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2023年3月31日金曜日

【ライヴレポ】PUNKSPRING'23 TOKYO~シンプルプラン・マイケミ




2023年3月25日幕張メッセ

PUNKSPRING'23に参戦した。

当初は記事を書く予定はなかったのだが、どうしてもシンプル・プランとマイ・ケミカル・ロマンスについて書きたくなったので、自分のための記録を残しておきたい。

そもそもをいえば入場した瞬間の「クリエイティブマンのフェスに戻って来た」感で、もうヤバかった。洋楽フェスもとい、ライヴは自分にとっては2016年のサマソニ以来だ。それでもどこか、遠い昔みたいな郷愁。


あと記事ではしっかり触れないが、TOTALFATから見ていて、見たバンドどれも素晴らしかった。

特にTOTALFATのShunの『パンクに裏切られたことはない』って言葉すごくよくて、そこから最後の"Place to Try"はちょっとズルいくらい感動させられた。

Hey SmithやThe Interruptersのカッコ良さも、忘れがたい瞬間がたくさんあったフェスであった。

唯一惜しむらくはSUM 41の直前でのキャンセルであった。
Simple Planに乱入するデリック見たかったなぁ。


では本題へ。



Simple Plan




01. I'd Do Anything
02. Shut Up
03. Jump
04. Jet Lag (feat.Natasha Bedingfield)
05. Your Love Is a Lie
06. Addicted
07. Welcome To My Life
08. Iconic
09. Summer Paradise
10. Party Madley
  All Star(SmashMouth)~
     Sk8ter Boy(Avril Lavigne)~
       Mr.Brightside(The Killers)
11. What's New Scoobey-Doo?
12. Where I Belong
13. I"m Just a Kid
14. Perfect


いつだって俺たちの青春シンプル・プラン。

メンバーは40代に突入したし自分も今年36歳だけど、そんなのお構いなしに僕らをキッズに戻してくれる。

新譜もとてもよかったし、00年代を支えてきたポップパンクバンドの雄姿を、2023年に体感できるのは幸せだ。


オープニングSEはスター・ウォーズのメインテーマ。
めっちゃ壮大で笑ってしまう。

デヴィッドのいない4人だけのステージは少し寂しいけれど、それでもひと度サウンドが響けば音楽が全てを包んでくれる。


"I"d Do Anything"
身体は着実にオッサンになってるんだけど、そんなのお構いなしに心がキッズに返り咲くイントロ。変わらないパワフルで音楽にしかないエネルギーをくれる。

正直SPのライヴはたぶん10年ぶりくらいで、お久しぶり感は大きかった。

それでも、いざライヴが始まれば信じられないくらい、ほとんどの曲が身体というか細胞に染み付いてる。

そこから"Shut Up"~"Jump"と続けば、会場は一気にSimple Planのものに。なんかもう単独みたいな感じさえするほど。

さすがに前方突っ込む気力はないし、やってはいけない筋を傷めそうなので後方から見ていたが、それでも身体が疼くほど。
※といってもラインナップからして客層はかなり30~40代多かった印象

"Jet Lag"では(たぶん)ナターシャも登場して、原作再現。
本当にこの曲のためだけに連れてきたのか?


そこからもオールタイムベストとしか形容できないくらい、キャリア総括ベストなセットリスト。

途中にはまた日本のスタッフが吹き込んだ錦鯉のネタを言ったり、日本語でもMCしてくれたり相変わらずサービス精神の塊である。

途中で"Party Madley"と題して、カバーメドレーが披露された。近年のライヴでは定番らしいけど、内容は知らなかったので、The Killersの"Mr. Brightside"のイントロ流れた瞬間に、ビックリしすぎてレッドブルウォッカ全部吐くかと思った。

見たい見たいと思いつつ、まだライヴを見れていないThe Killersの代表曲を、まさか本家より先に聴いてしまった。
そういえば最近マネスキンが"Somebody Told Me"をカバーしたりもしてたな。

