解散してバンドで復活して欲しいとしたら?
と訊かれたら迷わず「スーパーカー」と答えることにしている。
もし万が一そうなったとしたら、ELLEGARDENの復活に沸いた元キッズたちのエネルギーをひとまとめにしたくらい興奮する。
解散して干支が一回り以上してしまっているし、知らない方も多いと思うので、バンドについて簡単に。
SUPERCARとは
SUPERCARは1997年にデビューした青森県出身の4人組バンドである。メンバー全員が青森県出身のバンドというのは、実は結構少ないのではないかと思う。
デビュー当時はギターを中心にしたサウンドであるが、中期以降では大幅にエレクトロ音楽の要素を取り入れたレディオヘッドみたいな変遷をしたバンドである。
デビューから話題になっていたバンドであるが、それに拍車を掛けたのが2002年に公開された映画「ピンポン」の主題歌になったことである。その後も人気を博したが2005年に解散。
解散の経緯は色々あるけれど、今回は本題ではないので省略させてもらう。
中村弘二 - ヴォーカル&ギター
古川美季 - ヴォーカル&ベース
石渡淳治 - ギター
田沢公大 - ドラム
中村弘二(ナカコー)と古川美季(ミキちゃん)は解散後もソロやバンドを組んだりと音楽活動を続けている。
そして石渡淳治は「いしわたり淳治」として主に作詞家として活動する。「関ジャム」の準レギュラーとして出演しているのでお馴染みという方も多いと思う。
ちなみに田沢公大(コウダイ)は靴屋さんをしている。
SUPERCARの楽曲はほぼ全て中村弘二(作曲)×石渡淳治(作詞)という組み合わせで作られている。
解散について『snoozer』のインタビューで石渡淳治は「ナカコーとミキは歌詞なんてどうでもいいと言っていた」等メンバー間の温度差を語っている。
確かに後期のエレクトロを中心としたサウンドでは歌詞よりもサウンドの追求がメインとなっていた節がある。
それでもやはり、現役の作詞家としては第一線で活躍している石渡淳治(いしわたり淳治)の歌詞を見過ごすことはできない。
ということで、前置きが長くなったが、SUPERCARの好きな歌詞をまとめて紹介しよう。
これを書く上で知ったのだが、ベストアルバムが発売されていたので、気になる方はこれで紹介する曲の多くは網羅できるはずである。
1. cream soda
憧れだけじゃ本当は何も見えないなって思うから、
あきらめだけは夢から覚めても言わないよって、それだけさ。
デビューシングルとなる"cream soda"。この曲に初期のSUPERCARの魅力は全て詰まっていると言っても過言ではない。
翌年の98年にリリースされた1stアルバム「スリーアウトチェンジ」の1曲目でもあり、僕は今でもこの曲のイントロがなると胸の高鳴りが止まない。
初期のSUPERCARにある青さ、瑞々しさ。
「夢」とか「憧れ」とかを、そんなものたちを「それだけさ」とちょっとくさした言い方で受け止める辺りが、時代性も相まって心を掴んだのだろう。
2. Strobolights
2愛+4愛+2愛+4愛+2愛+4愛―sunset+4愛+2愛+4 愛+2愛=true heart (真実!)
映画「ピンポン」の挿入歌としても使われている。
エレクトロ要素が強まることで、反復のリズムやメロディが増えていく。そうした中でこの曲で繰り返されるこの記号的で謎の言葉たち。
読み解いていくとたぶんこの記事が終わる。「2愛=To愛」「4愛=For愛」というのは分かりやすいが、正直未だに掴みきれてない。
ひとつ参考になるのがカップリングである"Free Your Soul"よ歌詞は一行のみだが「理性の第3セットに無限の愛をセット . 心を解き、放つ . 夕暮れ、燦然 .」というものである。3セット=sunset。そしてタイトルは"Free Your Soul""(心を自由に)ということで。
3. Love Forever
涙で描くこの絵は紙に並ぶ嘘の笑顔
はだかの王様にはあたかも本当の笑顔。
泣けるだろう?
