と同じでエレキギターの掛け合いになっていた。新藤晴一はたしかストラトだったかな(曖昧)。
この後に岡野昭仁は一度ステージをはけて、残ったステージメンバーで即興的なセッションへ。
見ながら「みんなスッゲー演奏巧いなぁ」と口を開けてアホ面で見とれてしまう。
こういうライヴのセッションタイムって、個人的にはとても好きなので、やってくれるの凄く嬉しい。
少しファンタジーっぽい雰囲気も感じながら、途中からの展開は楽器で描くミュージカルのようで、物語性を感じさせられた。
(それにしても僕は本気で音を言語化する能力に欠けている人間だ)
最近はどうしても言葉にフォーカスしがちだけど、新藤晴一のギターはやはり僕にとって特別だ。
岡野昭仁がステージに戻り、スクリーンには「SHOGEN」の文字が浮かぶ。
14. 証言
アルバムから先行配信されて、今の岡野昭仁の凄みを見せつけられた"証言"。ツアーではそこから更に進化した岡野昭仁を見せつけられた。
ステージから放たれる歌声を聴きながら「あんな…あんな凶暴なオーラ…!」と『HUNTER×HUNTER』のノブみたいにガクブルしていた。
『HUNTER×HUNTER』より
この人はどこまで行ってしまうのだろうと、恐ろしくなる。ひと昔前だったら決して歌えない曲だったことだろう。
あと、ちょっと穿った見方をすると、"証言"の歌詞に出てくる「完璧なものなどないはずの世の中で、たしかにそれを感じた一瞬」って、"メビウス"の曲そのもののような気がして。
だとすると間に挟まれたインプロビゼーションは、その一瞬の間に流れた走馬灯のようでもあるように思える。
昭仁:まだみんな声を出せんけど、その代わりここからは手拍子で会場をひとつにしましょう。
15. アゲハ蝶
奏でられたリズムに早押しクイズのように身体が反応する。
やっぱり自分にとって1番大切で、大好きな曲。嬉しさは元より、今回のツアーで更に思い知らされたことがある。ラララの間奏部分だ。
昭仁:さぁ大分。声が出せない分、手拍子でひとつになりましょう。
当然ながらまだ間奏のラララの合唱はできない。けれど今回は岡野昭仁の指示に合わせて、みんなでクラップを合わせて会場をひとつにした。
リズムだったり、四分音符、八分音符など合わせていく。
これが今の状況でできる最大限の"アゲハ蝶"なんだなって、自然に受け止めていたことに気づいて、ちょっとなんともいえない感慨にとらわれた。
声が出せるようになるまで演奏しないという選択肢もあるのに、ポルノグラフィティがこうして"アゲハ蝶"を演奏してくれたことが、僕は本当に嬉しかったのだ。
やはり僕にとって"アゲハ蝶"は生涯1番大切な曲であり続けるだろう。
すっかり締めみたいだが、ライヴはまだ終わらない。ここまで何文字書いてるのか、怖くて調べられない。どうすんだよこれ。
昭仁:みんな最高の手拍子をありがとう!今度はステージ上のメンバーが、最高にファンキーなグルーヴを奏でてくれます
再び短めのファンキーなインプロビゼーションへ。
ファンクの楽しさはライヴに尽きると思う。グルーヴ感って決して言語化できない要素で、音だけではない何かを感じるものである。それはライヴ会場の空気そのもので、これを体感することこそが、ライヴの醍醐味だ。
その流れのままにこの曲へ。
16. ミュージック・アワー
夏を感じさせる流れが続く。フェスとかは別として何気にこうやってワンマンの時に"アゲハ蝶"と"ミュージック・アワー"が並ぶの珍しい気がする。
ファンクアレンジも楽しく、変な躍りも最初からバッチリ。さっきまで小難しく考えていたことがどうでもよくなるくらい、ただ楽しい時間が流れてゆく。
考察脳としてもこういうタイミングで"ミュージック・アワー"来てくれると本当に助かる(根本的にライヴの楽しみ方を間違えている)
17. VS
ピアノのイントロとともにスクリーンには東京ドームライヴの時に使われたロゴが。
初めて聴いた時よりも、どんどん自分の中で大きくなっていく曲で、それは曲とともに歳を重ねるからだろう。
