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2025年6月24日火曜日

【ライヴレポ】ハルカトミユキ「青写真を描いた、その後」GRIT at Shibuya






2013年リリースされたハルカトミユキのメジャー1stアルバム「シアノタイプ」から12年経った。 

そんな2025年の夜、再現ライヴが行われた。

6月なのに梅雨を忘れた暑い真夏日の渋谷。

その夜をここに記録する。


※敬称略


2025年4月4日金曜日

【感想】"言伝 ―ことづて―"歌詞解釈【ポルノ】







ポルノグラフィティの新曲"言伝 ―ことづて―"が発表となった。

この曲はNHK広島の「被爆80年プロジェクト」のテーマ曲として制作された楽曲である。

2年前の2023年に"アビが鳴く"で平和をテーマにしたポルノグラフィティが、改めて平和と向き合う曲を生み出した。

「平和」というテーマについては通ずるものこそあれど、そのアプローチは似て非なるものがあり、その辺りも含めて書き残しておきたい。


2025年3月21日金曜日

"憂色~Love is you~"の美しき日本語たち【ポルノグラフィティ】





ポルノグラフィティの"憂色~Love is you~"。

1stアルバム「ロマンチスト・エゴイスト」に収録された屈指のバラードナンバーである。

聴くたびに「なんて美しい言葉たちだろう」と酔いしれるんだけど、改めて記事にして残したい。

この何でもないタイミングなんだけど、良いではないか。
名曲はいつ聴いても名曲だし、酒はいつ飲んでも美味い。


※後半予定外の話になるが、まぁこんなアホもいると思って気軽に読んでもらえたら幸いだ。
僕は本当に名曲だと思ってることは念押して強調したい。俺、本当にタイトルのとおりの記事が書きたかったんだ


2024年11月10日日曜日

【レポ】ロマンスポルノ’24 ~解放区~ 因島SP DELAY VIEWING






ポルノグラフィティ「ロマンスポルノ’24 ~解放区~ 因島SP DELAY VIEWING」を劇場で見届けた。

横浜公演あれだけ書いたんだからもう「楽しかったでーす🐰」で終わらせるつもりであった。

しかしながら、やはり横浜とはまた別物という印象だし、相棒に「書くよね?書かないなら映画のチケット代払わないよ?」と脅されたので、悔しい……屈します。

まぁ冗談はさておき、本当に色々と残しておきたいと思ったので感想を残しておきたい。

念の為の断りだが、僕は横浜2dayysのみ参戦なので、因島は配信された部分以外は初見である。ただしセットリストは漠然と知っている状態。※あまりしっかり見ないようにしてた



2024年9月30日月曜日

【感想】EIGHT-JAM「ポルノグラフィティ特集」




長かった。本当に長かった。

遂に「EIGHT-JAM」でポルノグラフィティが特集された。

前身である「関ジャム」時代より「ポルノグラフィティ特集してくれ」と叫び続けてきた自分である。

ブログとしては2018年の記事から残っているレベルだ。

事あるごとに言い続けたので、お礼に感想をば書かんと、ということで所感を残しておきたい。

カテゴライズして書いていくので実際の番組の流れでなく順不同なのはご了承いただきたい。


2024年9月13日金曜日

【ライヴレポ】因島・横浜ロマンスポルノ'24 〜解放区〜 @横浜スタジアム Day.2+セットリスト考察




初日に引き続き、2日目のレポにいきたい。

最初は考察しながらブロックごとに書こうと思ったんだけど、書いてみたらテンポよくなかったので、大まかなライヴレポを書いた後に考察をまとめて書くことにした。

初日も似たようなことを書いたが、内容は近しいのに書くことは沢山あった、仕方ない。

なのに結果レポ部分だけで1万2千字くらいになってしまいました。
レポが家系で、おまけが二郎くらいあると思ってください。誠にごめんなさい。

俺が記事書くって言ったら多少長くなることなんてわかってんだろ(夏野菜の大泉洋のキレ方で)。書きてぇんだ、俺は。

一部初日のレポと重複する部分もあるけどご了承ください。


2024年9月9日月曜日

【ライヴレポ】因島・横浜ロマンスポルノ'24 〜解放区〜 @横浜スタジアム Day.1





「木々は嵐のおかげでより深く根を張ることができるのです」
ドリー・パートン(シンガーソングライター)

