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2019年7月22日月曜日

ポルノグラフィティ「ラック」のPVが今も愛されている理由とは







ポルノグラフィティを彩ってきたPVの数々。

その中でも特に人気の高い一作が"ラック"のPVだろう。

なぜ、こんなにも人を惹き付けるのか、改めて考えてみたい。






74ers




この「ラック」のシングルは、普通と少し違っている。

ツアー「74ers」のプレカットシングルという立ち位置だ。
アルバムからのプレカットなどはあっても、ツアーに対してのプレカットというのは、他のアーティストを見てもあまり類を見ない形態だ。

細かいことはシングルレビューでも書いたので、そちらを参照いただきたい。

ライヴのプレカット、10万枚限定生産、ベースのTamaが関わった最後のシングルという色々な意味でファンにとって思い入れの深いシングルではないだろうか。








PVは川崎のチネチッタで撮影されている。

当時、PV参加の募集があり、中に映っている観客のほとんどは応募したファンたちだ。

重厚なリフが鳴り響くイントロ、PVではそれに観客たちの熱狂の声が混じる。この沸き立ち方は、通常のライヴで披露されたよりも、より熱量が高いものだ。

ライヴではイントロで歓声が上がっても、曲中は比較的静かに聴いていることが多いからだ。

しかし、この熱は心の中で確かに燃えている感情なのだ。
本当はこれほどのものを秘めていても、ポルノグラフィティファンは曲をちゃんと聴こうとするから凄い。

叶うならこれくらいの熱狂の中でも聴いてみたい。

云わば、その胸中にあるものを見せてくれるのが"ラック"のPVなのではないだろうか。

それはファンにとって世間に伝えたいメッセージのひとつである。

ポルノグラフィティは、ロックである。










ロック




ポルノグラフィティの中でもトップクラスに、ロックを感じさせるのが"ラック"である。

それはファンが抱く世間との解離、ポップでありながらも、信念にはロックがあること。

ファンはよく知っている姿であっても、世間一般には"サウダージ"や"アゲハ蝶"のようなラテンのイメージがついてまわる。もちろんそれも、ポルノグラフィティの持つ強力なカードのひとつだ。

それでもポルノグラフィティファンの中には「それだけじゃない」という思いが宿っている。

"ラック"のPVはそんな「それだけじゃない」というポルノグラフィティの魅力を、最大限に視覚化させたものなのだ。

ファンが胸に懐く「ポルノグラフィティのロック」がここに全て詰まっている。

そして、もうひとつ。更にその上にこんな思いが乗る。

ポルノグラフィティのライヴがどれほど熱狂的であるのか。

僕が言っても説得力ないが、言葉にできないほどの感動をくれるポルノグラフィティのライヴ。

その渦中にいることができるのだ、"ラック"のPVを見ると。

そして、またあの場所へ行きたくなる衝動をくれるのだ。



狂気する声が満ち溢れてた
立ち向かうように髪を振り乱し
「その拳突き上げろ」と唄う
あのロッカー まだ闘ってっかな?
~"プッシュプレイ"


それは、かつて少年をたたせたロッカーの姿。

しかし、僕らは"ラック"のPVにそんな姿を見る。

それが再生される度に、突き動かされた衝動が甦る。

そんなロッカーは、今も闘っていて。

あの日の少年の夢に負けないよう、走り続けている。

「VS」へ。

その先の、未来へ。






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