2018年8月8日水曜日

X-ファイル2018(シーズン11) 第10話「闘争 Part.4」ネタバレ感想







EPISODE-10 闘争 Part.4




あらすじ



ウィリアムの居場所を告げる連絡が入り、モルダーが急行。ヒッチハイクで車を乗り継ぎ、逃げるウィリアムを、モルダー、CSM、パリュー・サービスの3者が追う。スカリーはスキナーに助けを求めるも、人類を滅亡させる陰謀の情報をネットニュースに流したことをとがめられ、X-ファイル課の閉鎖を言い渡される。




ネタバレ感想




シーズン11も遂に最終話。
ウィリアム争奪戦の結末や如何に。


オープニングの語りはウィリアム。
これで4つのエピソードを通して主要登場人物のモノローグが入ったことになる。

ウィリアムの少年時代からの力にまつわるエピソードが語られる。

その力を自覚し、11歳で強さを増した。いじめっ子を力で病院送りにし、その後も何度か転校するが"普通ではない"とバレてしまう生活であった。
成長するが結局力を悪用し、犯罪に走って施設に送られてしまう。

そこで政府の人間に目をつけられ、家に戻った後も毎日監視されるようになった。
力のことを知られまいとしていたが、二股をしていた彼女へのイタズラから発覚してしまう(5話「グーリー」参照)。里親の両親は殺され、自分も命を狙われるようになってしまう。

これ完全にウィリアムの自業自得なんだよなぁ。


オープニングのタグラインは「Salvator Mundi」
これはレオナルド・ダ・ヴィンチの描いた「世界の救世主」のことを示している。





イエス・キリストが描かれた絵画として、史上最高額の4億5030万ドルで落札された。日本円にして500億円を越える額である。
この言葉の意図はクリス・カーターによって語られる。1つの解釈は「ウィリアムが世界の"救世主"である」というもの。もう1つが「モルダーが世界の"救世主"である」という解釈だ。





スキナーはカーシュに呼び出されていた。
理由はモルダーがネットでデモを垂れ流しているというもので、タッド・オマリーの番組で世界が滅亡するという話をしたという内容であった。

怒ったカーシュはX-ファイル課を閉鎖し、モルダーとスカリーのバッジを持ってこいと命令を受ける。
X-ファイル、また閉鎖されるってよ。

スキナーのもとにスモーキングマンから早くウィリアムを見つけろと電話が入る。
電話を切るとスカリーが現れ、窮地であることを説明する。しかしスカリーはオマリーの番組に話をしたのは自分であると告白する。

スカリーはモルダーはウィリアムと一緒にいて狙われていることを伝える。

ここで時系列が昔に戻り、モルダーへモニカから連絡が入るシーンに移る。
ウィリアムの身柄が捕らえられ、メリーランド州の空港にプライベートジェットで連れてかれたというのだ。

スカリーはそれが嘘だと感じ取りモルダーに伝えるが、モルダーはそれに望みを賭けて単身で乗り込む。
飛行機から降りる中にはミスターYの姿があったがウィリアムは確認できなかった。

モルダーは格納庫に踏み込み、護衛を殺害してミスターYと接触する。







ミスターYに詰め寄るモルダー。彼はウィリアムを取り逃がしたという。
咄嗟にモルダーはミスターYを射殺し、逃走する。

これ、モルダー普通に殺人犯じゃ……


ウィリアムは命を狙われ追われるが、変身の能力を使って逃げのびる。トラックをヒッチハイクする。

スカリーはウィリアムが発見された経緯について、テネシー州北部でロト(宝くじ)の当選が集中して8件続いていることをモルダーに伝える。
情報を受けモルダーは最後に当選が出た場所へ行き聞き込みをする。防犯カメラの映像からその姿を確認し、トラックをヒッチハイクしていることを見つける。車に乗り込み、トラックを追う。

トラックではウィリアムは運転手の会話に付き合っていた。
特殊な力があることを打ち明け、運転手にグーリーの姿を見せて驚かせる。

モルダーはトラックに追いつき止めるがそこにはもうウィリアムの姿はなかった。
ウィリアムはその手前でトラックを降りて、逃走していた。





一方スカリーはタッド・オマリーへ連絡していた。免疫システムを破壊するウイルスがバラまかれることを伝える。それを受けタッド・オマリーは最初は信じなかったが、冗談ではないということを真摯に受け止め本番直前で放送内容を急遽変更することを決意する。

「闘争 Part.3」でタッド・オマリーが出て来なかったなと思ったら、こちらでは出て来た。ていうかスペンダーどこ行ったんだ。

スカリーはまたしても幻覚で未来を見て、モルダーが危険な状態であることを忠告するが、モルダーは聞く耳を持たない。

その時、モルダーの車に付けられた発信器で追跡者が道を歩いていたウィリアムに声を掛け車に乗せ込む。


ウィリアムはサラを尋ね助けを求めていた。ちなみにこの時のサラの友人役はデヴィッド・ドゥカブニーの娘 Maddy West Duchovnyである。
モルダーはブリアンナに話を聞いていて、ウィリアムが困った状況にいることを説明する。そしてウィリアムとモーテルで落ち合う約束をして送り出したあと、サラのもとへモルダーが尋ねる。


