2018年11月16日金曜日

SVB東京で新藤晴一考案オリジナルビール「THE BAY」を呑んだのでレポする





スプリングバレーブルワリー東京(以下SVB東京)で新藤晴一考案のビール「THE BAY」を呑んできた。

このビールは新藤晴一のレギュラーラジオbayfm「カフェイン11」の800回記念の公開収録した際に作られたオリジナルフレーバーである。


今回、新藤晴一オリジナルビールが11月の間限定発売されるというので、ポルノグラフィティとビールのために生きている僕のような人間が行かないわけにはいかないではないかということで、お邪魔した次第である。

しかし、今回初めて食レポ的なことに挑みたいと思う。
食レポなんて僕にできるわけないだろう。食レポってこれくらいの語彙力いるわけでしょ?


レビュー:響21年 -生真面目な、日本人-

グラスを鼻に近づけると、ナスとトウモロコシ。有機溶剤。雨をはじいたオーク材。
群生した夏草に感じる香りの奥行きと清涼感。土。
口に含めば、一瞬で溶ける飴。渋みを感じさせず、しかしバランスの取れた重量感。余韻は長く続く。
柔らかいアプローチの中にすべてを徐々に明かしていく。
前へ前へとグイグイとこないが、静かに「いつでもここにおいで。待っているよ」という貫禄。
鉄、赤土、水、草。
日本的な静かな主張とバランスの中に、フローラルを感じるウィスキー。


詩じゃん。


ということで僕には敵わないが、僕なりに色レポに挑戦する。









SVB東京について




まずお店について簡単に紹介しよう。

とっととTHE BAYのこと書けと思われるだろうが、焦らしに馴れているポルノグラフィティのために勿体ぶらせてもらう。

SVB東京は代官山の駅近くにあるキリンが提供するクラフトビールの専門店である。







東京に住むものとしてもちろん代官山には馴染みがある。

といっても僕のような八王子の人間という代官山の人からしたら高尾山から下山してきた野生児にしか見えないだろう。高尾山も代官山、同じ「山」か付く知名なのに、雲泥の差がある。

しかし僕のような頭にちょうちょの飛んだ野生児にも馴染みがあるのが代官山なのだ。

それは2013年にオールタイムベスト「PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary “ALL TIME SINGLES”」をリリースした際に代官山蔦屋書店でパネル展を行った。
それを見に行ったという縁が深いのである。


結局ポルノグラフィティ絡みじゃねえか。



話を戻そう。SVB東京は以前ナタリーに掲載された

GRAND KIRIN with ポルノグラフィティ「GRAND KIRIN」特集 第3回






という記事で内容は明るいうちからビールを呑んでご機嫌なおじさんたちが喋る キリンの「グランキリン」をポルノグラフィティが試飲して紹介したり、ビールの思い出を語るというものであった。

その時にSVB東京の話も出ていて、影響されやすい僕はずっと気になっていたお店である。もちろんこの時の「グランキリン」は即購入に走った。


メニューの中心はもちろんビールであり、料理もビールに合うように考案されている。
そのためフードメニューには合わせるのにオススメというビールが書かれているほどである。

餃子でビール最高を圧倒的な代官山クオリティにして揃えた感じである。

ほぼ紹介してないが、そこら辺はキュレーションサイトとかで詳しく紹介されているので割愛させてもらう。

ビール好きにとっては至福のお店であると同時にビールが苦手な人にとってもその価値観を変えうるお店である。



THE BAYを作る様子を見学




代官山に馴染みはあるが、それでも街中を歩くと謎の緊張感を持つ。それは八王子を歩いてて野生の猿に襲われるかもしれない緊張感とは違うものだ。

SVB東京は東急東横線の線路跡にある。オシャレが放射状に襲いかかってくる目映い場所だ。

席に着き、早速と件のビールをアホ面で注文する。すると店員さんから「ビール作るところ見学できますよ」と言われた。
クラフトビールを作る工程を見れるのだという。


前の人がいたので少し待ってから店員さんに呼ばれ、見学に入る。スタッフの方が入れるビールやフレーバーについて解説してくれながら1つ1つの作業を見せてくれる。

世界に4台しかないという「ビアインフューザー」というビールを入れる機械も合わせて紹介してくれる。雑貨屋にある「え?缶ビールがまるで生ビールに!」みたいなグッズをスライムとするなら、「ビアインフューザー」はデスタムーアである。