その後も"What's New Scoobey-Doo?"や、聴けると思ってなかった"Where I Belong"もやってくれた(We The Kings来日せんかな)

今回のグッズにもなっている"I'm Just a Kid"で絶頂へ。
あのTシャツ、フードエリアで(たぶん)アメリカ人の、ちょっと悪ガキっぽい子が着ているのがあまりにピッタリ過ぎて、あれ以上似合うのは無理だと思った。


改めて、SPは本当に日本人好みなメロディアスな曲多くて、初めて見た人でも入りやすいんじゃないかと思う。

ラストはピエールの弾き語りからの"Perfect"。

人生の中の大切な1曲なので、これを聴くためにSPのライヴ見てるようなもんだ。

ひたすらに泣きながら歌ってしまう。どうしようもないくらい。

そう、歌えるのだ。

コロナという事態が起きてから、僕らの声は奪われた。

何年もの間、拍手だけでミュージシャンへ幸せを伝えてきた。何度も何度も。
それがようやく、大きな声で幸せを伝えられるようになった。

少し前から解禁になっていたので、すでに体感している人もいると思うが、僕は解禁になってからはパンスプが初だった。

暗転すれば歓声があがって、コール&レスポンスをして、メンバーの名を叫んで、みんなで歌って。

当たり前にあった光景が、当たり前に戻ってきてくれたことが嬉しくて、胸に込み上げるものがある。

たった3年かもしれない。
けれど、失われた時間は戻って来ない。だからこそ、同時にそれを乗り越えた僕らの未来も、きっと掛け替えないものになるのだ。


終わったあと身体も心も満たされすぎて、相棒と「ヤバい」しか言ってなかった。うちの4歳の姪っ子のが語彙力ある。

そんな余韻をレッドブルジンで流し込み、遠目に見ていたはずなのに音めちゃデカイ BAD RELIGIONに、堂々たるレジェンドの風格に圧倒される。


そしてフェスはヘッドライナーへ。








My Chemical Romance




セットリスト
01. The Foundations of Decay
02. I'm Not Okay (I Promise)
03. Boy Division
04. Give 'Em Hell, Kid
05. The Ghost of You
06. Kill All Your Friends
07. Our Lady of Sorrows
08. Planetary (GO!)
09. Welcome to the Black Parade
10. It's Not a Fashion Statement, It's a Fucking Deathwish
11. Bury Me in Black
12. Teenager
13. DESTROYA
14. This Is How Disappear
15. The World Is Ugly
16. Helena
17. Mama
18. Famous Last Words

アンコール
19. Vampires Will Never Hurt You
20. The Kids From Yesterday



マイケミはやっぱり自分の中で特別な存在だ。
日本武道館で行った「The Black Parade」再現ツアーは、僕の二十歳の誕生日、まさにその日だった。

あれから16年が経とうとしている。
2013年に解散してしまって、それから2019年に復活が発表された時には職場なのに叫んで泣きそうになった。

コロナがあって来日は延びてしまったけど、ようやくこうして日本でマイケミを見られる日がやってきた。

復活後の新曲"The Foundations of Decay"からスタート。
正直なところ、「ちょっと音小さくね?」とは思ったんだけど、中盤くらいからPA調整入ったのか気にならなかった。


インスタとかで見るごとに凄いことになってるジェラルドの衣裳。

スクリーン越しに見る今回は、スーツのジャケットスタイルで、顔に血糊があるくらいでめちゃくちゃカッコイイじゃないか、と思ったのもつかの間。下はしっかりタイトスカートにパンスト、ヒールであった。

曲間ではジェラルドのMC(発音の具合で自分はうまく聞き取れなかったが……)、あとはノイズを鳴らしたりしていた。
フレンドリーというよりは、バックの崩壊した街の映像と相まって、ひとつの世界観を創りあげているような印象。


