2017年1月16日月曜日

アジカン「リライト」歌詞解釈~日付のないカレンダーの意味とは










このブログでは主にポルノグラフィティとハルカトミユキを中心に歌詞解釈を書いてきたけど、今回はアジカンことASIAN KUNG-FU GENERATIONを取り上げようと思う。

アジカンについては、僕はドンピシャ世代なので昔から毎日ではないにしてもとても聴き込んでいた。
今でも突然アジカン聴きてー!と沸き立つ瞬間が定期的に訪れる。

しかし、ずっと歌詞はなんとなくで聴いていたので「ソルファ」の再録盤も出たことだしあらためて見てみようと思った。
ということで今回は収録曲にしてゴッチが「これ以外も聴けや」と苦言を呈した曲"リライト"を取り上げようと思う。

ちなみに僕が一番好きなのは"海岸通り"である。


リライト/ASIAN KUNG-FU GENERATION 歌詞解釈














テーマ




歌詞のテーマは「求めた未来とそれを掴んだ自分の葛藤」である。

自分自身が求めていたはずの未来、しかし求めていたはずものに辿り着い時、主人公が気づいたのは、そこが自分の限界であることだ。

サビで「君を成す原動力」という言葉が出てくる。

この原動力は今主人公がいる場所へ進むための原動力であった。
だが、そんな未来は尊厳と自由が混ざり合う。

このブログでもちょくちょく書いてきたけど、未来を選ぶ中で選ばなかった道の先は決して知る由はない。

だからこそ、主人公は「選ばなかった道」に希望を抱いてしまう。しかし、そこにはもう戻れないし、あの頃にあった意欲ももう失ってしまっている。
だからこそ主人公はただ叫ぶしかない。




去年のカレンダー、日付がないよ




アジカンの歌詞は全体で聴くとなんとなくでもテーマとかは掴めるが、具体的にフレーズを見ていくと分かりづらいことが多い。

"リライト"の中でそんなフレーズが


自意識過剰な僕の窓には
去年のカレンダー、日付がないよ


だろう。

まず、窓というものから考えると、窓は世界(社会)と自分との間にあるものだ。社会の窓のことではない。意味が変わる。

窓はとても詩的だから、よく歌詞でも使われる。

窓を使ったフレーズで個人的に好きなのがハルカトミユキの"絶望ごっこ"に出てくる。

開けておいた窓に普通の陽が差して
綱渡りをやめてしまった君はつまらない





という歌詞である。みんな聴きましょう。

これも世界と自分との境界としての窓を歌っている。自分は窓を開いて待っているのに、世界は変わらぬまま何も応えてくれないということだ。


"リライト" に話を戻そう。

この歌詞においても窓は自分と世界を仕切っているものであり、自分と世界を繋ぎ止めているものともいえる。

そして「去年のカレンダー、日付がないよ」というフレーズ。

日付は主人公にとって何かを成し遂げたことを指している。つまり「日付がない=何も成し遂げられていない」ということだ。

主人公にとっての達成感というものが「掴んだはずの僕の未来」で終わってしまったのだ。

だからこそ主人公は叫ぶ「リライト(=ReWrite)」したいと。
それが叶わないと知りながら。

それでも主人公にとっては「存在の証明が他にない」のだ。

ということで"リライト"について書いてみた。

余談なんだけど去年「僕だけがいない街」がアニメ化されて"Re:Re:"がオープニングテーマに抜擢された。もちろん""Re:Re: も大好きだしとても合ってたんだけど、"リライト"もわりかし合ってるよなと思う。

まぁ、そもそもハガレンの曲だしね。


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