2019年2月14日木曜日

嘘喰い「業の櫓」の珠当て勝負を超分かりやすく解説する







マンガ『嘘喰い』に登場するギャンブルで難解というものがいくつかある。

その中でも結構脱落者が多くいるギャンブルが「業の櫓(ごうのやぐら)」ではないだろうか。
19巻の終盤から始まり、24巻までの間続く長いギャンブルな上に、途中でSATと安謀との戦いや、鞍馬組やアイデアルの介入などが入るのでややこしいイメージがあるのだと思うが、実はそんなに難しい話ではないのではないかと思う。

解説しているサイトもあるが、詳しく丁寧に解説している分、分かりやすいけど分かりづらい部分があるように思えた。間違いなく、僕の知能指数マルコレベルだからである。

なので、アホだからこそ、なるべく分かりやすく簡単にまとめられるのではないか、と思って記事にすることにした。



嘘喰い 「業の櫓」の珠当て勝負を超分かりやすく解説する









珠当てギャンブル








それだけ長い巻数を掛けてやっているギャンブルを見ればややこしいという印象を持つことも当然である。

しかし、あらためて考えて欲しい。このギャンブルの目的は「相手の持つ珠の数を当てること」ただそれだけなのである。

嘘喰いに登場するギャンブルはルールを理解するまでに時間が掛かることが得てして多いのだが、皮を捲ればとてもシンプルなゲームなのだ。

それは零號立会人の切間撻器の「たかが相手の持つ1から10の珠だ…しかも探り合うアイテム(血の教誨師(以下:ドティの部屋))もある」という言葉にも表れている。

しかしながら途中で脱線が多く本筋を見失いやすくなっている。

なので、ものすごく削ぎ落として斑目貘vs捨隈悟だけに絞ってまずはまとめたい。


まずはギャンブルの肝となる珠の数を整理しておこう。

【正解】
斑目 9個
捨隈 9個
計 18個

これを踏まえて、それぞれのとった戦略を整理しよう。





☆ドティの部屋 1回戦
斑目 11
捨隈 10
共に不正解


選んだ理由。
斑目は組み合わせとして最も多い、かつ自分の珠の数を最も絞らせない「11」を選択。捨隈はその次に自分の手がバレにくい「10」を選択した。


1回戦終了後。捨隈は斑目に「すべてわかった」と伝える。これは当然ブラフ。そして捨隈は雹吾の背中に「8」の数字を書いて伝え屋上の端末に入力させる。

当然「8」は外れ。

捨隈の戦略はここにある。

ドティの部屋は「ありえない数字は入力できない」というルールがある。なので「8」という数字は捨隈が9個珠を持っている時点で入力できない。

しかし、屋上の端末にはその縛りがない。なので「ありえない数字」でも入力できる。

捨隈はそれを利用して雹吾に端末でありえない数字である「8」を入力させた。それをあえてマルコに見せ斑目に伝えさせるることで、捨隈は自分の持つ珠の数を7以下であると斑目に思い込ませようとした。

なぜそんなことをしたかと言えば、2回しかチャンスのない端末入力をそのブラフの"ためだけ"に、ありえない数字を入力することはないという思い込みを利用したものだ。


最終的に斑目は捨隈の「8」入力をブラフと読み切る。

その根拠となったのが、外階段で殺意を見せながらもスナイパーの狙撃から斑目を守ろうとしたことと、捨隈がジャケットのボタンを止めていなかったこと。ジャケットのボタンが示すのはまたすぐにドティをやることを捨隈が予期していたから(8の端末入力が外れて再びドティをやると分かっていたからジャケットのボタンをしなかった)

というよりも、そもそも斑目の持ってる数字が「9」なので、その時点で「8」は正解に成り得ない。



☆ドティの部屋 2回戦
斑目 12
捨隈 14
共に不正解


この時点で相手の持ってる珠の数は以下まで絞られると推測される


斑目(捨隈の持つ珠の数): 4、6、7、8、9
捨隈(斑目の持つ珠の数): 4、6、7、8、9、10


勝負はドティの部屋3回戦へ。

この直前でマルコより斑目に雹吾が「8」を入力したことが告げられる。






そしてマルコに「13」を入力するよう伝え、自分自身も13を入力し、ドティの部屋で捨隈を葬り去ろうとする。










☆ドティの部屋 3回戦
斑目 13
捨隈 15
共に不正解






斑目の狙いは「13」をマルコに押させると信じさせること。
つまりは捨隈の「8」がブラフと読んで、それを自分が信じていると思わせること。
本来は捨隈のブラフを読み切っているが、それだけでは捨隈が


と、なるべく削ぎ落としてまとめれば、意外と単純な勝負である。もちろん単純に見える裏側で様々な戦略が蠢いているのだが。


なぜ、複雑に見えてしまうのか。
それにはいくつか理由があって、1つは目線ごとに状況か変わること。

嘘喰いと捨隈はそれぞれ自分の数はわかるわけだから、それぞれの目線で状況を見ている。そしてその他の者たちは、両者の珠の数を知らない。こうした視点ごとの状況が違うところが混乱しやすいポイントだろう。

そして最大のポイントが、その長さだ。

厳密には19巻からだが、メインとしては20巻から24巻、210~264話という話数なら途方もなく長い(ざっくり一年以上)も掛けているのだから、週刊で理解した読者はどれだけいるだろうか。
当然ながらコミック派も同じ以上待つことになるので、次の巻が出る度に前の巻を読み返してたことを思い出す。






その上で中盤で乱入する鞍馬組はじめ、バトルに移行してしまうことが多いので、その間に煙に巻かれてしまう。

たとえば「エア・ポーカー」もかなり複雑だが、あれはあくまでも本筋から基本的には外れないので、集中して追うことができるからだ。

そして「業の櫓」をややこしくしている要素、それは鞍馬組の目論見が分かりづらいことにある。



鞍馬組の策略







まず、捨隈は鞍馬組と思わせながら、その実は更に背後にいるアイデアルの目論見で動いている。それはアイデアルのボスのビンセント・ラロが屋形越えを狙っているためである。

鞍馬組は捨隈の裏切りに気付く。そしてタワーでアイデアルのビリー、マーティンと対峙する。

そして、最後のやり取り。蘭子はマルコが正解パスワードを持ってくることを期待していたけれど、マルコは正解のパスワードを知らなかった(ブラフの13しか伝えられていない)。

そして捨隈に対して勝負師としての敗北を確かめるための問いが最後の「斑目の珠が9か10か」。ここで9であったことを捨隈はその用心深く人を信頼しない性格からブラフだと取り、10と答える。

蘭子にとっては、それも折り込み済みのこと。だからこそ、捨隈がもう勝負師として負けていることを、最後に知らしめるために、この問いをふっかけたわけである。つまりは蘭子と斑目のギャンブルの敗北でもある。

10と答えるとわかっていながら、あえて捨隈に問いかける。そして9と答えないとわかっていながら、9と答えれば斑目を撃っていたと言う。それこそが最後の「クララの嘘つき」という言葉だ。



ということで、なるべく要素を削ぎ落として「業の櫓」を見てきた。そして、あらためて『嘘喰い』という作品の素晴らしさを再認するのだ。

複雑な話が多い『嘘喰い』であるが、それは何度読み返しても楽しめるということ。

もし連続で読んでないという人は一度、最初から読み直して見て欲しい。あらためて序盤から張り巡らされた伏線と布石に気づけることだろう。


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