特にラストの「Come on winner~」からの流れは、何度聴いても胸が高鳴る。
この日はポルノグラフィティが来て、2人揃うと大体雨になる相棒と行ったはずなのに、空が晴れ渡っていたから、感動もひとしお。
すごいどうでもいい話だけど、たまたま昼間に行った大分の駅ビルの屋上庭園が、空は綺麗に見えたけどなんかすごく異空間みたいで、不思議な気持ちになったことを思い出した。
なにこれ
18. テーマソング
ドラムが叩かれた瞬間に、衝撃に身構えてしまう。
前回の「続・ポルノグラフィティ」の本編ラストで「次に会う時はこの曲をみんなででっかい声で歌おう」と約束された曲。
正直なところ、だからこそライヴで(満員状態での)声出しができるようになるまで演奏されないのでは、と思っていた。演奏した理由についての考察は後述。
スクリーンには衛星のようにくるくると歌詞が回りながら表示されていた。
"VS"と同じ感想になってしまうんだけど、"テーマソング"も自分の中で大きな存在となっていて、どんどんと心の深い階層へ潜っていかれるよう。
ライヴの本編ということで、格別に思い入れが深くなるということもあるかもしれない。
声は出せなくとも心は解放できる。
たとえ前と違っても、前と同じように、前以上にポルノグラフィティのライヴをこうして体験できるのは、大きな喜びだ。
あと地味に嬉しかったのが、この曲で新藤晴一が黒テレを弾いていたことだ。MVでも使っていたけど、ここぞという時に使ってくれて、本当に嬉しい。
昭仁:アルバムの「暁」。暁は夜明け前のまだ昏い時間の意味です。暗闇の中に微かに見える光、そしてその先には、もっと大きな光が待っている。そう信じて、最後の曲を聴いてもらいます。
19. 暁
"VS"~"テーマソング"~"暁"という流れに、大きな意味があると思っていて。
「神VS神」~「続・ポルノグラフィティ」~「暁」を繋ぐバトンリレー。その最後がまだこれから夜が明けることを示す"暁"である。
きっとこれまでが、これからを導いてくれる。そう思わせてくれる。
演奏はもはや言わずもがな。野暮というものだ。
正直にいえば1曲目が"暁"でなかった時点で、最後だろうなということは薄々わかっていたんだけど、そんなことは何も影響しなかった。
音に熱があったとしたら、身を焼かれてしまうほどの熱量がステージから放たれる。
もう何度も言うことになってしまったが、岡野昭仁が凄すぎる。元々が相当な難易度の曲なのに、19曲目、本編最後にして全く声がぶれない。むしろ、なんならすでに原曲以上とさえ言っても過言ではない。
今すぐ「留まることを知らない」の類義語辞書に岡野昭仁を追加した方がいい。
これを淡々と書いてるようだが、今僕は恐ろしさに手が震えている。果てが見えないって怖い。
でも岡野昭仁が出だしのサビに合わせ、ステージに膝をついて熱唱する姿に、心震わさずにいられるだろうか。
今回は視覚的な演出も多いけど、この岡野昭仁のヴォーカリストとしての姿が、最も強烈に目に焼きついた。
心苦しいのが、歌の差がわかりやすいため岡野昭仁をフィーチャーしがちになってしまったが、ステージメンバー全員の演奏、それを支えるスタッフワークだって、全曲褒めちぎりたいほどだ。
「いや、なら褒めちぎれよ」という話だが、本当に記事終わらなくなるのでこの場を借りてお伝えしたい。
すごいよポルノチーム。
みんな愛してる。
本編が終わり、束の間の休息。
最近思うんだけど、自分はもはやこの時間にMCで何言ってたか思い出したり、見ながら思ったことの反芻タイムになってる。
大変なので、ポルノグラフィティ毎回ライヴを配信してほしい。
アンコール
昭仁:アンコールありがとうございます!アンコールやりましょう!
せっかくアンコールをやるなら、楽しくパーティーをやりたい!僕らにもパーティーチューンがあるんですよ。僕が今回から勝手に呼んでるだけですけど。このパーティーチューンで盛り上がってひとつになりましょう!"Century
Lovers"!
