2018年8月5日日曜日

X-ファイル2018(シーズン11) 第4話「失われた記憶」ネタバレ感想









EPISODE-4 失われた記憶







あらすじ


昔使っていた秘密の合図で呼び出され、モルダーは駐車場へ。そこで待っていたのはレジーと名乗る挙動不審な男。彼は、モルダーが子供の頃に大好きだったSFドラマの特に忘れられないあるエピソードは、現実には存在しないと告げる。さらに、モルダーが彼を覚えていないのも、“奴ら”に記憶を変えられたからだと…





ネタバレ感想




「X-ファイル」において異質なエピソードを創りまくってきた、みんな大好きダリン・モーガン作品である。
※ブックレットには監督・脚本がクリス・カーターになっているが誤り

前シーズンでも「トカゲ男の憂鬱」という名コメディエピソードを創り上げたが、今回もやってくれた。
最初の「トワイライトゾーン」風のオープニングシーケンスも秀逸である。

このために創られたシーンと思うと、とても手間が掛かっている。

この作中作の中でも「特殊な光線で記憶を消す」という話が出てくるし、鏡に映る異星人の姿形は記憶しておくといいだろう。

なお、今エピソードはタグラインが「THE TRUTH IS OUT THERE」が通常通り出る。


オープニングが終わり、モルダーが登場する。




これである。クレジット見なくてもダリン・モーガン作品だと一発で分かる。
モルダーは自然の中でビックフットを追っていたという。

ふと窓を見るとテープで「X」の文字が。
そう、それはかつて情報提供者ミスターXを呼び出す為の合図。

モルダーは合図を受け、駐車場へ。駐車場が落ち合う場所だったっけ?





メインキャラクターとなる謎の男が登場する。
モルダーのことを知っているようだが、モルダーはレジーを知らない。それを知ると男は「もう遅かったか」と言う。

「トワイライトゾーン」でモルダーが初めて見たのは”消えた火星人”が存在しないと伝える。その時何者かが現れ男は消えてしまう。
ここでモルダーが言う「ロッド・サーリングなら最高だな」という台詞。ロッド・サーリングは「トワイライトゾーン」で脚本と出演をしていた人物である。





ディナーの約束をしていたスカリーが現れるが、モルダーは”消えた火星人”を探すのに必死で約束を破られる。
もうスカリーに撃ち殺されてもモルダーは文句言えないんじゃないか。

「そんなエピソード無いのでは?」という初めて見たエピソードなので、絶対に間違いないそう。
ここで「トワイライトゾーン」を見るモルダーが映るが、ビジュアルが、控えめに言って爆笑ものである。





飽きれて帰るスカリーの前に額に汗をかいた男が現れる。モルダーと接触した男だと気付いたスカリーは話を聞こうとする。
レジーはスカリーにゼリーの箱を渡し「これに自分の指紋が付いている」と言い残し去ってしまう。

スカリーは「ABCゼリー」だったと思うが、誰に聴いても「123ゼリー」しか知らないと言われていたという。

そんな記憶のことについてモルダーは「”マンデラ効果”ではないか」と言う。実在しないものを記憶違いで”ある”と認識してしまう症状のことである。マンデラ効果については後述。
モルダーは窓に「X」を張り男を呼び出すことにした。前日すっぽかしといて「デートみたいなもんだ」というモルダーはスカリーに撃ち殺されても文句言えないと思う。それでも付き合うスカリーが可愛い。


現れた男は”レジー・何とか(Reggie "Something")”と名乗る。

モルダーとスカリーは話を聞く。レジーは突然絵本のスペルが記憶と違っていたという話をする。モルダーは「マンデラ効果か」と言うが、レジーはそれを言うなら「メンゲレ効果」だという。「マンデラ効果」自体がメンゲレ効果なのだという。ここは覚えてなくていいです。

レジーはアンティークショップへ行くエピソードを語る。

ワズルのスペルがやっぱり違うと知ったレジーに「おいおい壊すならイーヴル・ニーブル人形にしろ、頑丈でリアルだぞ」と店主が言う。
何だろうと思って調べたらイーヴル・ニーブルはバイクジャンプの先駆者で「生涯骨折回数433回」というとんでもない記録でギネスに認定されている人物だった。




