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2017年7月30日日曜日

ポルノ全シングルレビュー 7th「ヴォイス」






ポルノグラフィティのシングルレビューシリーズ。

このレビューの主旨なんだけど、昔のシングルってファンでもなかなか手を出してない人が多いんじゃないかなというところから来ている。
ちょっとでも今日に持っていただけると有り難い。一緒に沼に嵌ろう。


さて、今回は7thシングルをお届けする。



ポルノグラフィティ全シングルレビュー
7thシングル「ヴォイス」





1. ヴォイス








ピアノのイントロが印象的なバラードナンバー。

バラードでありながらも本間さんの曲はとても力強く、熱量が高い仕上がりになっている。

昭仁さんの声も表現力が増してきていて、声に幾ばくかの儚さも兼ね備えているように聴こえる。

この曲の特徴として、この作品からメンバークレジットが現在の形「アキヒト→岡野昭仁」、「ハルイチ→新藤晴一」、「シラタマ→Tama」となっている。

変わった理由は「この作品への本気度を表すため」ということであり、作曲の本間さんもak.homma名義ではなく本間昭光名義になっている。
もうひとつはメンバーの名が浸透してきたことが理由だという。

「出逢うべき人」というテーマがシンプルであり、一聴でも掴めるくらい平易な言葉でありながらも、掘り下げていくと果てしなく深く達する、晴一さんらしい歌詞の一つだと思う。

それはこの曲が単なる「君に会いたい」ソングでないからだろ。
確かに何かの声に呼ばれ、主人公は動かされる。しかし、その声は君からの声ではない。それが明かされるCメロが秀逸である。


主人公は自分自身の鼓動に突き動かされる。いつか出逢うべき君に触れるため。


解釈の一つとして、僕は「死に別れた双子の片割れ」の物語とも取れた。
記憶にはないが、確かに感じたもう1人の大切な自分の一部を探し求めているようにも聞こえたのだ。


人それぞれのヴォイスが響く名曲である。










2. Swing




ポルノグラフィティの曲の中では地味な佳曲という印象なのだが、個人的にはとても好きな曲。

ダブルチョーキングのギターが込み上げてくる喪失の感情を表しているようで切ない。


よく話題になる話として、昭仁さんの亡くなった母親のことを歌っているというものがある。だが、本当に"Swing"のテーマがそうであるならば、最後のラインが「そしたら君を忘れてしまおう」があまりにもではないか。

そして、"ロスト"への「そのテーマとようやく向き合うことができた」という主旨の発言をしていた記憶もるので、"Swing"は失恋の曲と取るのが自然ではないだろうか。


その「そしたら君を忘れてしまおう」というフレーズの強がりが胸を打つ。なぜなら1番で「だけど消えない記憶なのさ」と歌っているからである。

そう。忘れられることはできないのだ。
つまり、主人公は「忘れてしまう」ではなくて「考えないようにする」ことしかできない。

このゆらゆら揺れる心こそが、強がりを一層切なくするのだ。

タイトルの"Swing"が「風」と「揺れる心」とのダブルミーニングになっていて良いタイトルだなと思う。
様々な意味合いを一言に集約した"ROLL"も秀逸だが、昭仁さんのこういったタイトルの付け方はとても好みである。



3. ライオン(LIVE!)




3rd LIVE CIRCUIT「ジャパンツアー」からのライヴ音源。

この頃のものは映像化もされていないので、ポルノグラフィティの病的信者にとっては貴重な音源である。

ここで言うのもなんなのだけど、初期のツアーも映像化して欲しかったなぁと。

Cupidツアーは昔ダビングしていただいたライヴハウス公演のDVDはあるけど、やはり本編も見たい。


さて、余談から始まってしまったが、この"ライオン"がとても良い。

音源は間奏が長いバージョンとなっている。
Tamaさんのベースも堪能できるし、晴一さんのツェッペリンカバーも聴くことができる。

ポルノグラフィティのライヴとしての魅力のひとつに、ポップ色の強いCD音源がライヴではロック全開になるというポイントがある。

"ライオン"は元々CDでもロック色の強い楽曲であるが、このライヴバージョンでは更にポルノグラフィティのロックを感じることができるのではないだろうか。


あらためてシングルとして個性的で面白いなと思う。


あといつも思うのが、ジャケットは"ヴォイス"よりも"Swing"の方といった方がしっくりくるとということ。







色調といい"Swing"のが合ってないだろうか。


ということで冬の名曲"ヴォイス"のシングルレビューでした。



★シングルレビュー


ポルノ全シングルレビュー 1st「アポロ」
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★アルバムレビュー


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