2023年12月29日金曜日

年間Myベスト2023 TOP10「映画編」







ここ数年さぼっていたので、年間の振り返りを兼ねて2023年の年間ベスト企画を久しぶりに。

今回は映画編である。
といっても映画しかやらないけど(音楽は過去作の率が高すぎて無理だった)。

今年は本当に良い映画にたくさん出会えたので、記録として残しておきたい

ちなみにフィンチャーの「ザ・キラー」も入れたかったが、Netflix配信作品なので、一応除外した。ただ、最高だった。

※ギリギリで観た作品をねじ込まなければならないため、3位が2作品に、結果TOP11になっちゃった。てへ。





10位:ナポレオン





リドリー・スコットの最新作。
主演はホアキン・フェニックス、ヴァネッサ・カービー。

ナポレオン・ボナパルトの物語ではあるだけど、実態はタイトルを「ジョゼフィーヌ」にしてもいいと思う。

映画自体は賛否両論みたいだけど、個人的にナポレオンを偉人として持ち上げることも、戦争をじっくり描くこともそんなに求めていなかったので、とても良いと思った。

そもそもこの映画は完全にコメディだと思う。
特に夫婦間の描写は完全に笑うしかない。

主演2人が演技か素晴らしい俳優なので、僕は終始幸せでした。

戦争シーンの迫力もちゃんとあったし、映画館で見るべき、見れてよかった作品であった。



9位:クライムズ・オブ・ザ・フューチャー





デヴィッド・クローネンバーグ監督作品。
主演はヴィゴ・モーテンセンとレア・セドゥ。

近い未来"人間が痛みを感じなくなった世界"を舞台にした、新しい臓器が身体にできる男と、それを摘出するパフォーマンスをする女が主役の物語。

あらすじを文字にしても「この人頭おかしいのか?」と思われる内容なんだけど、実際はもっと頭おかしい映画だから説明が難しい。

正直、クローネンバーグがどんな人か知らないと終始「?」となる映画だと思う。実際、劇場出るときに後ろのカップルが「なんだったの?あれ」って話をエスカレーターでずっとしてた。

そりゃ「手術はセックス」とか言われてな。

正直自分も一度では飲み込みきれなくて、見たあとに解説やら他の人の解釈、それに監督インタビューに触れてようやく輪郭が掴めたくらいだ。
なので2回目の方が面白い。

ぶっちゃけ相当人を選ぶ作品だし、内蔵描写もあるので、デヴィッド・クローネンバーグとはどんな人なのか知ってる人ほど楽しめる作品だ。個人的には、大好物。

それしてもレア・セドゥのヌードの色気が本当にヤバかった。



8位:ミッション:インポッシブル/デッド・レコニングPart.1






シリーズ7作目にして、シリーズ完結に向けた前後編の前編にあたる。
後編は2024年6月公開予定であったが、ストの影響で2025年5月に延期となった。みんな長生きしよう。

今回も命をエンタメにオールインする男──トム・クルーズの奮闘により、怒涛のアクションつるべ打ちで、163分が瞬く間に溶けてゆく。

こういう作品を見るために、映画館に行くようなもんだ。

唯一あるとしたらヒロインの立ち位置とか性格が「インディ・ジョーンズ/運命のダイヤル」と似すぎて、しかもあまり入れ込めないのは残念だったかなと。



7位:イコライザー THE FINAL







デンゼル・ワシントン主演の「イコライザー」シリーズの3作目にして最終作。

実はシリーズは見ていなくて、今年に入って1作目を見て一気にハマったという母に薦められた。
まんまと自分もハマり、完結編を見に行った次第だ。

バイオレンス描写は更に強まり、冒頭で次々映される死体描写なんて、今年見たどのホラーより強烈だった。

マッコールさんの容赦なさは相変わらずで、たぶん「ファイナル・デスティネーション」シリーズの死神に実体があったらこういう姿をしてると思う。

個人的に好きなシーンは、敵のマフィアたちが「明日マッコールを狙う」という話をしながら呑気にパスタすすってるシーン。
マッコールさんは当然、その夜に来る。



6位:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3





MCU疲れが叫ばれるなか(自分もご多分に漏れずな状況なんだけど)、やはりGotGは見逃すわけにはいかない。

シリーズ完結編ということもあり、こんな映画を創り上げたジェームズ・ガンにありがとうという言葉しかない。
「ピースメイカー」シーズン2はよ。

ジェームズ・ガン自身を投影したロケットというキャラクターに、何度涙したろう。

本当は1位でもいいくらい楽しんだんだけど、僕は動物が酷い目に遭うシーンがフィクションでも苦手なので、見返すのが本当に辛い作品でもある。
ちなみに映画の中なら人間はどうなっても構わない。

MCUはまだデッドプール3作目に期待している。ロキのシーズン2も見なきゃな……

ディズニーは劇場作品で唯一これが収益プラスになった作品のようで、大丈夫なのかマジで。



5位:M3GAN/ミーガン





AIを搭載した子ども向けのロボットが暴走、というシンプルでありがちストーリーながら、何よりミーガンというキャラクターの魅力が圧倒的であった。

特に、アメリカでバズった"ミーガン・ダンス"のシーンは、ショート動画で500回くらい見たんじゃないかな。
個人的には壁に手をつくとこが好き過ぎて、このシーンのアクスタ買った。






