ラベル 映画 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 映画 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026年8月10日月曜日

【ネタバレ】映画「ピーコック」(2026年) 感想





ブログをサボって「ほんとにあった!呪いのビデオ」マラソンをしていたのだが、久しぶりに感想を残しておきたい映画を観た。

「ピーコック」である。

【あらすじ】
完璧な息子、教養ある恋人、デート中にヒーローになりたい人のためのチンピラ役――。マティアスはどんなシチュエーションもこなせる理想的な人物を提供する代理店「マイ・コンパニオン」のトップパフォーマー。求められる役割を完璧に演じ分け、日々さまざまな人格を生きている。しかし恋人ソフィアとの突然の別れやあるクライアントとの想定外の出来事をきっかけに、マティアスの歯車は少しずつ狂いはじめ、やがて現実と虚構の境界も曖昧になっていく...。

監督
:ベルンハルト・ウェンガー
出演
:アルブレヒト・シュッフ、ユリア・フランツ・リヒター、テレサ・フロスタ・エッゲスボ 他



2025年1月11日土曜日

2024年に映画館で見た映画ベスト10






昨年に続き2024年の映画を振り返っておこう。
今年は毎週なにかしら映画館で映画を観るという縛りを設けていたので、最終的に62本の映画を観ることになった。

ハシゴで観たりもあったので想定以上の本数だ。
※予定があって行けない週は前後の週で2本観た

ということで2024年の自分なりのベスト10を発表しよう。

ちなみに自分はジャンルは恋愛映画少なめ、ホラー多めな人間であることを承知のうえ、読んでいただきたい。明るい映画もちゃんと観てるよ。
自分は2023年は「パール」を1位にするタイプである。


2024年7月23日火曜日

【音楽文 加筆改訂版】オアシスがイギリス"国歌"になった日





※この記事はrockin' onが運営していた音楽文に加筆修正を加えて再掲したものです。サービス終了に伴い、当ブログへ移行しました。


2024年6月30日日曜日

【ネタバレ】映画「ルックバック」卑怯な自分と"Don't Look Back in Anger"






藤本タツキ原作、押山清高監督作のアニメ映画「ルックバック」を観てきた。

結論から言おう。

この映画は現時点で2024年のマイベスト1位である。

そして僕はこの作品をオールタイムベストに入れたいほどに入れ込んでいる。

その理由をここに記しておきたい。


※敬称略
※脱線多めです


2023年12月29日金曜日

年間ベスト2023 TOP10「映画編」







ここ数年さぼっていたので、年間の振り返りを兼ねて2023年の年間ベスト企画を久しぶりに。

今回は映画編である。
といっても映画しかやらないけど(音楽は過去作の率が高すぎて無理だった)。

今年は本当に良い映画にたくさん出会えたので、記録として残しておきたい

ちなみにフィンチャーの「ザ・キラー」も入れたかったが、Netflix配信作品なので、一応除外した。ただ、最高だった。

※ギリギリで観た作品をねじ込まなければならないため、3位が2作品に、結果TOP11になっちゃった。てへ。


2023年8月12日土曜日

【ネタバレ】ほんとにあった!呪いのビデオ100






劇場版「ほんとにあった!呪いのビデオ100」を見てきた。

最近感想もだいぶ書いてなかったんだけど、久しぶりにお祭りだし、楽しんできたので記録として残しておきたい。

マンガですら100巻超えるなんて異常なレベルなのに、心霊実録もののホラーでこれはもはや金字塔と言う外ない。
(そもそもナンバリング以外のスペシャルとかXシリーズ入れると軽く超えてる)

そんな記念すべき作品がどんな内容になっているのか見ていこう。

※忙しくて見てから1週間開いてしまい細かい部分の記憶が曖昧なのでご了承ください
※ネタ部分以外は敬称略

2023年5月7日日曜日

【予算2万円】ジュンク堂書店 立川高島屋店で好きなだけ本を買う





人が本を買っている姿を見る、人の本棚を見るのが好きである。

YouTubeの動画やオモコロでそんな記事を見たりして、 自分でもやりたくなった。 

ということで今回は、僕が永住したいと思っている立川ジュンク堂で2万円分本を買おうと思う。

なぜ2万円かというと、とある理由で急に2万円分のクオカードを貰ったからだ。

宵越しのクオカードは持たないので、使い切ろうと思った次第である。

「本屋さんで1日じっくり本を探す」
「本屋さんって面白い」

そんな事を共感してくれるために、この記事を書いていきます。

2万円分好きに本を買っていいと言われたら、あなたは何を買いますか?


