EPISODE-3 分身
あらすじ
自分に瓜二つの人物を見た直後に不可解な死を遂げる事件が多発。捜査に訪れた病院でモルダーとスカリーは、解離性同一性障害の老女に出会う。彼女はテレパシーを使い、双子の兄と“ハングマン”という単語ゲームをして遊んでいるという。モルダーは彼女がゲームで当てた単語の中に、事故に遭った青年の名前を発見する。
ネタバレ感想
このエピソードにおいて「ハングマン」というゲームがキーとなる。
僕が崇拝しているマンガの『嘘喰い』でもハングマンは出てくるが、あれは単語ゲームではなくババ抜きをしてハングマンの絵を完成させてしまった方が死ぬ、というものなので異なる。
この単語ゲームは日本だとあまり馴染みがないので、先にルールを整理しておこう。
1. 出題者はある単語を決め、その文字数とその単語のカテゴリーをヒントとして提示する
2. 解く側はその単語を推測して、アルファベット1文字ずつを順番に解答する
3. アルファベットが単語の中にあれば文字を埋め、なければ『吊るされる絵』の線を足していく
4. 吊るされる絵が完成するまでに単語を当てれば解く側の勝ち、完成すれば出題者の勝ち
では本編へ行こう。
オープニングでライヴシーンが出てくるが、このバンド誰だろう。結構格好良い。
ライブを見ていた男(アーキー)が1人、調子に乗ってダイブするが、その際に自分らしき男の姿を見かける。
アーキーは逃げるため会場を飛び出し、車で走っているが違反で警察に追われる。そんな折り、助手席に自分と同じ男が座っているのに気付き事故を起こす。
オープニングのタグラインはようやく通常の「THE TRUTH IS OUT THERE」になるが、その下に鑑映しのように映る仕様。今回は毎回凝ってるな。
最初に事件のことを説明するモルダーが事故を起こしたアーキーのことを「マッドマックス・アーキー」なんて呼ぶ点が面白い。「怒りのデスロード」である。
自分と同じ姿を見て死亡したりするケースが続いていて、アーキーが生き残ったことにモルダーは注目する。
病院で聞き込みをすると、自分と同じ人物”ドッペルゲンガー”を見た症状を訴える人物が何人もいたという。
精神病とは違っているようだ。
モルダーは解離性同一性生涯で入院しているジュディスに注目する。ジュディスがモルダーに対して「こんなハンサムな男が来るなら言ってよ」と言うところがポイントである。
ジュディスは双子の兄とテレパシーでゲームをしているという。
ジュディスの書いた絵には「アーキー(ARKIE)」の名前があった。しかしジュディスは知らないという。その絵が「ハングマン」なのだ。
勾留されたアーキーは檻の中で再びドッペルゲンガーを見る。そして死亡してしまう。
自殺願望もなく、後ろ手に手錠をされていたので、自殺とは思えない状態であった。
モルダーはジュディスの兄のチャッキーを尋ねる。
チャッキーはアーキーが死亡した刑務所の職員で、アーキーの死体の第一発見者でもあったのだ。
チャッキーの家にはジュディスのところにあったのと同じ「アーキー(ARKIE)」の名前が入ったハングマンの絵を見つける。
その頃スカリーはジュディスに面談をする。
ジュディスは激しい怒りの態度を見せる。
ここでジュディスの「あんたは40代?子供を産める年齢は過ぎてしまってる。もう女じゃない」という台詞にスカリーは動揺してしまう。
スカリーはモルダーに「私は老いたと思う?」と問いかける。
自身の年齢とあらためて向き合い、スカリーの心は揺らぐ。
一方チャッキーは次にアーキーの弁護を担当したディーンをゲームのターゲットとしていた。
モルダーは刑務所で”ろくでもない人間”に狙いを定めてターゲットにしていると見破り、チャッキーに脅しを掛ける。
スカリーもジュディスを尋ねるが、前日のジュディスとは打って変わって穏やかな性格になっていた。
次のターゲットになった弁護士のディーンは、露とも知らずレストランのウェイトレスに「その青い目でウインクしてくれたら、チップ以上のものを弾むよ」と軽口を叩いている。吹き替え版で分かるがウェイトレスの「約束はバナナみたいなもの。賞味期限は短いのよ」という返しが秀逸だ。
「刀のコレクション見に来ないか?」としっかり死亡フラグを立てたディーンはドッペルゲンガーを目撃して、しっかり刀で首を切り死亡する。
現場を調査した帰り、車に乗り込む際にスカリーは自分の姿を目撃してしまう。
寝ようとしても落ち着かないスカリーは寝ているモルダーのもとへ行き「抱きしめてくれる?」と囁く。
ベッドでの2人のやり取り。
それは、子どもの話。「もう1人くらい子どもが欲しかったけど、もうそんな年齢でもないし、相手もいない」と零すスカリー。
相変わらずどっちつかずみたいな態度を取っていたが、2人がまだ性的な関係にあるという描写があったことが見逃せないポイントだ。。
ベッドのやり取りは過去やミソロジーにも通ずる要素が含まれており、単発のエピソードでも油断はできない演出がされている。
部屋にスカリーの分身が立っているシーンは、なかなかゾクッとさせられる。
オチとしてモルダーとスカリーの名前を探り合っている最中に喧嘩になり、チャッキーとジュディスはお互いの名前を書いてしまい、2人とも死亡する。
しかし、本当のオチである、あのシーンの素晴らしさはシーズンの中でも随一と言えるだろう。文字にすると野暮なので、ここでは書かないが。
メイキングによると、最後のシーンのモルダーはアドリブだったというから驚きだ。
エピソードの内容として疑問もないわけではなくて。
このエピソードで登場する双子の兄妹チャッキーとジュディスは、テレパシーを使ってこのゲームをしている。
2人はゲームを名前で行っており、ゲームで名前が明かさた人間は自分の分身(ドッペルゲンガー)を見て死亡してしまう。
ハングマンで名前が完成した人が死ぬというのは分かる(これで納得してる時点でかなりX-ファイルに毒されているが)。でもドッペルゲンガーは何故現れるのだろう。
もしくは根本的な解釈を改めなければならないのかもしれない。
「ハングマン」で名前を暴かれた者には「ドッペルゲンガーが現れる」。
そして昔から言われているように、ドッペルゲンガーを見た者は「死ぬ」。
このロジックなのだろうか。
謎である。
今回のエピソードで一番驚いたことはジュディスとチャッキーが同じ女優さんが演じているということ。
全く同一人物が演じているとは思ってなかったからビックリした。
更にはその女優さんがシーズン4のエピソード「ホーム」で奇形の母親を演じた女優さんというのだから驚きだ。
全体的にはかなり「X-ファイル」らしいエピソードで、楽しめた。
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