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2021年12月27日月曜日

【ライヴレポ】続・ポルノグラフィティ 2021.12.21 +セットリスト







「──自分には確かな居場所がある。自分を必要としてくれる場所がある。その安心感があればこそ……」


自分にとっては東京ドーム以来、2年3ヶ月ぶりのポルノグラフィティのライヴとなった。

見届けた12月21日、有明の東京ガーデンシアター初日は遠距離恋愛の日だという。遠くても近くても、どれだけ期間があいても、想いは変わらない。

※いつものようにMCはメモったキーワードを自分なりにそれっぽく繋いでいるので、正確ではありません。言っていたことのニュアンスが伝われば幸いです



久しぶりのライヴということもあったが、比較的冷静な気持ちで座席に着けた。しかしながら、アリーナ前から7列目ということで、なかなか冷静だけでもいられず、高揚感で気持ちが前のめりになる。


周りの方たちも「近ーい!」と口々に言うような場所で自分にとってのREUNIONが始まるのだ。昂らないわけがない。

ステージのバックには大きくネオンのような明かりでメインビジュアルのPGと宇宙飛行士を模したシルエットが浮かんでいる。そこにはちらほらとLEDが星球のように灯らされていて、日常の中の最大の非日常へ帰ってきたのだと実感する。

会場はJCBホールを一回り大きくしたような4階分の座席(フロアは5階)を見上げると、まるで壁のようだ。そこに座る一つひとつの顔に、大きな期待が浮かんでいる。

ライヴがなかったということでネットを除けば相棒くらいしかポルノファンを見ていなかったので、久しぶりに一堂に会したポルノファンたちの多さに胸が熱くなる。

そんなことを眺め、ボイスストラップの使い方説明のアナウンスなどを聞きつつ、待っていた。

早く見たいのに始まってほしくない。この気持ちが終わってしまうから。どちらの気持ちも抑えながら、ただ期待へと変換させて座して待つ。

定刻5分と少しを過ぎて、場内は静かに暗転した。

漂うようなシンセサイザーの音色が流れ、サポートメンバー、新藤晴一、岡野昭仁が位置付く。

ひとつ呼吸を置き、岡野昭仁が歌い出す。
それに合わせ、自然に発生したクラップが続く。

早く音を届けたい側、早く音を聴きたい側、双方の気持ちが重なったとき、ライヴには魔法が宿る。
それを体現しているかのようだ。合わせた手が鳴らしたのはそんな音だ。


"IT'S A NEW ERA"
正直にいえば、この曲から始まるということは、いくらか予想していた範疇であった。
しかしながら思うことと、それを実際に見ることには遥かな違いがある。

目の前にいるポルノグラフィティ、サポートメンバーが鳴らしたサウンドがスピーカーを通して身体を震わせる。

力強いクラップは一歩一歩のたしかな歩みのようであり、魂の震えでもあり、新しい世界へ向けた旅立ちを鼓舞させる。

リリースからまた広がった岡野昭仁の歌声の表現、その裏で寄り添うような新藤晴一のギター。ここ2年は岡野昭仁をソロで見る機会が多かったが、これだ。これがポルノグラフィティなのだ。

このツアー自体は「テーマソング」のシングルを引っ提げていて、要所要所に配置されているんだけど、今回のライヴは特に"IT'S A NEW ERA"の役割が大きかったのではないかと思う。

ということを書いていくと1曲目から終わらなくなるので、別途考察記事をまとめようと思う。


"幸せについて本気出して考えてみた"
ギターからこの曲へ。序盤にくると「UNFADED」ツアーを思い出す。

最近のAメロの語尾あげる感じと、最後のサビで落とすアレンジすごく好き。

あぁポルノグラフィティのライヴに来たんだな、楽しいなと、挙げた拳が叫んでいる。自分は普段基本声を出さないのでメッ!メッ!ワイッ!ワイッ!のとこも影響をあまり感じない。

考察記事を平行して書いているいま、この曲がここにあることには意味があるのではと思えるのだが、当日はただただ楽しんでいた。

ただひとつだけリアルタイムで大変なことに気づいてしまったのは、2年のブランクで既に右腕に違和感が生じはじめていたことだ。おかしい、腕がもう痛い。運動不足にもほどがあるだろ。

ポルノグラフィティのライヴ感覚を忘れてしまったのだろうか。


そのままドラムのリズムが続く。

昭仁:こんばんは!盛り上がってますか!声は出せんじゃろうけど、君たちにはそのボディがある。ボディで表現して盛り上がってください!まずはクラップでひとつになって、いい夢を見ましょう!