2022年1月30日日曜日

【ネタバレ感想】バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティは困った映画





「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」は困った映画だ。

原作ものの映画化、というのは得てして難しい。

特に反感を買うのが「オトナの都合」で色々と改変されてしまい、原作の良さがすべてなくなってしまう映画だ。

しかしながら「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」はそういう映画ではない。むしろ画面には原作への愛情がしかと表わされている、でもそれがほとんどの人の愛し方と違っているのだ。

モヤモヤは言葉にするしかないので、書いていこう。

ということでネタバレありです。

ちなみに劇中に出るタイトルが「RESIDENT EVIL」となっているのは「バイオハザード」の英語圏のタイトルだからである。商標とかの都合で使えないためタイトルが変わっている。「やっぱりあれはバイオじゃなかったんだ」と思わないように。


2022年1月10日月曜日

【ネタバレ感想】スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム





※ネタバレありです。一切ネタバレない方が楽しめるので、これからの方は他の記事を読んでください


「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」を観た。

えらく感動して文章にしておこうと思ったのだが、正直ありとあらゆる場所で語り尽くされているかと思う。だが、自分なりに想いを残しておきたい。

先に断るが、これはトリビアが詰まった考察記事ではない。

所謂MCUとか原作絡めた考察とか小ネタは詳しい人が語ればいいし、自分はスパイダーマンを通して改めて「ヒーロー」とはなにか考えたい。




2021年10月8日金曜日

【予告考察①】映画『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』




趣味が「バイオハザード」という人の道を外れた僕が、映画「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」の予告編を考察したいと思う。

MCUなんかは予告出るたびに考察班が楽しんでいるので羨ましくなったのだ。

短いながら小ネタも結構あったので、それは最後にまとめる。

ストーリー、キャラクター、小ネタという流れでまとめてます。

YouTubeのキャプチャを引用しながら見てみよう。

今さらバイオのネタバレもなにもないが、一応ゲームの内容には踏み込むのでネタバレ注意。

2021年9月24日金曜日

【感想】「オアシス:ネブワース1996」






オアシスの映画「オアシス:ネブワース1996」を観てきた。

映像は良かったし、色んな人の声を見ていても全体的にかなり評判は良いが、一部にはモヤモヤとした気持ちで劇場を出たという人もいるだろう。

自分もその1人である。

そのモヤモヤした理由を自分なりに説明したい。

よく知られたライヴの記録映画なのでネタバレもなにもないが、内容には触れるのでご注意願いたい。

2020年9月2日水曜日

"ミステーロ”歌詞解釈〜あなたが選んだここではない場所は








曲の存在そのものがミステリ。

そんな歌詞を持つのがポルノグラフィティの"ミステーロ"だ。

この曲メッセージ性よりも、情景描写を描くことを目的としている。

だからこそ、見方によって様々な装いに変化する楽曲だ。

人によってその解釈も多様であり、今回僕の書くものはその一つに過ぎないということを念頭に置いていただきたい。

というか、そんなこと言ったら今までも全部そうだけど。


ポルノグラフィティ
”ミステーロ"歌詞解釈



2020年2月17日月曜日

映画「音楽」感想 監督:岩井澤健治 ヤンサン好きにはご褒美映画







音楽が好きで、音楽のために生きて、音楽がなければダメ人間になっていた。

今でも十分ダメ人間だけれど、おそらくもっと酷いことになっていた。
(と、遠征で大阪へ向かう新幹線の車中で平日の朝からストロングゼロを呑みながらこれを書いているので、十分にダメ人間である)