1999年リリース。2ndアルバム「JUMP UP」からのリカットシングル。
哀愁あるミディアムなナンバーである。
SUPERCARを聴いていると時折oasisを感じる。
タイトルが"Live Forever"ぽいからか、この曲を聴くとoasisぽいメロディラインを感じ取ってしまう。
ちなみに「スリーアウトチェンジ」に入っている"u"という曲は、イントロが"まんま"oasisである。
4. My Girl
「若い世代に愛なんてない。」そんな毎日を笑う。
近い未来の僕をかばってたいんだった。
愛の歌は愛の歌だけで間に合うから…
この「愛の歌は~」のくだりは1番では「愛の歌が愛を歌うだけで間に合うなら…」となっている。この転換の鮮やかさ。
甘い感じの曲なのに、ナカコーの少し気だるい感じのヴォーカルで聴くと切なさも感じるのはなぜだろう。
そして最後のフレーズ。これは是非直接聴いてみてください。
5. MOTORBIKE
『もう、イヤミなくらい青春がしたい。
もう、イヤミでいっぱいの少年でいたい』
凄いどうでもいいのだけど「スーパーカーのモーターバイク」って凄い字面になる。
「青臭い」ってまさにこういう感じという歌詞。それでいて、それすらも追い抜くほど爽やかに駆け抜けていく。
「イヤミ」という言葉でこれほど青春を表して感じさせるのは、さすが。
いしわたり淳治め。
6. Yes
あぁしたい、こうしたいってすぐに言えるせいで
今日みたいに興味ないってそぶりみせるのよ。
「今日みたい」、「興味ない」の韻の踏み方がたまらない。
音に対する言葉の乗せ方もそうだが、このフレーズの言葉には多くの人が縦に頷くんではないだろう。
7. Sunday People
自分で自分の風に乗って
時代と時間を混ぜるのさ。
時代と時代の影に立って
時間と時間を_。
このフレーズを初めて聴いた時の感動たるや。
曲にはどこかヒッピーっぽい要素を感じて、それがこの言葉に説得力を与えているのかななんて。
その後の「うそで守ったままだった/宇宙をなぞったみたいだった_」も良い。
8. Lucky
「あたし、もう今じゃあ、
あなたに会えるのも夢の中だけ…。
たぶん涙に変わるのが 遅すぎたのね。」
SUPERCARの魅力のひとつはナカコーとフルカワミキによるツインヴォーカル。特に"Lucky"ではそれを最大限に駆使して歌詞も男女で呼び掛け合うようになっている。
この曲がフェイバリットという人も多いんじゃないだろうか。それくらい初期SUPERCARの魅力と特徴が詰まっている。
そして何度聴いても出だしのこのフレーズのフルカワミキのヴォーカルにやられ、とても泣けてしまうのだ。
"Love Forever"なんかと逆で、こういう爽やかな曲調にこうした切なさを持ってくるところが好きです。
9. PLANET
どうせだめだよ泣いてたって。
愛を懐かしむだけさ。
今さらだよ、そんな。
今ならほら、言えた…。
SUPERCARを本格的に聴くようになった曲であり、間違いなく僕の一番好きな曲。特にシングルのジャケットが大好きで、これはシングルも持っている。
決して派手な曲というわけでもないのに、心に染み付いて離れない不思議な曲。何度聴いても
また同じ事を書いてしまうが、ナカコーの気だるい感じのヴォーカルが、悔恨とも思える過去のような歌詞に不思議な浮遊感を与え、サビの最後で「今ならほら、言えた…。」と帰着せるところが、今聴くと尚、胸にくるものがある。
10. Trip Sky
描いた夢のまま静かに
浮かんでまた消えてくのさ。
すさんだ世界の向こうへと
浮かんでまた消えてくのさ。
1stアルバム「スリーアウトチェンジ」の最後の曲であり、新木場スタジオコーストで行われた解散ライヴの最後に選ばれた曲である。
「スリーアウトチェンジ」は元々19曲というボリュームがあるアルバムで、その最後に収録された"Trip Sky"は12分54秒というラップタイムを刻む。
僕はSUPERCARを映像の中でしか知らなくて、解散ライヴもDVDの中の景色しか知らない。
そこで鳴らされる"Trip Sky"はいつまでも宙を彷徨い、きっといつまでも鳴り続けている。それだけはいつまでも消えないでいて、そう願ってしまう。
解散してもう干支も一回り以上してしまったが、それでも僕はいつか4人の音が聴ける日が来ないかと願って止まない。
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