"ドリーマー"
かなり久しぶりだ。おそらく2009年の東京ドーム以来だっただろうか。初っぱなから咬ましてくれる。

この曲は公式にライヴ映像がろくに残っていないライヴでしかやっていないので、今回こそ残って欲しい。ハチャメチャに楽しいのだ、この曲は。

2日目に気づいたけど、Cメロでは歌詞に合わせてサービスモニターの映像が「画像ガ乱レテイマス」を再現してノイズ混じりの映像になっていた。

後述するが、有明公演でサービスモニター設置は当初予定されていなかったそうなので、となると数日の間にこれを用意したスタッフワークは恐ろしい。

今回はこのあとも世界と内面の対比だったり、現実と想像を思わせる曲が並んでいるのだけど、それを踏まえると"ドリーマー"が単なるストーカー予備軍とも言い切れない気がしてくる。

いや、思い違いだ。ストーカー防止法で捕まれ。
※内面の妄想は個人の自由です


そして暗転した場内に流れたイントロに、また度肝抜かれる。


"ANGRY BIRD"
イントロが流れた瞬間にやられた。ダメだろ、こんなことしたら。
ここでこれをぶつけてくるのは、もはや恐怖である。

この時点で自分の想像力の小ささを見せつけられ、ポルノグラフィティには二度と楯突きませんと決心した。


イントロから続く新藤晴一のテレキャスターが奏でるギターリフが気持ちいい。そして岡野昭仁のヴォーカルも、CD音源などよりももっと"キレて"おり心を駆り立てる。

この曲の主人公が抱えているもの、その沸々とした自己嫌悪を爆発させるようなサビ。誰もがそんなドロドロとした感情を塗り潰して生きている。


正常と言い切る異常に満たされた街


誰もがこんな矛盾を少なからず抱えている。
それから続いた曲に驚かされた。


"LiAR"
地味に久しぶりで嬉しい。
この曲のサビに絡むギターがとても好きだ。

ここの並びが面白いのは"ANGRY BIRD"の「誰もFAKE ON THE FACE」と"LiAR"の「よく見れば皆 本当を隠してる 白い仮面の下」が繋がっていることだ。わりと狙った流れかと思っていたら、2日目はここが"今宵、月が見えずとも"に変わってビビった。

あと「深層の階段」という歌詞があるけど、今回のツアーで比較的一貫しているテーマとも通ずる気がした。その辺はこの後や考察に譲る。


それにしても普段なら3曲くらいで最初のMCにいくけれど、珍しく今回は序盤5曲をほとんどぶっ通しでやった。"ドリーマー"の最初の煽りくらいだろうか。

おかげで思い出すはずのペース配分など、とうに放棄だ。どうせ年末だ、身体が壊れても構わん。


昭仁:こんばんは!盛り上がってますか。100%入れたなかでも、まだ声を出せんくて、それでもちゃんと伝わってきとるよ。
(拍手)
昭仁:ほら、その拍手のタイミングとか揃って、バッチリじゃん
(パッ……拍手)
昭仁:ほら、そういうとフライングする人が出てくる。
今日は年の瀬の忙しいなかありがとう!

わしらが、ポルノグラフィティじゃ!


この言葉を聴きたくて、ライヴに来るのだ。


晴一:声を出せなくても楽しんでやろう!というみなさんの気持ちはちゃんと伝わってきます。なんだったら声が出せたときよりも強く、想いは伝わってきてますよ。
昭仁:みんなの念みたいなものが会場の上に浮かんでるんですよ


昭仁:そして今回のツアーでは新しい2名の仲間が加わりました。まずはドラム玉田豊夢!そして、ベース山口寛雄!2人は長い付き合いだけどツアーを一緒に回るのは初めてです。


僕は再三書いているけど、玉田豊夢のドラムが大好きです。

生で見る機会はそう多くなかったけど、映像で見たり、斉藤和義のツアーやフジファブリックのライヴで聴いてたまらない気持ちになる。

山口寛雄のぶりぶりベースとのリズム隊良いなぁと。REUNIONで飲んだ悔し涙が、このツアーで昇華した。あ、"ルーズ"をやった悔し涙は消えない。


昭仁:えー今回は「続・ポルノグラフィティ」ということで、最初の曲たちもそうだったけど、かなりマニアックな内容になってます。初めてポルノのライヴにきたという人は、大変だと思うんですけど。それでも、昔の曲に魂を入れてみなさんに届けたとき、どんな反応になるか見たかったんです。そこに僕らの「続」があるのではないかと。


あと、このMC中で新藤晴一がテレキャスターでフレーズの確認をミュートにしてやってたんだけど、その生音さえ聴こえてきて、えらく感動した。たまらん。


昭仁:さて、そういうわけで今回は久しぶりにやるような曲もやっていくんですけど次に聴いてもらうのは、十数年ぶりにライヴでやります。人生には歩いていくなかでも山あり谷ありでも歩んでいこうという曲です。"ウォーカー"聴いてください。


"ウォーカー"
なんという流れだ、ということを書きたいがこの先も全部そんな感じなのだ。ほぼほぼ全曲ドッキリである。その辺のお化け屋敷よりも怖いんだけど。

ライヴで聴けたのは初めてなのでとても嬉しい。
新藤晴一のギターソロが好きな曲だ。そして岡野昭仁とtasukuのアコギも厚みを持たせながらも、一歩踏み出すことの重さを表しているように聴こえた。