これは是非我が家にも欲しいと思ったが、価格がフェラーリ1台分くらいするらしいので、少しばかり、たぶん1千万円ほど手持ちが惜しくも足りなそうなので泣く泣く諦めた。


THE BAYは「JAZZBERRY×カルダモン×スペアミント」という組み合わせである。

ベースとなるのがJAZZBERRYというビール。





名前から想像される通りラズベリー果汁が加えられたビールである。ラズベリーの甘さが加わり、ビールと聞いて想像されるものとは全く異なる味わいである。味については後述する。

そんなJAZZBERRYにオリジナルで加わえられているのがカルダモンスペアミントである。

カルダモンはショウガ科の多年草でカレーなどに香辛料として使われることが多い。ポケモンの名前かなんかと思ってた。
香辛料といっても爽やかな柑橘っぽさもある匂いであった。

スペアミントについては説明はいらないだろう。
僕も小さい頃から、八王子の野原でその辺に生えているミントを摘んでは食べてたものである。

カルダモンとスペアミントを巨大なシリンダー状の筒に入れる。それからシリンダーを下げて押し潰して薫りを出してゆく。紅茶のようなイメージでいいと思う。といっても僕は普段、紅茶の茶葉を口に入れて噛みながらお湯を呑んでいるので、そんなオシャレ器具は使ったことがない。





押し潰した後、底から管を通じてビールが注がれる。管は密閉されているので、工場出荷時と同じく空気に触れてない状態である。そしてシリンダーを上下させながら、カルダモンとスペアミントと共に混ぜてゆく。

この時になかなかの勢いで動かすのでビールの気が抜けてしまいそうだが、そこもしっかり考えられていて、密閉されたシリンダーの中は炭酸ガスで満たされている。なので、ビールの炭酸の逃げ場が楚国の項羽のように四面楚歌的になくなり、気が抜けないそうだ。気が抜けているのは僕の顔だけだったようだ。

しっかりフレーバーを纏ったビールは、また底から管を通って注ぎ口に流れる。その時に混ぜる間でぬるくなってしまったビールを瞬間冷却させる。
僕はその感覚を帰り道に八王子駅を出てから家までの間に身を持って体感した。代官山と同じ東京にあるとは思えないこの圧倒的なる寒さ。僕の身体も瞬間冷却されたのだ。

すべては美味しいビールのために。そのためにこれだけ大掛かりで、手間の掛けられているのだ。THE BAYがグラスに注がれ提供される。
あまりに見事で、しかも手元に新藤晴一の写真が飾ってあったので、思わず狂ったようにシャッターを押してしまった。

先程の「工場出荷と同じまだ空気に触れてないビールなんです」と言っていたスタッフの方の前で泡が消えてゆくほど写真を撮ってしまい申し訳なる。






それにしても、興奮したわりに写真が下手すぎて「故人が生前愛したビール」みたいな写真になってしまい、新藤晴一には大変申し訳ない。長生きして欲しい。


さて、いよいよビールを呑む時がきた。











THE BAYを堪能する




さて、お待たせしてしまったがようやく本題である。本当なら前菜として頼んだケールサラダの美味しさを語りたいが、そろそろ本題を書かないと殴られそうなので、THE BAYの感想を書こう。
※ポルノグラフィティファンには紳士淑女しかいません

まず薫りから。

ベースとなるJAZZBERRYの持つ爽やかで甘酸っぱいラズベリーの薫りが素晴らしい。あれは桜舞う春の真ん中で嗅いだ甘酸っぱい青春の薫りである。
そこに足されたカルダモンとスペアミントの薫りがアクセントになる。

