2018年8月5日日曜日

X-ファイル2018(シーズン11) 第6話「子猫」ネタバレ感想







EPISODE-6 子猫




あらすじ




スキナーが突然失踪し、モルダーとスカリーは彼の部屋に残された手がかりを追う。行き着いたのは、ベトナム戦争で精神を病んだ帰還兵が収容された施設にほど近い、マッド・リックという田舎町だった。折しも町には、“森に怪物が出没する”との噂が流れ、狩猟用のワナにかかって町民が死亡する事件が発生していた。




ネタバレ感想




すごくどうでもいいが原題の「kitten」を最初「kitchen」に空目していた。キッチンて。


スキナーにスポットが当たる第6話。

スキナーはかつてベトナム戦争に従事していた。
その任務は「MKナオミ」と書かれた箱を守ること。何があっても箱を守って中隊へ渡せと指示される。

銃弾の飛び交う中、村へ到着しある民家に入る。
眼鏡の男は倒れた仲間を救い出す為に家を飛び出す。その間に民家に銃弾が撃ち込まれ、箱が被弾し中から”黄色いガス”が噴出される。





兵隊のジョンは黄色いガスを浴び、怪物の幻覚を見ていた。
ジョンに必死に呼びかける男は、自らの名前を叫ぶ。

「俺だ、スキナーだ」


オープニングのタグラインは「戦争は決して終わらない」となっている。


モルダーとスカリーは長官代理のカーシュに呼び出される。久しぶりの登場だ。





それはスキナーが出世しないのはモルダーとスカリーのせいであると相変わらず嫌味をいう、そして本題はスキナーが無断欠勤しているという内容であった。

理由は話せないがスキナーは首を突っ込んではならないようなところに手を出していたという。
2人はスキナーを捜すよう命令される。

最近のスキナーの様子から、2人はスキナーを信じきれていない様子が自宅に入る途中で語られる。


2人はスキナーの自宅を調べる。とても殺風景な部屋で、装飾品や思い出の品もない。

そこで「スキナー上等兵」という宛名の封筒を発見するそこには干涸びた人の耳と「怪物はここに」と書かれた手紙が入っていたのだ。内容から2人はスキナーの身を案じる。
耳を包んでいたのは「マッド・リック新聞」という名の新聞紙であった。

スキナーのベトナム出兵時の情報を調べると、トップシークレット扱いでアクセスできなかった。
しかし、町で耳のない遺体が発見されていると聞きつけ、2人は「マッド・リック死体安置所」を尋ねる。

遺体の身元はウェグワイザーという町唯一の医者であった。みんなに好かれるような人物だったという。
ハイキング中に狩猟用の罠に掛かって死亡したという。罠はパンジースティックという竹などを使った単純な槍の罠で、ベトナム戦争でも使われたものだというモルダー。

ウェグワイザーは帰還兵ではなかったが、町外れの施設には大勢のベトナム帰還兵がいるという。
そこは精神科施設であった。

死体は歯が抜け、近頃町の住人たちの間で歯が抜けてしまうことが起きているという。
住人達が森で怪物を見たという噂が飛び交っているという情報を得る。





その森で新たな死体が発見された。
被害者の男はバンジョーという愛称の男で森の地主だった。森で怪物を見て捜索しているうちに居なくなってしまったという。そしてやはり発見社の狩り仲間やバンジョーの死体の歯は抜けていることが判明する。

設置されたカメラを確認することになる。しかし、発見者の男はバンジョーはカメラなんて設置してなかったという。
署で映像を確認すると、映っていたのはスキナーの姿であった。

2人はスキナーを庇うが、状況から保安官は取り合わず、スキナーを指名手配する。
モルダーは映像の先を確認するが、そこには怪物の姿が映っていた。モルダーは怪物ではなく、マスクを被った何者かであると推測する。

愛称からモルダーは死体安置所の前にいた男が「子猫はいないよ」と言っていた男からスキナーの情報を得る。









その頃スキナーはジョンの家であるトレーラーハウスを尋ねていた。
家には誰もいなかったが、そこで在りし日のアルバムを眺めるスキナー。

思い出したのはベトナムのある日。
それはかつてモルダーにも語った過去であった。


”子猫(kitten)”と呼ばれるジョンはベトナムで大勢を殺害し、耳をネックレスにするという行為をしていた。耳を切り取った12歳ほどの少年は、目を覚まし逃げてしまった。

陽気にそれを話すジョンは口から血を流す、歯が抜けていたのだ。それは今週に入って3本目だという。

その時背後から耳のない少年が身体に手榴弾を巻いて近づいてくることにスキナーは気付き、咄嗟に撃ち殺す。





声を掛けられ我に返るスキナー、見ると戸口には男が立っていた。
ジョンの面影を残す男、男はデイビーという名前で、ジョンの息子であった。






本エピソードはゲストとしてハーレイ・ジョエル・オスメントが“子猫(kitten)”のアダ名を持つスキナーの戦友ジョンとその息子のデイビーの二役を演じている。かなり大物のゲストだ。
散々話題には出ていたが、その“大きく”育った姿は「シックスセンス」好きにとって衝撃である。

ちなみにベトナム戦争時代のスキナー役、ハゲてなくて若いけれどどこか面影スキナーっぽくてよくこんな役者見つけたなと思ったら、スキナー役のミッチ・ピレッジの甥っ子とのこと。


