ふとある時にNHK Eテレを見た。
番組は「ダイアモンド博士の“ヒトの秘密”」というもので、テーマは『第10回「集団虐殺はなくせるのか」』というもの。金曜の21時に地上波でやるかというテーマでありながら、物凄く面白くて思わず見入ってしまった。
後ろ半分しか見れなかったが地上波の番組を見ることがあまりないので、こういう偶然には感謝するしかない。
30分の番組が終わり、そのまま次の番組に「ららら♪クラシック」という番組をやっていた。これがまた興味深いものであった。
テーマは「月の名曲集」。月の名曲が多いポルノグラフィティを愛するものとして、見るしかないではないか。
そこで"メリッサ"について、個人的に興味深い見解を得たので共有したい。なお「共有したい」と書くとネットの意識高いプロブロガーっぽくなるのでオススメである。僕は二度と使わない。
シェーンベルクの"月に憑かれたピエロ"を知らない人も多いかと思うが、僕も初めて知ったのであまり構えずのんびり読んでいただきたい。
月の名曲集
概要を引用しよう。
多くの芸術家にインスピレーションを与えてきた月。ドビュッシーの「月の光」やフォーレの「月の光」、ドボルザークの「月に寄せる歌」など月にまつわるロマンチックな名曲は多い。作曲家 宮川彬良さんの奇想天外な解説で月の曲に隠された音の秘密を探る。なんと、「北九州炭坑節」(月が出た出た)からプレスリーが歌った「ブルームーン」、そしてベートーベンの「月光」にまで共通する「月の音」があるのだと宮川さんは語る。
クラシックからプレスリーまで「月」をテーマにした楽曲を幅広く取り上げる。
月か人に与える影響、それはロマンチックなものから、狼男のような狂暴なファンタジーまで様々である。
概要の最後にある「月の音」の話が面白い。
ドビュッシーの"月の光"の出だしはソからオクターブのソに行く。この「ソ」の音に「月」を感じさせる響きがあるのではないかというのだ。
他にもたとえばベートーベンの"月光"をドをキーにして弾くと、全く印象が異なるという。
ギターをやる人も知っているようにド(C)の音はとても開放的な響きを与える。それはドが主音であるからである。そしてソはドに対して五度上の属音に位置する。Cの和音が「ドミソ」であることを思い浮かべれば分かりやすいだろう。
※ちなみに管理人は音楽理論はじめ「理論」と名付けられたものはまったく理解できていないので、細かなツッコミどころがあってもスルーするように
それで、ここからである。
宮川彬良氏は、なぜその属音であるソの音が月を連想させるのか説く。それは主音とはつまり中心となるのは「地球」であり、属音であるソとはつまり地球に対する衛星の「月」を表しているのではないかというのだ。
世の中に僕くらいこじつけが凄い人間が他にもいることに安心を覚える。こういう話もあるくらいだし、これからも我がブログは強引なこじつけと謎の理論を怖れなく語っていこうと思う。
同時に、とても興味深い理論だと思えた。
Eテレのこの一時間の間に、凄まじい満足度だ。
そして、この番組の中で取り上げられた曲でポルノグラフィティの楽曲"メリッサ"とある曲について呼応する、新たな説が浮かんでしまったのだ。
それがシェーンベルクの"月に憑かれたピエロ"という楽曲だ。
月に憑かれたピエロ
シェーンベルクの"月に憑かれたピエロ"は1912年に書かれた曲である。この曲はベルギーの作家アルベール・ジローの詩が着想の基となっている。
女性の叫び声が入ったり、不協和音だったり、第一次世界大戦前の時代を思うとかなり前衛的なものだ。それから第一次世界大戦でオーストリア軍に入隊したシェーンベルクは上官から「本当に君があの耳障りな音楽を書いたシェーンベルクなのか?」と言われたとか。
この曲について、正直全く知らなかったが、調べると色々と面白い仕掛けがしてある。「数」に対して異常なまでのこだわりを持つシェーンベルクはこの曲に「7」という数字を多用している。
3部作構成で、その1部はそれぞれ7曲で構成される。そして指揮者含め7人で演奏するようになっているとか。
この辺と歌詞については下記のブログ様を全力で参考にさせていただいた。
月に憑かれたピエロ解説1
第1部のテーマは「愛」。
月、ピエロ、愛、ポルノグラフィティ好きとして、このモチーフであの曲を連想せずにはいられない。
タイトルから書いてるので勿体ぶっても仕方ない、"メリッサ"である。
曲ではなくPVの話になってしまうが、PVで岡野昭仁は道化師を演じる。
このPVはメンバー3人がそれぞれの方法で女神(メリッサ)へとアプローチをする。岡野昭仁は道化としておどけて見せ、新藤晴一は騎士として剣(力)で、Tamaは学者として知で。
岡野昭仁演じる道化師は花を渡したりしようとするが、最後に女神は消えてしまう。そして、大きな混乱の中でPVは幕を閉じる。
「 メリッサ」のシングルは3曲とも月がモチーフとして登場する。そして"メリッサ"に登場する月は「月が満ちる夜を生み出すのさ」という最後のフレーズで登場する。
狼男を想像すれば分かるように、満月とは人の心を惑わせる、狂わせる効果があるとされてきた。
それを踏まえると、PVの道化師は愛に惑わされる存在として描かれているように映る。
そして"月に憑かれたピエロ"の詞を見てみよう。
音を立てる ブロンズの洗面槽のなかへ
明るく笑う水の流れ、金属的な響き
幻想にみちた光の帯で
月は水晶の小瓶を照らす
ピエロは自分の光った顔のことを
じっくり思い悩む 今日はどんな化粧をしようか
彼は赤やオリエンタルグリーンを押しやって
おごそかなスタイルに化粧をする
幻想にみちた光の帯で
これは第1部の3曲目"伊達男"の詞である。特に前半はとても新藤晴一の書く歌詞と近い印象を受けないだろうか。
どこか「メリッサ」のカップリングの"月飼い"を彷彿とさせられる。
一人の蒼ざめた洗たく女が
夜に色あせた布を洗う
むき出しの銀白色の腕を
流れの中へ伸ばしながら
ここでいう「蒼ざめた洗たく女」とはつまり月のことであるという。
展開としては、中盤に当たる2部などは暗くグロテスクなイメージで、決して素敵なストーリーなどとは呼べない曲である。
たとえば中盤では三日月がピエロの首を刎ねるための刀に重ねられる。そんな処刑のイメージが重ねられるのが2部であり、ピエロが故郷へと帰ってゆく望郷が唄われるのが3部となる。
アルテミス、セレネ、ヘカテー、ギリシャ神話でもあるように月は女神と重ねられてきた。月は形を変え、朝になればその姿を隠してしまう。ピエロは満月に惑わされてしまう。
ピエロの姿は、まるで白い仮面をかぶっているようではないか。
誰もが皆、本当を隠して生きている。
それでも夜は優しく見て見ぬ振りをしてくれる。
白々と明ける朝がやってくるまで。
三日月ライトが消えるまで。
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