ポルノグラフィティ25周年を記念して開催されたロマンスポルノ。

その横浜スタジアム公演初日のライヴレポを残そう。



2024年7月28日日曜日

ポルノグラフィティの隠れた名フレーズ8選+α 2024夏の陣





不定期でも開催したいポルノグラフィティの名フレーズを語る回。

最近ご無沙汰だったので、久しぶりに大々的に開催したい。

ポルノグラフィティの魅力は、どれだけ曲を聴いてきても、新たな魅力を発見できるところにある。無重力の底なし沼だ。

僕は人生が狂うくらい"アゲハ蝶"を聴いてきたけど、それでも今もなお新鮮な驚きを受けることがある。

というわけでポルノグラフィティの新たな魅力の発見に繋がれば幸いだ。

完全にマニア向けに書いているので、ご了承ください。


2024年4月8日月曜日

【感想】FM802"はなむけ"Radio Happy Willows(岡野昭仁参加)






「FM802×三井ショッピングパーク ららぽーと ACCESS!キャンペーン」というキャンペーンがある。

毎年春にFM802のキャンペーンとして、FM802にゆかりあるアーティストたちが参加、楽曲を制作して独占配信をしている。
そして今年は"はなむけ"という楽曲が生まれた。

そのヴォーカル参加メンバーの中に、親の名前よりも見た岡野昭仁の名があったのである。気になる、が。
僕は山梨県八王子市住まいなので、radikoのプレミアム会員に入るか、今すぐ大阪に移住するしか聴く術がない。

ただ、背中を押していただいたこともあり、この度radikoのプレミア機能で聴いた次第である。これ経費になりますか。

せっかく聴けるようになったので、感想を残しておきたい。

2024年4月1日月曜日

【ポルノ】OLD VILLAGERという代物についての考察





ポルノグラフィティのニューシングル「解放区」。

その“カップリング”として収録されているのが"OLD VILLAGER"という楽曲である。

アルバム「暁」ツアーの最終である日本武道館公演で披露された新曲が、こうしてシングル収録された。

"REUNION"もだけど、どう考えてもカップリングの概念が狂っている。

そんな楽曲について見ていこう。


2024年3月20日水曜日

【感想】ポルノグラフィティ"解放区"歌詞解釈






ポルノグラフィティ"解放区"。

ツアー「PG wasn't built in a day」で披露された新曲である。

ポルノグラフィティが描く最新鋭のメッセージソング。

進化が止まらない彼らの最前線を読み解こう。


2024年3月11日月曜日

【完全ネタバレ】PG wasn't built in a dayツアーセットリスト考察






ポルノグラフィティ19thライヴ・サーキット

「PG wasn't built in a day」

 僕はさいたまスーパーアリーナ公演2daysを見届け、このツアーの参戦を終えた。

ということで、さいたまスーパーアリーナの内容を踏まえ、このツアーのセットリストを振り返りたいと思う。初日の名古屋から面白い変遷もあったので、その辺りを記録しておきたい。

あと、ついでにメモってたさいたまのMCを残しておきます。



※注意:ツアー「PG wasn't built in a day」のネタバレ含みます



2024年1月15日月曜日

【完全ネタバレ】19thツアー「PG wasn't built in a day」 ポートメッセなごやDay 1+セットリスト








※本記事はポルノグラフィティ19thライヴサーキット「PG wasn't built in a day」のネタバレを含みます。これから参戦される方はご注意ください



ポルノグラフィティ19回目のツアーが始まった。

今年はデビュー25周年の節目にあたるので、このツアーを皮切りに、9月に向けて色々なことが仕掛けられるだろう。
というか、後述するけど最近公式が先手で仕掛けてくるので、本当に油断ならない。

そんなツアー初日を見届けたので、ここに記録を残すこととする。

本当に、初日終わった夜に最高の気持ちでホテルの大浴場でホカって、部屋で部屋着にビール片手に、なんで僕はキーボードを打っているのだろう。MacBookなんて買うんじゃなかった。
※好きでやってます

