星野源は何故売れたのでしょうか。
初めてライヴで見たときの感想は「すごく地味だけど、良いなぁこの人」という印象でした。
それは2012のテレ朝ドリームフェスティバルのこと。
でも、少なくともあの時点でここまで売れるなんて予想出来なかった。
それが2015年には紅白に出場。
今ではお茶の間で知らない人のが少ない。
正直ここまで一般に受け入れられるほどになるにはただごとじゃないなにかが必要である。
それを今回は考えてみよう。
楽曲の魅力
もちろんミュージシャンとして大成するには楽曲の良さが何よりである。
星野源のディスコグラフィーはある時を境に分かれている。
それはシングル「ギャグ」のリリース前後からだ。
SAKEROCKを経て「ばかのうた」でソロデビューしてからシングル「知らない」まではかなりパーソナルな曲が多かった。
それは個人の経験からくる歌であったり、架空の登場人物を主人公にした歌詞の世界観だった。
その中でも「夢の外へ」はちょっと別格ではあったが。
本人が「暗い歌をたくさんやるよ」とMCで揶揄するほど、決して明るくはない、でも人肌に近い温かい感触の曲が多かった。
このくらいまではサブカル好きの間では有名だけど、世間ではあまり有名ではないというイメージであった。
病気を経てリリースされたアルバム「Stranger」も変革の兆しがあるが、デビュー時の星野源と今の星野源のちょうど中間地点のようなバランス感覚のアルバムだと思う。
そして病気による活動休止中にリリースされた「ギャグ」である。映画「聖☆おにいさん」の主題歌とあり、底抜けに明るい曲である。
そこから続いても映画主題歌になった「地獄でなぜ悪い」がリリースされた。
この辺りから明らかにパーソナルな歌から大衆に向けてにシフトしている。
シングル「Crazy Crazy / 桜の森」では歌詞のストーリー性も封印している。
それまでは聴くライヴだったものか、楽しむライヴへと変わった。
これこそが多くの人間に響くようになった1つのきっかけだと思う。
徐々に明るい曲調が増えていき、フェスにも多く出演したことで、徐々に認知度が高くなってきた。
その流れでトドメにシングル「SUN」のヒットが最大の決定打となった。
一番大きかったことは本人がやりたいことをやりきり、それが世間でも受け入れられたことであったと思う。
自然体
もうひとつ星野源という人間の凄いと思えるところは、全く飾らないことだ。
とにかく緩いMCはライヴの最大の魅力だと思う。
もちろん僕らは本人の心境までは完全には分からないけど、少なくとも僕らの目には自然体の星野源が映る。
ものすごく言葉が悪く聞こえてしまうだろうが、売れているのに凄い人に見えないのだ。
スターといえば近寄りがたい存在に思えてしまうが、星野源についてはその感覚はあまり持てない。ありとあらゆるフェスでヘッドライナーになり、サマソニのマリンステージに立っているのにだ。
もちろん一概には言えないかもしれないけど、この音楽という業界で、これだけ好き勝手にしたいことをしている姿というのはなかなかない。
こうやって音楽やって、文筆家でもあって、俳優もやって。
もちろん本人にしてみたら大変なところも多いだろうが、したいことを好きなように出来てるミュージシャンがどれだけいるだろうか。
あ、ミュージシャンやって本を出版して、映画で別所さんやったアヒル口ギタリストがいたわ。
こうして、どこまでも自然体に業界を渡り歩いている姿が羨ましく見えないだろうか。
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