といいつつ2曲目に"I'm Not Okay (I Promise)"がくればもうオーディエンスは大合唱。心なしか本当に外国人率が高かったので、周りの雰囲気が海外のフェスみたい。行ったことないけど。

マイケミもキャリア総なめのラインナップ。

その中でも"The Ghost of You"はいくつか見ていた最近のセットリストには、(たまたまかもだけど)入っていなかったので、イントロで窒息しそうなくらい息飲んだ。

そこからもう1曲"Kill All Your Friends"は、見かけたセットリストには入ってはいたが、やってくれたことが兎に角嬉しかった。


そして言うまでもないが、ライヴとして1つ大きなハイライトは"Welcome to the Black Parade"である。

観客が熱と光の塊になって、弾け飛んでしまうかのようで、この曲が持つ力を、改めて見せつけられた。
同時にこの曲を勿体ぶらず、中盤に配置したバンドとしての自信の表れのようにも感じた。

終盤にかけても強力な曲が並んでいたけど、その中でも"The World Is Ugly"はかなり嬉しかった。

実はいうと洋楽ニュース追ってなかったのと、サブスクもずいぶん最近使い始めたので、「Conventional Weapons」の存在、去年くらいまで知らなかったんです。

そんな曲たちではあるんだけど「めっちゃいいやんけ」とビックリしていたので"Boy Division"とかもそうだけど、聴けて嬉しかった。

"Helena"の合唱が一段と感慨深かったのは、外が昼まで雨降っていたせいかもしれない。

本編ラストは"Famous Last Words"。

元々「The Black Parade」でも好きという次元を超え、人生に必要な曲である。

I am not afraid to keep on living
I am not afraid to walk this world alone
Honey if you stay, I'll be forgiven
Nothing you can say can stop me going home

もう生きることを恐れない
もう孤独に世界を歩いていける
ハニー、もしいてくれたら、僕は赦されるかな
何を言われたって、僕は止められないんだ

たとえ「死にたい」と思ったことはなくとも、絶望なんて世界に絶え間なく溢れてる。

クソみたいな世界で、幸せを見つけるのが人生なのかもしれない。

自分の好きな、大切な音楽に出会えたことが、僕にとっての幸いだ。

最後の"The Kids From Yesterday"ではステージにマイキーの娘(ちゃんと防音ヘッドホン着用)が出てきたり、ステージ袖には、たぶん誰かの息子だと思うけど男の子がいて、最後はそこにカメラがクローズアップしてライヴは幕を閉じた。

それがそのままマイケミからのメッセージのようだった。


My Chemical Romanceが、なぜ自分にとって特別なのか。

考えても答えがあるわけではないけど、こんなライヴを見て「あぁマイケミ好きで本当に良かった」そう思えるだけで。

きっと会場にいた人には、マイケミに人生を救われたという人も多いだろう。

それが1つになるだけで、ライヴは人の想像を超えた空間になる。

だからマイケミのライヴは特別なのだ。


That you only hear the music when your heart begins to break

心が壊れたときでも音楽だけは聴くことができる


たかが音楽が人生に意味をくれる。

情けないくらい、僕らは音楽に依存して生きている。

今日も僕らは歩き続ける。

しっかりと、胸を張りながら。


おわりに。


感無量とはこういうことをいうのだろう。

これでSUM 41まで見ていたら壊れてしまいそうだ。
いっそ壊れたかったんだけど。

フェスに戻れたというだけで満たされて、大好きだった音楽にも、新しく出会った音楽にも喜びをもらった。

ロック、ギターが近年は存在感が薄れてしまうけど、こうして1日ギターロックを浴びまくって。

雨のあがった空の下。

暗くも明るい道をまた歩き出す。


【レポ】SUMMER SONIC 2016 TOKYO day.1

Rooftopsで僕は叫ぶ 元Lostprophets、獄中の元Lostprophets イアン・ワトキンスへ



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