ということで、ツアーは始まったばかり、完全なネタバレもあるのでこれから参戦の方はすぐに引き返すように。


※改めてネタバレ注意+SNSでの取り扱いにご注意ください


2024年1月10日水曜日

ポルノグラフィティ20周年→25周年を振り返る







世間的にはポルノグラフィティが好きというと、相変わらず「昔聴いてた」と言われることが多い。

けど、少なくとも最近のポルノグラフィティを知っているファンたちは、決してそうは思わないだろう。

今年25周年を迎えるポルノグラフィティ。

20周年は本当に盛りだくさんで、自分もアホみたいに記事書いて語り尽くした気がする。

なので、改めてそこから5年の軌跡を振り返りたい。


2024年1月8日月曜日

【ライヴレポ】ハルカトミユキ 11th Anniversary Live "Triad" @新代田FEVER







ようやく冬の空気をまとい始めた師走の夜。

ハルカトミユキの11周年ライヴを見届けた。


※敬称略


2023年10月14日土曜日

【感想】Mr.Children 21thアルバム「miss you」





Mr.Childrenの21枚目となるアルバム「miss you」がリリースされた。

全曲ノンタイアップ新録曲という挑戦的なアルバムとなった。

アルバムを引っ提げたホールツアーはすでに始まっている。

ホールツアーって規模に、当初「お前ら自分たちの人気履き違えてんのか?」と思っていたが、アルバムを聴けば納得。なるほど、たしかにこれはアリーナやドームで鳴らすアルバムではない。

リリースされてから凄まじい賛否が飛び交った今作について、アルバム全体を通して感じた僕なりの記録を残したいと思う。

先に結論を書いておくと、「miss you」はMr.Childrenが残した最初で最後のアート作品だと思う。



ノン・プロモーション




まずはリリースの手法について。

先行配信された曲はあれど、完全新録の13曲か収録されている。

アルバムによってはシングルが溜まってきたのでリリースするという手法もある。
おい、星野源いつアルバム出すんだよ。

シングルというものはタイアップとかリリース時の状況とかで個性がより強くなりがちなため、アルバムの流れでは浮くことが度々ある。
「HOME」の"フェイク"を思い浮かべるといい(まぁ今回もシングル関係なく浮いてる曲がなくはないが)。

何が言いたいのかというと、シングルがない=今伝えたい曲を詰め込んでるってことだ。

ある種のコンセプトアルバムとさえ言えるくらい、テーマがまとまっている。

僕はそもそもそういうアルバムに弱いので、このアルバムを考えずにいられないのは、そういう面があると思う。

これを書いている今時点でまだインタビューなども出てこないところを見ると、本当にこのアルバムだけでメッセージを伝え切ったものだと考えている。

※FC会報やツアーで語っているかもしれないが、今の自分に知る由がないので、あくまで一般的な目線として


ということで、ここからアルバムテーマに踏み込んでいきたいと思います。



目的・手段・目標




「目的と手段と目標のバランス」


その一致が僕にとって、音楽を聴く悦びに大きな影響を与えている。

ということを念頭においていただけると、このトチ狂った人間の頭を多少理解いただけると思う。


①目的

明確に死をテーマを据えていた前作「SOUNDTRACKS」から、また一段強く死=終わりというものをより現実的に、生々しく残酷に見つめているように感じる。

折しも前作のラストトラック"memories"は、最後にレコーディングされた、桜井和寿以外のバンドメンバーは参加していない曲であった。

それから"永遠"と"生きろ"を経てはいるが、そのアルバムから「miss you」に繋がるのは、自分としては意外だった。

なぜかというと、「SOUNDTRACKS」が内向きなアルバムだったので、次作はもっとポップで「重力と呼吸」寄りになるんじゃないかと思ってたわけですよ。

それが、もっと内省的なもん出してきた。

「この人たちレディオヘッドかな?」って思った。
(レディオヘッドが2016年にリリースした「A Moon Shaped Pool」という異様にアンビエントでバンド感ないアルバムにも通ずる)

手段の話にも通ずるけど、何故あえてバンドサウンドを抑えているかというと、それが孤独の強調に繋がっているからじゃないかと思う。

年齢を重ねるほど人は失うものが増えていき、誰もが最後には一人で死ぬ。

このアルバムにはそんな境地さえ感じさせられる。


②手段

このアルバムは桜井和寿のプライベートスタジオで、メンバー4人を中心にして創られたという。

それでなお、これほどバンド感を薄れさせているのは、音楽性としてのバンドサウンドよりも、メッセージに賛同したからじゃないかなと思う。

正直「このアルバムツアーってメンバーやることなくね?」と思うくらいでもあるんだけど、内容は見ていないので、実際のツアーがどうなっているか、今の僕には判らない。

1つのトピックとして、こうした宅録的なミニマルな構成は、とても現代的といえる。

では何故その手法かというと、もちろん桜井和寿を中心としたモードもあるかもしれないけど、とにかく「自分たちの現在(いま)」を残しておきたかったからじゃないかなと思う。

