Pages

2024年4月8日月曜日

【感想】FM802"はなむけ"Radio Happy Willows(岡野昭仁参加)






「FM802×三井ショッピングパーク ららぽーと ACCESS!キャンペーン」というキャンペーンがある。

毎年春にFM802のキャンペーンとして、FM802にゆかりあるアーティストたちが参加、楽曲を制作して独占配信をしている。
そして今年は"はなむけ"という楽曲が生まれた。

そのヴォーカル参加メンバーの中に、親の名前よりも見た岡野昭仁の名があったのである。気になる、が。
僕は山梨県八王子市住まいなので、radikoのプレミアム会員に入るか、今すぐ大阪に移住するしか聴く術がない。

ただ、背中を押していただいたこともあり、この度radikoのプレミア機能で聴いた次第である。これ経費になりますか。

せっかく聴けるようになったので、感想を残しておきたい。



はなむけのサウンド




今年──2024年の楽曲は、SUPER BEAVERの柳沢亮太が作詞作曲をつとめた。 

ポルノグラフィティのファンから見るとSUPER BEAVERの柳沢亮太は、岡野昭仁のソロプロジェクトへ"指針"という楽曲を提供してくれたことが記憶に新しいだろう。
こちらも春に合う名曲なので、ぜひチェックしてほしい。




そして、今回発表された"はなむけ"という楽曲の参加メンバーは以下のとおりである。


Singer
アイナ・ジ・エンド / 大橋卓弥(スキマスイッチ)/ 岡野昭仁(ポルノグラフィティ) / 片岡健太(sumika) / サイトウタクヤ(w.o.d.) / TERU(GLAY) / TOMOO / ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)


こんなん交わるわけねぇだろ。
なんだこのスマッシュブラザーズ。

個人的にはここ2年くらいTOMOOを熱心に聞いているので嬉しい。

自分の人生で大橋卓弥、岡野昭仁、TERU、TOMOOがクレジットで並ぶ日がくると思わなかった。

そこに加わる中堅〜若手の力強さよ。そんなに明るくない俺でも全員判るもんな。
こんなメンバーを1曲になんて勿体ない。アルバム創れ、4時間のアルバム創れ。

実際問題、こういう曲の制作ってキーの調整とかすごく大変だと思うんだよね。アレンジャー殺す気か? こんな曲をアレンジできる人間いないだろ。

てことで、今度はそれを支えるミュージシャンたちを見てみよう。


Musician Arrange & Keyboards トオミヨウ / Drums 玉田豊夢 / Bass 安達貴史 / Guitar 石成正人・柳沢亮太(SUPER BEAVER) / Strings 真部 裕

Chorus 柳沢亮太(SUPER BEAVER)


アレンジがトオミヨウ、ヨシ!!
完璧か。心配返せよ。

サポートメンバーが「ぼくのかんがえた最強のバンド」すぎて笑える。
いくらなんでも隙がなさすぎる。

これだけのメンバー揃えたらまぁ大丈夫かな、とも思いながら、聴くまで全く想像つかなくて。
正直これまとまるの? という気持ちも多少はあった。それでいざ聴いてみたわけです。


横浜線の中で泣いたね。

イントロから、はい好きなやつ名曲確定、大橋卓弥の歌い出しからもうズルい。

奇をてらわない、一つ一つの音を丁寧に積み重ねてゆくアレンジ。
そのおかげで時代を問わない、普遍性を持った曲になっていると思う。演奏全部のアベレージが異次元すぎる。音符一つひとつが愛おしい。

普遍的なアレンジになっているのは言うまでもなく、参加している8人のヴォーカリストたちの個性があまりに強烈だからだ。

と言うことで次は歌と言葉を見ていこう。





はなむけの言葉




会いたい気持ち 会えない苦しみ
何げない優しさ 突然の理不尽
ぼくらは知って 踏まえた今でしょう
何処かで暮らす あなたを想う


嬉しい夜も 寂しい朝も
間違えたことも 許されて泣いた日も
ぼくらは知って 踏まえた今でしょう
すぐそばにいる あなたを想う

言葉は想いを運ぶ船のよう
波と風の中を進む
届けたいものは 笑顔になりそうなもの
ただあなたの前途を祝して

「おはよう」「行ってらっしゃい」

「またね」「またね」
好きなことを好きでいてね
いやでも どうしても

嫌なことだってある世界で
あなたは何を選んでいくだろう


変わることの 魅力と戸惑い

変わらざるを 得ないもどかしさ

ぼくらは悩んで 気付いてゆくでしょう

今でもある 大切を想う

 

