ある日iPodで音楽をランダム再生して聴いていた。
そこである曲の歌詞をあらためて良いなと感じた。
タイトルに書いているので、勿体ぶらず書くが、Mr.Childrenの"LOVE"である。93年にリリースされたアルバム「Versus」に収録されたナンバーだ。
名盤である。ランダムで聴いておいてなんだが、このアルバムの"LOVE"~"さよならは夢の中へ"~"my life"という終盤の流れがたまらない。
今回はそんな"LOVE"の歌詞を見ていこう。
LOVE
この曲に描かれている男女関係は中々に入り組んでいる。
まず中心にあるのは、語り手である僕と君である。
僕には彼女がいて、君には「昔 野球で鍛えた君の彼氏」がいる。
僕は最初、主人公の僕と君が昔恋人関係にあって別れたと思ってたんです。別れたけれど、お互いに気にかける存在で、いつまでも心に引っ掛かり続けているような。彼女がいながらも、君を忘れられずみたいな。
けど「彼になる気もなくて 責任などさらさらさ」からも、僕は君と付き合うつもりはないことが分かる。
お互いに相手がいながらも、僕は君を気にかけてるし、君も僕に気のあるような素振りを見せる、要するに2人は浮気である、そう結論付けるのは簡単だ。
しかし、ちょっと踏み込んで考えてみると、浮気だけでは済ませたくないような、2人の関係性に見えてきた。
それを表しているのが「でも愛してるとは 違ってる」というフレーズにある。このフレーズに2人の関係性は「愛」とか「恋」みたいな簡単な言葉で片付けられるものではない。
だからこそ「LOVE」というタイトルなのだ。絶妙である。
愛でも恋でもときめきでも愛情でもない、でも束縛ややきもちもあるLOVEという物凄いバランスの上にあるタイトルではないだろうか。
結ばれなくても、お互いをよく知った2人、例えるなら「ラ・ラ・ランド」のミアとセブみたいな関係性ではないか(元カレ、元カノ関係だけど)。
ちなみにミスチルファンの中ではこの曲はクリーニング屋の店員を巡って桜井和寿と田原健一が争った曲で「昔 野球で鍛えた君の彼氏」は田原であるという説があるが、ソースがイマイチなさそうなので、ここではその説は踏まえないこととする。
※ここからはいつもの超解釈のため、別に読まなくて大丈夫です
昔 野球で鍛えた君の彼氏
さて、僕はこの「昔 野球で鍛えた君の彼氏に 殴られるのもなにか違ってる」というフレーズが昔から引っ掛かっていた。
素直に受けとれば、浮気(本人はそのつもりはなくても外野から見るとそう見える)相手である男を殴った君の彼氏になる。
矢口真里とベッドにいた男を殴る中村昌也を想像すればいいだろう。
それと1番のサビの「かなり勘の鋭い 僕の彼女を 怒らせるのも なにか違ってる」と対になっているということもあるしね。
だが、もしも君の彼氏に殴られるのが僕ではないとしたら。
殴られるのが、君であったとしたら。
気がつけば いつも 巻き込まれてる
いつも君のペースだけど 楽しくて
昔 野球で鍛えた 君の彼氏に
殴られるのも 何か違ってる
それでもね 時々は 電話しておいで
昼間でも 夜中でも 遠慮はいらない
いつも君のペースだけど 楽しくて
昔 野球で鍛えた 君の彼氏に
殴られるのも 何か違ってる
それでもね 時々は 電話しておいで
昼間でも 夜中でも 遠慮はいらない
もし、「殴られるのも 違ってる」は「君が暴力を振るわれるのは間違ってる」という意味であるならば。もし、「昔 野球で鍛えた君の彼氏」がウラディミール・バレンティンのような男だったとしたら。
電話のくだり、どんな時でも相談にのるから連絡してくれ、ともとれないだろうか。
下心ではない、優しさという愛情。
悲しい出来事に その笑顔を奪われたら
探しに行こう あの日のように
探しに行こう あの日のように
愛でも恋でもないLOVE
様々な意味が込められていて日本語にできないと書いたが、もしこのLOVEを日本語になんとか当てはめられるなら。
それは「慈愛」ではないか。
それも一つのLOVE
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