移り変わりの早すぎる音楽界ではちょっとギリギリのタイミングではあるんだけど、あえて現代的なアレンジとモードを取り入れることで、2023年という今に足跡をつける、というニュアンスも含まれてるんじゃないだろうか。

先にも書いたけど、このアルバムの曲たちを描くのに、僕はこのミニマルな宅録的なアレンジは正しいと思う。

このメッセージで、このテーマでビッグバンドなアレンジだったら、逆に面食らったと思う。

そこに対してこのアレンジを持ってくることに確信があって出してくるからこそ、僕はMr.Childrenというバンドが信頼できるし、心底怖いなと思った。


③目標

ここでいう目標というのは、ターゲットと言い換えてもいいかもしれない。

では、このアルバムでうたわれる「you」とは誰を示しているだろうか。

僕は"Fifty's map ~おとなの地図"で歌われる、
「孤独の意味を知った友」
「同じ迷路で彷徨う友」
のことだと思う。

このアルバムには常に「孤独」が纏わりついていて。

人と人は繋がるほど孤独の谷も深くなる。

なんとなくそんなようなイメージが浮かんで、その解釈が一致していくような印象である。


アートは大衆の理解を介さない。

アートとデザインを決定的に分けるのはクリエイターのエゴだと思っていて。
Mr.Childrenというバンドがこのタイミングでエゴを選んだことが、僕は嬉しい。

伝えたい想いやメロディがあって、それをどう届けるかにミュージシャンの苦悩と悦びが詰まっている。

だから僕は「◯◯らしさ」みたいなものはどうでもよくて、エゴが出れば出るほど喜ぶ性癖(たいしつ)である。

求められているものよりも、自分たちのやりたいことを選ぶミュージシャンが好きなのだ。
(そのわりにクリス・マーティン(Coldplay)はナポレオンジャケット脱いで、狭い部屋で"Yellow"歌ってろと言ってた自分が言うのもどうかと思う)

桜井和寿なら、Mr.Childrenならもっと大衆に寄せたアレンジの取っ付きやすいアルバムにもできたとも思う。

それでもあえて、伝わる人に伝わるように、自分たちの今の正解を信じてこのアルバムを創り上げたことは、ミュージシャンとしてのプライドを賭けた奢りだ。

そこには間違いなく「このメッセージが届く人がいる」という意図が込められていて。

だとすると、僕が心底失望した「重力と呼吸」リリース時の桜井和寿の言葉。


「リスナーの想像力をあまり信用していないっていうか、もうきっとここまでのことを深く掘り下げて書いても理解しないだろうな、ただ通り過ぎていかれるだろうなっていうのがあるんです。だから、意図的に淡泊に言葉を書いているところはあります」

という意識の真逆にあるもので、そうであるなら、僕はやはり桜井和寿という人をまだ全幅の信頼を置いて身を委ねることができる。

そうであるから、僕はまだMr.Childrenを信じていられる。


ちょっとゴチャゴチャしてしまったけど、改めて結論を書くと。

このテーマにおいてMr.Childrenは最適なアレンジを選んでいるし、そこにそつが無く仕込んだ毒と救いのバランスが異常値である。

たしかにこれは万人に薦められないし、これがミスチルデビューってなるアルバムではないと思う。

けれど、半世紀へのエントランスに歩み入れた
Mr.Childrenの今に、間違いなく必要な一歩になっていると思う。

Mr.Childrenなんてふんぞり返っていても三世くらい豪遊できるくらい売れてるんだから、本来こんな挑戦もいらないはずなんですよ。

そこにこんなアートを持ってくるから、そんなWonderが、僕の胸を掻き立ててくるのです。


以下は全曲というわけにはいかなかったけど、いくつか印象的な歌詞を抜粋したい。







「miss you」の言葉たち




"I miss you"
 
何が悲しくって
こんなん繰り返してる?
誰に聴いて欲しくって
こんな歌 歌ってる?
それが僕らしくて
殺したいくらい嫌いです


急なですます調オチに本気で怖いと思った。
完全に不意を刺された。「優しい驚き」ってそういうことじゃないだろ。

穿った見方をすると、「miss you」というアルバムタイトルに対して、あえて"I miss you"と表題曲を一致させなかった点。
これって「僕(I)を殺す=Iの消失」なんじゃないかと思って。



"青いリンゴ"

