「関ジャム 完全燃SHOW|」という番組をどれだけ愛してるだろう。
バラエティなど、ついぞ見ない僕が唯一と言っていいほど毎週欠かさず見ている番組だ。
その業界視聴率からも音楽好きにとって、たまらなく、貴重な存在なのである。以前サカナクションの山口一郎がスペースシャワーTVで「もっとマニアックな音楽の話をしたい」と語っていた。
それを、地上波でやってのけたのが「関ジャム 完全燃SHOW!」なのだ。
このご時世に、いやこのご時世だからこそやれるマニアックさ。我らが本間昭光やNAOTOをはじめ、いしわたり淳治、蔦谷好位置、清塚信也等の準レギュラーたちの分析や解析は、プロですら舌を巻くものではないだろうか。
関ジャニ∞のメンバーによるジャムセッションも回を増す毎により巧みになり、毎回機材を見るのも楽しみのひとつだ。
前置きが長くなった。そんな愛すべき番組で特集されたのが
「プロが厳選!やっぱりカッコいい!ギター特集!」
ゲスト:鳥山雄司、新藤晴一、Rei
永久保存版案件である。
収録されたマスターテープをボイジャーでゴールデンレコードと一緒に宇宙に送るレベル。
石碑にして未来へ語り継ごう。
我らがポルノグラフィティ新藤晴一がギター特集で出演するのである。しかも、共演は鳥山雄司とReiである。マスターテープ全部寄越せ。
Reiは以前記事を書きかけながら、その内に関ジャムで取り上げられて断念してしまった過去がある。
ブルース好きには堪らない古き良きブルースへのリスペクトと、若い感性が見事に調和した、最も格好いいギターを鳴らす20代と断言したい。
そして鳥山雄司に至ってはもはや、論は不要だろう。
正直世代ではないが、それでもそのプロデュースした楽曲たちは物凄くよく聴いている。
特に宇多田ヒカルの"Can You Keep A Secret?"等はもう何度聴いているか。
そんな2人と我らがポルノグラフィティ新藤晴一が共演するのだ。正直、発表された瞬間泣いて、予告見て感極まって、本編見て嗚咽の末に過呼吸になりそうであった。
あの、新藤晴一が。
ギターの話をしている。
それだけで泣けてしまうのだ。
テレビに出て口を開けば広島カープの話しかしないおじさんになってしまったあの新藤晴一が、だ。
地上波でギターを語る、ギターを弾く。
少し前に「バズリズム」でエフェクターを語るという企画があったが、それですら海馬にタトゥーにして刻み付けたいほどであったが、それをあの「関ジャム」でやられたのだ。
はっきり言って、事件である。
というか、まだ本編の話してないことのが問題である。
特集はプロのギタリストが選ぶギター20選。
そもそも去年「凄いギターリフ30選」をやっていたのに、またギター特集である。
いいぞ、もっとやれ。
ということで選出された曲を見てみよう。
ギターリフ編
1. ローリング・ストーンズ/"(I Can't Get No) Satisfaction"
2. 井上陽水/"夢の中へ"
3. ヴァン・ヘイレン/"YOU REALLY GOT ME"
4. スピッツ/"ロビンソン"
5. THEE MICHELE GUN ELEPHANT/"世界の終わり"
6. JUDY AND MARY/"motto"
7. MR.BIG/"Green Tinted Sixties Mind"
8. ダウン・タウン・ブギウギ・バンド/"港のヨーコ ヨコハマ ヨコスカ"
9. ポルノグラフィティ/"ハネウマライダー"
10. スティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブル/"SCUTTLE BUTTINE’"
11. 山崎まさよし/"Fat Mama"
12. GLAY/"BELOVED"
ギターソロ編
13. 布袋寅泰/"バンビーナ"
14. クイーン/"Bohemian Rhapsody"
15. 東京事変/"群青日和"
16. ケツメイシ/"夏の思い出"
17. ガンズ・アンド・ローゼズ/"November Rain"
18. X/"紅"
19. ジェフ・ベック/"Over The Rainbow"
20. イーグルス/"Hotel California"
