2018年7月31日火曜日

X-ファイル2018(シーズン11) 第1話「闘争 Part.3」ネタバレ感想







「X-Files」のシーズン11を見た。

今回は全10話とボリュームも増えたため、少しずつ感想を書いていきたい。

なお、ミソロジーについては5話の「グーリー」がとても重要なミソロジーエピソードとなっているので、Part.3から「闘争 Part.4」へいきなり飛ばないように注意していただきたい。エピソード順に見る方が懸命だ。


日本では今シーズンは「X-ファイル 2018」、前シーズンを「X-ファイル 2016」と明記しているが、ここではシーズン10シーズン11として扱うこととする。



EPISODE-1 闘争 Part.3








あらすじ



スカリーが発作を起こして倒れ、病院に運ばれた。検査の結果、脳が原因不明の異常な活動を示していることが判明。やがて意識を取り戻した彼女はリアルな幻覚を見たと話し、その恐るべき内容が間もなく現実になると警告する。激しい頭痛に苦しみながら必死に訴えるスカリーのため、モルダーはある人物を捜しに動き出す。





ネタバレ感想




ミソロジーエピソードについて、話の整理も兼ねて、ストーリーを追いながら感想を書いていく。

前シーズン10からのクリフハンガーエピソードである。


冒頭はミソロジー恒例の主要キャラクターによるモノローグ。今回はスモーキングマン(カール・ゲルハルト・ブッシュ)である。
暴力が横行していたアメリカ、そこで暗躍し続けてきた男。

モノローグと共に映される映像、それは歴代大統領たちの姿。つまり”アメリカ”の姿である。トランプや金正恩までが映し出され、時代性を表している。

同時に描かれる暴動や水爆実験の映像、アポロ計画。
アポロ計画の偽り。そう、あまりにも有名な都市伝説「アポロは月面に着陸していない。月の映像はスタジオで撮影されたもの」というシーンを映しオープニングへ。

オープニングクレジットのタグラインが「私は偽りたい」となっている。この“私”が誰なのか、それがこのエピソードを読み解く上で重要なポイントだろう。


シーズン10のラストで橋の上でUFOを見たスカリーは、橋で倒れて意識不明となったまま発見され病院に運ばれる。意識は戻らないが、前頭葉の映像からスキナーがモールス信号ではないかと読み取る。そのメッセージは「彼を探せ」。彼とは息子、ウィリアムのことではないかとスキナーは指摘する。

意識不明のスカリーの横で「自分のせいで大切な人が苦しんでいるのではないか」と苦悩するモルダー。今更か。





そんな時にスカリーは目を覚ます。「スモーキングマンを探せ」と言う。シーズン10で明らかになったスモーキングマンによるウイルスの散布計画をモルダーを伝える。

死にかけているモルダーが見えるというスカリー。というかモルダーは一度死んで甦ってるからね(シーズン8「ギフト」)
助かる為に必要なのは、異星人のDNAを宿したウィリアムの肝細胞。

そしてスカリーの幻覚は外部からの影響で今の脳科学では有り得ない現象ではないかと言われる。






そしてスモーキングマンの息子であり、モルダーの弟であるジェフリー・スペンダー、生きてたんだっけ。ごめんよ、忘れてた。

もう、死んどけよ、人として。スモーキングマンに撃たれたというのは覚えてるけどなぁ。ワンピース並みに人が死なないドラマ「X-Files」。

とりあえず撃たれたあとに母親同様にエイリアンの実験台にされていたため生きていたらしい。
終盤ほど見た回数少ないので記憶が薄い。見返さなきゃな。

スペンダーは何者かに襲われ「子供の居場所を教えろ」と襲撃者に問われるが、なんとか難を逃れ、モルダーの携帯にメッセージを残す。


メッセージを聴いたモルダーは車でスモーキングマンを探しに出るが何者かに尾行される。ここのカーチェイスシーンは「X-ファイル」でも珍しいタイプで、派手ではないが、ドラマの1シーンと捉えるとかなりダイナミックな映像だ。地に足がついたカーチェイスというか。


スペンダーはスカリーの元にも現れた。スカリーがスペンダーに頼んでウィリアムの預け先を選んだんだっけ。全く忘れてた。
ウィリアムはヴァン・デ・カンプという名の里親に預けられたと伝える。