20. Century Lovers
後述の理由で、演奏するのはみんな薄々気づいていたが、始まってしまえば関係ない(今回このパターン多いな)。これもしばらくは聴けないと思ってた曲なので嬉しい。
声が出せない代わりに手を上げて、みんなで心の中で叫ぶ。
"ミュージック・アワー"とかもそうだけど、もう無条件でハイに連れて行ってくれる曲がある。"Century
Lovers"もそんな曲だ。
2番終わりで、
昭仁:みんな手を挙げてくれて、ひとつになったんだけど、この曲はやっぱりそれだけでは足りません。もうひとつ大切なものが欠けてます。
そのためにみんな、お手持ちのボイスストラップを準備してください。合図をするので、みんなで一斉に鳴らしてください!
※SNSや会場でもネタバレになってしまうけど、それでもみんなボイスストラップ買ってFu-
Fu-を準備してくれ、と流れていたのでみんな「やるな」と確信していた
昭仁:Everybody さぁ、みんな鳴らして
観客:『Fu- Fu- Fu-
Fu-』
昭仁:今のはワシの振り方も悪かったけど、それでも揃わなすぎじゃ。もう一回行ってみましょう!
この後数回「なんか3回目にFu-って鳴らしてる人いませんか?始まるタイミング自分で見極めてください」など、岡野先生によるボイスストラップ集中講義となった。
元々各自で音を録音してきたので、音が流れるまでの間とか、Fu-
Fu-の間隔や早さが結構違っていたためのようだ。それでも最後の方はかなり揃っていたと思う。そもそもボイスストラップ買ってなかった僕なので、買った人たちお疲れさまでした。
最終的にはボイスストラップ+ハンズアップで会場はひとつに。途中で岡野昭仁が「ボイスストラップ持ってる人は手を挙げんでいいよ!両方は無理!」と言ってたのが妙にツボに入ってしまった。
しかしながら考えてみると、"Century
Lovers"って変わらない人の愛のカタチを歌っているものでもあって。見えかたは変わっても、その内側にあるものは決して変わらないんだなと思えた。
あとアンコールでやってくれると、本当は本編で終わるライヴの夜を、ポルノグラフィティが少しだけ伸ばしてくれてるって思えないですか?(結局考察脳が発動する)
メンバー紹介
昭仁:ありがとうございます!ポルノグラフィティここで、メンバー紹介します!まずは僕らを協力にサポートしてくれるサポートメンバー4人から!
山口寛雄→皆川真人→tasuku(バンマス)の順番に紹介される。
昭仁:そして最後!大分県臼杵市出身です!大分に帰ってきました、onドラムス玉田豊夢!
豊夢:ありがとうございます。なかなかこういう形で大分に帰ることがなかったので、連れて来ていただいて本当にありがとうございます
今回ドラムは玉田豊夢と田中駿汰(シュンタ)の2人体制でまわっている。大分に関して僕は「豊夢さんが大分出身だから、大分公演のドラムは豊夢さんになる」と方々に言っていたので、当たってよかった。
でも田中駿汰のポルノグラフィティでのドラム※も体感してみたかったので、日本武道館ではツインドラムにしませんか?
※田中駿汰は元々所属していたBrian the
Sun(現在活動休止中)をフェスで見たことがある。音源買うくらい気に入っていた
あと、もう一言なにか言おうとした玉田豊夢だったけど、先に岡野昭仁が喋ったので止め、「あれ?まだ何かあれば言ってください」→玉田豊夢が大丈夫と手を振るってくだりがあった。何を言おうとしてたんだろう。
ちなみに方言の「しんけん」は玉田豊夢が岡野昭仁に教えたとのこと。
昭仁:さて、残った2人がポルノグラフィティということですが、ギタリストの名をそのボイスストラップで呼んであげてください!onギター!新藤!
観客:『晴一!』
昭仁:これはめちゃくちゃ揃ってるじゃん
そんな感じで、ここだけめちゃくちゃ揃ってて凄いと思った。たぶん会場でボイスストラップを持ってる方が、そもそも多くなかったと思うんだけど、それでもとても大きな"声"になっていた。
晴一:ありがとう。14年ぶりということで。楽屋に14年前の写真貼ってあって、昭仁とかめちゃくちゃ若かったもんね、顔もシュッとしてて
昭仁:それがアラフィフになりまして
晴一:あんまりもう年齢言わない方がいいんじゃない?YOSHIKIさんみたいに非公表にしよか
昭仁:年齢"X"
晴一:(爆笑しながら)そう、年齢"X"
晴一:最近、なんで俺ってエンターテイメントが好きなんだろう?って思うのね。もちろんこういう仕事してるけど、本を読んだり、映画を見たりとか、そういうのが好きで。
何かで読んだんだけど、人間には「他人(ヒト)の物語」に触れることで心が動く部分があるんだって。たぶん孤独とかがそういうので、そういう自分だけではどうしようもない感情を動かすために、エンターテイメントがあるんだなって。
だから、自分がこういう仕事をしているから、これからもみんなの心に触れるような音楽をつくって、届けていきたいです。
ちゃんと伝わってるかわからないけど、何か感じて持ち帰っていただければと思います。
晴一:さて。そしてヴォーカルはー!?