こういうエピソードを知るとこういうギャグシーンが更に楽しめる。
記憶のことに詳しいという店主は客の記憶違いが頻繁に起こっていて、それは政府が仕組んだものだという。それに触発されてレジーも調べるようになったという。

政府がなぜ記憶を改ざんしているのか、それは「過去を制する者が未来を制する」からだという。

一方モルダーは「パラレルワールド」だと主張するがスカリーとレジーに強く否定される。

高校のアルバムにレジーは載っていないし、アンティーク店の店主は次に行った時に口封じのため殺されていたという。

レジーの主張する「ゼイ(They)」についてまだ疑っているモルダーとスカリーにレジーはある男の写真を見せる。
その男は「サディアス・Q・ゼイ」という博士のものだった。集合記憶の操作法を発見した神経科学者だという。












ゼイ博士はNASAの研究をしていて、その後記憶の改ざんの研究を完成させたという。

レジーはさらに「アメリカのグレナダ侵攻はなぜ起こったのか」その理由を参加していたのに覚えていないという。しかしレジーがグラナダから家に宛てた手紙には、グラナダ政府がUFO研究の資金にするため発行した切手が貼られていた。

海岸にUFOが墜落して、そこに乗っていた"生きている"異星人が発見され、医学生だったレジーはそれを目撃したという。その主治医こそゼイ博士だったいうのだ。異星人は環境破壊のことを見ていて「35年後に仲間が確認に来る」と話していたという。

異星人はテレパシーで話していたという。そこに政府が侵攻し、異星人は連れ去られていた、それを切手を見て思い出したという。

記憶違いといえば「序章」の時点で「記憶と時間の喪失」というテーマが出てくるよね。

なんとその後レジーはFBIに入所し、「X-ファイル」に入ってモルダーとスカリーの仲間だったというのだ。


「X-ファイル」課が実は3人いた(?)という着眼点がさすがであるが、オープニング映像が流れ「レジー・何とか」が追加されたり、過去のエピソードの映像にレジーを合成しているシーンは、今シーズン屈指で爆笑した。
映されたエピソードは「序章」「トゥームズ」「執筆」「骨董」「ホーム」「スモールポテト」辺り。記憶違いがあったらマンデラ効果ということにして欲しい。

たとえば「スモールポテト」のエピソードで部屋に飛び込むシーンがモルダー(本物)ではなくレジーになっているのは、凄く違和感なく見えて驚く仕草含めて面白い。

「最後の事件」について語ろうとしていた矢先、何者かがまた現れレジーは逃げてしまう。何者かの正体はFBIの捜査官だったのだ。しかし「伝説の捜査官が、今じゃ太って落ちぶれて」と軽口を叩かれて去ってしまう。

まったく自体が分からないモルダーだったが、そこになんとゼイ博士から電話が入って呼び出される。

ここで呼び出される公園(?)の銅像がめちゃくちゃ怖い。
※バンクーバーにあるスタンレー・パークというところみたいです




ゼイ博士はあの動画は「偽フェイクニュース」でようやくモルダーがゼイ博士を見つけてくれたので、直接接触したという。
もう権力者が秘密を守り通せる時代は終わり「ポスト陰謀」の時代になったと語る。

今こうして人前に出れたのは「人は信じたいものだけ信じる時代」となった。だからこそ、ネットに情報を載せたという。


再びレジーと接触する。スカリーが情報を調べれジーの名前は「レジナルド・マーガトロイド」。高校は数週間で退学し、その後入隊してグレナダ侵攻に参加した。その時に抵抗軍の建設作業員にシャベルで頭を殴られた。除隊後には政府機関で仕事をした。郵政公社、国税庁、証券取引委員会、証人保護プログラム、9.11後はCIA、国防総省、そしてNSA(国家安全保障局)で盗聴。