言葉は強くて 時に脆くて

悔やむこともあるけど進むよ

届けたいものが より確かになっていく

ただあなたの喜び願うよ

 

「おはよう」「行ってらっしゃい」

「またね」「またね」

好きな人を好きでいてね

いやでも どうしても

嫌な人とだって会う世界で

あなたは誰を愛していくだろう

 

人と違う だって人が違う

去るものを追いかけたかったり

来るものに抗えたが ったり

おかしくない

無闇に人を傷つけ悲しませること以外は全部

おかしくない

 

「おはよう」てさ 当然じゃないね

「行ってらっしゃい」には

「またね」「気をつけてね」って加えたい

届けたいものは 笑顔になるためのもの

とにかく今日もあなたを想う

 

「おはよう」「いってらっしゃい」

「またね」「またね」

好きなことを好きでいてね

いやでも どうしても

嫌なことだってある世界で

あなたは何を選んでいくだろう

 

「おはよう」「行ってらっしゃい」

「またね」「またね」

好きなことを好きでいいんだと

「おはよう」「行ってらっしゃい」

「またね」「頑張れ」

伝えたい ただあなたの前途を祝して



※歌詞は正式な表記がなかったので、耳で聞き取ったもの+提供いただいた書き起こしを参照しているのでご了承ください


岡野昭仁へ提供した"指針"もそうだったけど、柳沢亮太の楽曲は爽やかで前向きで楽曲の中に、泥臭い人間臭さもしっかり捉えていて、そのバランスが絶妙なのである。

ポジティブMAXソングに若干のアレルギーを発症する僕のような人間にも、しっかり刺さる曲を仕上げてくる。すごいよね。
SUPER BEAVERだと岡野昭仁もカバーした"人として"も、好きでよく聴いている。


今回の"はなむけ"も変わらずの楽曲の力強さで、伝えたいメッセージが音楽としてしっかり伝わるようにできている。
これだけのメンバー揃えるだけの説得力を、楽曲そのものに持たせているのだ。

SUPER BEAVERは、ほぼほぼ自分と同世代の感覚──渋谷龍太は自分と誕生日が2日しか違わない──なので、この世代が頑張って上の世代と次世代を繋いでくれることが嬉しい(他力本願)。


サビの部分で、「おはよう」「行ってらっしゃい」「またね」と繰り返し歌われる。
ポップソングとしてのサビの繰り返しを巧くつかった展開だと思う。

色んな声の「おはよう」「行ってらっしゃい」「またね」が響く。これは1日の中で様々な人と交わす言葉かもしれないし、人生を重ねながら繰り返してきた言葉たちかもしれない。

この「繰り返していくこと」こそが人生なのだと思う。


これがラジオに向けて書かれた曲ということが重要で。
楽曲もそうだけど、ラジオも不特定な人に声を投げかけるわけじゃないですか。

声と耳だけで繋がるコミュニケーションとして、だから音楽はラジオと親和性が高いものになっている。ラジオって結構習慣として聞いている人も多いと思う。
そうしたラジオの役割・機能というものにとても合った楽曲になっている。巧すぎる。

同時に、この曲がラジオ配信だけで終わってほしくないなって思う気持ちが強くて。それはきっと人生を重ねていく度、この曲が違って響くようになるからだ。

いや、ほとんどの音楽(コンテンツ)がそういうものなんだけど、人生を共に歩んでいく楽曲にこそ「繰り返していくこと」の真の意味があるなと思うのだ。

では、最後にこの曲の肝となる歌について書こう。


はなむけの歌




少し話がそれるが、こうしたキャンペーンソングについての、音楽的意義を見ておきたい。
大切なことなので、最後まで読んでもらえれば幸いだ。

こういったキャンペーンソングは、音楽において重要な側面をもつ。
それはそれぞれのミュージシャンが、ある目的に向かって一つになるということだ。

たとえば"We Are The World"。
マイケル・ジャクソンを筆頭に、当時の著名なミュージシャン45人が集結した「U.S.A. For Africa」という歴史的なプロジェクトだ。