この曲に漂うチルと真逆の気だるさみたいな感情は、コロナ禍で特に感じた人も多いのではないか。

ところで自分の卑下な性格を察してか、iPodでシャッフル再生させると驚異的な率で"ウォーカー"が流れる。近所の住人より遭遇率高い。
なので僕は違う意味で久しぶりという感じがしない。通勤電車でよく見かける人レベルで会ってる。


"Love,too Death,too"
最近やってくれてなかったので聴きたかった。好きな曲なのでとても嬉しい。

ライヴとしては「ラヴ・E・メール・フロム・1999」以来なだけど、あれはメドレーのひとつだったので、フルで聴くのはかなり久しぶりな感じがする。

自分の中で嬉しかったのは、サビのクラップが自然に出てきたことだ。いつ来てもいいように鍛えているので、もはや身体に馴染んでいる。それでもクラップに意識がいって毎度100%曲に入り込めないのがジレンマだ。2日目はだいぶ集中できたけど。

原曲の明るいアレンジで惑わされてしまうが、その実、歌詞は内省的で死生感をまとった重いテーマも含んでいる。
そうした歌詞の中で。


Life, too Day, too 続く時の意味こそ知りたいのに
自分のキャンバスに色をつけるのさえ躊躇って


という歌詞が示す続く時の意味。
「続・ポルノグラフィティ」というツアーの中で、"Love,too Death,too"の主人公が願うこと。


あなたが幸せならばそれで良いと言いたい



目の前の人のために懸命に歌を届けること、その一瞬を見逃しまいと全力で音を受け止めること、それがずっと続いてきて。そんな日々を僕らは待ちわびている。このフレーズたちの存在はツアーの中でも、とても大きいと思う。

フラワーカンパニーズの"深夜高速"に出てくる「生きていてよかった/そんな夜を探してる」という歌詞じゃないけど、ライヴがある度、僕は生きていてよかったと噛みしめる。





改めて今回聴けてよかったなぁと嬉しさが込み上げる曲だった。個人的には歌詞もアレンジもとても凝っていて聴き所しかないので、もっと世間にも伝わってほしいなと思う曲だ。意外とカラオケ向きな曲なのにな。

アウトロで新藤晴一がサビのフレーズをギターで弾いてたのすごく良いアレンジだった。
あと照明がめちゃくちゃ格好よかった。


暗転。
そこでグッズのボイスストラップが鳴らされる。暗転の中から岡野昭仁の「その緑のやつ出番よ。今がチャンスよ、しっかり使って元取って」などが聴こえてくる。

成る程、こんな感じなのか。
たしかに、少し音が小さい。

昭仁:みなさんボイスストラップの使い方うまくなって。初日の東京のあとに会議したものね。このグッズどうする?って。

ちなみに音については少しあとに新藤晴一から説明があった。

晴一:グッズ担当のスタッフが「次こういうの作ります」といってくるんよ。それで「おお、作れば」と返すの。それで出来たら持ってきてくれるんだけど、これ(ボイスストラップ)はスタッフが持ってきた時に顔が雲ってたのよね。
それで見せてもらったら「音が小さいよね」って、なったよね
昭仁:なった
晴一:なんかね、音の大きさで制約があるんだって。デシベルの関係とかで、それで思ったよりも小さくなってしまったって。初日の渋谷とかみんな使い方もわからんから、大変だったもんね録音するとき、外で大きな声を出せないからトイレとかで録ったみたいね。トイレで気を遣いながら「あきひとー!」とか。だから録音した声も小さくなっちゃって、余計に聞き取りづらくなっちゃった。秋の虫?みたいな
昭仁:でもさすがツアー終盤ですよ。使い方がうまくなってきて、なんかネットワークがあるんでしょうね。負の遺産にならんでよかったわ。


昭仁:東京ガーデンシアター、初めての会場なんですけど、面白い造りですね。あそこ、5階席(最上段の席)4階に見えるんじゃなけど、5階なんです。そして、4階席!3階席!そして、2階席。ここ(アリーナ)は2階席なんよ。この違和感。じゃあ1階はどこじゃいう話よね。
晴一:このビルの1階があるいうことよね。
昭仁:あ、そういうこと?
晴一:俺も初めて会場きて、なるほど5階、4階、3階、2階……1階は?ってなったもんね。
昭仁:なので、今日ここ(アリーナ)は2階席と呼びます。
晴一:でも2階席の人はチケットに2階って書いてあって「2階か」と思ってきたらアリーナでビックリしたじゃろ。あ、でも5階の人は(見た目は)実質4階だから、ちょっとお得な感じするんだね、みんな幸せみたいな。
昭仁:なるほど上手いことできとるね!そんな喜ばせかた。


たしかに自分が最初にチケット見たときは「2階席か…いつも通りだな」と思って、座席表見て驚いた。


昭仁:僕らは9月から新始動として活動を再開しました。僕らも23年と長いことやってきて、大体のことはやったと思っていたんです。たくさん曲を出したり、ツアーも17回目だし、たくさんテレビにも出たり。新しいことは、やってないことはもうないんじゃないかって。
しかし、再始動した矢先にとても素敵なコンテンツに出させていただいて。それがTHE FIRST TAKEです。