傷んだリンゴをゴミ箱に放り投げて
出掛けにコーヒーをすすりながら
少しだけ心が傷んだ

青さという青春のようなテーマの冒頭にこれをもってくる。

この微細な心の機微を「傷んだ」をリフレインさせて挟んでるところとか、凄い怖くて心が痛みかけた。



"LOST"

尖った分 その痛みが
走った分 その衝撃が
自分に返って来るから
星でも眺めて暮らしていたい

アルバムの中では比較的キャッチーな部類の曲かなと思う。

それでもなお、「こんな自分を見たくない」とか、想いが伝わらないことの絶望が歌われている。



"アート=神の見えざる手 "

安直にセックスを匂わせて
倫理 道徳に波風を立てて
普遍的なものを嘲笑って
僕のアートは完成に近付く

アルバムの中では最も異色の曲ではあるんだけど、自分は正直これは最も分かりやすく表面化させている曲だとも捉えている。ちょっと捻くれすぎた考えかもしれないが。

アルバムを通して良いアクセントと刺激にもなっているが、ちょっとこのわざとらしさを感じるほど直接的な攻撃性が、逆に冷静にさせてくれる。
本当に怖いのは"miss you"みたいに油断させといて最後に刺してくるやつ。

すごくサービス的に「このアルバムはアートです」「こういうテーマを内包してます」と宣言してくれている曲。

それでいて、この曲が騒がれるほど「刺激を求める」社会性の揶揄が強調されるのが、本当に意地悪で最高だなと思う。

このバランス感覚で出せるのは桜井和寿か新藤晴一しかいないと思っている。



"Party is over"

多分そうだ初めから
君が書いたシナリオの通り
キャリーオーバーできず
未来へ何も残せやしない
心の中まで空っぽさ

この辺りの展開で明確に終わりが歌われる。

ただ、未来についても触れていても、ここではやはりネガティブなままである。

この曲は「バーボンソーダ」「Party is over」「多分そうだ」「キャリーオーバー」と韻を踏みまくっていて、そういうそつがなさに"炎"が燻っているんじゃないかと思う。



"We have no time"

だけどスキルは
尚も健在
まだまだいけんじゃない?
とか思っちゃう

全体的にIとyouで歌われてきたアルバムで、ここでWeに変化する。
どう考えてもやはりこのWeはMr.Childrenそのものとしか思えないわけで。

"Party is over"に続いた明確な終わり。
けれど、ここでは諦めかけていた未来に「まだまだ行けんじゃない?」という匂わせを醸し出す。

まさに先の燻っていた炎が再燃するように、ただ消えていくだけでないというファイティングスタイルも垣間見える。



"おはよう"

賞味期限ギリギリの
チーズも入ってるはずだよ
ただそれだけの食卓
幸せすぎる食卓

全体的には毒を羽二重餅で包んだアルバムだと思っているんだけど、それが最後に優しすぎる解毒剤をくれて終わる。

とても精細な日常描写が、どこか懐かしさも感じさせる(なんとなく"Mirror"が浮かぶ)。

このテーマからしたらもっと突き放した最期を見せてもいいくらいなのに、なんでこんな優しいの。これDVの心理じゃね?

嘆きまくったアルバムの最後に今日という未来をそっと差し出してくる。

そつがなさすぎる。

怖い、本当に怖い。

チーズだけの食卓=削ぎ落とした音と言葉?
チーズ≒地図?