ストーリーとしても、嫌な奴ムーヴかました奴はきちんと殺され、自分的には苦手なヒステリック描写だった主役の親子も、終盤でちゃんと反転させてくれて、バランスが本当に絶妙だった。

(そういえばこの作品で犬が◯◯◯るところは平気だったな。直接的な描写がないのと、犬自体がヘイト強めだったからかな)

ホラーではあるけど、直接的なグロは少ないし、家族で見て楽しめるファンタジー映画だと思う。責任は持たない。



4位:キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン






マーティン・スコセッシ最新作。
206分という膀胱との戦いになりかねない時間を、しかと最後まで見せつけられた。

何より役者たちの演技の素晴らしさたるや。長尺を豊かさに変えてくれる映画だ。

特にレオナルド・ディカプリオの最後の狼狽えた表情とセリフは、これだけでアカデミーものだ。本当に凄い役者だと思う。

辛くなるような場面もあり、そのメッセージはとても重い。

これだけのテーマをこの映画に昇華させたスコセッシに、脱帽するしかない。普段帽子かぶらんけど。


では、いよいよトップ3である。
(予告どおり3位が2作品なので実質TOP4)






3位:スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース






掛け値なしの大傑作である。

1作目「イントゥ・ザ・スパイダーバース」から進化した映像は息を飲むし、どれだけの労力が掛かっているんだろうと溜息さえ出る。アニメーター全員に10万円ずつ追加ボーナスあげてくれ。

物語としては後編の「ビヨンド・ザ・スパイダーバース」が待っているので一概に評価しきれない部分はある。

しかしながら圧巻のオープニングからラストの台詞は見事な対になっていて、決して前半という投げっぱなしの体を感じさせない。

つまりはこの前編はマイルズではなくグウェンの物語なのだ。その最後の台詞は、ロックを愛する全ての人間に刺さるだろう。



3位:市子







戸田彬弘監督作品、主演は杉咲花。

邦画はあまり観られなかったんだけど、年の瀬にこの作品を観てズドンとやられ、もう居ても立ってもいられずランキングにねじ込むことになった。

なにより杉咲花の圧倒的な演技である。
邦画では今年ダントツだと思う。

ほぼ救いがないストーリーのラストをどう捉えるかによって、人の印象は変わるだろう。
どんな受け取り方にせよ、観た者には市子という女性が巣食い、もはや逃れられない呪縛となる。

それだけ心を掴んで離さず、観終わった後もずっと市子のことを考えてしまう。

人を選ぶ映画ではあると思うけど、これだけパワフルな作品がまだ日本には出せるということが、本当に嬉しい。



2位:aftersun/アフターサン







ここまでホラーか大作ばかり挙げておいてなんだが、僕はこういうインディペンデントな映画が大好きだ。

ストーリーはある記録と記憶の物語。
AIが暴走することも、マルチバースもない、ただひと夏を過ごす父親と娘の物語。

そのストーリーをいくつかの視点で描き分けることによって、重層な物語となっている。

Twitterでも書いたが、この作品はWEBサイトの「オモコロ」の編集長である原宿さんが書いたレビューが、あまりに素晴らしい名文で、正直僕はもうなにも書けない。
(最後にリンクを貼るので是非読んで)


いつか消える日焼け痕でも、この物語が残すじんわりと甘く少し酸っぱい後味は、決して消えることはない。




1位:Pearl / パール







誰がなんと言おうと1位は「パール」である。
いや、そんな敵はいないが。

今年は「ミーガン」もだけど、ランキングに入れてない中でも「コカイン・ベア」とか、日本でも「ほん呪100」「コワすぎ!完結編」などとても豊作だった。

その中でホラー映画というジャンルにおいて、「パール」は近年の金字塔になったと言いたい。

何より主演でありプロデューサー、共同脚本までつとめたミア・ゴスの演技である。
本気でアカデミー賞取れるレベルだと思うし、これ以上に圧倒された演技は他にない。

特に後半の長台詞と、ラストのあの笑顔。
今年見た映画で、これ以上壮絶なラストシーンを知らない。


前作「X」も面白かったけど、そこまで入れ込むほどではなかった。でも「パール」によって、遡って「X」の評価を押し上げたと思う。

ホラー映画ってなにかとジャンルムービーとして下に見られがちだけど「どうだ見たか」って、ちょっと本気でそう思った。

勝手に否定してきたホラー好きの自分まで肯定してくれた、そんな気持ちになった映画だからこそ。

僕にはこの作品を1位にする以外に考えられなかった。

以上が僕の2023年の映画生活まとめである。


本当ならバイオハザード好きのエゴとして「バイオハザード:デスアイランド」をねじ込みたかったんだけど、どうしても難しかったのが惜しまれる。
これはこれで「こういのでいいんだよ」映画でめちゃくちゃ最高だったんだけど。

こんな気持ちにさせられる映画に、また来年も出会えることを願い、この記事を終えることにしよう。




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