いま、5年前の自分じゃ考えられないくらい日本の若手バンドの音楽を聴いている。
といってもそこまで熱心に掘り起こしてるわけではないし、ミセス最高うぇ~いみたいにはなってないが。
今年、あるバンドがどうしても見たくて、とある企画イベントにお邪魔した。
それはあるバンドのリリースイベントで、キャパ300くらいのライヴハウスに4バンドが出演するものであった。
4バンドでそのキャパ、しかも完全には埋まり切ってはないという現状を見て、このバンドたちはちゃんと食べて行けてるんだろうかと疑問を持った。
それぞれバイトや仕事をしながらや、生活してるんだろうけども。
ということで、バンドマンがどれくらい売れれば音楽だけで食べて行けるんだろう、どれくらい採算性があるのだろうということを調べてみた。
メジャーは給料制のとこもあるだろうから、インディーズのバンドで考えてみる。
CDの採算性
今更僕が言わなくても分かることだが、CDが売れない時代である。
1万枚売れればオリコン上位に食い込めるという時代なのだ。そんな世相なので、CDで儲けようとはとても思えないのが現状であるといえるだろう。製作に掛かる費用をペイすることは容易ではない。
ただし今は宅録でもそこそこの音源が創れる時代なので、コストを抑えようと思えばかなり安く済ませることはできなくはない。
極端に言えば全部DTMで作業をして、CD-Rにコピーして、家庭用プリンタでレーベルやジャケットを創れば1枚辺り100~200円くらいで創れるはずである。
それが500円なりで売れれば3~400円儲けとなる。かなり大雑把だが。
と言っても自社製作でそこまで売るのはかなり非現実的で無理のある話だろう。
それがプロのエンジニアに依頼して録音した場合。大体レコーディング、ミキシング、マスタリングを込み込みで10万円くらい費用が掛かるという。
仮に500円で売るとしたら200枚売らないといけない。
これはあくまでも録音だけの費用だ。
そして、レーベルやジャケットを業者に依頼すると5~10万円くらいの間が相場のようだ。
ということで更に1~200枚売らなければならない。オリコンが見えてきた。
つまりはこれらの元を取り利益を獲るには最低でも500枚以上は売らないといけないとという計算になる。
しかも宣伝等も全て自分達で行わなければならないのだ。
この時代にCDを500枚売る自信がありますか?という話である。しかも500枚はよくてトントンというラインなので儲けなどない。さらにはそこからメンバーで取り分を分けるのだ。
夢も希望もないはなしである。
ライヴ
CDが売れない時代、バンドはライヴで稼ぐしかないという話をよく耳にすることと思う。
ではライヴの採算性はどうなのだろ。
似たような感じで、以前フリーライヴの採算性は考えてみたけど、あらためてチケット代ありきのライヴの採算性について詰めてみよう。
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200~300キャパのライヴハウスの利用料は15~30万円くらいが相場のようだ。
仮に20万円として、チケット代を1500円としたら、133枚くらいは捌く必要がある。
アマチュア~インディーズバンドがワンマンで100枚以上売り捌く、これがいかに大変かはやってみれば分かるだろう。やったことない僕がいうのもなんだが。
それくらい捌いて、さらにグッズがそれなりに売れてくれれば多少儲けが出るかもしれないけど、こちらもとても儲けるというには程遠いだろう。
バンドは儲からない
ということでバンドで飯食うというのがいかに難関コースかという話である。
書いてて切なくなってきた。
もちろん運良くメジャーデビューできたとしたら、状況また変わってくるかもしれない。
しかしながらメジャー業界で生き残っていくには上記以上のさらなる努力と 運が必要となる。
実態としてはメジャーで売れないより、インディーズで売っていった方が採算性はマシということもあるらしい。
メジャーという舞台はそれに見合うだけのコストが掛かる。
お金を稼ぐのは大変だけど、音楽で食って行くには並大抵の気持ちのものではダメだということだ。
それでも夢を持って音楽を鳴らしている、あの日のバンド達の姿はとても眩しく素敵なものであった。
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