スペンダーのメッセージを盗聴によって情報を得たスモーキングマン。しかしスペンダーを襲った襲撃者、ウィリアムを狙う存在の心当たりはないという。





更にモニカ・レイエスに語る。

「人類は滅亡の危機から目を背けている。科学を蔑ろにして、代わりにバカげた偽善やたわ言を選んだ。文明などジョークだ。私の計画のオチはそれさ」

スモーキングマンはあらゆることでアメリカに尽くしてきた。かつてシーズン4の「紫煙」で語られたようにケネディやキング牧師の暗殺を行った張本人でもある。そんな彼がウイルスを使ったテロを遂行しようとした目的、それは「終わりが近い人生に大きな足跡を残すこと、息子に認めてもらうこと」

「紫煙」において明らかになるが、スモーキングマンは自分の生涯を一冊の小説にした。しかし、それは出版社の意向であらすじを改編され、作家の道を諦めることとなったという過去がある。

歴史の裏で暗躍してきた男の最後の願いは「自分が正しかったと認めさせる」こと。そうして最後に表舞台で名を残そうとしたのである。つまりは復讐劇なのだ。

ウィリアムと共にスカリーも狙われるのではと危惧するスモーキングマンだが、同時にウィリアムを先にスカリーに見つけられてはならないという状況に追い込まれる。


モルダーはペンシルベニアでスモーキングマンを探すが、そこにいたのは謎の男(ミスターY)と謎の女がいた。
彼らはスペンダーを襲った者たち。彼らも異星人入植計画に関わった者だという。





スモーキングマンが異星人の病原体をバラ撒き人類を滅亡させようとする計画を止めようとしているという。
かつて異星人の入植に関わり、かつては「人類を救いたい」という同じ思いであったが、いつしかリーダーであったスモーキングマンは破壊的な思想となっていった。






異星人は技術と共に破滅の種(病原体)をも持ち込んだ。
スモーキングマンはそれを研究し免疫を作った。そしてそれを利用して"第四の文明の終わり"において人類選別を行うという。

余談に入るが"第四の文明の終わり"とはアメリカのホビ族の予言のことで、


「白人が置いた天の住居が大音響と共に落ちてくる。
それが起きて間もなく我が民の儀式が終わる」



というものだ。

宇宙移民を計画するという彼らをモルダーは信じず、協力を拒む。


スカリーはスペンダーの情報を得て病院を抜け出す。X-ファイルのオフィスで一度倒れ、自力で起き上がり車に乗るが運転中にまたしても気を失ってしまい、事故を起こす。
それを助けたのがたまたま居合わせたアインシュタインであった。

病院のタグから、スカリーは再び病院へ運ばれる。病院からモルダーの元へ連絡が行くが、同時に襲撃者も気付きスカリーを殺害するため襲われるが、間一髪のところでモルダーによって救われる。


一方スキナーの元へスモーキングマンとモニカが現れる。スモーキングマンはスキナーに取引を持ちかける。
その内容はウィリアムを見つければ病原体の抗体を渡すというものであった。








更にスモーキングマンは驚愕の真実をスキナーに告げる。


それはシーズン7の15話「旅」と繋がる。
このエピソードでスモーキングマンはスカリーを誘い出しペンシルベニアへ向かった。

その旅路の中で車で眠ってしまった(眠らされた)スカリーをスモーキングマンが家政婦とベッドに連れていった、というシーンがある。

なんと、その時スモーキングマンが異星人の科学によってスカリーを妊娠させたという。
父親はモルダーではなく自分であるとスモーキングマンはスキナーに云う。

そんな衝撃のラストで最初のエピソードは幕を告げる。


「旅」はシーズン7のコメディっぽい話が多い中で、かなり真面目で、スモーキングマンとスカリーという組み合わせで話が進む異質な手触りのエピソードであった。
それもそのはずで、このエピソードはスモーキングマンを演じるウィリアム・B・デイヴィスが脚本を書いているのだ。

そんなエピソードが19年の時を経て、ミソロジーとして絡まってくる辺りが恐ろしいところだ。









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