音楽のことを話すのが好きだ。
音楽のことを書くのが好きだ。

映画「音楽」が素晴らしいのは、観終わってから居ても立ってもいられなくなるところだろう。

そんな何かに駆られる理由は、どこにあるのだろうか。

※すみません、間に合わず原作は未読です

アニメ映画「音楽」

監督 岩井澤健治
原作 大橋裕之
脚本 岩井澤健治


2019年12月19日木曜日

アナと雪の女王2 クリストフ"恋の迷子(Lost in the Woods)の歌詞とWeezerについて語る









先日「アナと雪の女王2」を観てきた。

世間的な評価はさておき、僕は正直1より楽しんだし、音楽に関しては断然今回の2の方が好きである。もちろん1もかなりの上位の中での話ではあるが。

その中でもクリストフの唄う"恋の迷子"("Lost in the Woods")がロックバラード好きにはあまりにもドストライクで、その魅力を紐解きたい。



アナと雪の女王2 クリストフ"恋の迷子(Lost in the Woods)
歌詞とWeezerについて語る




2019年10月9日水曜日

【ネタバレ感想】映画「ジョーカー」 それは妄想か虚言か 狂気の傑作








ホアキン・フェニックス主演「ジョーカー」を見る。

一応ネタバレとは銘打ったものの、ストーリーはもうすでに明示されている。

バットマンのヴィランであるジョーカーがどのように誕生したのか。つまりは最初から結末はもうわかっているのだ。

それでも「なぜジョーカーとなったか」に至る過程にこそ、この作品の魅力はある。

思いつくままに綴るので散漫としてしまうが、感想をここに記す。



【ネタバレ感想】映画「ジョーカー」
それは妄想か虚言か 狂気の傑作




2019年8月20日火曜日

【感想】映画「カーマイン・ストリート・ギター」NYの廃材をギターにする男








「カーマイン・ストリート・ギター」という映画を見た。

リックというニューヨークの建物の廃材を利用してギターを創ってる男の店の話。

先に言います、今年1位です。「アベンジャーズ/エンドゲーム」でも「トイ・ストーリー4」でもありません、これです。

ニューヨークにあるギター工房「カーマイン・ストリート・ギター」の一週間に密着したドキュメンタリー映画である。

劇的な事件など起きることもない、言ってしまえば淡々と過ぎるギターが産み出され、訪れたミュージシャンたちが弾いていくだけの日々の記録だ。

それなのに、この映画が切り取った記録は、忘れがたい夏の記憶となった。

それは、この映画が「クリエイトすること」の喜びに満ち溢れているからだ。

少なくともエンターテイメントを求める人には勧められない映画だ(そういう人はドキュメンタリー見ないか)。

けれど僕は、こういう映画が見たかった。

映画「カーマイン・ストリート・ギター」感想





2019年7月26日金曜日

【肯定】「トイ・ストーリー4」ネタバレ感想 ラストのボニーの行動とウッディの決断の意味








ピクサー最新作「トイ・ストーリー4」を見てきた。

間に短編などもあったが、歴史的大傑作「トイ・ストーリー3」の正式な長編としての続編である。

発表された段階で誰しもが抱いた疑問は「なぜ?」というものだろう。間違いなく、3で完璧にストーリーは終わったはずだった。

結果的に世間ではラストの展開で評価はほぼ真っ二つといっていいほど分かれた。

先に書いておけば、僕はあのラストこそ相応しく、だからこそあえて4作目をやることを踏み切ったのだと確信した。


※以下より過去シリーズから4までのネタバレを含みます



トイ・ストーリー4 ネタバレ感想







2019年1月8日火曜日

映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」感想(ネタバレ無し、有り)





映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」を観てきた。
ということで、原作含めてネタバレ有無でそれぞれ感想を書こうと思う。

観た理由は云わずもがな、ポルノグラフィティが主題歌をつとめていたため。主題歌"フラワー"についても合わせて読んでいただければ幸いである。

そちらでも色々書いているので「高畑充希めっちゃ可愛い」「俺も◯※△×触りたい」だけで終わらせたいのだが、そうも行かないので書いていこう。


※原作表記に則り「障害」として漢字表記とする


こんな 夜更けにバナナかよ 愛しき実話
ネタバレ無し感想、ネタバレ有り感想




あらすじ




北海道の医学生・田中はボランティアとして、体が不自由な鹿野と知り合う。病院を飛び出し、自ら集めた大勢のボランティアや両親に支えられて風変わりな自立生活を送る鹿野。夜中に突然「バナナが食べたい!」と言い出すなど、いつも王様のような超ワガママぶりだが、自分自身に素直に生きる鹿野は、どこか憎めない愛される存在だった。ある日、鹿野は新人ボランティアの美咲に惚れ、彼女へのラブレターの代筆を田中に依頼するが、実は美咲は田中と付き合っていて…。奇妙な三角関係は、鹿野の主治医やベテランボランティアたちを巻き込んで大変な騒動に!しかし鹿野の病状は徐々に悪化、体はますます自由が利かなくなっていく。