とても大きなコンテンツで、ミュージシャンの一発撮りの空気をパッケージして届けるという素晴らしいもので、それに出させていただきました。それがとても楽しくて、今回のツアーでもその感じをお届けしたくて、ポルノの曲をアコースティックアレンジでお届けしようと思います。
聴いてもらう曲は"ミステーロ"です。


"ミステーロ"
はい!?その流れで"ミステーロ"やります!?
アコースティックアレンジで、新藤晴一の12弦のアコギとtasukuのアコギの少しミステリアスな雰囲気のアルペジオのユニゾンフレーズが良い。

頭のサビはカットで、Aメロから歌い出す岡野昭仁の歌声が余韻たっぷりで、"ミステーロ"なんだけどまた全然違った世界観の魅力を持つアレンジになっていた。

それにしても、"Love,too Death,too"もそうだけど、ギターで歌メロをなぞるアレンジが僕はすごく好きなのかもしれない。キュンキュンする。

秀逸なアレンジで、やっぱりFCUW6やったらアコースティックアレンジのライヴやって欲しいなと願う。


昭仁:ありがとうございます。次に聴いてもらうのは、皆さんにも見ていただいた"サウダージ"なんですけど。今回はホールツアーだったので、最初はマイクなしで歌ってたんです。けど、東京ガーデンシアターはデカいので、どうしようか迷ったのですが、やってみようと思います。では、聴いてください。


"サウダージ"
THE FIRST TAKEを見てからこれを生で体感したかったファンは多いだろう。しかし、ここで見届けたのは似て非なる格別なアレンジだった。

THE FIRST TAKEが伝えるのは空気だ──と新藤晴一は語っていた。だからこそ、僕らは自然に想像してしまっていた。

これが観客を、ファンを前にした岡野昭仁なら、どうなってしまうのだろうと。


回答、ファンが死ぬ。

完全にアカペラで歌った最初のサビ。ツアーで最大の規模の会場などものともしない歌声。歌声だけでない、特筆すべきはその表現力なのだ。
歌いまわしの含みがとても美しく、でも切なくて。スポットライトも相まってとてもミュージカルっぽくなっていた。壮大な物語が始まりすぎる。

最終日の配信組には申し訳ないが、これだけはまさにライヴ、LIVEで空気を通してこそ伝わるものだったと思う。

YouTubeでさえハッとさせられた歌声が、自分に空気を伝わって届いたとき、どうしようもない感動が身体を満たした。


"鉄槌"
「ズン!」としか形容しようがない強烈な一撃で、この曲がきた驚きに震える。アレンジとしては中盤に長めのギターソロが追加され、一度岡野昭仁は裏へ捌けていた。

このアレンジは2011年の幕張アレンジとも違っていて、閉じ込められたものから這い上がる、そんな決意を振り絞るような、それが今の状況と重なって胸を打った。それだけ歌声も演奏も強烈であった。

ギターに関していうと、ほとんどパワーコードっほいのに、その音の気持ち良さに酔えるほどだった。あのフライングV本当に良い音するな。

たぶん、この曲は他の曲よりもギターのボリュームを意図的に大きめにしてたと思うんだけど、それでも負けない岡野昭仁の歌声、化物。たぶんあれなら、声を打ち消す鉄槌さえ破壊できる。

今回骨組みごとの可動式照明だったけど、それが抜群に合ってて格好いい。


"Fade Away"
さらに内面へ内面へと掘っていく。それこそまさにスプーンで心を抉っていくように。展開がエグい、エグすぎる。

大好きな曲なのだが、そうそうライヴでやる代物ではないので、当面聴けないと思っていた。今回のライヴはそういうそうそうの代物を演る内容なので やってくれたのだろう。この人たち怖いよぅ。格好いいよぉ。

個人的に新藤晴一が"Zombies are standing out"で書いたテーマを岡野昭仁が書くとこうなるという歌詞のイメージだ。

しかし、これがリリースされた「BUTTERFLY EFFECT」の頃とは違う。
また違った分断がいつくも生まれていて。くだらない冷笑文化も相変わらずで。

歌詞にあるように「見えない未来」が想像しなかった形で広がっている。それはニュースから聞こえてくるのは、新しい変異株だ、第6波の可能性だ、など暗い話題ばかりだ。

だから今この瞬間にあるものと向き合うことが大切なのではないだろうか。

ライヴとは、そんな場所なのだ。明日がどんな日であろうと、この場所でこの瞬間にあるものは、確かな正しさを確認し合う場でもある。



昭仁:みんな、楽しんでくれてますか。じっと立って聴くような曲が続きましたが、大丈夫かな。内省的なというか、暗い曲がね。なので、次は愛の曲を聴いてもらおうと思います。

アコギを爪弾き、岡野昭仁が歌い出す。


"元素L"
これは、本当にやられた。
もちろん聴けた嬉しさもあるんだけど、一番は岡野昭仁の弾き語りで、余韻たっぷりにバンド演奏が入るアレンジ、ずるい。レフェリー止めろよ。

