心霊において「リアリティ」という側面の線引きをどこに置くか、ということがポイントになる。
今回の83を見ていて、この部分にリアリティがあるのはいいなという点に一つ気づけた。
では。
ほんとにあった!呪いのビデオ83 ネタバレ感想
【スタッフ】
演出:KANEDA
構成:KANEDA、新津 徳也、美濃 良偲
演出協力:菊池 宣秀、美濃 良偲、藤本 裕貴、細沼 孝之
製作:張江 肇、鈴木 ワタル
プロデューサー:張江 暁、岩村 修
演出補:中田亮、知花はる
音楽・音響効果:久徳亮、ボン
【キャスト】
ナレーション:中村義洋
地鉄
中国出張に訪れた投稿者が撮影した映像。現地の様子を家族に見せるため、思い出の一環として記録していたという。電車がホームに近づいた際、線路上に突然人影が現れ、また電車に接触したような音も記録されている。過去に電車に轢かれてしまった人物が亡霊となったのだろうか…。
中国の地下鉄の映像。
止めてアップにすればまずまず悪くないけど、リプレイにならないと、かなりわかりづらい。
なぜかというと、転落防止のガラスに反射してホームの人たちの姿が映っているので、結構言われないと気づかないからだ。
ホームの客にはモザイクしてあるけど、反射した姿にはモザイクないのはいいのだろうか、と思って見てたら見逃してた。
長いトンネル
投稿者の男性が、職場からの帰路にある長いトンネルを撮影した映像。残業が続いていた投稿者は、深夜、遅い時間にこのトンネルを通るなか、毎日誰かの気配を感じる様な気がしてカメラを回し始めたという。その映像の中に、微動だにせず立っている不気味な女性の人影が…。
ネタとしては良いし、実際にトンネルの存在感がとてもいいんだけど、如何せん事象が尻切れとんぼ気味で「え、それで終わり?」と言ってしまった。
何も起きないなら、最後に外からトンネルの入口を映すカットいらなくないか。
ちなみに場所は「川崎港海底トンネル」。実は以前何かで話題を見て、気になってた場所だった。事象よりもこの場所が持つ異世界感が良い。
歩行者専用を告げる無機質なアナウンスが良い味をだしている。
従兄弟の家
投稿者の男性が小学生の頃に従兄弟の家に遊びに行った際に撮影した映像。従兄弟の部屋のクローゼットの棚の上に、腐敗したような女とおぼしき者が横たわっている。実はこの映像が撮影された翌年、当時高校生だった従兄弟の男性は自殺してしまったと言うのだが…。
「ふーむ」と言ってしまいそうな映像。
腐乱した顔といえば、そう見えなくもないけど、というくらいで止めてアップにしないと、結構わかりづらい。
窓の外にも顔のようなものが映っていて、久しぶりに「指摘のない事象」というのをやっているけど、まだこっちのが最初に目につくので、逆効果ではないだろうか。
続・静止する身体 前編
投稿動画に映っていた、黒い服を着た人影と、動きを止めた投稿者の友人。我々、呪いのビデオ製作委員会は、一連の不可解な映像や出来事は、投稿者・三橋百合子の友人である磯貝さつきの自宅やその周辺の土地に起因するものではないか、との仮説を立てて、調査を始めたが…。
事象は磯貝さつきの自宅に原因があると踏んだスタッフは周辺で聞き込みをする。
するとスタッフよりも存在感ある田中勝(仮名)という男から、黒い服を着た女の目撃情報を聞く。女は電柱の影から磯貝さつきのアパートを見ていたという。しかも、その目線はさつきの部屋の辺りという。
インタビューしつつも、演出補の知花はるが後ろをうろちょろしてるのが気になる。
スタッフの元に届けられた映像。それは友人の誕生日を祝うコメントを撮影したもの。撮影者が黒い人影を見かけて、それを追う。その時にカメラを停止し忘れていて、その映像に幾度も黒い影が映っていた。
この事象映像は個人的にはとても好き。何より、カメラを切り忘れて手に持ったままになってるという映像がかなり自然で、生々しさを感じれるからだと思う。
(注釈付だが)逆さまなのに妙にベストショット、みたいな映像よりはこういう方がリアリティがある。おそらくなんだけど、心霊シリーズを見てる人って、事象のリアルさよりもそういう「その映像が撮られた背景」がリアルかどうかということが、ポイントとしてかなり大きいのではないだろうか。
「なぜ撮影してる必要がある?」「倒れてる人がいるのに手持ちのカメラ置かないの?」という撮影している状況にリアリティは宿る。
その映像が撮影されたのは、三橋百合子が勤める大学で、スタッフの取材中に黒い影が映っていた場所であった。
更に田中勝のインタビュー映像に不自然な音声が入っていることにスタッフが気づく。それはなぜか、磯貝さつきのマンションにカメラを向けた時にだけ入っていた。
スタッフは音声の解析に挑む。
ポンプ車
とある地方の自治体関係者である男性が、自身が所属している消防団の訓練の様子を撮影したという映像。カメラがポンプ車の側面を映した時、車体の下から這い出ている黒っぽい人間と思しきものが見える。数年前に、とある民家で発生した火災から逃げ遅れた男性なのだろうか…。
消防訓練の様子の映像。
こんな躍動感ある撮影するのだろうか。
内容はかなり分かりづらくて「え、それ?」みたいな感じ。
事象はそんな感じだけど、どことなく「ほん呪」初期にありそうな雰囲気のネタだなと思った。
不気味な彫刻
地獄絵図の様な彫刻像の展示を撮影している映像。拷問を受けている女性の彫刻が一瞬、ギロリと撮影者の方を睨んでいる。人形に魂が宿る、人の想いや長くその場所に留まった人形に魂が入る、というのは有名な怪異談だが、この彫刻像にも魂が宿ったとでもいうのだろうか…。
事象よりも、この彫刻たちを見せたかったとしか思えない映像。
ただ、最初にナレーションが入らないし、撮影者も何も言わなくて淡々と撮ってる映像の雰囲気が良い。タイとかの地獄めぐりがテーマの公園だろう。
事象は目が動く……だけ……?