監督 前田哲
出演 大泉洋、高畑充希、三浦春馬、萩原聖人、渡辺真起子、宇野祥平、韓英恵、竜雷太、綾戸智恵、佐藤浩市、原田美枝子
[上映時間:120分 ]



ネタバレ無し感想(観てない方向け)




ますばネタバレ無しの感想を。

見に行くか迷ってる人の助けになればいい。


小難しいことは置いておいて、まずは素晴らしい映画である、ということを書いておきたい。

障害者を描いた映画という時点である種、線を引いてしまうことも多いと思う。

そんな方のために、まず書いておきたい。「障害者」を描いた映画ということで最初に頭に浮かんだようなタイプの映画ではない。
なぜなら、僕自身がそういったタイプの話が苦手だからである。

確かに主人公の鹿野靖明は筋ジストロフィーを患う、要介護の重病患者である。しかし、その性格はワガママそのもの。それを受け取れるように、高畑充希演じる美咲というキャラクターは、何も知らない状態から、鹿野靖明という人間と関わるようになるストーリーとして、観る者がライドしやすい演出となっている。

最初はその性格に付いていけないことだろう。それから美咲がどういった感情の変化を見せていくか、そこに乗れれば障害と向き合う作品というイメージはだいぶ変わると思う。

そして、本作は基本的にコメディなのである。
ストレートなものから、ブラックなジョークまで揃っている。そんな構成の中で、中盤以降でほろりとさせられる場面が混じってゆく。

なぜそこで涙が出るか、それはその時点で鹿野靖明という人生にどっぷりとハマってしまった証である。

詳しくは後述するが、ノンフィクションとフィクションの狭間の物語、まさに「ボヘミアン・ラプソディ」と同じような感覚で見る映画だ。

ということで「愛は地球を救う」に何かわからないムズ痒さを抱くような、僕のようにひねくれた人間でさえ楽しめる、語弊があるかもしれないがエンターテイメント作品なのだ。


キャストも素晴らしく、それぞれがそれぞれの人生を鹿野に向き合っているか、それだけでも考えさせられる。
白石晃士監督信者としては、宇野祥平が出ているだけで嬉しい。それにしても、直近で「オカルト」を見返してしまっていたので、最後までこれほど良い人でコメディリーフをしているのを観ると、なんかホッとする。





是非観て欲しい。
そして、注意はエンドロール後にも映像があるので、そこは絶対観て欲しい。というよりも、ポルノグラフィティの主題歌の"フラワー"も聴いて欲しい。


ここからはネタバレ含めるため、観た方のみ進んでいただきたい。










フィクション的ノンフィクション




映画の前に原作を読んでいたので、果たしてどうやって映画化するのか、疑問だった。

原作は小説と言ってもノンフィクションルポルタージュで、著者である渡辺一史の取材中の目線から語られるからである。





ノンフィクションの過去の出来事を描くためにフィクション的な演出で見せる、これは折しも大ヒットを記録したクイーンの映画「ボヘミアン・ラプソディ」と似た構図ともいえる。

現実の出来事をそのまま描くのではなく、あえて脚色を入れることで物語を"創り上げる"。「ボヘミアン・ラプソディ」ではファンから史実を歪めていると反発が起こった問題だが、結果的には僕はその方が良かったと思う。それは感想を読んでいただきたい。

「こんな夜更けにバナナかよ」も同じくボランティアの 田中(三浦春馬)と美咲(高畑充希)の2人を物語の中心に据える。そして2人の恋人関係を主軸に葛藤と喜びを描く。


原作でもボランティアの声は大きな意味を持つ。「なぜボランティアをするのか」、その理由はボランティアによって異なる。原作では当事者の言葉なので、そこに真実味がある。

しかし、それを「物語」にしてしまうと、どこか散漫になってしまうことだろう。

鹿野ボラとしての役割、葛藤をあえて2人のキャラクターに預けることで、第三者が理解しやすいものにしている。裏を返せばそこが人によって過剰な演出とも取れるかもしれない。
自分はわりと好意的に受け止めていて、原作のエピソード「浮気なのでは?」と恋人が鹿野のところとか、田中のキャラクターは原作のボラの内藤を踏襲しているところ等をうまく絡めていると思う。


強いていえば主題である「バナナ」のエピソードは、本来の意図の方が強烈だというくらいだ。
※原作ではバナナ1本食べさせるのに苦労する状態で、やっとの思いで食べさせたら、鹿野が飄々と「バナナもう1本食べたい」と言ってのけるというエピソード