弾き語りのアレンジから入ったことで、想いを伝えるということの意味が更に強まったと思う。

まさに先の"サウダージ"で書いたとおりなんだけど「空気に触れて 君へと届いて」という歌詞に、自分はこのライヴを見た歓びのすべてが詰まっていた。

「空気に触れて 君へと届いて」という歌詞は、この2年でとてもネガティブな意味を持ってしまって。見えざる驚異に怯える日々が続いていた。

前にも似たようなことを書いたけど、だからこそ僕らは見えない音楽に救われるのだと思う。会場にいる僕らは声を出せないけど、きっとこの気持ちはステージにも伝わっているはずだ。

そろそろ幸せに殺されると思い始めてきた。

ちなみに新藤晴一はES-345を使っていて、こちらも余韻たっぷりのギターソロを奏でていた。良い音するなぁあれ。


"Winding Road"
嘘だろ。なんだこの流れ。
かなり余談になるが、"元素L"~"Winding Road"は相棒の大好きな曲で、相棒は最終日だけ参戦予定だったので初日聴いたときに「あ、アイツ死ぬな」と思った。
※無事に最終日死亡したそうです

それにしたって自分もたまらなくて。
恋の話とすると"元素L"からの落差が凄いんだけど、とても胸を打たれた。惜しむらくは最後のサビで一番を歌ってたことくらいだろうか。


この日全体的にそうだったんだけど、こういう曲でちゃんと最後の一音まで噛み締めてから会場に拍手が響きわたって良かったなぁと沁々思っていた。


昭仁:ありがとうございます。みなさん楽しんでくれてますか。
この2年を振り返るとコロナというものが、暗い影を落として。でも暗いとこばかり見ていてもだめで。まさに"IT'S A NEW ERA"、私たちのための場所があると思うんよ。その新しい世界へ踏み出すための第一歩、それが今日!その日だ!"THE DAY"!


"THE DAY"
ポルノグラフィティにとってライヴの定番曲と呼べるものはいくつかある。その中でも比較的最近リリースされたものの中で、最もエネルギーがあるのは"THE DAY"ではないだろうか。

結構な頻度でほとんど毎回聴いているが、どれだけ聴いても毎回必ず力をくれる、心を奮い立たせてくれる。

理屈でなく本能に訴えかけ魂を揺さぶられるから、この曲がくると僕はかなり記憶がない。


“REUNION”
イントロの皆川真人の奏でるピアノに昂る鼓動。

ここまでも内へ内へと迫っていくような曲が比較的多かったが、このタイミングで来た”REUNION”はその集大成であり、その先を示すようなものに聴こえた。
ツアー中、日本全国でいくつもの「REUNION」があったことだろう。

再会とは確かめ合うことだ。

自分の外でも内でも、様々なものが変化した。
けれど、変化があったからこそ、変わらないものを知ることができた。

その答えを持ち寄って、撚り合わせれば、それこそが決して切れない意図となる。

今回の岡野昭仁の歌声はどこを切り取っても「圧巻」と言いたくなるようなものだったが、それをもってしても”REUNION”のCメロも圧巻の一言であった。エネルギーの塊みたいだ。

元々昨年のライヴで披露された際にはこのCメロはなかった。つまり、このCメロ自体も「REUNION」のライヴの”地続き”にあるものなのだ。


続くドラムのリズムで多くのファンが次の曲を理解し、脳より身体が先に動く。

もうすっかり手のひらは痛いけど、あのベースイントロを待ちわびると、自然とまた力が入ってしまう。


“メリッサ”
こうして改めて聴くと、歌詞が今の状況ととても近いように思える。

傍らの鳥の羽ばたきを見送り、随分と立ち尽くした主人公は、コロナ禍で色々なものが止まってしまった僕らと似ている。

きっと冬の街に吹き抜けたビル風が街路樹を揺らし、地にそびれた葉を空へ還したように、僕らは自然に流されていく。

それでも。

DVD「Purple’s」の副音声で、”メリッサ”のアウトロが楽しくてもう何周か回したいという言葉があった。

それを思い出すくらい、本当に楽しくて、このままこの幸せな瞬間が永遠に続けばいいのにと思っていた。

この瞬間の音が鳴り止んでも、また未来にはこんな楽しい瞬間が待っているかもしれない。いや、きっと待っている。

そんな未来をポルノグラフィティがくれるから、僕らは不確かな未来へ足を踏み出すことが出来る。

自然に抗うでもない、それでもただ流されるだけではない。流れを遡れなくても、流れる先を選ぶことはできる。

流されても消えない魂が、そこにあれば。


新藤晴一がギターを鳴らす。

そのフレーズを聴いただけで、周りの観客たちは今度はタオルを構え始める。パブロフの犬も見習う速さだ。

晴一:声が出せなくても楽しんでくれているのは伝わってきます!できることはあって。みんなモヤモヤしたものとかそういうものがあると思うけど、そのエネルギーが余るのは勿体ない。よろしければお手持ちのタオルを回していただいて、少しでも発散してくれたらと思います。ない人は手を回してください
昭仁:おー!
晴一:そのエネルギーを使っていただければ
昭仁:よいしょー!
晴一:我々の目指すSDGsな未来が実現するのではないでしょうか!

