2016年6月29日水曜日

ハルカトミユキ「奇跡を祈ることはもうしない」歌詞解釈~新たなる決意






ハルカトミユキの新曲が発表された。

僕が新曲をいつも待ちわびているアーティストのひとつがハルカトミユキである。

もちろん連続のシングル配信やミニアルバム2枚と2015年もかなり精力的な活動をしていたので新曲はかなり聴いていたけれど。

そんなハルカトミユキの新たな一歩であるのが先日フルアルバムの先行シングルとして配信されたこの曲である。


「奇跡を祈ることはもうしない」














先日配信されたばかりの時に感じたことをツイートしたら公式にもリツイートしてもらったので、本腰を入れて自分なりに解釈してみよう。
ストーリー性があるように思うので順を追って見てみよう。









1番Aメロ~Bメロ




Aメロで何度も繰り返される言葉「愛して」、そして「ずっと」

同じ言葉を何度も繰り返すというのは不安の表れであり、何度も念を押すことでそれを振り払おうとしてるようにも感じる。

「誰もが」という言葉の通り、それは誰しもが愛情を求めて歩いているということを示している。

Bメロに移る。今度は一転して「身に余る富」や「手に余る夢」は要らない、と望まないものが書かれている。
そうすることで、Aメロで主人公が欲していた愛をさらに強調することになる。



1番サビ




そして迎えるサビ。ミユキさんの曲も素晴らしいよね。これはインストで聴いても心を揺さぶられる曲だと思う。

あなたはきっと幸せ、と他者からの目線がまず来る。つまり裏を返せばただの押し付けなのである。

そしてそれは羊と例えられる。羊は群れをなす弱くて、従順な存在である。そして、サビから分かるのは羊たちや僕らというように複数の人間を指していること。

そして、群れというものでもう1つ思ったことがある。

僕の愛読書である『嘘喰い』にも出てくるのだが「超個体」という考えがある。

超個体とは蟻などの昆虫のような個として見れば限られた役割しかできないが、それが集まり各自の役割を果たすことで1つの大きな集合体として機能するというものである。

ハルカトミユキはひとりぼっちの人間のために歌い続けてきた。孤独に生き力のない人間たち、しかしそんな人間たちが集合することで、超個体として大きな存在となる。
まさに野音の「ひとり×3000」の声明文にあった

「ひとりぼっちも、あつまれば、
それは、もはや‘ひとり’ではない何かで。」

ではないか。
ひとりぼっちが集まることでもはやひとりではない超個体へと変貌を遂げるのである。


続く歌詞は「風になびく旗は色褪せていた」。旗は往々にして「信念」の象徴だ。しかし信念はもう潰えかけてしまっている。
旗ということで"LIFE"のビデオのラストで掲げていた旗が頭をよぎった。

しかしそんな序盤を覆すようにサビ後半では「生まれ変わる」「愛を知る」など前向きな言葉となる。そこで象徴として登場するのが雨と鐘である。

雨は忍耐とかどうしても後ろ向きのイメージだけど、生命になくてはならない存在。
そして鐘は始まりの象徴だ。

つまり、新たな生まれ変わりのキッカケとなっている。7月4日という日付が出るのはそれをさらに具体化させるためだろう。

迷っていた主人公たちが答えを見つけたのだ。


2番Aメロ~Bメロ




2番でも言葉の繰り返しとなる。「信じて」である。この「信じて」には1番「愛して」と同じくがむしゃらな気持ちであるけど、そこには強い信念を感じる。

群れにならずは1番サビの羊たちと呼応するところだろう。
ここのラインなんだけど、これを見て思い出したことがある。

以前ハルカさんと詩人の穂村弘さんとの対談でゆとり世代や言わない世代というキーワードが出たときにしていた。

ハルカ:「勝手に言っとけ」って感じですよね(笑)。「私たちは言わない間にすごいことを考えてるから」みたいなところはあります。「言わない世代」に対して、「言う世代」がいるとしたら、勝手に言ってればいいと思うし、どっちが普通ってこともないですよね。まあ、「言わない世代」だと思われてるんだったら、言ったときによりびっくりするだろうし、黙ってるからといって、怒ってないとは限らないし。

Bメロを見たときに浮かんだのはこれだ。

群れることも、主張することもないが、それでも確かな信念を宿している。



2番サビ




1番ではあなたと呼びかけるのに対して2番では私と自分に焦点が当たる。ハルカさんがこの曲のビデオについて


暗闇の中さまよっているように見えるが、確かにある場所を目指して歩いている。


というような旨のコメントをしていた。

それはこのサビの歌詞にあたる部分だろう。

暗い中でも確かな信念を胸に歩いている。
それは遠く、遙か彼方で訪れる夜明けを迎えるためだ。生まれた理由

確かな夜明けの訪れを感じ、そして奇跡を祈る必要なんてないほどの決意を抱く。



Cメロ~サビ



ここで並ぶのはそれまでの歌詞に登場してきた言葉たちだ。

乾いた心を満たすもの、誇り、生まれた理由。それは最後ひとつの言葉に集約される。それが「愛」を知ることだ。

1番と同じ歌詞だけど、1番では気づきだっのが最後のサビでは確信に変わってるように感じた。

12ヶ月連続シングル配信ということが発表になり、最初に発表されたのがそれまでのハルカトミユキとは打って変わる曲調の"世界"であった。

そして、2ndフルアルバムまでの過程で本当に様々な試行錯誤をしてきた。
これは今考えれば「ハルカトミユキとは」という解釈に要した期間であったように思う。

そんな2人の続けてきたトライの結果がどのようなものとなっているか。
今からアルバムが楽しみ。

だらだらと書いてしまったけど、個人的に感じた感想は以上です。


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