とか、実は……っていうものもありそうだけど、今は素直に受け取っておきたい。


ちょっとまとまりがなくて申し訳ない。
それくらい、リリースから10日以上経った今も、これくらいまとまらないのだ。

ひとつの確信としてこの今作はアート作品だと思っていて、今後これからこれほど振り切ったアルバムはないんじゃないかと思い「最初で最後のアート作品」と評した。


今後ツアーの映像作品とかで、またアルバムの片鱗が見えるかもしれないので、それまでこの怪作を味わうこととしよう。

マジでこのアルバムで「失望した」とか言ってる人は、関東圏なら僕にツアーのチケットを譲って欲しい。


Mr.Childrenアルバム「重力と呼吸」 が、物足りねぇ

【感想】Mr.Children「Tour 2018-19 重力と呼吸」Blu-rayレビュー

Mr.ChildrenのCメロが秀逸な曲まとめ7選

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2023年9月28日木曜日

アゲハ蝶の歴代ライヴアレンジを総括する








先日THE FIRST TAKEで"アゲハ蝶"が演奏され、瞬く間に100万再生を突破した。

それを記念してYouTubeで過去にライヴで披露した"アゲハ蝶"が5曲厳選され2時間限定でオンエアされた。

僕は都合で見られなかったんだけど、いい機会なので自分なりに今までの"アゲハ蝶"のアレンジを振り返りたい。

基本映像化されている作品が中心だけど、一部自分で書いておきたいものは映像化されていなくても取り上げることとする。

一応時系列でいきます。


2023年9月11日月曜日

【カルトクイズ】第1回「新藤晴一はどっち?」






新藤晴一という男がいる。

この男はポルノグラフィティのギタリストであり。ポルノグラフィティの代表曲の歌詞を手掛けている。

他にも多くのミュージシャンへ歌詞を提供したり、他にも小説を出版していたり、最近はミュージカルのプロデュースも手掛けている。

僕自身、記事を書くごとに「まさに新藤晴一の歌詞」みたいなことを書いているけど、改めてそこに向き合ってみようではないか。

元々「提供曲の歌詞を色々紹介したい」という記事にしようとしたんだけど、それだけだと面白くないので、クイズ形式で紹介したい。

我こそは新藤晴一フリークという方はぜひ挑戦してほしい。


2023年9月9日土曜日

【ライヴレポ】ポルノグラフィティTikTokライヴ @嚴島神社








ポルノグラフィティが24周年を迎えた2023年9月8日。

公式があまりに25周年を意識しすぎて24周年という言葉が全く出ないけど、24周年である。

TikTokにて嚴島神社でのアコースティク形式のライヴ配信を行った。
※ライヴ自体は録画

無料ということはあるけど、こっちはもうオジさんなんだからあんまりキラキラしたフィールドに引き摺り出さないでほしい。

30分という短い時間でありながら、多くの余韻を残してくれたライヴだったので、一つの記録として残しておく。

ていうか、これをアーカイブに残さないの人類にとって損失になりません?



嚴島神社




まずライヴ会場となった嚴島神社について。
……ライヴ会場って称していい場所ではないけど。

今回のライヴで大事な知識なのでコピペラッシュだけど読んでほしい。

1400年以上前の推古天皇時代に創建されたと伝えられていて、1996年に世界遺産に登録されている。

こうして海に面して潮の満ち引きの影響がある場所にあるのって、昔から不思議に思っていてこの機に調べたら、宮島(通称=厳島)そのものを御神体として捉えていたことで、土地や木を削ることで御神体を傷つけないようにという意図があったという。

海上に浮かぶように建つ社や鳥居にはそのような意味があったのだ。

祀っているのは「宗像三女神(むなかたさんじょしん)」という3柱の姉妹神。

市杵島姫命(いちきしまひめのみこと) 商売繁盛、芸能、金運、勝負、豊漁、交通安全、五穀豊穣、海の神
田心姫命(たごりひめのみこと):結び、夫婦円満、子宝
湍津姫命(たぎつひめのみこと):航海安全,交通安全の神


特に市杵島姫命は弁財天様を習合しているんだって。初めて知った。


引用:月刊モーニングtwo聖☆おにいさん』より



なので、広島という意味合いはもとより、今回の「奉納」という趣旨にとても合ってるんだよね。

ポルノグラフィティが周年の節目に選んだのは、そんな場所なのだ。



ライヴレポ




では本題のライヴレポに入っていこう。

まずはセットリスト。


1. アポロ
2. ハネウマライダー
3. ギフト
4. サウダージ
5. アビが鳴く


以上、全5曲。

ライヴはアコースティックと明言されていたが、サポートメンバー4人を含めたバンド編成であった。

サポートメンバーは以下の通り。


tasuku(ギター)
高間有一(ベース)
皆川真人(キーボード )
田中駿汰(ドラム)

特に高間有一は「しまなみロマンスポルノ’18」以来ぶり。
場所が神社ということもあってハットのイメージがある皆川真人や高間有一もちゃんと脱帽していたので、ちょっと新鮮だった。


バンド編成といってもサポートメンバーもアコギとアコベだったり、ドラムも時にブラシを使ったりしたアコースティック編成。


“アポロ”

