※追記
日産スタジアムにて聴いてまいりました。
なんだよ別物じゃねぇか。生で聴いたら凄すぎてノックアウトものでした。
ミスチルの新曲を発売週にCDで買うなんていつぶりだろうか。
シングルは配信が多かったし、「足音 〜Be Strong」はちょっと後発で買ったし、「祈り 〜涙の軌道/End of the day/pieces」に至っては買ってすらないし。
そんなシングルの表題曲である"himawari"だが、実はまだ完全には消化しきれていない。
そんなことを含め、ミスチルの最新シングルの感想を書いていこう。
Mr.Children 37thシングル 「himawari」 全曲感想
1. himawari
映画「君の膵臓をたべたい」の主題歌。「キミスイ」などという若干引く愛称である。難病もので恋人が最後に死ぬんだろうな、という
どっかの「恋空」のような映画の主題歌のバラードということで実はそんなに期待していなかった。
"旅立ちの唄"がそんなにという印象だったためだ。
さて、ここからは僕が初めて"himawari"を聴いた時、聴いている間に起きた心境の変化をご覧いただきたい。
今回はなるべく前情報いれずに聴きたいなと思っていたので、事前にアップされたMVも見ずに、タワレコで買ったCDが回り始めたその瞬間、初めて聴いたのだ。
あ、ギターのアルペジオから始まった!
この手の曲の時にはいつもピアノ始まりが多かったからだ。
それにしても、ギターが意外と歪んで低音が強い。
そこから歌い出しの、
優しさの死に化粧で
笑ってるように見せてる
で震えた。
桜井和寿やりおった、そう思った。ここ10年のミスチル、いや25
年のキャリアでも上位に入れたくなるほどのキラーフレーズが生まれた。
これは名曲が生まれたと感じた。
しかしながら一番を聴き終えた時点での感想は変わった。
……微妙?
なぜかというとストリングスを大々的にフィーチャーしたいつものバラードアレンジのようで、どうしても頭ひとつ抜けるものが感じられなかった。
いや、全く一緒というではない。明らかにギターとかストリングスが大きく、意識的にヴォーカルを少し奥に引っ込ませている。
一言でいえば暗い、いや
陰があるというか、そういう印象を受ける。
付属DVDのドキュメンタリーを見ると、その陰の部分は意図的らしい。それを踏まえると確かに"himawari"という曲名からは想像つかないほど、蒼を強調しているジャケットは秀逸である。
それもあるせいか、歌詞も
死に化粧のインパクトが強すぎるのか、あまりストレートには耳に入って来ない。
二番の角砂糖のメタファが出てくるが、気になったのが「想い出」という表記。「思い出」ではなく「想い出」とわざわざ表記していること。
昔気になって調べたことがあるので、それを引用しよう。
「想」は、「思」と比較して「想像する。思いやる」というような、「対象を心に思い浮かべる」というニュアンスが強い字なので、対象に対する強い
思い入れがある場合に「想い出」と書く傾向があるようです。
つまり相手への思いの強さで常用外の「想」を使用する場合があるそうだ。
歌詞が過去形のことや「嵐」とか「君のいない世界」とか歌ってる時点で、もはや映画のネタバレだろうと思ってしまうくらいの喪失感である。
Cメロでまた印象が変わる。Cメロでは云わば「俺はそんなに強くない系」のものだ。またの名を「日本のサラリーマン系」とも呼ぶ。自己紹介である。
その後だ。最も心を射たれたのは。
ギ、ギターソロだ!
シングルでギターソロあるのなんていつ以来だろう。
ちょっと目立っていた歪み気味のギターがここで前へ出る。派手なフレーズではないが、ギターソロが鳴っているそれだけで僕は興奮していた。
そこから最後のサビに入るのだが、やはりミスチルにしてはサビはそんなに強くない。
ということで最初に聴き終わった時の印象は
「評価保留」であった。確かに良い曲だ、しかし何か飛び抜けた部分がやはり感じられなかった。
それはミスチル側の問題ではなく「ミスチルのバラード=強いサビ」という先入観を持った僕の問題なのだろう。
なので、二回目にそんなバイアスを踏まえずに聴いてみると、なるほど素晴らしい曲である。
そんな感じで聴くたびにちゃんと沁みる曲になってきたし、ライヴで聴くと更に印象が変わると思うので、生で聴くのが楽しみである。
2. メインストリートに行こう
3. PIANO MAN
4. 跳べ
5. 終わりなき旅
「ヒカリノアトリエ」に引き続き恒例となりつつあるライヴ音源集である。
それにしても最近のセットリストを知らなかったが、"メインストリートに行こう"なんてやっていたことに驚く。
「星降る街で君とランデブー」というワードはもはや哀愁と共に、懐かしのあの曲という枠に入ってるなと感じる。同時に今のミスチルが歌うと、これはこれで面白いなと思わされる。
僕はチャラン・ポ・ランタンとても好きなのだけど、だから褒めるというわけではないが、小春姉さんのアコーディオンが今回もとても良い仕事をしている。
特に"PIANO MAN"とアコーディオンの相性がこんなに良いとは。
ところで"跳べ"に出てくる
「日本中がみんなみのもんた」というフレーズは今の十代には伝わらないだろうに。
ライヴ音源の最後は"終わりなき旅"。いや、やっぱりこれを並べてしまうと"himawari"がかなり霞んでしまう。あまりにもラスボス過ぎる。
6. 忙しい僕ら
ライヴで披露されていた"忙しい僕ら"が音源化されカップリングとして収録。
シンガーソングライターの
世武裕子がゲストでアレンジに参加している。
正直に白状すると、初聴きの時には"himawari"よりもこちらのがツボであった。
コバタケ時代にお腹いっぱいであったピアノとストリングスアレンジであるが、世武さんの力あってか、また一味違うミスチルの魅力を引き出している。
その違いがどこにあるのか考えてみると、
曲が求めているアレンジを最大限に引き出しているからではないだろうか。
僕はミスチルと関わった後期の小林武史アレンジが、曲ではなくて自身の手掛けた楽曲として最大限に映えるようにしていると感じていたのだ。この微妙なニュアンスの違いが分かるだろうか。
音楽に正解はないけれど、少なくとも"忙しい僕ら"については、このアレンジこそが最も楽曲が映えるものになっているのだ。
無音曲"I LOVE CD SHOPS!"を挟み、シークレットトラックという位置付けの"ファスナー"のスガフェスバージョンでCDは終わる。
以上がミスチルの最新シングル「himawari」を聴いた僕の感想である。
変なバイアスを持って聴いてはいけないなと反省してしまった。
ライヴ楽しみだなぁ。
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