それはまるで甘い甘いグァバジュースに失恋のスパイスが足されるようだ。鼻腔に愛と青春の日々が広がる。実際は鼻炎で鼻が詰まり気味で薫りを味わいきれなかったし、そんな青春経験したことないが。それでも分かるくらい良い薫りであった。

さて、味わおうではないか。ビール、この風格はまさに酒の中の王、キングオブアルコール、ビール is バーフバリである。王を称えよ。






呑むとまるでTHE BAYを呑んでいるかのような味わいが口の中に広がっていく。まさに今年のボジョレーヌーボーのような味わいだ。ちなみに今年のボジョレーは呑んでないし、ボジョレーでもボージョレでもどっちでもよい。

ビール苦手という方でも呑めるくらい口当たりが良い。ビールといえば、喉越しと苦味がまず浮かぶだろう。しかしTHE BAYは云わばワインやカクテルに近い。
なので、いつもお通しがくる前に一息二息で1杯目の中ジョッキを飲み干す僕でさえ、味わいながらゆっくり呑んだ。

僕の中でビールの概念が360度変わってしまうほどの衝撃であった。僕のいうビールの概念は「ビールは美味しい」というものである。

ただ甘いビールというわけではない。その酸味とビールの苦味とコクの調和がアンサンブルとなっている。それはまさに音楽そのものだ。口の中に広がるハーモニー、JAZZBERRYという和音にカルダモンとスペアミントによって7度のテンションコードが付けられるように。

花が空に伸びゆくように、海を越える旅人のように、ビールという至福の海に導かれていたのかもしれない。

それはさも、「いつでもここにおいで。待っているよ」という貫禄。

甘さのある酒というのは、料理と合わせるのが難しいというイメージはないだろうか。ビールとストロングゼロばかり呑んでいる僕も、そんなイメージがあった。

しかし思い出して欲しい。SVB東京のフードはビールに合わせた料理が提供されるのだ。つまりTHE BAY(JAZZBERRY)に合わせた料理ももちろんある。

たとえば「トマトのピクルス フェッタチーズ」などトマトの酸味と甘味とのバランスが絶妙で大変美味しい。




THE BAYだけではない魅力




ビール1杯でここまで長々書いてしまった。
自分でもおかしいのではないかと思う。

もちろんSVB東京にはTHE BAY以外のメニューも充実している

たとえば、飲み比べセット。これはSVB東京で提供しているビール6種類がセットになっているお得なセットである。

今回、その中でもビールに合わせたおつまみがそれぞれ付くというセットを注文した。





それぞれのビールを堪能できるのはもとより、おつまみも色々な種類が食べられるので、優柔不断な方にオススメである。

特にAfterdark(アフターダーク)という黒ビールとエスプレッソのマカロンという組み合わせ。少し甘めのマカロンとローストが効いた芳ばしい黒ビールとの相性に衝撃を受けた。
口の中で混ざり合うその奇跡のフュージョンは、まさに悟空とベジータによるゴジータ並である。






メインディッシュについては迷った末に「スモーク牛タンのグリル200g」をチョイス。メニューのように綺麗な写真は、まさにメニューの写真である。

衝撃的な美味さであった。程よく歯ごたえがあるけれど柔らかい、そしてどんどん旨味が口いっぱいに広がる至福のスモーク牛タン、その味は僕と彼女の肉を誉める最上級の称号「ガムにしていつまでも噛んでいたい」が与えられた。

他にも魚料理や、その他のおつまみも目移りしてしまうものばかりだし、味も確かである。もちろんビール以外のドリンクメニューもあるし、ソフトドリンクもあるので、ビールは苦手という方にもオススメである。


ということで、語彙力ではウイスキーガチ勢に勝てる気がしない今日この頃。皆様もよきお酒を飲み楽しみましょう。

THE BAYは11月いっぱいまでなので、行ける方は是非。

というかJAZZBERRYはグランドメニューだし、フレーバーのリクエストできるらしいから、メニューになくともJAZZBERRYとカルダモン、スペアミントの組み合わせ頼めば、来月以降も大丈夫ではないかと思った。


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