観客:『あ昭仁昭仁ー!』
晴一:あれ、なんかいまいち揃ってなくない?ヴォーカルはー?
観客:『昭仁ひとー!』
晴一:それって元から入ってる音でしょ?Fu-
Fu-はあれよね、自分たちで吹き込んでるから、音が出るまで時間差があったってことでしょ?
昭仁:そうですね。
晴一:ならオンタイムでいこう。
昭仁:急にハードルあげたな
晴一:ヴォーカルはー?
観客:『あ昭仁ー!』
晴一:そこ!早い!(リズム取りながら)ヴォーカルは、昭仁♪ ヴォーカルは昭仁♪よ
昭仁:あなたが練習してどうするんですか
晴一:(前傾姿勢でマイクスタンドを掴みながら)やれるか!お前らー!
昭仁:今日1番デカい声出たな。そのキャラ誰なんだ
晴一:ヴォーカルはー!
観客:『昭仁ー!』
晴一:ヴォーカルはー!
観客:『昭仁ー!』
晴一:そんなもんかー!
観客:『昭仁ー!』
「そんなもんか昭仁」の爆誕である。
昭仁:ありがとうございます。えー、18回目のツアーをしてますが。昔はこうしてアルバムをつくって世に出すってことがね、音楽という大きな海があって、その中に僕らもつくったアルバムを投げ入れて、なんとなく波打ってるなとか、少し大きくなったかなと見ているような気持ちだったんです。
でも、最近はそんなことしなくても、みなさんが布教活動?してくれて。なにかしたら「最新のポルノはすごい!」とか「ポルノの新境地!」とか、反応をたくさんくれて。本当にありがたいです。だから、今はみなさんの心に届くような音楽を創りたいと思います。今日は本当にありがとうございました!
さぁ大分、全部出しきって帰りましょう!ラスト1曲!"ジレンマ"
↑メモから文章にしたので、細かいニュアンスは違うだろうけど、大まかに内容は合っていると思う(そもそも全部そうだけど)。メンバーのMCから感じたことは、流れが悪くなるので最後にまとめます
21. ジレンマ
最初の窓枠のところが美味い具合に「PORNO」の文字になったり、ここだったか忘れたけど「暁」のロゴになって光っていた。
もはや多くを語る必要はないだろう。そこにあるのは、いつものように僕らを熱狂させ、ライヴが終わる名残惜しさを引き連れた"ジレンマ"である。
途中のソロ回しでちゃんとスクリーンにそれぞれの名前が出ていたりして面白かった。ちなみにソロ回しでtasukuは"ネオメロドラマティック"を、皆川真人が"サウダージ"のフレーズを弾いてくれて嬉しい。
どんな時間にも終わりはくる。
ライヴが終わる。
それでも最後の岡野昭仁の「自信持っていけ」「胸張っていけ」の言葉は、いつだって僕らに優しく突き刺さる。
自分の話になってしまうけど、職場が変わったり色々重なってここ最近大変なことばかりであった。でもこうして、ポルノグラフィティは待っていてくれて、また温かく僕らを送り出してくれる。
僕は本当に、ポルノグラフィティを好きで良かった幸せものです。
生声
晴一:また、ちょくちょく来ます
昭仁:みなさん、次に会うときまで、どうかお元気で!ありがとう!
