2017年9月25日月曜日

ポルノ全シングルレビュー 8th「幸せについて本気出して考えてみた」







ポルノグラフィティのシングルレビューシリーズ。
毎回書いてる気がするが、本当にまだまだ先が長い。

果たして書き終わる日はいつ来るのでしょうか。


ポルノグラフィティ全シングルレビュー
7thシングル「幸せについて本気出して考えてみた」








1. 幸せについて本気出して考えてみた




ベースのTamaさん作曲としては5th「サボテン」以来2枚目のシングルとなる。
ミディアムバラードの"サボテン"から一転してとても明るい曲調のテンポある曲だ。


これまでのポルノグラフィティのシングルは比較的「カタカナの短いタイトル」が主流であった。

そこから一転、16文字という一気に長いタイトルが銘打たれたのには驚きである。
しかしながら、何度曲を聴いてもこれ以上にピタリとハマるタイトルはないと思わされる。

タイトルついでに余談だが、最近はないがこの曲を「チェケラ」と略す風習があった。
それは元々晴一さん発信の言葉である。ラジオにて「タイトル長いから」という理由でかなり冗談半分に「チェケラとか?」とか言ったのが、ファンにとても浸透したことによる。

なので、ほぼ間違いなく本人は覚えてないだろうし、ファンの中でも云われなくなってきたことから、本当の「チェケラ」と同じく死語になったと言って良いだろう。

余談終わり。


かなりテンポが早く、息継ぎどこでしているのだろうという程、詰まりに詰まった歌メロである。
曲としてはかなりオールドライクな作りで、爽やかでありながら、軽すぎないというバランス。

そんな曲に、決して軽く聞き流してはいけない言葉が詰め込まれている。
本当の幸せとは何なのか。マイケル(・ジャクソン)のように成功すること?いや、幸せは「それなり」でいれることに繋がっている。

1番のAメロにて「それはそれなりに そう悪くはないのさ」という言葉で使われている。
つまり主人公は今時点で十分に幸せでもあるのだ。


そこから2番「時々はその"それなり"さえも誉めてほしい」となる。
それなりに頑張っている、けれどそんな自分を誉めてくれる人はいない。本当にそうだろうか。

主人公は誰でもなく、自分自身を誉めてあげられる。そして、おそらく主人公のいう"君"もそれに気付いてくれるはずだ。

幸せに大も小もない。大切なのはそれに"気付く"ことができるかだ。

決してマイケルに成れなくても、主人公の見つけた幸せの種は大切な存在となるのだ。










2. TVスター




面白いなと思うのが、"幸せについて本気出して考えてみた"とかなりリンクしている部分があること。

それは何かといえば「成功することが幸せなのか」という問いかけ。
ここで「ミュージシャン」としては成功したはずの自分自身は、「≠ロックスター」であったと思い知る。

"幸せについて本気出して考えてみた"では「マイケル」の存在がある。この上ない成功をおさめたはずのマイケル・ジャクソンだが、どこか寂しさを纏ったようにも見えなかっただろうか。

果たして"幸せについて本気出して考えてみた"の主人公がマイケルになれたとしたら、幸せになれるのだろうか。おそらく否である。
しかし前述したように、主人公は成功するよりも大切な幸せの種に気付くことができたのだ。

「ミュージシャンとしての成功≠ロックスターとしての成功」というテーマは以前に新藤晴一と吉井和哉の共通性について書いた。


新藤晴一と吉井和哉にみるTVの中のロックスター 憧れと現実


憧れていたミュージシャンとしての成功、だが、それには思い描いていた華やかさとは違う苦悩も持ち合わせていた。

確か前に晴一さんがラジオか何かで、この曲だけはシニカルに書きすぎたみたいなこと言っていた記憶があるのだが、定かではない。誰か覚えてないかな。

自分としては、だからこそその瞬間の素直な心境がとても強く出てたのかな、なんて思ったり。

「しがないバンドマンのくせに」といいながらも胸に誇りを抱いてるように感じてしまうのだ。




3. キミへのドライブ




ポルノの曲の中でも底抜けにハチャメチャに突き抜けるような曲。

曲調だけでも主人公の心情が強く出ていて「明日に架かる橋はもろくも崩れそうで」な状態を突っ走っていく。
それに拍車をかけるような裏打ちのギターが楽しい。

煽りもめちゃくちゃ入るし、いつかライヴハウスで聴きたいなぁと思っている曲。
絶対楽しいもん。こんなの。

歌詞の中で引用される2人の音楽の趣味の違いの対比が面白い。

テクノ好きな彼女に向かうために、BBキングを聴きながら向かうというチグハグさが毎回笑ってしまう。
こんなシチュエーションのBBキングのブルースはとんな響きなのだろう。

「魔が差しただけ」から始まったのに、最後にはキミへのプロポーズで締めるというのは、あらためて考えればかなり強引なのだが、曲の勢いで有無を言わせないものを感じさせる。

なんとなくプロポーズは成功して、案外幸せな生活を送りそうな2人である。


すごくどうでもいいのだが、運転中にこの曲が流れると、最初のクラクション、すごく焦る。



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