「ボヘミアン・ラプソディ」でも書いたが、何が大切なことか、それは原作が、原作に登場する人物たちが何を伝えたいのかを物語が伝える役割を果たせているかだと思う。

その点で、どちらも僕は演出を効果的に使ってそれを伝えていると思う。だからこそ、感動を得られたのだ。

この映画が伝えるテーマとはつまり「障害」ということだけではない。それよりももっと原始的な「人と人」の関わりなのだ。

もちろん病気のこと、障害のことが世間により知られる機会にもなる。しかしながら、それと同じくらい関わった人々の「なぜ鹿野ボラをやるのか」という問い掛けがテーマにあるのだ。




鹿野に振り回される人々




映画を観るものは高畑充希演じる安堂美咲に感情移入するだろう。この美咲の目線にボラとして鹿野に関わること、そして第三者としてそれを見る原作者の渡辺一史の目線の両方が重ねられる。

渡辺一史自身も初めは外から鹿野とボラを見ていた。しかし、いつしか自身もボラとして手を貸すようになったのだ。それは映画における美咲の目線にも近いといえる。

「なぜ鹿野ボラをやるのか」

誰かがいないと寝返りも打てない、ワガママ、エロオヤジ、など鹿野靖明という人間は決して関わりやすいという存在とはいえない。原作でも「暇だったから」という理由すら上がる。

それなのに、なぜ無償で彼に手を貸してしまうのか。

ここで「自分を成長させるため」「社会をよくしたいから」とかそういった所謂「意識高い系」のものが主題だったら、語弊がある言い方だが、そこに欺瞞を見てしまったら僕は冷めてしまったことだろう。

それを感じさせられなかったことが、僕がこの物語を素直に受け取れた理由だ。

ボラたちの気持ち、それを表すのが高畑充希の美咲というキャラクターそのものなのだ。

「よく分からないけど、手を貸してしまう」


その感覚。映画を観たときに一番驚いたことだったのだが、鹿野が旅行先の美瑛の施設で(わざと)倒れた場面、あそこで場内に「あぁ」とか「あ…」とか声が上がったのだ。

それが、全てを象徴しているように思えた。
それほど物語として描かれた鹿野靖明という男に引き込まれていたのだ。


「なぜ鹿野ボラをやるのか」


その理由の多くは「鹿野靖明だったから」ではないだろうか。

そんな鹿野靖明を演じた大泉洋、舞台、映画、ドラマなどいくつも主演作品があるなかで、僕はこの作品の大泉洋を最も評価したい。



鹿野靖明という人




大泉洋


この人がいなかったら、この映画は決して成立しなかっただろう。

鹿野靖明という人を知れば知るほど、納得してしまうのではないだろうか。それほど、これ以上「適役」「はまり役」というものはない。

変な話だが、仮に原作をフィクションの小説として読まされ、この鹿野というキャラクターは大泉洋を当てて書いていると言われても僕は信じてしまう。

それほど「あ、鹿野だ」と思わされてしまう。

2人に共通することは数多くあるが、ひとつには「人を惹き付けてしまう」という人間的な魅力を秘めているからではないだろうか。

それは、一見するとワガママでおちゃらけているように見えながら、根はとても真剣で真面目だということだ。もしこれがただ、ワガママという表面的な性格を演じただけなら、鹿野靖明という人物はこれほど人を惹き付けないだろう。

原作を読んだ際に、なぜ鹿野に惹かれるのかを考えて「だれよりも懸命に生きているからだ」と思わされた。そして映画における大泉洋演じる鹿野靖明に惹かれてたのもまた、実在した人物だったからこそ手を抜くことはできない、という大泉洋の強い意志をそこに見たからだ。

役作りで体重を落とした姿、それは役者の役作りといえば当たり前のことかもしれない。しかし、役になるということと、実在した人間になるということは違う。

その点もまさに「ボヘミアン・ラプソディ」に通じて、これほど同じような感覚になる映画を続けて観たことが、何か象徴的に思えた。

演技についてどうこう言える人間ではないが、この映画の大泉洋は本当に素晴らしい演技だと思う。



フラワー




さて、最後にどうしても書かねばならぬ。ポルノグラフィティの主題歌"フラワー"について。

曲の感想もアホなくらい書いたのでそんなに書くことはないと言いつつも、あれはこの作品のネタバレなしで書いたので、ネタバレありで書けるからこそ書ける側面を。


鹿野靖明は2002年に42歳でその生涯を閉じた。
それは、渡辺一史による本の完成を待たずした最期となった。

それから16年経ち、こうして映画が製作されることとなった。映画はもちろん、主題歌としてポルノグラフィティは1人の、いや数多くの実在した人物たちの物語を真摯に受け止めて、製作した。