謎の相槌ジワる。

そしてギターを再開。あのイントロへ。


“ハネウマライダー”
どうしよう。


タオル忘れたわ。ハッハッハ。


久しぶりだけどライヴ行く姿勢を身体は忘れてないななんて思ったけど、全然そんなことなかったわ。全然頭になかった。

言い訳をするとすれば、タオル回してもよくなったのを知らんかった、というくらいだ。

手元で回せそうなのは着替えの下着しかない。
ポルノライヴでパンツを回したら事案になってしまうので、言葉に従い拳を回す。

それはともかく、やっぱり何度聴いても強い曲だ。

「REUNION」の時のアレンジが素晴らしくて涙したのは一年前。
僕らを乗せた青いバイクは、これからも真っ直ぐ僕らを未来へ連れていってくれる。人が目の前の現実に戸惑い、右往左往してしまう中、ただ未来を目指すバイクは頼もしい。

メンバーが近い分、楽しそうに音を奏でる姿が目に焼き付く。

今回の会場はサービスモニターがあったので、岡野昭仁はカメラ目線など大いに遊んでいた。


昭仁:今日は本当にありがとう。みんないっぱい手を叩いて、手のひら痛いじゃろ?
でも最後にみんなでひとつになって今日一番のクラップを響かせてください。手は痺れて痛くなるだろうけど、その痛みで今日を思い出せばいいじゃん。
そして痛みを覚えておいて、この先でまた会おう。今日は声を出せんから歌えんじゃろうけど、今度会った時はみんなででっかい声で、次の曲を一緒に歌いましょう。それまでの約束。今日は本当にありがとう!


“テーマソング”



絶対この曲が最後に来る、来るとわかっていたのに、岡野昭仁のMCからもうダメだった。いやだもう、この人たち大好き。

曲前のMCでも語られたが、この曲が本当にライヴで完成するのは、まだ先だ。以前のように歓声をあげて、みんなで騒ぐ、そんなライヴが帰ってくる日まで。
でも今は叶わぬ歯がゆさの先で、たしかに待っている未来がある。

振り上げた拳は、次のTHE DAYまでのたしかな約束となった。

約束を胸にこの曲を大合唱する会場の光景を描いて心は震え、そんな未来の光景に涙してしまった。

曲の中で「共に行こう」という歌詞がある。フレーズ自体は歌詞では定番といえるフレーズかもしれない。

けど自分にとってこの言葉は、新藤晴一が書き、岡野昭仁が歌い上げるからこそ、属性ネガティブマイナスの自分のような人間でさえ、感動させられてしまうのだ。

なんでこんなに楽しいんだろう。

なんでこんなに幸せなんだろう。

理由なんて決まっている。

それが、ポルノグラフィティのライヴなのだ。

この場所に戻れて、本当によかった。


怒涛の本編だった。マジで膝の力が抜け落ちるように席に座った。

次から次へと届けられるギフトに、頭が追いつかない。でもあと残すはアンコールだけだ。大丈夫まだ立っていられる。

そう思っていたら、アンコールで更なる怒涛の展開が待っていたのだ。

もうちょっと続くんじゃ。









アンコール




昭仁:みんな揃って手拍子してくれて呼び込んでくれて嬉しいじゃん?アンコールやりましょう!

昭仁:えー今回は続・ポルノグラフィティとしてやってきたんですけど、昔の曲たちに魂を込めて届けたらどんな反応になるか見てきました。そして一番の目的は3年ぶりにみなさんに会いに行くことにでした。
でも何を持って「続」にするか。そのためには、やっぱり新しい音、新しい曲を聴いてもらうこと、それが「続」になるんじゃないかということで、新曲を聴いてもらいます!タイトルは"メビウス"です。


"メビウス"
ES-345の甘いクリーントーンのフレーズに、tasukuの美しいトーンのギターが重なる。え、この曲好き。愛してる。

サビの「もうめぐらせなくていいの」は"ROLL"を想像してしまって。合わせて「しぼんだ肺でも」のようなフレーズがあって、"ウォーカー"に通ずるものがあるのかなと感じた。
最初は甘くてちょっとセクシーさもあるような雰囲気だったけど、バンドが入ってくる途端に熱量を増した。

※↑これが実際に聴いた当日の感想メモです。配信で歌詞を改めて見てビックリした

配信で見た歌詞があまりに衝撃的すぎて、初日に感じたあれこれが吹き飛んでしまった。「くびね」が「くびれ」だと思ってたんです、初日は。

メビウスの輪というものは、様々な意味合いがあって、その中のひとつには永遠があると思う。

これはもはや考察記事どころか、"メビウス"単体で歌詞解釈をしなければならぬ案件だ。でもなんとか考察記事に詰め込もうと思う。

正直なとこ、どちらが歌詞を書いたかわからないが、改めて聴くと端々に宿る狂気に岡野昭仁っぽさもある気がする。

このタイミングで、まだこんな曲を鳴らすポルノグラフィティが、なんとも恐ろしい。


昭仁:新曲"メビウス"を聴いていただきました。いかがだったでしょうか。この曲はリリースするとか、そういうのは全然決まっていなくて、今のところまったく予定はありません。とにかくできたての新しい曲をいち早くみんなに届けたかったんです。長く愛していただけるような曲になればと思います。