嚴島神社の鳥居の空撮から"アポロ"の歌い出しで、もうチケット代の元をとった。
いや、これ無料ライヴだった。おい、こんなもん見せつけてんだから金払わせろよ。

うまく言葉にできないけどアコースティック編成なこともあって、いつもより一層、一つひとつの音が丁寧に紡がれているような印象を受ける。


アコースティックな演奏ってリラックスしたムードだったりするんだけど、今回は他で見てきたようなアコースティックライヴとまた違う印象を受ける。

それもそのはずで、舞台にもバックにも嚴島神社が映っているのだ。

普段であれば視聴者であるはずの僕らに向けて演奏しているんだけど、今回はもっと大きな存在(もの)に向かって音を奏でているように見える(実際、正面には赤い大鳥居と向かい合っていた)。

信仰とかそういうものを超えて、もっと普遍的な祈りを捧げるように。

“アポロ"は人類の技術の進歩と普遍的な愛を求めることを歌っている。
どれだけ時代が変わっても平和を求める心が変わらないように。



“ハネウマライダー”

アコースティックだからということではなく、頭の中で「=タオル回す」ってことが完全に抜け落ちていた。

それは悪い意味ではなくて、それくらい演奏に引き込まれていた。

普段のライヴだと前へ前へって感じでグイグイと容赦なく引っ張っていってくれる曲だけど、今回の演奏の印象は演奏の間の余韻でふわっと導かれて、気付いたらとんでもないところに辿り着いてしまったかのよう。人生をかけた飴と鞭プレイすぎる。

これ演奏している時、すごく良い風が吹いていただろうな。

あと確かギターソロが最近のライヴでやっているようなスタイルを踏襲していた(はず)。


MC
昭仁:今回はこうして嚴島神社で「奉納演奏」をしております。
晴一:長いことやらしてもらっているということを
昭仁:そんな感謝を込めまして。普段なかなかこんな場所で演奏できることはないので、身が引き締まる思いです。
ここには色んな願いを持ってくる方が集まっていると思います。そんな人たちのちょっとだけ背中を押せるような曲を届けたいと思います。





“ギフト"






もう情緒グチャグチャですが?


兎にも角にも直近のROCK IN JAPAN FES '23で喰らったのに、返刀でまだ切ります?

とりあえずハイボール飲みながら見てたんですけど、口から入れた水分が全部目から出るんすよ。

いや、ちょくちょくライヴでやってくれるのは嬉しいんだけど、こうしてフェスとか特別な場所でのライヴでまで選ぶって、もうなんか僕をピンポイントに刺しに来てるとしか思えないんですよ。思い上がりであればその方がいいわ。


それはさておき、これだけ大切なポイントで演奏されてきた曲ということは、メンバーにとっても特別な曲なのかもしれない。
今度もうちょっと「次、刺すから」とか予告してほしい。

新藤晴一メインの間奏のリフを、12〜15フレット辺りの結構高めの音で弾いていたのが印象的だった(確かサビでもちょっと高めのフレーズ弾いてた)



“サウダージ"
最初のガットギターの「ジャラーン」で身体がもう”サウダージ”だと判るようになっていて、なるほどこれがパブロフの犬かと思わず悟ってしまった。

全体的にはTHE FIRST TAKEとか、それを受けて「続・ポルノグラフィティ」で演奏されたガットギターとアコーディオンメインのアレンジを踏襲してるんだけど、そのどちらとも違う印象を受けた。

特に2番のAメロの最初が歌と高間有一のアコベだけになって、それがすごくハッとするくらい良いアレンジだった(優劣の”良い"ではない)。

こうしてさりげないアレンジの違いで、こんなにも印象が変わるなんて音楽って本当に面白いと思う。いや、そういうアレンジがポンポン出てくるこの人たちがおかしいんだけどさ。


昭仁:ここまで4曲を奉納してきたんですけど、次の曲、この曲をここで演奏する意味が色濃くなるんじゃないかと。”アビが鳴く"
晴一:広島で今年サミットがあって。世界の首脳が広島に集まることの意味があると思って、それの応援ソングとして書いたんですけど。
平和とかそういうものを歌詞にするのは簡単じゃなくて、言葉にしづらいものだから広島の鳥のアビとか、この厳島神社とか、こういう悠久の時間が流れるもののイメージを借りて書きました。
昭仁:そうじゃね。平和を願う気持ちって、皆さんお持ちだと思いますので、その気持ちがずっと続けばという願いを込めて創った曲です。
ここで演奏するということで、震えるような気持ちで演奏します。



“アビが鳴く"

見ている間。本当に何もできずただ画面を見つめていた。
最後の音が鳴り止む、その時まで。

場所、目的、手段が完璧に一致しすぎている。

本当にこの時のために"アビが鳴く"は生まれたんじゃないかって思えるくらい。

演奏も歌もとても良くて、特にさりげないけどサビ入前の「ナナナーナ」ってコーラスをギターで弾いてるのとか、すごく良かった。

これだけ完璧なまでにシチュエーションがマッチしてるのに、「しまなみロマンスポルノ」のライヴ・ビューイングの"愛が呼ぶほうへ"とか、因島ライヴの小学生たちの前でやった"愛が呼ぶほうへ"といい、何故映像として記録を残さない?

