前回『桃太郎』の疑問を書いた際に「次は浦島太郎」と書いた。
僕のブログを読んだ人なら分かるかもしれないが、僕は大抵そう書いたまま丸投げしている機会が多い。
ほとんどの場合は単純にそんなことを書いたことも忘れているからである。
しかし今回はたまたま思い出したので書くことにしよう。そして調べてみると僕は『浦島太郎』という物語を間違って受け取っていたと判明した。
僕の中ではバッドエンドだと思っていたばすの物語が本当はハッピーエンドだったのである。
浦島太郎のバッドエンドおち
『浦島太郎』といえば、
いじめられてる亀を助ける
→お礼に竜宮城に連れてかれる
→乙姫さんにメロメロにたりうつつを抜かす→帰り際に玉手箱を持たされる
→陸に戻ると実はとんでもない時間が経っていた
→絶望して禁断の玉手箱を開けると眩しき光と共に封印されていた"古の時"の波動でウラシマは悠久の時を経てその姿を変容してしまう
くらいなもんですね。
子ども心に疑問だったのが、この話から何を学べばいいのだろう、ということであった。
亀を助けたはずのウラシマ、じゃなかった浦島があまりにも可哀想ではないかと。
おそらく教訓を得るようなお話ではないのだが、子ども向けの作品として桃太郎と二大巨頭を張っているのだから何らかの意味がきっとあるはずである。
そう思っていて過ごしていたが、世の中にはそうそういじめられてる亀を助ける機会などないので早々に忘れていた。
いや、亀などレースの最中ハンデとして寝て待っている可愛いうさぎさんを起こさず勝利をもぎ取るような鬼畜なので、うさぎ好きの僕は亀など助けることはしない。
とにかく。『浦島太郎』にはきっともっと(「きっともっと」ってお弁当屋みたいだな)深い意味があるはずだと思って考えていた。
最近は「闇金ウシジマくん」のドラマの再放送見すぎて「亀はキャッチ、竜宮城は…の隠喩説」まで考えたけど、さすがに子ども向けじゃない。
考えても埒があかないので、ググることにした。
色々調べていくと、とても興味深いことが分かった。
浦島太郎は、実はおじいさんになっただけではなかったのだ。
浦島太郎は、神になったのだ。
神となった浦島太郎
上のは、中二病を引きずっているわけではない。元々の物語がそういう結末なのだ。
本来の話だと、まず亀はいじめられてない。
浦島太郎は漁師であり、釣りの最中で亀を釣ってしまうのだ。良かった、いじめっ子なんていなかったんだね。
優しい浦島は亀は万年生きるからと放してやる(というか漁師だから亀以外は助けるどころか他の魚を乱獲しているのはいいのか?竜宮城に鯛とかいたろ)
そこから大同小異物語は違うとしても、乙姫さまにメロメロになりうつつを抜かして玉手箱を受けとるまでは概ね同じである。
違うのは玉手箱を開けてからだ。
浦島太郎は、鶴になるのだ。
鶴となり飛び立ち蓬莱山で仙人の一員となったのだ。そして、乙姫さまと共に祀られるようになった。
(神と仙人の境目はちょっと微妙であるが、ここでは神と押し通す)
ロミオとジュリエットを越えた身分差の恋
そう、これは浦島と乙姫の恋愛物語なのだ。
そのキーアイテムが玉手箱なのである。これは神と人間という、決して埋まることのない身分差の恋を繋ぐものであったのだ。
当然ながら神と人間が結ばれるわけにはいかない。
ロミオとジュリエットどころの騒ぎではない。
最初は浦島がなかなか陸に帰りたがらなかったのかと思っていたが、実は引き止めていたのは乙姫だったのである。一途である。周りには魚か亀しかいないもんな。
だからこそ乙姫は浦島を鶴(仙人)にしたのだ。
その優しさに免じて、ってかアイツは散々魚を漁してきたんだぞ。いいのか?
ともかく。そうしてようやく2人は結ばれることとなったのだ。
この結末であれば、納得もできないだろうか。
この話は決して因果応報の話ではない、神と人間の究極のラブストーリーだったのだ。
It's a true love
月9ドラマ化決定。
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