ここのシーン、カットバックでテンポ良くいくけど、それぞれの仕事の仕方とかかなり皮肉が利いていて面白い。

そして1年前に神経をやられ神経衰弱で精神科施設へ。
国に尽くしたかったのに、裏切られたことに幻滅からきたもので、盗聴した内容を基に幻想に逃げ込んだのではないかとモルダー。「正義と真実を追うためのチーム」へ参加したと思い込んでいた。

救急車が来て、レジーに拘束衣を着せて連れてこうとする。

モルダーは呼び止めて「最後の事件」について聞く。

それは「真実」を見つけたというものだ。35年経ち異星人がやってくる場所を勘で探し当て、スカリーの運転で現場へ辿り着くと、そこに本当にUFOと異星人が現れる。





この時、異星人のわざわざ回り込んでミニセグウェイに乗ってやってくる動作など最高である。
ちなみにこの異星人の声はダリン・モーガン自身がつとめている。

異星人は観察の結果、地球人の太陽系以外への宇宙侵攻を禁止するという。
理由は地球人の「ウソつき」が感染しないため。異星人は「真実」が書かれているという本を手渡し去って行く。

全ての真実を手にしてしまったモルダーは泣き崩れる。
面白すぎる。


語り終わったレジーは連れて行かれるが施設の名前が「スポトニッツ療養所」になっている。

オチのスキナーの台詞によって、どこまでが本当なのか煙に巻かれるようなラストも秀逸だ。

結局レジーはどんな存在だったのだろう。
もし全てが彼の妄言であるならば、どうやって「X」のテープの存在を知りモルダーと接触していたのだろう。

そこを考え出すと堂々巡りしてしまう。

全てが嘘のようで、そこに本当の真実を隠すというゼイ博士の言葉のように。


さて、マンデラ効果のないように書いていたら長くなってしまったが、最後に余談。

エピソード内で議論になる「マンデラ効果」

ネルソン・マンデラ氏が1980年に死亡していたという認識が多くの人の間で持たれていたことから名付けられたとされているが、マンデラにとってはこんなに不名誉で失礼な話はないだろう。
※実際には2013年没

こうした記憶違いを「マンデラ効果」としている。
















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1 件のコメント:

  1. マンデラエフェクト集
    ・東京ビッグサイトが金色
    ・フランス国旗の青の部分は、水色系だったはず(18世紀から濃い青⇔紺で変遷してきた事になっている)
    ・在日コリアン人口が約45万人(約200万人だったはず)
    ・ひらがなの「や」の二画目の向き
    ・ザビエルの一番有名な肖像画の、白いヒラヒラ襟が無くなった
    ・天の川銀河内での太陽系の位置は、もっと外側だったはず
    ・(甲賀忍者、甲賀市等の)甲賀の読みが『こうか』
    ・象の前足が長くなった
    ・ゴキブリの脱皮
    ・ドラクロワの自由の女神、両乳まるだし
    ・ローリングストーンズのホンキートンク・ウィメン(Honky Tonk Women)
    ・『オラは人気者』の歌詞「おバカな1日、元気だそー(出そう)」
    ・Yesterday の綴り
    ・戦時中の、三式戦闘機 「飛燕」によるB-29への体当たり攻撃
    ・タッチの歌詞、「ため息の"花"だけ束ねたブーケ」
    ・モーゼの十戒の石板が2枚
    ・キリストの地獄への降下
    ・盲腸、虫垂が身体の右側
    ・ラシュモア山のワシントンの顔が外向きになった
    ・奈良の大仏が薄目をあけている
    ・クラーク博士像の右手が開いている
    ・スタトレ、セブン・オブ・ナインの左目上のパーツが大きくなった
    ・アナゴさんの唇が肌色
    ・トイストーリー、ウッディのベストが一作目から牛柄
    ・『身』の六画目は右に出ていたはず
    ・肺が上葉、中葉、下葉に分割(左右非対称)
    ・バナナが逆さまに実るようになった
    ・コンバース・オールスターの星マークが(80年代から)一貫して、内側だった事になっている
    ・戦後、日本は米国の単独占領ではなかった(英連邦占領軍の駐留)

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