2017年6月8日木曜日

【感想】SHISHAMO「SHISHAMO 4」 聴いてたら心臓がチクチクしてきた






SHISHAMOのアルバム「SHISHAMO 4」が良い。

悔しいくらい良い。


最初はまさかアルバム買うようになるとは思ってなかったんですよ。
30代に入ったの男が聴くには瑞々しすぎて眩しいの。

それがこのアルバムにも収録されてる"夏の恋人"をYouTubeでたまたま見てすこぶる気に入りまして、アルバムの評判も良いので思いきって買ってみた。


その結果がタイトルと最初の言葉である。


アルバム発売からだいぶ経ってしまったが(理由は後述)、感想を書こうと思う。



アルバムレビュー SHISHAMO 「SHISHAMO 4」








「SHISHAMO 4」を聴いて




11曲、ほとんどが恋の歌。

恋愛コンプレックスが爆発しそうな曲、失恋の曲など、もう僕のような恋愛に対するリテラシーが底辺のような人間には眩しくて心臓が痛くなった。
SHISHAMOのアルバムは常に11曲入りだが、ギリギリの心地で聴き終わった。12曲入りだったら、死んでた。

それでいて、再生ボタンを押してから聴く耳を止められないのである。


映画「悪の法則」でボリートという殺人器具が出て来る。それは首にワイヤーをかけてスイッチを入れるとモーターがワイヤーを巻き取り続け、首を締めながらワイヤーが動脈を切って死ぬというとんでもない代物である。
「一度動き出したらもう止めることはできない」という映画のテーマを象徴するアイテムであるが、何故かそれを思い出した。

いうまでもないが彼女たちには全く否はない。僕がいけないのだ。


同時に驚いた。
メンバー、特に宮崎朝子の成長である。

デビューして少し経った辺りでVIVA LA ROCKでたまたまライヴを見たことがある。

その頃に比べてソングライティングや歌声が格段に成長しているのだ。
親戚の子を見てるみたいな感想だが。


これを書いたのが今頃になったのは、成長度合いを確かめるためにアルバム全部買って聴いていたためである。
一気に聴くと壊れそうだったので、1枚ずつ聴いていた。


曲が眩しくて苦しいと書いたが、それでも曲の良さの水準が明らかに高くなった。とにかくメロディが良いのだ。
インタビューを読んだがこのアルバムについては「全曲シングルカットできるアルバム」を目指したそうだ。

さらに、そのハードルのためにそれまで貯めていた曲を一度捨てて曲を書き直したという。

そして、その曲を歌う声もまた多彩になり、恋愛の歌が多いが、アルバムを通して飽きることなく聴けるのだ。




雑多に全曲感想




曲を聴いてて思ったことを雑記していく。


1. 好き好き!

タイトルから強烈である。1曲目から右ストレートをノーガードで喰らった。
「好き」を連呼することで「キス」にも聞こえるというのは言うまでもないだろう。



2. すれちがいデート"

sweetな方の意味で「甘い曲だな」と思って聴いていたら、最後の最後で意表を突かれた。
この意外性のある歌詞に「このアルバムただ事ではないのでは」と思い始めた。



3. 恋に落ちる音が聞こえたら

怒りたくなるくらい純粋である。「調子に乗っている私を叱ってね」と言ってるから怒ってもいいだろう。



4. 終わり

一転して曲調も激しくなった失恋ソング。
「あなたの特別でいることが私を生かしていたから」とかサラッと歌ってるけど、怖い。



5. 恋

タイトルから直球であるが、ここでスリーピースらしい構成から一転しギターではなく鍵盤を主にした曲。引っ張っているベースが良い。

この曲の声質とても好き。



6. 音楽室は秘密基地

転校生と音楽の先生、少女マンガから抜け出してきたような設定の曲である。

サビのメロディが良いなぁと思う。



7. きっとあの漫画のせい

サブカル女子が好きそうなアジカンライクなイントロ。
かなり自己嫌悪の強い歌詞だ。

「サブカル女子が好きそうな」と揶揄しながらも最後に自分に重ねてしまう当たりが良い。



8. メトロ

「メトロ」というとどうしても斉藤和義の"メトロに乗って"を想像してしまう。あちらはメトロに乗って君と東京のあちこちに出掛ける歌詞だったが、こちらは失恋である。

「宇宙に投げ出されたみたい」という仰々しい心情でいながらも、実際には駅をウロウロしてしまう小ささが可愛い。



9. 夏の恋人

今作のなかでは自分のベストチューン。
温度や湿度まで伝わってきそうな情景描写。じめじめした部屋と自分の気持ちを重ねる。

きっと泣くのは私の方だけど さよならするよ

という歌詞を経て「だめね、私」が切ない。



10. 魔法のように

"夏の恋人"から一転し明るくてキラキラとしたポップな曲調。

「毎朝私は女の子になる」のよく分からないけどなんか分かるというバランス感覚が絶妙。



11. 明日も

ホーンを使ったアレンジが爽やかである。
川崎フロンターレの試合観戦中に思い付いたということで、歌詞のヒーローは選手を指しているのだろう。

ジャキジャキとしたカッティングギターが気持ちいい。

恥ずかしい話、最近ネガティブなことがあったのたが、これを聴いてとても励まされた。



これを期にと、今回まとめて聴いていたんですけど、思ったよりハマってしまった。

音楽性がどんどん豊かになっているが、初期には初期の初々しさがあり、そこからアルバムを重ねるごとに音楽性も広がり、着実にステップアップしている。

これからも彼女たちの進化が楽しみだ。

心臓はチクチクするけど。

恋か?









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