息子に会えたことでスキナーは喜ぶが、デイビーは浮かない顔をする。
ジョンはスキナーの証言により38年間施設に入れられていて、スキナーへ恨みがあったという。

スキナーはジョンの情報が調べられず、手紙からようやく捜せたという。
「ジョンを救いたい」と願うスキナーだが、デイビーは「父親はそんな助けを求めていない」という。

ジョンは大量の毒ガスを吸ってしまい、怪物の幻覚を見ていた。デイビーはそれを知っていながら軍法会議でそのことを黙っていたスキナーを責め立てる。
面会の数は限られ、会う度に衰弱する父親を目にしたデイビーは、スキナーが「上からの命令で口止めされていた」と釈明しても、納得しない。

父親に会わせるというデイビーは森へスキナーを誘い出す。
そこにあったのは木から吊るされたジョンの死体であった。駆け寄るスキナーは落とし穴に落下し、腹部に槍が刺さって負傷してしまう。デイビーはロープを切り、父親の死体を穴に落下させる。





そこに”子猫”の情報を得たモルダーとスカリーが現れるが、デイビーは穴を塞いで隠してしまう。
何も知らないフリをしてモルダーとスカリーの聞き込みに協力するデイビー。トレーラーハウスに案内し、スキナーの声が聞こえないように、音楽を掛けるなど抜け目の無い対応をする。

父親がある者にとっては脅威であるというデイビー。その理由は実験段階の毒ガスを浴びたことで、戦後も政府の実験台にされていた。その実験とは「人の恐怖を利用して攻撃性に変える」というものであった。

スカリーは半信半疑だが、モルダーは1950年代からCIAが「ブルーバード計画」「MKウルトラ」「MKデルタ」などのマインドコントロール実験を行ってきたと言う。1980年代には終了したと指摘するスカリーにモルダーは「建前ではな」と返す。
デイビーは父親は「MKウルトラ」の後継に当たる「MKナオミ」という計画に関わっていたという。

デイビーは食べ物に混ぜたり、飛行機から散布されているのではと言う。
さて、ここで町の住人たちが歯がやたら抜けやすいということを思い出そう。


話を訊き、モルダーとスカリーはトレーラーハウスを去る。
モルダーはアルバムに父親とスキナーの親しげな写真が何枚もありながら、スキナーを知らないと言ったデイビーを疑っていたのだ。





「この状況でスキナーならきっと来てくれる」と言い、モルダーはスキナーを救うため単独でデイビーのトレーラーハウスへ戻る。
ここでクローゼットに怪物の衣装があることに気付くが、それにデイビーが入っているということにモルダーは気付かない。家の近くの森を捜すと、声が聞こえ穴にいるスキナーを発見する。救おうとするが、背後からデイビーに襲われ穴に落とされてしまう。

穴の中で灯油を掛けられ、デイビーは火を放とうとするが、間一髪のところにスカリーが現れ、デイビーを撃つ。モルダーとスキナーを救っている間にデイビーは逃げてしまう。付近を捜索するがデイビーは2人をトラップに掛けるため森で待ち構える。
しかし寸前のところで、スキナーが襲いかかり、デイビーは自身の罠で死亡する。

スカリーはスキナーに、自分たちがスキナーの出世の足を引っ張っているとカーシュに言われたことを打ち明ける。
しかしスキナーは「君たちがいたから、私はここにいる。今日来てくれたことじゃない」と伝える。

スキナーは志願して海兵隊になったが、ジョンは徴兵されて来たという。守ろうとしたスキナーだが、結局ジョンを救えなかったことへの後悔。
そして、盲目的に信頼していた政府へ不信の種が植え付けられた。

政府への疑惑を消そうとしていたが、モルダーとスカリーが現れ「逃げてはいけない。勇気を持ち、暗い闇に光を当てろ」と気付かされた。そして自分は何度でも今までと同じ決断をしてきただろう、と。

これからも闘い続けるという決断を聞いたモルダーはスキナーへ「僕らがついてる」と伝える。
モルダーとスカリーが助けに現れたこと、そしてモルダーの最後の「僕らがついてる」というセリフ。これによって、スキナーの心は揺らぐこととなる。

ここもシーズンで屈指の名場面だ。
長年真実を追い求めてきた3人だからこそと言える信頼関係、胸が熱くなる。

ラストは飛行機によって、モッド・リックの町に黄色いガスが巻かれる場面で終わる。
この後味はまさに「X-ファイル的」と呼べるラストだ。


エピソードで出てきた「MKナオミ計画」
1950年代にCIAによって行われた人体実験「MKウルトラ計画」の後継と言われている。

「MKウルトラ」はLSDなどのドラッグ、拷問、電気、様々な手法で「洗脳の”確立”」を図った。
これが意味するのは「洗脳」のために、ありとあらゆる人体実験を”片っ端から”行っていたという、非人道的なものだったのだ。

ちなみに実験名の「MK」は”CIA科学技術部が主導することを示すコード”を意味している。
エピソード内で語られた実験は全て実在したもので「MKナオミ」も実在した。

その目的は「生物学的兵器を含む生物学的プロジェクト、具体的には被験者を無力化または殺傷する可能性のある物質を貯蔵し、そのような物質の拡散のための装置を開発することに焦点を当てている」という計画であった。










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