昭仁:さて、もう年末ですね。会場にもちらほら、そういう格好をしている方もいますが。皆さんには一足早いクリスマスプレゼントを贈りたいと思います。

このMCで会場全員が「あ、きた。"Hard Days,Holy Night"だ」と思った。間違いなく思った。

しかし、岡野昭仁の口から出たのは思いもよらぬ言葉だった。


昭仁:みなさんにはもう一曲、新曲を聴いてもらおうと思います。


この人たち頭がおかしいんじゃないか。

いや、頭がおかしくなるのはこっちの方だ。

まさかの新曲2連発である。
俺、頭悪いんだからこんなことされたら脳ミソ破裂するぞ。


"ナンバー"
僕はいつもライヴが終わると、帰りながら鬼の形相で携帯のメモに感じたことと、MCなどの備忘録を書いている。そのメモを見返すと"ナンバー"について。

「うさぎ」

とだけ書かれていた。頭が弱いけどそれだけは覚えてた。"ナンバー"は、うさぎの曲だ。

※歌詞には他にもいっぱい生き物が出てきます

イントロはちょっとレトロ目に加工されたストリングスで、少し"極上ランディング"のイントロっぽい感じ。

始まりは爽やかなんだけど力強さもあるというか、サビの雰囲気とか兎に角好みで、こういう曲すごく好きだなぁとじんわり熱くなる。愛してるが確変状態だ。
ちなみに自分はこちらが新藤晴一っぽい歌詞の印象を受けた。

これも"メビウス"に続き、配信で歌詞を見たらたまらない内容だったので、また別の記事に。俺の続・ポルノグラフィティは終わらない。終わらない……


それにしても、1曲くらい新曲をやるかもと思ってはいたけど、ここで新曲ラッシュがくるとは思ってもみなかった。"ナンバー"に至っては本当に出来立てで有明2daysにねじ込まれたらしい。

わかった、わかったから早く全部入ったアルバムを出してくれ。


メンバー紹介。

玉田豊夢、山口寛雄、皆川真人、tasukuの順に紹介される。みんな、大好きだぜ。

昭仁:サポートメンバーに大きな拍手を!さて、残った2名がポルノグラフィティということになりますが、まずはギッタリスト(原文ママ)の名前を、その緑のやつ(ボイスストラップ)で呼んでやってください。ギタリストは!

会場にじわじわ響く「晴一」の声。それでも確かに、ちゃんと聴こえてくる。新藤晴一はバッチリカメラ目線、をモニターで「ちゃんと映ってた?」と確認してた。

ちなみに自分は新藤晴一がステージ袖のカメラさんに「紹介になったら映して」とお願いしてるの先に目撃してたのでウケた。7列目最高。

昭仁:前の人はわからんと思うんですけど、そこ(ステージ横)にモニターがあってね
晴一:3日前に付いたんだよね。スタッフが「会場広いんでサービス(モニター)付けますね」って、それでも間に合うんじゃね。


サービスモニターが付いたのが、3日前に急遽だったというのは衝撃だった。
最終日にツアーのエンドロール流れたんだけど、サービスモニターなかったらどうするつもりだったんだろう。


晴一:あと今回、あれよね。Tシャツが変わって、長くなった
昭仁:そうなんです。今まで(アンコールに着る)Tシャツの丈が短かったんですよ。手を挙げるとお腹出ちゃうくらい。だからサイズ変えて欲しいっていってたら、東京ラストでようやく
晴一:これ特注なんだってね
昭仁:そうなん? だから時間掛かったのか。頼んでからえらく時間掛かるなと思っとったんよ。でも、これで丈も長くなったので、大丈夫です!


晴一:今日はありがとう。何度も言ってしまうけど、声が出せない中で大変だろうけど、闘ってきた先にはきっと残るものもあって。
ま、得てしてこういう事態は何年か経てば笑い話になるものよ。あの時声を出せなかったなとか、小さなマスク送られてきたなとか、緑のもん(※ボイスストラップ)買わされたなとか。 栄光には称賛がないといけんのよ。人は普段なかなか褒められることはないけど、そういう時に自分くらいは、今日のことを思い出して褒めてあげてくれればいいなと思います。


「栄光には称賛がないといけない」という言葉がとても頭に残った。"テーマソング"のメッセージや、"幸せについて本気出して考えてみた"の「それなり」にも通ずるものだと思う。本当に、この事態が早く過去になることを願う。


そして岡野昭仁の紹介に移ったんだけど、新藤晴一はおもむろにボイスストラップを手に取り「そしてヴォーカルは」と吹き込む。 そして岡野昭仁に「全部聞こえてるけど」とツッコまれる。

