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2021年3月28日日曜日

オアシス”Wonderwall”という名曲 ところでワンダーウォールってどういう意味だ?







まず、更新が止まりがちな件、大変申し訳ございません。
検索で辿り着いたという方はなんのこっちゃという話なので、最初の小見出しまで飛ばしてください。

書くだけであればモチベーション関係なく息を吐くように書けるのですが、熱量がどうしても足りない気がして、書いてはボツにしているのが書きかけ含め30個以上あります。

とは言っても、熱量が全てではないので、軽めのものから少しずつ書いていきたいと思います。

そういえばアイキャッチの最初の画像はシングル版のジャケットです。初めて見たのですが、とても好きです

ということで本題。




「Wonderwall」とは








いつものようにオアシスの曲を聴いていた。

何度聴いたかわからないのに、イントロが鳴るたびに心を掴まれる”Wonderwall”。
「ヨ~マイ~ワンダァァ~ウォ~~~ル」と口ずさんでいて(たまに駅とか電車でやりそうになる)、ふと思った。

「Wonderwall」ってどういう意味だ。

今までなんとなくで理解をして(普通それを理解しているとは言わない)、まぁそういう慣用句なのだろうくらいで流していた。

けど、いざ気になると、今まで「Wonderwall」の意味すら知らずに「ヨ~マイ~ワンダァァ~ウォ~~~ル」していたなら、僕は”Wonderwall”を真に口ずさんでいたと言えないのではないのだろうか。

本当の愛すら知らない、云わば素人童貞みたいなものだ。

これではいけない。

正しく、真っ直ぐ瞳を見つめながら「ヨ~マイ~ワンダァァ~ウォ~~~ル」するために、学ばなければいけない。

ということで調べてみた。

嘘ですけど国会図書館で様々な書物や古文書を読みまくった。

そういえば、周木律という作家さんがいて、デビュー作から続いた堂シリーズと呼ばれる数学者が主役のミステリーがある。そこで、主人公の十和田只人は「The Book」というこの世の全ての真理が書いてある神の書を探しているという設定がある。

そのようなものがあれば、「Wonderwall」の意味など一発で理解できるのだが、残念ながらフィクションの世界の話だし、作中でも実在はしないものとなっている。

しかし、僕は遂に発見した。「The Book」に限りなく近い、近似値を誇るものを。知らない方が多いと思うので、名前から紹介すると。

Wikipediaっていうんですけど。呆れて読むのやめる人出ると思うので、ここからは真面目に書きます。


「Wonderwall」というのは英語の慣用句でもないようで、ノエル・ギャラガーはジョージ・ハリスンの”ソロアルバムのタイトルである「Wonderwall Music」(1968年:邦題「不思議の壁」)にインスパイアされたそうだ。

このアルバムはメンバーたちがインドに惹かれていた時期(向こうの人は一定の割合で東洋思想に走りがち)なので、その影響が多分に出ている。

ちなみにこのアルバムはサウンドトラックで「Wonderwall」という映画に向けて創られたものだ。これが起点となっていると考えてよいだろう。その「Wonderwall」という映画はあまりメジャーな作品でないため、あまり情報がない。

しかも検索したらジャンルが「カルト/ドラマ」になっていたのでそっとブラウザを閉じた。
でも主演はジェーン・バーキンみたいです。興味ある方は是非。

元はそうだとしても、それをタイトルにしたということは、ノエルの何かしらの想いが乗っているはずだ。

というとで、より曲を理解するために歌詞を見ていこう。こんな前置きみたいな内容で千字以上使ってしまった。どこが軽めなんだ。



Wonderwallの歌詞を分析する




オアシスのファンの中でも結構解釈が分かれると云われている歌詞だ。

そもそもノエルは(とりあえず表向きは)2ndアルバム「Morning Glory」の曲たちの歌詞にそんな意味は込めていないと言ってるし、お薬の作用で生まれた曲もあるはずなので、明確な意図があるとは限らない。

しかしながら、生み出された作品というものは何かしらの意味を持っているものである。それは制作した本人の意図さえも超えて意味を持つこともある。

制作者の意図を超えて滲み出たもの、それをこじつけるのが、このブログの役割だ。

歌詞については、Aメロから追って行ってもいいのだが、この曲においてはメロ部分の歌詞は「どんなことがあっても」と要約できるような内容だ。

それを踏まえて曲の主人公(限りなくノエル)がYou(君)へ伝えたい事。

それはこのフレーズに集約されている。


Because maybe
You're gonna be the one who saves me ?
And after all
You're my wonderwal