なんだこれ"ハネウマライダー"の後にスティーヴィー・レイ・ヴォーン?俺は何か、夢を見ているのか。若干大人の都合で捩じ込まれた感は否めないが、そんなことはこの際どうでもいい。
定番曲からプロならではの選出が面白い。
アーティストの中でも「その曲選ぶか」というのもあるだろう。
ギターに関して、テクニックはもちろんだが、ギターの魅力はテクニックにだけ偏らない。すぐにテクニックが~と言い出すおじさんはテレキャスターで殴りましょう。
ギターの魅力とは即ち「いかに格好いいか」に尽きると思う。自分なりの言葉とすれば「いかにワクワクさせられるか」である。
「どれだけ後生のギタリストに影響を与えるか」或いは「どれだけ憧れを持たせるか」が魅力あるギタリストの本質なのではないだろうか。
それこそが真に人を惹き付けるギターだ。
リストの中では(ポルノはおいておいて)、ジェフ・ベックの"Over The Rainbow"がドストライクに当たる。
ジュディ・ガーランドの原曲はあまりに数多くカバーされているが、その中でも白眉のカバーといえるだろう。
個人的にはジェフ・ベックといえばビートルズの"A Day in the Life"のカバーの方がイメージが強い。
そしてスティーヴィー・レイ・ヴォーンも外せない。
ジョン・メイヤー好きとしても、やはりSRVは素晴らしいギタリストと再認する。
そして新藤晴一の解説したスラッシュによる"November Rain"。中盤のロングトーンを活かしたギターはとてもメロディアスで、僕も大好きな曲で何度かトライしたが、未だにあのニュアンスが出せない。というかほとんどの曲に当てはまるが。
時間を感じさせないほど、いつ聴いても心を鷲掴みにされる8分57秒、ロックオペラのように展開していき、最後に爆発するエモーション。そこを盛り上げるスラッシュのギターも最高なので、是非通して見てもらいたい。
新藤晴一がスラッシュを語る時の少年のような目、それこそがギターという楽器の魅力なのだ。
そしてジュディマリの"motto"。そもそもジュディマリは普通ならバンドが成り立たないほど、TAKUYAの強烈なギターがずっと鳴っている。あれだけリードギターがなったら、歌メロなどめちゃくちゃになってしまう。
普通のヴォーカルなら完全に妨害行為だ。それでも破綻せず、ちゃんとした歌ものとしてポップに仕上げるYUKIの力は、恐ろしい。
それを友人に借りたまま返していないジュディマリのCDを聴いて思う。
恒例のジャムセッションは"Layla"。まさか新藤晴一があのリフを弾くのを見れる、聴ける日がくるとは。
ブルース畑のReiと問答無用の鳥山雄司のテクニック、まるで夢を見ているようだ。俺もう死ぬんじゃないか。
本当に素晴らしい番組だ。
そこで、番組プロデューサーのインタビューを読んで、その番組づくりに納得がいった。
ーー番組コンセプトの根幹にあるものとは。
藤城:「アーティストの方のすごさをどうやったら伝えられるか」ということに尽きると思います。それを生放送の歌唱をメインに伝えるのが『ミュージックステーション』だとしたら、『関ジャム』はそうじゃないやり方で「ゲストの何がいかに凄いのか」を伝えれればと。
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ここでいう分かりやすさとは、その辺のテレビ番組の創り手から透けて見える欺瞞とは違う。そういう欺瞞はもう視聴者を騙せないし、そういう人はもうテレビを見るということをしていない。
だからこそ、こうした音楽と真摯に向き合う番組が地上波で流れるというのは、本当に大切で価値のあることだ。
今出演しているゲストの方たちとの間にも「実はこれ、こんなにすごいんだよ」と教えてもらったり……取り上げるべきものはまだ沢山あると思うんですよ。そのなかで僕らが見落としているものを関ジャニ∞と共に探したいですし、アーティストの方にとっても『関ジャム』にしか掘り下げられないものを追求し続けたいです。
まだまだこの先も楽しみに生きていきたい。
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