このプロジェクトの目的はアフリカの飢餓と貧困層の救済に向けたチャリティソングであった。人類史の中でも最も重要の楽曲だと思う。
細かいことは別の記事に書いているので、是非最後のリンクから読んでみてほしい。


他にもMr.Childrenの桜井和寿(櫻井和寿)が小林武史と取り組んでいる、Bank Bandというプロジェクトがある。

こちらは環境、エネルギー問題を考えるためのプロジェクトとして、非営利団体としてして、最近は不定期だがap bank fesという音楽フェスも開催している。

ちなみにポルノグラフィティも過去数回(4回くらいかな) 出演していて、ポルノとミスチルヲタの自分は桜井和寿をバックコーラスにポルノグラフィティを聴くという嘘みたいな体験を毎回している(未参加で放映された映像でだけど)。

このフェスではBank Bandのオリジナル曲の"to U"が披露され、その日の出演者がステージに並んでみんなで歌うのが通例となっている。とてもメッセージ性が高い曲なので、ぜひ聴いてみてほしい。


さて、色々書いていくとキリがないので本題に戻るが、古今東西こうして音楽を通した社会活動が行われてきた。

"はなむけ"はラジオのキャンペーンソングなので、そうした目的とは違うけど、同じ目的のために普段は違う活動をしているミュージシャンたちが集結している点は同じだ。

なぜこうした話をしたかというと、ここで挙げた曲たちもバラバラな個性を持ち寄って生まれた曲たちだからだ。
"はなむけ"はもっと日常に表現を落とし込んでいるけど、生きていくこと、人と繋がることにおいて、そこに大も小もない。生きていること、それが社会と繋がることなのだ。


今回の"はなむけ"でTOMOOが歌う「人と違う だって人が違う」ってフレーズが最も刺さった。シンプルながら、人と人の本質を端的に捉えた名フレーズだと思う。

歌声は誰が誰にも寄せない個性豊かな歌声たち。
みんな声に名前が書いてあるヴォーカリストばかりで、それぞれの強みを存分に発揮している。

1人ひとり取り上げて褒める必要はないだろう。
多くの人々を魅了してきた、あの歌声たちだ。

そんな個性豊かな声が、最後に重なる。
バラバラなはずの声が、完璧なアンサンブルとなって響く。

これこそが、多様性というものなのだと思う。

この声たちが、多くの人の人生を支えてきた。

繰り返し聴いてるうちに、いつしか自分も口ずさんでいて。

歌の力というものを、まざまざと見せつけられた。

どんなバラバラな個性もひとつにして、それをまとめ上げるのが音楽の力だ。

ここまで書いて、愚かな僕はようやく気づいた。
僕の人生を変えた"アゲハ蝶"という楽曲、あのラララの合唱もまた、多くの個性をひとつに束ねたものではないか。

人の声には力がある。

それが日常のほんの些細な一コマであっても、ほんの少しの勇気であっても。

僕らは声に支えられている。


キャンペーンソングだから難しいけど、これ、本当にラジオ限定配信なのが勿体無い。

マジでハイレゾ配信してくれ、金なら払う。新藤が。

(でもMVが「coming soon」になっているので、いずれ動画では聴けるようになるかも?)

あと参加アーティストの「おはよう」が個別に録音された目覚まし時計売ってくれ。そしたら毎朝TOMOOの「おはよう」で目覚める。


個人的にはこのためにradiko登録しても惜しくなかったほどなので、ぜひ多くの方に届いてほしい名曲であった。


アナザーストーリーズ「We Are The World 奇跡の10時間」にボロボロに泣かされた

【ポルノ】岡野昭仁のソロアルバムが出るということ


このエントリーをはてなブックマークに追加
 












0 件のコメント:

コメントを投稿