だって
君が俺を救ってくれるのかい?
なんといっても
君はワンダーウォールなんだから


でしょ、と言おうとしたけど、これだけだと意味がわからないことと思う。
Because maybe 自分がそう思ったからに他ならない。

結局同じところに行き着く、「ヨ~マイ~ワンダァァ~ウォ~~~ル」が難題だ。

ワンダーウォールは直訳だが「不思議な壁」という意味だ。

「壁」という言葉の意味の解釈が分かれ目だろう。
先にも書いたようにおそらく正解はないのだけど、自分なりに解釈してみよう。

「壁」というのはMr.Childrenの”終わりなき旅”に出てくる「高ければ高い壁の方が 登った時 気持ちいいもんな」という歌詞や「障壁」という言葉があるみたいに、「行く手を阻むもの」「乗り越えるもの」みたいなニュアンスで使われるイメージがある。

もしくは防壁みたいに、自分を守る存在としても使われる。

壁というものはある種「自分と世界を隔てているもの」という存在なのだ。解釈の違いは引きこもり生活を自粛と呼ぶかニートと呼ぶかみたいな差である。
あと壁を意識するのはボンバーマンくらいだろうか。

これを踏まえて「君はワンダーウォールだ」という表現を思い返してみると、世界と自分がいて、その間にいる存在が君なのではないかと思える。

その世界はもしかしたら、自分の知らなかった新しい世界かもしれないし、それまで繋がることを拒んでいた世界かもしれない。

だからこそ、君というワンダーウォールは世界と自分を繋ぐ存在であり、世界と自分を隔ててくれる存在でもあるのではないだろうか。

1人ひとりの解釈が異なるのではない。主人公の、聴き手の心情でいかようにも君の姿は変化する。

まさにWonderwall(不思議な壁)そのものではないか。

だからこそ、長い間世界中の人々の間で歌い継がれる名曲となったのではないだろうか。

ちなみにこの曲はノエルが当時交際(後に結婚、離婚)していたメグ・マシューズに向けて書かれたとされている。しかし離婚後「そんなんじゃねえよ。このファ〇キン野郎」と否定している。たぶんメグのことを書いたのだと思う。


最後に、余談に近い話を。









wall of sound




wallという言葉で、ずっと「wall of sound」(ウォール・オブ・サウンド)という言葉が頭に浮かんでいた。

音楽好きの方には説明するまでもないのだけど、一応簡単に説明を。

折しも今年の1月に亡くなった元音楽プロデューサーのフィル・スペクターが発明したアレンジ法ある。
ものすんごくザックリいうと「音を厚く重ね、まさに音で壁を創るようなアレンジ」だ。

実際問題めちゃくちゃアコースティックで余韻が美しい”Wonderwall”とは全然違うんだけど、wonderな縁を感じてしまって。

フィル・スペクターはThe Beatlesの「Let It Be」に携わっていたり、ジョージ・ハリスンのアルバム「All Things Must Pass」(1970年)を手掛けている。「All Things Must Pass」は「Wonderwall Music」の2作後の作品だ。

あまり知ったようなことを書くとThe Beatlesガチ勢の方にマジで怒られそうので深くは書かないが、上記2作の間にリリースした「Electronic Sound」(1969年:邦題「電子音楽の世界」)など、この時期のジョージ・ハリスンはかなり実験的な音楽を制作している。

サントラとはいえ「Wonderwall Music」という作品の後に、フィル・スペクターとそういった音楽を制作しているのも不思議な因果を感じる。オアシスどこいったと自分でツッコんでしまったけど、まぁノエルはThe Beatlesガチ勢だし……

本当にびっくりするくらい中身のない余談になってしまった。


オアシスの“Wonderwall”は古代の”壁”画のように、いつまでも人々の間で語り継がれる名曲であり続けるだろう。

オチになっていない。


アーティスト事件簿「oasis編」(という名のギャラガー兄弟事件簿)

洋楽主義「オアシス 第二章」ギャラガー兄弟の伝説は今も死んでいないこと

ノエル・ギャラガー暴言集「俺の眉毛はどこまでも自由でワイルドなのさ」



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