ボブ・ロスという人をご存知だろうか。
知らないという人の方が多いと思うが、一部には「懐かしい」と思わせる名前ではないだろうか。
知らないという方は覚えて帰っていただけると幸いです。
ボブ・ロスの絵画教室
ボブ・ロスは画家である。
その名を一躍有名にしたのが「ボブ・ロスの絵画教室」である。
1983年から1994年にかけて放送されたテレビ番組である。
日本でもNHK-BSで放送され人気となった。
内容は30分の番組の間にボブ・ロスが絵画の技法を解説しながら油彩画を仕上げていくというものである。
30分限りなくノーカット(少なくともそう見える)で風景画の油絵が仕上がっていくのだが、この絵の完成度が毎回半端ではない。
とりあえず実際に見てもらいたい。
完成した絵を見ると30分で書いたとは思えないのだが、なんせ白紙のキャンバスから絵が完成していく工程をこちらは見ているのだ。ぐうの音も出ない。
絵心ストロングゼロ人間にはCGとしか思えない。
日本では石井隆夫さんが吹き替えをつとめていたが、これがまた絶妙でさらに軽快さと愉快さが増していたように思う。
邦題が「絵画教室」だが、常人は決して真似できないレベルである。
※原題は「The Joy of Painting」
ね?簡単でしょ
アフロヘアーが特徴的なボブ・ロス、どう見ても好い人である。
しかも30分描いてている間、とにかく愉しそうなんだこれがまた。
ただし、筆を洗ってそれを台の脚で叩いて水気を落とすのだが、そのバシバシと笑顔で叩きつけるのは若干狂気を感じる。
番組の中でもよく使われていて、有名なのが「ね?簡単でしょ」というセリフ。
上の動画でも波を描きながら言っている。
ボブ・ロスの画法として、下地に油分の多い絵の具を塗りたくる。これだけ見るとなんだこれはと思ってしまう。
しかし、そこに絵の具を足したりパレットナイフでいとも簡単には山や針葉樹を描いていくのだ(ボブは雪山と針葉樹好き)。
そして扇形の筆で何でも描く。冗談抜きで何でも描く。
この一見するとデタラメなものが手を加えていくことにアートになっていく、という工程がとにかく見てて興奮してしまうポイントである。
「え?そこに絵の具落とすの?蛇足じゃn……うおー!マジか!針葉樹が生まれた!」とか「魔法だ!絶対簡単じゃねえ!」などと見ているうちに、あっさり絵が仕上がっていく。
そうして「ここに仲間の木を描きましょう」とか言ってまた生まれていくのだ。
真っ白なキャンバス
キャンバスの上なら何だってできます。
キャンバスではあなたが主役なんですから。
キャンバスではあなたが主役なんですから。
ボブ・ロスの言葉である。
キャンバスは歌詞にもモチーフとして用いられるこがある。
ポルノグラフィティの"君は100%"でも
「明日」っていつも真新しくて真っ白なキャンバス
思いのまま自由に描いていい
思いのまま自由に描いていい
という歌詞がある。
自分は、絵はからっきしだけど、30分でいとも容易くて世界を描いていくボブ・ロスの姿には絵を書くことを越えたメッセージがある。
そんなボブ・ロスは95年に52歳の若さでリンパ腫によりこの世を去った。
ボブ・ロスは天国でどんな景色を描いているだろうか。
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