エリカは追跡者の車を見つけるが、そこには無惨に砕け散った追跡者の身体が車に散らばっていた。





モーテルでサラを待つウィリアムだが、そこにモルダーが現れる。
モルダーは父親であることを打ち明ける。しかしウィリアムは誰も自分は救えないし、幻覚に見る未来の世界に生きるのはイヤだとモルダーに打ち明ける。さらにモルダーがウィリアムを追うことによって、望まぬ人物をも導いてしまうと。






そこにエリカたちが現れる。しかしウィリアムの能力によってエリカを含む襲撃者4人は身体が爆発し、バラバラになって死亡する。
その隙に1人で逃げてしまう。
Part.3に出て来た謎のオジサン(ミスターY)はモルダーに撃たれ、オバサン(エリカ)はウィリアムに殺されあっさり退場するし。結局この人たちも何だったんだ……


タッド・オマリーはFBIの情報源として、スカリーから得た情報とモーテルでの事件の映像を公開する。この映像こそがカーシュがスキナーに見せた映像だったのである。

スカリーはスキナーと共にモルダーを追うが。その道中でスキナーからウィリアムの出生の真実を聞かされる。
2人がいる砂糖工場へ到着する。

スカリーはウィリアムとモルダーを追うが、スキナーは入口にスモーキングマンとモニカが乗った車があることに気付く。





銃を構えるスキナーに向かって猛スピードで突進する車。スキナーは数発銃弾を放ち、そのうち1発はモニカの頭を撃ち抜いていた。

信じられないほどあっさり死んでしまったモニカ・レイエス。一応なりともレギュラー出演者だったとは思えぬほど、あっさりと。
しかし僕は信じない。たぶんまた蘇る。

結局のところスモーキングマンに「ウイルスの対象から外してやる」とそそのかされて手伝ってしまうし、なんか製作陣に愛されていたのだろうかとさえ思えるくらい、雑なキャラになってしまったなぁと非常に残念だ。
ウィリアムの出産に立ち会ったのはモニカだし、数少ない超能力肯定派のキャラクターだっただけに。

スキナーは身を伏せて車を躱そうとするが、足が車の下敷きになっているのが映るのみで生死は不明である。たぶん生きてる。


工場内でスカリーはモルダーと合流する。モルダーはウィリアムが自分たちの助けを求めていないことを伝える。
私が話せば分かるというスカリーだが、モルダーは誰も守れない、だけど君の愛情は伝わっていると語る。

その時、モルダーが現れる。そこでスカリーはそれまで話していたモルダーがウィリアムが変身した姿であると気付く。
モルダーはウィリアムを追跡する。

この砂糖工場での追跡劇、映像がすごく良いなと思って。
暗い室内で灯る懐中電灯、これこそがまさに「X-ファイル」。そう、常に暗闇に光を差し込もうとしたモルダーとスカリーを象徴する大切なアイテムだ。





ウォーターフロントに走ってきたモルダーの前にスモーキングマンが現れ、銃を突きつける。撃てやしないというモルダーの額を銃で撃ち抜く。そのまま身体は海に落ちる。

それを眺めるスモーキングマンの背後からモルダーが迫り銃弾を数発浴びせ、海に突き落とす。先ほどスモーキングマンが撃ったモルダーはウィリアムだったのだ。
スモーキングマンは今度こそ死んだのだろうか。なんかもう永久に出てくる気さえしてくる。

ウィリアムを喪った悲しみに暮れるスカリーとモルダー。

スカリーはモルダーにウィリアムの父親はモルダーではなく、実験によって産み出された子どもだという真実を告げる。
モルダーは父親ではないし、スカリーも妊娠と出産をしても母親ではなかった。

モルダーは長年父親であると信じていた自分はどうすればいいのか、思い悩む。
それに対してスカリーは「あなたは父親よ」と、モルダーの手を自分の腹部へ当てる。

お互い「有り得ない」と言いながら、それでもなお起こった"奇跡"。それを受け、ただ2人は抱き合っていた。





そして海面にはウィリアムがそっと顔を出して、シーズン11の幕は閉じた。







さて、ここからは大雑把な感想を。


先ずもって、そのウィリアムの能力がチートすぎる。無敵兵士なんかよりもよっぽど最強やん。相手に別人の姿を見せることができる、相手の身体を爆発させて殺せる、(オチだが)頭撃たれても死なない。
君、逃げる必要ないやん。もちろん能力を使いたくないということもあるんだろうが。

ミソロジーとしてウィリアムのキャラクター像が全然しっくり来なくて、一応能力に苦しむ少年ということはあるが、やってることは信号を変えて事故をわざと起こしたり、二股したりと中途半端なキャラクターだなという印象が残ってしまう。
上でも書いたが、能力をひけらかしたくないというわりに二股掛けてる2人の少女に意味も無く能力で幻覚を見せてイタズラしようとするなど、いまいち行動動機が理解に苦しむところが多い。


今エピソードではミラーとアインシュタインのコンビの出演はなかった。今回はモルダーとスカリーの関係性に焦点を当てているので、2人を出すことでブレてしまうという判断だろう。
ジリアン・アンダーソンの降板で今後スカリーはいないし、モニカも一応死んでるし、新シーズンに移行するのであればアインシュタインくらいしかその役目を果たせなそうなものだが。

スカリーの妊娠という象徴的なシーンでエピソードは完結するが。
逆にこうなった以上、スカリー不在でどうやったら新シーズン始められるというのだろうか。

製作陣はかなり悩ましいところだろうが、僕はそれでもやっぱり「X-ファイル」が続いてくれれば嬉しいと思ってしまうばかりだ。










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