年下の知り合いと話しててなんかの拍子に「ラーメンズ」の話をしたら、誰か分からないと言われた。
確かにテレビはそんなに出ないし、そもそも最近はコンビでの活動も少ないので知らない人がいてもおかしくない。
もちろん好き嫌いの好みはあるだろうけど、個人的にはフラッシュ動画が盛んだった頃から大好きな人たちなので、いくつかコントを選んで紹介していきたい。
まずは簡単にプロフィール
RAHMENS【らーめんず】
舞台でコント作品を発表する男性ふたり組。
名称の由来は妙論が複数。
トゥインクル・コーポレーション所属。
片桐仁【かたぎりじん】
ラーメンズのひとり。長髪で眼鏡の風貌が印象的な怪優。
小林賢太郎【こばやしけんたろう】
ラーメンズのひとり。脚本・演出を担当。
"元"公式HPより
※2017年に事務所の異動が発表となった
2017.10.17(火)
業務連絡です。異動になりました。
僕のこれまでの著作物がすごい量になってきたので、管理・運営してくれる専用の会社ができることになりました。トゥインクル・コーポレーションと同じ経営陣による、ちっちゃな制作会社です。このたび小林賢太郎は、そちらに異動になりました。
といっても、変わるのは関係者用の連絡先くらいで、社長からも「賢太郎のやることは今までどおり」とのこと。マネージャーを含むスタッフも、みんなこれまでどおりです。新体制になってもますますがんばります。引き続き宜しくお願いします。
以上、業務連絡でした。
株式会社スタジオコンテナ
小林賢太郎
2人とも多摩美出身で在学中に「ラーメンズ」を結成する。
ラーメンズの由来はドイツ語の「枠」(Rahmen)から、というのはファンが深読みしてるだけで、そんなに深い意味はないらしい。
コンビとしてテレビに出ることはあまり多くないし、近年では個々の活動が増して更に減ったが小林賢太郎の不定期放送している番組「小林賢太郎テレビ8」にて片桐仁が出演して7年ぶりにラーメンズが見れるということで話題になった。僕は「ヤベー!絶対見る」と言っておきながら録画し忘れました。
小林賢太郎はソロで舞台を演出したりしているが、片桐仁はちょくちょくドラマなどにも出てるので、「たまに見かけるモジャモジャな人」として認識している人がいてもおかしくない。
初期は他の舞台役者がいたり、最近(と言っても2010年とかだけど)の公演では舞台装置が結構使われてたけど、基本的にはラーメンズ2人と箱のみという構成である。
やめさせないと
現時点で最後の作品である「TOWER」。そのなかでも最も大好きな作品だ。
全体的にバランスがいいので初めてのラーメンズでも分かりやすいと思う。
相手のキャンプに嫉妬して起こす奇行、そんな奇行が巻き起こした意外な結末。
秀逸である。
明らかにスターバックスなコーヒーショップでの1人コントの楽しさもさることながら、何となくいい話に着地するタワーマニア2人に顔も綻んでしまう。
日本語学校アメリカ編
ラーメンズ初期でお馴染みの日本語学校シリーズ。「千葉!滋賀!佐賀!」である世代にはお馴染みのあれとか、いくつかあるんだけど、このコントはもう勢いだ。
ドアノブが打たれた瞬間から僕の心も射ぬかれてしまう。
日本語の語感で遊ぶタイプのコントであるが、このコントは更にそこに英語の語感も混ぜ合わせ、混ぜるな危険なんてものではないほどの笑いをもたらす。
作り込まれたコントだが、一番の見所は小林賢太郎が噛んだのをマネて見せる片桐が秀逸である。台本通りという説があるが、僕はマジだと思う。
ついでに、これを見ると「田中角栄」をまともな耳で聴くことができなくなる。
バニー部
うさぎ好きだからということではない。そもそもうさぎは出てこない。出てくるのはうさ耳を付けた
バニー部はラーメンズによくある片方がひたすら喋って、もう片方は座ったまま何も喋らないでじっとしてるという類いのコントである。コントによっては逆に片桐仁しか動かないこともある。そんなコントである"ギリジン"シリーズも最高なので合わせてどうぞ。
じっとしているはずのその勢いに台本通りなのか、笑いに耐え、時には演技すら通り越して笑ってしまう姿に見るものは正常ではいられなくなる。
ちなみに続編ではないが、バニーが登場する「バニーボーイ」もかなり面白い。
不思議の国の日本
これも教室もの。20分を越えていて、とても長いが全く飽きない。
けど、これを見ると自然に日本の都道府県全ての特徴が大変間違った形で分かるし、不思議なことに何度もみてしまう。
ここで覚えた知識で何があっても僕は一切責任を負わないし、そもそも小林賢太郎が悪い。
小林賢太郎のせいで僕はたまに「横浜県」と言ってしまう。
ちなみにこのコントはCDにもなっていて、微妙に内容が違っていたり効果音が追加されていたり、ラーメンズ好きには見逃せない内容となっている。
小説家らしき存在
僕がラーメンズの中で特に好きなコントのうちの1つ。
間違いなくトップ3に入る。
コントではなく、もはや秀逸な演劇である。
張り巡らされた伏線(アキレス腱のくだりなど)から繋がる、最後の小林賢太郎の一言はコントどころではないほど、背筋がゾッとしてしまう。
正直、その辺の中途半端なミステリを読むなら、これを見た方がよっぽど楽しめる。
採集
これもトップ3の1つで好きなコント。これも長編だけど、それでも最後まで見て欲しい。
よく「怖いコント」みたいな話題の時には必ず名前が挙がる。あとバナナマンの「ルスデン」とか。
こちらも伏線の張り方も秀逸で、下手なホラーよりよっぽどゾッとする。最後の場面を受けて一瞬息を飲んで静まる観客が印象的だ。
器用で不器用な男と不器用で器用な男の話
最後にそんな"小説家のような存在"、"採集"と並ぶトップ3最後のひとつである。
この3つに関してはその時の気持ちで常に順位が変動して推移している。
途中までは普通に面白いコントなのに、最後にとんでもなくエモーショナルな気持ちにさせられる不思議な物語。
「絵の具ならまた僕が買って上げるからさぁ。行くなー! 」
のセリフの破壊力が凄まじい。
引用元がハッキリしないので、本当かどうかは定かではないが、この「行くなー! 」という台詞は、当時本当に片桐がいなくなってしまいひとりになると小林賢太郎が思っていたそうで、この言葉がとても強く人に響くのは本心からの「行くなー! 」という気持ちが混じっているからであるという。
そんな感動さえ覚える場面なのに、そこにトイレットペーパーのギミックを加えることで、もはや笑えばいいのか泣けばいいのか、泣き笑いというコントとは思えない感情となる。
銀河鉄道の夜のような夜
最後はちょっと切ないこちら。
このコントにラーメンズの魅力が多く詰まっていて、コントという枠を越えた気持ちにさせられる。
これが収録されている「TEXT」は日本語の同音異義語などの特徴を上手く使った言葉遊びのコントが多くあり、僕は作品として一番好きな作品である。
ラーメンズの凄さはあまりに見事な短編集(時に中編集)を見ることができるという点にある。
最近はソロワークスが多いが、また2人のコントを見れる日を楽しみにしている。
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