歌詞解釈の記事はちょくちょく書いているけど、それとは別に不定期に好きな曲をピックアップしてひたすら語り倒したい。
ということで、第1回はハルカトミユキの"その日がきたら"を取り上げる。
とあるコラムを読んで自分も火がついた次第。
ハルカトミユキ / その日がきたら
3rd EP 「そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。」収録
ラブソング
ラブソングである。
それもとても純度の高いラブソングだ。
「世界が終わるとき」という大仰なテーマであっても、歌われるテーマはシンプルだ。それは、
「世界が終わるときであっても、僕は君のことを守る」
ということ。
それまでハルカトミユキは捻くれた曲を沢山出してみた。
部屋の隅でとんでもない想像を働かすような世界、壊れたくても壊れられない世界。そんな表現が多かったハルカトミユキだったが、この曲は一転してとてもストレートな歌詞だ。
「世界が終わる」という途方も無いテーマを持ってくることで、主人公の意思の強さを強調させている。
多くの人にとって「世界が終わるわけないじゃん」と受け取られかねないけど、この曲はそんな側面では歌われていない。
先に書いたテーマを本来のテーマに書き換えてみる。
「こんな終わってしまった世界でも、僕は君のことを守る」
なのだ。
それはこの曲のリリース時のインタビューからも見て取れる。
―なぜそういうラブソングが自分の中から出てきたんだと思いますか?
ハルカ:最初はラブソングを書こうと思っていたわけではなくて、「世界終わってんなあ」みたいなところから入ったんです。ノストラダムスの予言とかで「世界が終わる」って言われるとみんな焦るけど、もう世界は終わってるし、むしろ終わってるのに終わってない振りをして平然としてる、そっちの方が怖いと思って。じゃあ、そういう状況下で何をするかって考えたら、水を買って貯め込んでおくとかじゃなくて(笑)、何を犠牲にしても守りたい人がいる。これって究極のラブソングだなって思って、もっと突き詰めていこうと思ったんです。
CINRA.NET
ハルカ:最初はラブソングを書こうと思っていたわけではなくて、「世界終わってんなあ」みたいなところから入ったんです。ノストラダムスの予言とかで「世界が終わる」って言われるとみんな焦るけど、もう世界は終わってるし、むしろ終わってるのに終わってない振りをして平然としてる、そっちの方が怖いと思って。じゃあ、そういう状況下で何をするかって考えたら、水を買って貯め込んでおくとかじゃなくて(笑)、何を犠牲にしても守りたい人がいる。これって究極のラブソングだなって思って、もっと突き詰めていこうと思ったんです。
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曲について
この曲を初めて聴いたのはライヴだった。
EPのリリース前にVIVA LA ROCKにハルカトミユキが出演した時に聴いたものだ。
洞窟ステージで、とても低い天井が印象的であった。
VIVA LA ROCKの初年度の一番最初に見たのがハルカトミユキというのが個人的には嬉しい。
とんでもないエネルギーのある曲だと思った。
まず、僕はこういう構成の曲が好きである。
弾き語りでシンプルに始まって、徐々にバンドが入り、広がりのあるサビで爆発するというような曲だ。
好きなアーティストのこういう構成の曲はほぼ無条件で好きになる。
Cメロのポエトリーの部分も歌詞といい不穏な鳴りのギターといい素晴らしい。
カタルシスです。
愛なきこの時代にキミをこんなに愛する
余談のコーナー。
ポルノの曲で"愛なき…"という曲がある。
その歌詞を少し引用しよう。
愛なきこの時代にキミをこんなに愛する
誇らせて下さい
〜"愛なき…" ポルノグラフィティ
「世界が終わる」というに対してこちらは「愛がなくなってしまった時代」というテーマで、根底にある愛情の強さがとても近いと思う。
ちなみに、世界が終わるというテーマであると真っ先に思い浮かぶのがWANDSの"世界が終わるまでは…"であるが、この曲は逆に「世界が終わるまで続くと思っていた愛の終焉」を歌っている。
そう、「世界が終わる」という歌詞、どちらかと言うと失恋について歌われる時の方が引き合いに出されることが多い。
世界 あるいは君が壊れてしまうというなら話は別だが
およそ恋が生まれて消えた まぁそういうところだろう
〜"パレット" ポルノグラフィティ
世界が終わる、みたいな終末感はとても詩的だから歌詞でも使いやすいのかもしれない。
ということで、タイトルは変わるかもしれないけど、不定期で語ってこうと思う。
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