その作詞作業は、新藤晴一にとっても困難なものとなった。そして、苦悩の末に選ばれたテーマこそタイトルである"フラワー"、つまりであったのだ。


冬の気配が荒野を満たせば 風もないのに花びらが落ちてゆく
長い眠りが近づいていることを知って 小さな種を地面に落とした


この作品がと向き合うことと同時に描いたのがである。

鹿野靖明は夢を語る。しかし英検2級アメリカでエド・ロングと会うことも叶わず亡くなってしまう。

命と夢はどこか似ている。全うすることを目的として、そのために人は人生を築き、費やしていく。命の数だけ夢がある。

夢は抱くものだが、それは決して誇るためではない。それが自分自身のためのものであるからだ。もちろん中には世の中のためという夢を抱く人もいるだろうが、それは結果に過ぎない。

そして、その夢はいつしか周りにも影響を与える。

たとえば鹿野の語った夢が車イスの少年に力を与え、それが田中の夢に繋がったように。それは田中と美咲が再び縁を戻し、鹿野にとって大切な人間たちが戻ることになる。


誰もが一人じゃなくて、必ず誰かの心に種を残す。

鹿野靖明という人間がこの世に落とした種は、本となり、映画となり、多くの人々に種を植え付けた。

命も夢も、枯らしてしまうことはなんて容易いのだろう。

しかし叶えようとしたり、それを考え悩むことは、なんて苦しく辛いことだろう。

いや、それを問うことすら野暮なのかもしれない。
それは、2番で流れる花に「ねぇ 君は寂しくない?」と問いかけるバッタと同じなのではないか(なので、エンドロールで2番がカットされているのが悔やまれる)


生きるために生きること。

生きること。きっと夢も。

それは、ただそこにあって、それだけで何かを残していく。

それを受け入れることが、本当の強さなのではないだろうか。


I wanna be so strong, Even if I'm alone.
I wanna be so strong, Flower.


そう、花のように。


【ネタバレ感想 】映画「ボヘミアン・ラプソディ」歌と歌詞から見るQueenの軌跡

フラワーの歌詞について本気出して考えてみた~映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」主題歌
フラワー配信決定記念 ポルノグラフィティの歌詞に登場する花を振り返ろう





このエントリーをはてなブックマークに追加
 













2018年12月9日日曜日

【ネタバレ感想 】映画「ボヘミアン・ラプソディ」歌と歌詞から見るQueenの軌跡







音楽はなぜ希望なのか。


最近あげた記事のテーマである。
そこで自分の中でひとつの答えを示したのだけど、そのまさに直後に、トドメになるような希望を見た。


それこそが話題の映画「ボヘミアン・ラプソディ」である。


映画「ボヘミアン・ラプソディ」ネタバレ感想
歌と歌詞から見るQueenの軌跡



2018年11月22日木曜日

フラワーの歌詞について本気出して考えてみた~映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」主題歌








ポルノグラフィティの新曲"フラワー"がカフェイン11でフルオンエアされた。

今年リリースされたシングルはどれも、初オンエアになって発売なり、配信なりしたらひたすら気が狂ったように聴いていた。

今回も"カフェイン11"を録音して、何回も聴き返していたけれど、いつものとは違っていた。

軽い気持ちでリピートできない。
それほど受け止めるものが多く、大きすぎて、聴くには覚悟が必要な気持ちになってしまう。

なぜそんな気持ちになるのか、覚悟して何度も聴いて、曲と向き合って自分なりの答えを出すのに時間を要した。

それでも、少しでも掴んだ気持ちを今の自分としてここに記したい。おそらくこれから先の人生で、聴く度に印象も捉え方も変わっていくことだろう。


※記事中で「障害者」という言葉を使うが「障がい者」ではなく、あえてこの表記を使うのは原作小説に倣ってである
※映画はこれから公開なので原作のネタバレになりそうな箇所は書かないでおく



ポルノグラフィティ"フラワー"歌詞解釈
映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」主題歌