Why?

いや、今回は特に本当に思っていて。

僕らはまた今日を記憶に変えていけるかもしれないけど、これを記憶だけに留めてしまうのは、人類にとって損失になると思う。


今年、8月6日ROCK IN JAPAN FES ‘23でも演奏された。
改めて、その時の岡野昭仁のMCを引用する。


今日、8月6日は僕らにとって大きな意味がある日です。わしらは広島出身なんだけど、今日は世界で初めて、原子力爆弾が落とされた日です。
政治的なこととか世界情勢がこととか、難しいことを言いたいんじゃありません。
たとえばね、ここにいる一人一人が平和であると思います。その身近な人たち、旦那さんとか嫁さんとか子どもでもいい、そんな身近な人たちを傷つけたくない。それが平和の根本にあるものだと思います。
だから、次の曲でその気持ちを歌わせてください。この気持ちが、この小さな場所から広がっていくようにという気持ちを込めて、次の曲を聴いてもらおうと思います。

この時にも直前に”ギフト”が演奏された。

こうなるともはや意図的だとしか思えなくて。

「ギフト」ってなんだろうと、改めて考えた。

それはきっと一人一人が持っているもので、ある人にとっては大切なものだろうし、ある人にとっては気づかないものかもしれない。また、ある人にとっては見て見ぬ振りをしているものかもしれない。

「身近な人たちを傷つけたくない。それが平和の根本にあるものだと思います。」

そう思うこともまた。


「人類にとって言葉より早く音楽が存在していた」

しばしば、そう言われる。

例えば「物を叩く」それがリズムになる。

そうして発する音に意味を持たせたものが「言葉」になったんだと思う。
もちろん諸説あるだろうし、僕はただのポンコツなので何の理論も持っていない。

けれど、こうして音楽というものに言葉にできないほど心を動かされるのは確かである。
いや、こんだけ書いてる自分が言っても説得力ないが。

音を出すということは意思表示なのだ。
何かを伝えたいと思うことが、音となって相手に届く。

そう思えば、音楽もまた悠久の時を経て今も繋がる存在だと言える。

歴史を紡いだこの場所で、変わらない、変わってはいけない願いを”アビが鳴く”に込めて。

それはあまりに大きなテーマで、決して答えがあるものではない。

答えを出すことが正解ではない。

自分にとって大切な人を傷つけたくない、その思いは世界から見たら小さなことでも、自分の人生にとっては大きな存在で胸に抱いているものだ。

このたった30分のライヴで、またポルノグラフィティが好きになってしまった。

また彼らを誇らしく思ってしまった。

この時代に生まれてよかったとさえ思ってしまった。

それが、ただただ嬉しかった。


島から海を渡り。

人と人の縁を繋いで。

この場所で音楽という芸能を見せ。


「奉納演奏」と言っていたけれど、それは宗像三女神からもたらされたものではない。

彼らが一歩ずつ重ねてきた足跡の先にあったものだ。

それが信じ続けて重ねた日々の結果だから。

きっとこの先も同じ願いを抱え、また歩いて行くことだろう。

なぜなら、その先に”THE DAY”が待っているのだから。





【ライヴレポ】ROCK IN JAPAN FES 2023「ポルノグラフィティ」セットリスト+ネタバレ感想

【ライヴレポ】ポルノグラフィティ CYBERロマンスポルノ'20 ~REUNION~



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2023年8月8日火曜日

【ライヴレポ】ROCK IN JAPAN FES 2023「ポルノグラフィティ」セットリスト+ネタバレ感想






ポルノグラフィティが4年ぶりに「ROCK IN JAPAN FES」に出演した。

前回2019年は、ポルノグラフィティの20周年の直前であった。

そこからの4年は、大きく時代が変わった。いや、変わってしまった。

様々な変容を経て迎えた2023年のROCK IN JAPAN FES。そこでポルノグラフィティはどんなステージを見せたのか。

ではライヴレポをはじめよう。