ツアーで暁達(ぎょうたつ)を体験するつもりだったが、結果的に最後はその先の暁という新しいスタートラインに立っていた。
正直にいえば、アルバム「暁」の曲たちに満足するとともに、まだまだライヴでの伸びしろのようなものがあるとも感じていて、これから先もきっとポルノグラフィティは進化し、全盛期は続いていくとも感じられた。
※こう思える感覚がめちゃくちゃ恐ろしいというのが伝わるだろうか
ここまでも案の定長くなってしまったが、少しメンバーそれぞれのMCで思ったことを考察というほどではないけど、残して書いておきたい。
ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。
・新藤晴一のMC
僕自身もめちゃくちゃ多趣味で、音楽はもちろん映画やドラマを観たり、バイオハザードをやったり、様々なエンターテイメントに支えてもらっている。
なんで自分がこうしてエンターテイメントに触れているかといえば、昔から自分という人間にコンプレックスがあるからだ。
すっかり小さくなってしまった自己肯定感を埋めるために、エンターテイメントにすがっている。
僕がポルノグラフィティの音楽を聴くのは、ライヴに行くのは、自分を自分でいさせてくれるからだ。こんな自分に居場所がある、音に触れるたび、ライヴに行くたびそんな気持ちになる。
そこで最後に受けとる「自信持っていけ」「胸張っていけ」という言葉に、毎回救われている。
色んな音楽を聴くけれど、僕に意味をくれるのが、ポルノグラフィティという存在なのだ。
同時に、今回会場でご挨拶できたフォロワーさんも、Twitterやこのブログを読んでいただいてる方たちも、急遽の誘いに大分まで付き合ってくれた相棒も、楽しんできてと送り出してきてくれた方も、「"ジョバイロ"やったよ」と言ったら勘当されかけた母も。
色んな人たちが、足りない僕の隙間を埋めてくれる。本当に、感謝しかない。
※お会いできなかったフォロワーさんはすみません、また是非次回
・岡野昭仁のMC
言葉に「大きな海」という表現があった。
ここで言っていたことって、まさに「BUTTERFLY
EFFECT」で語っていたことに通ずると思う。
僕は個々の曲たちは好きだけど、作品として捉える「BUTTERFLY
EFFECT」というアルバムに、どこか散漫としたものを感じていた。
なんとなく感じていたボヤッとしたものは、まさに今回の言葉に表れていたと思う。"カメレオン・レンズ"以降で、ポルノグラフィティは大きく変わった。
たぶん"カメレオン・レンズ"がまさに「ポルノの新境地」としてファンの間で大きな話題となったのが大きいだろう。
先日テレビでようやく披露された"Zombies are standing
out"も、僕含め当時からファンは「今のポルノはこんなに凄い」と叫んできた。
そんな反応がメンバーに届いて、岡野昭仁と新藤晴一は「暁」というアルバムで、これまで宛名を書かずに出していた音楽という手紙に、僕らの名前を書いてくれたのだと思う。
そんなアルバムが刺さらないはずはなくて。
アルバムから今回のツアーの演出まで、何もかも自分好みで、こんな接待みたいな施しを受けていいのか不安になるほどであった。
なので、今回の「暁」というツアーは「BUTTERFLY
EFFECT」に対する、ポルノグラフィティ自身が見出だしたアンサーだったのではないかと思う。
それにしてもアンサーの殺傷能力が高すぎる。
いつも以上に大きなものをもらったライヴだった。
その後相棒と入った居酒屋で呑んだハートランドの生ビールは、生涯一美味かった。
美味しすぎる大分のご当地料理とライヴの話を肴に、ラストオーダーまで相棒と語り合った。
翌日湯布院でミッフィー→ピーターラビット→本物のうさぎという3コンボをくらって死にかけた。
「デス・ストランディング」みたいな大分の風景に、またここに帰ってきたいと思った。
大分の人たちの笑顔が癒してくれた。
結局温泉に入れなかった。
Life goes on
まだまだ、人生は続いていく。
また、いつかどこかのライヴ会場で会いましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
【セットリスト】
2022.10.28
@大分iichikoグランシアタ
01. 悪霊少女
02. バトロワ・ゲームズ
03. カメレオン・レンズ
04. ジョバイロ
05. Stand for one's wish
06. サボテン
07. ナンバー
08. クラウド
09. ジルダ
10. うたかた
11. 瞬く星の下で
12. Zombies are standing out
13. メビウス
14. 証言
15. アゲハ蝶
16. ミュージック・アワー
17. VS
18. テーマソング
19. 暁
EN-1. Century Lovers
EN-2. ジレンマ
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【ライヴレポ】続・ポルノグラフィティ 2021.12.21 +セットリスト
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