エリック・クラプトン、ギターの売り上げ減少に「多分、ギターは終わったんだろう」
『Washington Post』紙によると、エレクトリック・ギターの年間売り上げはこの10年減少しており、ギブソンやフェンダーに続き、PRS Guitarsも経営不振に陥っているという。
自身のドキュメンタリー『Eric Clapton: A Life in 12 Bars』が上映されたトロント国際映画祭の記者会見で、『Billboard』誌からそれを告げられたクラプトンは、こう話したという。「そんなに悪いとは知らなかった(笑)。僕は実態を把握していない。何が起きてるか、知らないし、どちらに転ぶかもわからない。物事には自然の成り行きってものがあり、収まるべきところに収まるんだと思う」
少し前の記事であるが、ギターを愛する者の一人として書いておきたい。
ギターの売上が落ち込んできているそうだ。
僕は音楽を好きだし、ギターという楽器を愛している。それだけにこの状況は、なかなかに由々しき事態ではないかと思う。
ギターヒーローの不在
今さら云うまでもないが、そもそも音楽自体の売上も落ちてきているし、その中でジャンルの垣根がなくなりつつあるし、ギターを使った音楽の規模は必然的にも減ってきている。
バンドという形式は決して主流とはいえなくなった。いや、もはや主流と呼べるジャンルすら不在となったのだ。
それでもROCK IN JAPANなどを見ても、バンド音楽は一定数は存在する。だが、その減ってきた母数の中で最も致命的ともいえるのが、ギターヒーローの不在である。
今の若い世代が「ギターってカッコイイ!」「ギターやりたい!」と思わせてしまうほどのギタリストが不在なのだ。
※もちろん若い人で巧い人はいくらでもいるが、それこそスラッシュやクラプトンクラスという意味で
僕はジョン・メイヤー大好きだがな!
それには90年代~00年代~10年代でのバンドミュージックの変遷が大きい。
邦楽ロックの系譜
90年代のギタリストの多くはギターヒーローに憧れてギターを始めたケースが多い。
たとえばポルノグラフィティの新藤晴一はGuns N' RosesのスラッシュやXなどに強い影響を受けている。
7~80年代のロックの系譜である。
ハードロックやメタルも元気な時代だったので、ギターへ憧れるキッズが多かった。キッズと書いたが僕はほぼ生まれていない。
なので90年代を通ったギタリストを見ると、ギターリフやギターソロへの意識が高い。
※例
だが、00年代になると様相が変わる。
邦楽のロックで代表されるアジカン、バンプ、ELLEGARDENなどが現れる。これにMONGOL800やゴイステなどを足すと、当時の学園祭でカバーされ尽くしたであろうラインナップが出揃う。
並びを見ても分かるように、ギターソロなどがあまりないバンドが多い。それよりもフロントマンの個性の強さが全面に出ているバンドばかりである。
世代なのでアジカン、バンプ、エルレといえばよく聴いたものだが、ギターに憧れるということはなかった(個人の意見です)
そんな00年代のバンドたちの影響を受けたのが10年代に目立ち始めてきた。
最近マスに受けているバンドを見ても、ギターはあまり目立たないケースはかりだ。
実際にここ数年現れたバンドでギターソロが印象的だという曲がどれだけあるだろうか。
個で見ていけばいくらでもいるが、目に見えて減ってきているのは明らかではないか。
それでも
それでも街を歩いていると、背中にギター(或いはベース)を背負った若者の姿を見かける。
どんなに業界が先細りであろうと、ギターが無くなるわけではない。いつかまた時代は巡り、バンドミュージックの再評価が訪れる。
少なくとも僕はそう信じてるし、そう信じてる人はそう少なくないだろう。
そんなことを思いながらこの記事を終えよう。
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