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2022年8月9日火曜日

ポルノ"バトロワ・ゲームズ"感想・歌詞解釈 ~赤い目で見る世界は赤い


アルバム「暁」より"バトロワ・ゲームズ"について。

この曲は編曲をしているトオミヨウがベーストラックで作曲にも参加している。

その辺りも含め書いていきたい。






曲について




僕くらいの世代なら開始の音一発で笑ってしまう。ポルノグラフィティくらい聴いたプレステ2の起動音だ。

先日のカフェイン11でも語られたが、アルバムがまだ決まらない時期に制作されたという。

新しいポルノグラフィティを見出だすため、岡野昭仁からトオミヨウへオファーされた。

おそらくなんだけど、これはソロ活動の影響が大きかったのではないかと思う。

岡野昭仁のソロ2作目に"Shaft of Light"という曲がある。




辻村有記によって制作された曲である。
この曲のトラックがとても格好良くて、ポルノグラフィティではなかった雰囲気であった。

こうした刺激を母屋にも持ち帰ってみたかったのかもしれない。

トラックの今っぽさというのもあるけど、曲が2:48という短い時間というのもとても現代的なアプローチだと思う。

でもiTunesに取り込むまで、実はそれに気づかなかった。曲の進行がちゃんと王道のJ-POPの展開をなぞっているからだろう。密度が濃い。

アルバム「暁」は1曲1曲が強いのに、全体を通してもアルバムとしてしっかりバランスが取れているというのは、こういう点が大きいと思う。

ラジオで聴いて面白いなと思ったのが、元々はイントロがなかったが、岡野昭仁のリクエストでイントロが付けられたということだ。

ちょっと穿った見方になるけど、歌始まりってたぶんサブスクで聴く感性に合わせてるんだと思うんだよね。

YouTubeとかでもよく聞く、開始5秒で心を掴まなくてはいけない、みたいな感じでコンテンツが飽和しているからこそ、人の心を掴むためには出だしが肝心だ。

それでも岡野昭仁がイントロを付けたというのは、本人は「古い人間だから」と言っているが、そんな事をしなくてもファンはちゃんと聴いてくれるからという信頼があるからではないかと思う。いや、思いたい。

この曲はライヴで聴くのがとても楽しみだ。
前だったらこういう曲ってライヴでどうやるんだろう?と疑問に思ったものだけど、この人たちは"カメレオン・レンズ"や"MICROWAVE"をあれ程に見せつけてしまうので、楽しみだし怖い。

え、ライヴでやるよね?
マジで今回は日替わりとかでなく、「暁」のアルバム曲は全部やってほしい。

あと余談っぽくなるが「バトロワ・ゲームズ」とフレーズのキメが入る辺りの展開が、MUSEの"Panic Station"っぽくて好き。たぶんこれ好きな人は好きだろうから、是非日本で撮られたぶっ飛び謎コンセプトのMVも見て欲しい。




MVの話ついでに、先日公開され賛否両論になりまくった「Visual Album 暁」でMVが流れたが、サーキットでキッズたちが踊るMVは個人的にはすごく良かった(全体的にもこのMVは評判いい方だったように見える)。

では、続いて歌詞について。








歌詞について



ゲームの曲といえば、少し前に米津玄師がデスノートのリュークみたいな格好でCM曲を歌っていたのを思い出す。

そして自分にとっては星野源の"創造"の存在が大きい。

米津玄師にそこまで明るくないけど多分ゲーマーだろうし、星野源はよくゲームの話をしてるしガッキーがCMしてるので知ってる。

いずれにしても バリバリのゲーマーがゲーム愛から生まれた楽曲だ。

その点で新藤晴一がゲームの歌詞を書くというのが興味深い。全くやらないわけではないだろうし、ゼルダやったりラジオでも言っているように信長の野望はずっとやってるイメージはある。

けど、バリバリのゲーマーかというとそうでもないと思うので、少し面白い視点からゲームを描いている。

よく書いているが、新藤晴一はテクノロジーと人間の比較を歌詞にする。

月に行くテクノロジー、クリアな音で通話できるケータイ、戦場からInstagram、画面を埋め尽くす気楽なアプリなど。

そこから時代性だったり、人間の普遍性というものを相対的に描いている。

だからなのか「最後の一人以外は全員まとめて敗者」というフレーズが、ゲームの中の話だけではない気がしてしまう。

たとえば「電脳の世界で殺し合って」という歌詞はゲームだけでなく、ネットの世界でも似たようなことが起こっている。

リアル世界においてもゲーム感覚で人の人生を追い詰めようとする人も、確実にいる。本当に。

あくまでゲームは歌詞の1つのモチーフとして、そこに描かれた人間という存在がどう映るか考えるのも一興だろう。

自分はオンライン苦手人間なので、テーマのモチーフであるエペとかFortniteみたいなゲームはやらないけど(DbDはやろうかちょっと迷った)、結局のところ舞台がゲームの世界というだけで、そこにあるのは人と人だ。そもそもネットがあってのオンラインだしね。

折しもコロナ禍のせいでゲーム人口が増えたみたいで、そこに新しい人と人の繋がりも増えたんじゃないかな。

ゲームってめちゃくちゃ性格が出るから楽しいよ。歌詞にあるように、それぞれ戦略のつくり方ひとつとってもそうだ。自己分析できるんじゃないだろうか。

たとえば自分はバイオハザードシリーズのあるDLCで「狩猟をしよう」という内容のミニゲームをやろうとしたら、最初のターゲットがウサギだったのでどうしても狩れずにずっと眺めてた。自分はウサギ好きだと判る。なんだこの例え。

ゲームばっかりやってたら僕のようなアホにはってしまうけど、程々にやれば良い息抜きになるので、なにかに行き詰まってる人はみんなバイオハザードをやればいいと思うよ(狂信者)。

曲も短いので、今回はこの辺で。



【アルバム「暁」特集】

1. "暁"初オンエア感想・歌詞解釈






7. "バトロワ・ゲームズ"感想・歌詞解釈 ~赤い目で見る世界は赤い

8. "メビウス(仮)"の歌詞について本気出して考えてみた

9. "You are my Queen"感想・歌詞解釈 ~Who save the Queen?



14. "証言"感想・新藤晴一の歌詞"らしさ”とは

15. "VS"歌詞解釈〜夜ごと君に話した約束たち




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