ここまで引っ張って……?
悪くはないんだけど、ここまで来たならもうちょっと……刺激を……
事象よりも公園の展示のが勝ってるのは「呪いのビデオ」としては、ちょっと、どうだ?
続・静止する身体 後編
不可解なノイズが入っていた田中さんへの取材映像。音声解析の結果、驚くべき事実が発覚した。ノイズと思われる音声を抽出し、音声を逆再生させてみたところ、はっきりとした女性の声で「おまえがいなければいいのに」と聞き取れるのだ。そして、その声は聞き覚えのある声だった…。
スタッフはフリーライターの瀬羽に話を訊く。
こういう事象の映像は初めて見たという。映像については、海外のイタズラ映像を模倣したのではないかという。なんか、前にもそんな話なかったか。
スタッフはインタビュー時にも事象があったことを説明すると、念写の類いではないかという。磯貝さつきのマンションの周辺にも心当たりはないという。
何の脈絡もなく近くに参勤交代をしていた場所で、参勤交代中に亡くなったものを神社の賽銭箱の上に寝かせて供養したという話をし出して終わり。お前何のために出てきた。
映像に入った音声を解析すると「おまえがいなければいいのに」と。死ぬほど聞き取りづらい上に、最終的に逆再生させるという、お前もはや伝える気ないだろという事象。
そもそもクレジットされてもないけど、音声解析はやはり寒川ちゃんじゃなかったか。某小出祐介と同じく寒川ちゃんの部屋の機材を見るのが楽しみだったのに。
音声は他にも収録されていて、それは投稿者である三橋百合子の本名であった。
更にその声は、磯貝さつきの声に似ていた。スタッフはさつきに連絡をするが連絡が取れない。スタッフはまた田中勝に話を訊くと、黒い女の姿は磯貝さつきだったという。
アジア魍魎研究所という、また変な輩へのインタビュー。
なんかフニャフニャ喋っていて、わりとマジで聞き取れない……これ字幕入れて欲しかった。
ちなみに、この研究所のホームページらしきものがあったのだが、
メンテナンス中。えー。
更にちなみに、検索で他に出るのは「呪いのビデオ」の感想ばかりである。
こういう専門家へのインタビューというテイストはおそらく、最初期の埼玉県音響粒子学研究所の貝原茂夫所長や、北鳳大学の柴田典良教授のような専門家の分析みたいなことを狙ってるのかなと。ちなみにどちらも存在しない研究所と大学である。
存在しないのに専門家っぽく出てくる人たちよりも、ちゃんと実在する魔術堂のカトール氏(「監死カメラ」シリーズでお馴染みだが、「呪いのビデオ」も73とかに出ている)の方が胡散臭いのに信頼できるという不思議なことに。いや、カトール氏も専門家だけど。
スタッフの元に男性から苦情の電話が入る。
男性は自宅付近をうろちょろしているスタッフたちに激オコである。だからうろちょろするなと。
男性の話を訊くと、なんとその男性の部屋は磯貝さつきの部屋であったのだ。
磯貝さつきの目的とは。
三部作はこじれやすいけれど、今回は今のところ話がシンプルで分かりやすいので好感が持てるけれど、惜しむらくは映像的な事象が地味という点だ。
全体的にも事象が地味なのが多くて少し残念。
海外でのネタ増えてるのは何かあるのか。
あと、リプレイ後がやたらと冗長なのはあまりよろしくないと思う。
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