最終日は「ヴォーカル岡野昭仁く~ん」だけだったけど、有明初日は全部ボイスストラップ使ってた。


昭仁:ありがとうございます。僕はこの2年、ソロ活動をやらせてもらってましたけど、その時にポルノグラフィティを母屋、ソロ活動を離れと呼んでいました。 一度母屋を離れたことで、母屋のすごさを知ることができました。土台はしっかりしてるし、柱も、立派じゃ。壁もしっかりしてて、屋根なんてワシらがどれだけ雨を降らせても大丈夫じゃ。それを造ってくれたのは、他ならぬ君たちで、これからもその母屋を育ててくれたらと思います。
また会いにきてくれて、釘の一本を打ちにきてくれてもええ、壁紙がペロりんと剥がれていたら貼ってくれたりして、増築なのか、改築なのか、リフォームなのかわからんけど、そうやって守っていってくれたらと思います。今日はありがとう!


昭仁:さぁ東京!まだ力は残ってますか。……やっぱり(Tシャツの)丈が長いのはいいね。安心して腕を挙げられる。前のはめくれて乳首まで見えそうな勢いだったもん。
最後にアホになって、みんな0になりましょう。0になったら、またポルノのライヴに来たくなるでしょ。全部出し尽くしてください、ラスト1曲!"ジレンマ"!


"ジレンマ"
いつも以上に終わりが辛い。いや、翌日に最終日も待っているのわかってるけど、寂しいものは寂しいのだ。

けど同時に、心の底から楽しくて、スーツなんて気にならないくらい跳ねた。

ソロ回しでは、tasukuがクリスマス帽をかぶりジングルベルをギターアレンジで弾いたり、皆川真人が"Hard Days,Holy Night"を弾いたりして、クリスマスっぽさが楽しい。

あとソロ回しで新藤晴一の時に、岡野昭仁がステージ袖のスタッフと悪ふざけしてるの目撃してウケた。7列目最高。


ライヴが終わる。

今年は自分を取り巻く環境が大きく変化した年で、だから「自信持っていけ、胸張っていけ」の言葉が、いつも以上に心に強く響いた。

曲が終わり、最後の挨拶の時、岡野昭仁がアリーナを指して「2階席ね、2階席」と呟いてた生声を聴けてウケた。7列目最高。


生声
晴一:メリークリスマス!
昭仁:みんな次に会うときまで、元気でいましょう!そしてたくさん叫んで暴れましょう!今日はほんまにありがとう!


万雷の拍手のなか、自分にとって2年3ヶ月ぶりのライヴは終わった。
気持ちは冷静でいたはずなのに、セットリストがそれを許してくれなかった。翌日参戦の相棒へ遺した言葉が「死ぬ」だけになるレベルだった。


今回のセットリストの曲たちを振り返ると多くの曲に諦めが、苛立ちが、限界が、現実が詰まっている。

マニアックでも久しぶりに届けたかった曲たちということだが、そこで選ばれた曲たちは、どれもなにかと向き合う曲ばかりだ。

誰もがなにかと向き合ってきた。


NEW ERA、新時代の中で、
本気で考えた幸せと
妄想の海で抱いたものと、
黒く塗り潰そうとしたものと、
あなたの優しい嘘と、
古く青い約束と、
愛と死と、
浅い夢のようなあなたと、
私の恋心と、
身に覚えのない罪と、
嘲笑う奴らの声と、
優しくも苦い愛の言葉と、
ただ君が好きだった気持ちと、
遂にやってきたその日と、
紡いだ意志と、
立ち尽くして見上げた鳥と、
ただ真っ直ぐに走り続ける青いバイクと、
フレ フレと掲げた拳と、
丈の短いTシャツと。


誰もが現実と向き合ってきた。

そして探していた。

私たちの場所を見つけようと。

改めて”テーマソング”の歌詞を見る。


諦め 苛立ち 限界 現実 飲み込み過ぎて喉が渇く


渇きとは渇望である。

飲み込み、内に留まっているものたちを吐き出す場所。

少しの間、日常を忘れさせてくれる場所。

みんなが幸せになれる場所。

ライヴとは、自分を自分でいさせてくれる場所だ。

1人ひとりの人生の先に見つけた、自分の大切な場所だ。

どれだけ世界が変わっても、変わらない想いを共有する場所。

ライヴとは、そういう場所なのだ。

そんな場所が、そんな道がこれからも"続いて"いく。


──自分には確かな居場所がある。自分を必要としてくれる場所がある。その安心感があればこそ、人は強く生きられるのです。
ドロシー・ロー・ノルト


【セットリスト】 
2021.12.21 東京ガーデンシアター
01. IT'S A NEW ERA
02. 幸せについて本気出して考えてみた
03. ドリーマー
04. ANGRY BIRD
05. LiAR
06. ウォーカー
07. Love,too Death,too
08. ミステーロ
09. サウダージ
10. 鉄槌
11. Fade Away
12. 元素L
13. Winding Road
14. THE DAY
15. REUNION
16. メリッサ
17. ハネウマライダー
18. テーマソング


EN-1. メビウス(新曲)
EN-2. ナンバー(新曲)
EN-3. ジレンマ


↑考察記事はこちらから

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