2017年5月7日日曜日

ポルノ全シングルレビュー 5th「サボテン」







ポルノグラフィティ全シングルレビュー今回は5thシングル「サボテン」である。

「サウダージ」の文字通りのメガヒットによりシーンに名を轟かせたポルノグラフィティ、5枚目にしてようやく表題曲にメンバー曲が登場である。


毎度思うけど、ジャケットの昭仁さんの顔のインパクトがとても強い。
寒そうだ。

では見ていこう。


ポルノグラフィティ全シングルレビュー
5thシングル「サボテン」















1. サボテン








夏の「ミュージック・アワー」、秋の「サウダージ」に続く冬のシングルとして発表された。

シングル曲はそれまでプロデューサーのak.homma(本間昭光)が担っていたが、今作で初めてメンバー作詞曲がシングルとなった。
ベースのTamaさんによる作曲であり、初期のポルノグラフィティにとって、本間さんとTamaさんの曲は大きな軸となる。


"サウダージ"に続いて別れを歌った曲とされているが、僕は"サボテン"は失恋の曲ではないと思っている。晴一さんは別れの曲とは言ってたけど。
この辺は昔やってたブログで書いた気がするけど、今度あらためて書き直してみようと思っている。


かなり昔からある曲だったが「ここぞ」というタイミングまで温められていた曲である。それだけ愛され大切にされてきた曲ということだ。
「サウダージ」のヒットによって世間的な認知度が高まった段階で遂にリリースとなった。

カップリングにも別バージョンがあるが、"サボテン"には他にも様々なバージョンがある。アレンジも歌詞も違っていて、聴きくらべてみると面白い。
ただ、聴く手段が「限りなく黒なグレーゾーン」の動画サイトしかなさそうだ。

スライドギターとても印象的な曲である。




2. ダイアリー 00/08/26




タイトルの通り2000年8月26日のことを日記形式で綴った歌詞が特徴の曲である。

ポルノグラフィティの初期には現実の出来事を歌詞にした「デッサン」シリーズがあるが、この曲もまたリアルな心情を歌っている。


そこに記されているのは決意。
そしてデビュー前に抱いていた理想と現実の葛藤が書かれている。


その決意は今のポルノグラフィティにも受け継がれ、昨年(2016年)の横浜スタジアムの大ラスでも歌われた。

詳細は以前がっつり書いたのでそちらを参照いただきたい。


【参考記事】
THE WAYのダイアリー00/08/26に涙した理由


クランチ気味のカッティングギターが心地よい曲である。


後に昭仁さん作詞の"ダイアリー 08/06/09"というタイトルで続編が創られることとなる。この曲は25thシングル「ギフト」に収録されている。




3. いつか会えたら




晴一さんが作詞曲をした曲である。発表としてはこれが初めてとなる。

買ったばかりのMartinギターを爪弾きながら創った曲と言っていた記憶がある。クラプトンの影響を非常に強く感じるギターである。

バンドと打ち込みという構成が初期のポルノグラフィティのイメージであるが、ここまでアコースティックなサウンドは珍しい。

間違ってなければこの曲ってライヴで披露されたことはない(はず)。
今の昭仁さんの声で聴いてみたいと今でも思っている。ファンクラブツアーとかでやってくれないかな。

主人公はあなたを想うが、聴き手はそれが決して叶わぬ望みであることを肌で感じる。

この曲の持つ形容しがたい切ない気持ちはそこから来ているのだろう。




4. サボテン Sonority




"サボテン"のアレンジ違いである。
さらに歌詞が全編過去形に変わっていることが特徴である。

タイトルの「Sonority(ソノリティ)」は「鳴り響くこと」の意味である。

ずっとなぜ「Sonority」と名付けられているのだろうと考えていた。
曲中で鳴り響くとすれば雨の音だが、もう1つ書かれているのが「恋人という響き」である。雨のようにそこにただあると思っていた"恋人"という言葉。

君がいなくなって、主人公はあらためて恋人という響きが持っていたものを思い返す。

もう1つ個人的に気になったのがラスト。"サボテン"ではまだ咲いていない花だが、"サボテン Sonority"では「小さな花を見せたい」となっている。

歌詞が過去形になっていることもあるが、"サボテン"では書かれていない強い喪失感をそこに感じるのだ。

こちらも名曲である。


★シングルレビュー


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