横浜公演あれだけ書いたんだからもう「楽しかったでーす🐰」で終わらせるつもりであった。
しかしながら、やはり横浜とはまた別物という印象だし、相棒に「書くよね?書かないなら映画のチケット代払わないよ?」と脅されたので、悔しい……屈します。
まぁ冗談はさておき、本当に色々と残しておきたいと思ったので感想を残しておきたい。
念の為の断りだが、僕は横浜2dayysのみ参戦なので、因島は配信された部分以外は初見である。ただしセットリストは漠然と知っている状態。※あまりしっかり見ないようにしてた
因島ドキュメンタリー
この作品はドキュメンタリーと2024年9月1日のライヴ映像で構成されている。
開催までのドキュメンタリーから幕が上がる。
2024年7月20日
ポルノグラフィティは因島で開催される「島ごとぽるの展」の除幕式に出席した。
やっぱり「島ごとぽるの展」ってネーミングが受け入れられてるのどうかしてるって。島ごと秘宝館じゃねぇか。
そこで島民の協力への感謝と、訪れる人々へ楽しんで欲しいという願いを伝えている。
僕は「島ごとぽるの展」は行けなかったんだけど、行った人々はとても楽しんでいたようだし、映像からもそれが伝わってきた。行きたかったな。
そんな楽しげな因島の光景からライヴの話へ。
映されたのはステージの仮組みの様子。幕張っぽい場所※で今回のステージの仮組みを確認する新藤晴一。
※会報で場所発表されてた。みんなラバッパーになろう
仮組みの話って会報とかでたまに見ていたけど映像は初めてだよね。僕は舞台裏フェチなので、ヨダレがダボダボ溢れそうだった。
そして時間は2024年8月29日へ。
天気予報をもとに、メンバーとスタッフの打ち合わせ。結果を知っている身からすれば、もうこの辺りから感情が込み上げてくる。
ギリギリ状況、ギリギリの判断。
こことか後でも新藤晴一は何度か「ステージセットは完璧に組み上げなくていい。それでスタッフに徹夜で働いて疲弊してほしくない」って言ってるんだよね。
そして岡野昭仁はファンに向かって「なんとか少しでも早く情報を伝えられないか」思案している。
この、人柄。
ちなみにここで岡野昭仁が「プロの方で判断してもらって」と一線を引いているところがまた、しっかり状況を見ているんだな思わされた。
とにかく生で何かを伝えようとしてくれているメンバーやスタッフたちの奔走には頭が上がらない。
結果は承知のとおり、初日公演は中止、2日目はなんとか開催できることとなった。
初日の中止は参戦しない(チケット外れた)僕でさえ、心が痛くなるものであった。あんな思いはもうしたくないね。
リハでステージに立ったメンバー。
設営スタッフの「突貫でやったわぁ」という言葉がとても重い。
当然まだ台風の余波があるなか、こうしてステージを造り上げてくれているんだから、本当に頭が上がらない。彼らの手で解放区の舞台は生まれるのだ。
そういえば、ドローンの空撮で映っていたけど、ステージ裏に一応観覧車のセットが置かれていたね。
リハの映像はダイジェストで音は出ていないけど、「あーこの時に現地組がグッズ列で音漏れ聴いてしまって悶絶してたんだな」と当時のTLを思い返した。野外あるある。
本番直前に新藤晴一の映像出るんだけど、その映像に遠くから岡野昭仁の声出ししてる音が入っててジワッた。あれ因島全土に響いたのでは。
いよいよ開幕。
最初の花火はやっぱりステージ裏だとビックリするくらい大きい音のようだ。
そりゃハマスタのスタンド席でもビックリするくらいだったもんな。
因島ロマンスポルノ'24
※長くなるので横浜の感想と重複する部分は割愛します
オープニングの"おいでよサンタモニカ"。
もちろん掛け声は「ウェルカム!因島!」。横浜は「よっこはま〜」みたいなニュアンスだったから因島もそうかと思っていたら「いんのしまっ!」というスパッとした言い切り型だった。
こうして映像として見るのは初めてなので、横浜を思い出しつつも、細かな音や映像まで見られて嬉しい。早く因島&横浜セットの円盤出してくれ。言い値で買う。
そして2曲目。因島ではここが"愛が呼ぶほうへ"になっている。
横浜スタジアムでは"ネオメロドラマティック"だったので、この時点でもう別の世界線だ。
5周年の「Purple's」の映像作品の副音声で「バラード曲は”入る”までが鍵」と言っていたけど、これをオープニングに持ってこられるのが、今のポルノグラフィティなのだ。
因島と"愛が呼ぶほうへ"の特別性もあるが、演奏と歌が最序盤とは思えないほど強くて響く。
野外のステージでこれを見せてくる25周年の恐ろしさ。
まさに愛を伝えるように、ただそこにいてくれるように、ポルノグラフィティはそっと手を差し出してくれる。
"メジャー"と"アポロ"の流れは同じであるが、特に"メジャー"は因島の開放的な映像と相まって爽やかさがより視覚的にも強くなった。
横浜スタジアムって雨を全身で感じるくらい野外ではあっても、周りが都会的なビルが見えたりするので、開放感という意味では因島の映像は格別だ。
MCでは来てくれた観客や島の人々への感謝の言葉。
その言葉の喜びもあるんだけど、「暑そう」というのが映像からヒシヒシと伝わってくる。
出身地から学歴まで全部言うヴォーカリストが面白すぎる。
「因島でロックします!」という言葉から"OLD VILLAGER"。
噴き上がる炎。これステージは本当に焼ける勢いだろうな。と思っていたら新藤晴一が顔振って「熱い」って言ってると思わしき画が抜かれてた。
やっぱりこれがカップリングのポジションなのおかしいよ。こんなの世間が騒然としても良いレベルなのに。
そこから"シスター"は一転して哀愁漂う空気へ。ここも横浜と違う流れだったのでかなり驚く。
ちなみにセットリスト見たとは言ってもこの日までなるべく忘れようと努めていました。
最後のサビの空撮映像とマッチして素晴らしかった。
「時間の移りを優しく告げていく」という歌詞がまた幾重もの意味を持っていて。
この曲は2人体制になったポルノグラフィティが2004年9月8日にリリースした、第2のデビュー曲とも言える。
この後のMCで灼熱になったステージドリンクに思わず「水が沸いとる!」と溢す声がマイクに乗ってしまう岡野昭仁に笑ってしまうけど、本当に笑い事でも済まないくらい暑いってことだもんな。
故郷から出ることの決意と迷いを歌った曲を2曲聴いてください、というMCから"FLAG"と"前夜"。特に"前夜"は因島限定の披露である。
曲としては20周年の「UNFADED」ツアー以来の演奏となったが、その時よりも更に力強い。それは立てた旗の決意を噛み締めるような演奏だ。故郷の風が、その力をくれたのだろう。
"FLAG"についてはちょっと穿った見方なんだけど、コロナ禍を経て「ワズビル」ツアーで声出しが解禁になったことによる新たな決意と覚悟に受け取れるなって思えた。
続けて生配信された"Aokage"。
流れで見るとまた一段と因島でこの曲を演奏した意義を感じさせられる。
"むかいあわせ"〜"ギフト"は横浜と同じ流れ。いや、やっぱり感動しかない。ずるい。
"THE
DAY"は感想でしばしば見ていた立つタイミングの件がようやく映像で見られて嬉しい。
これさ、演奏側はどこから盛り上げポイントに入るか分かるけど、見てる側は分からんよね。最初のサビだけで立ち上がってもおかしくないと思う。
最初のサビまでtasukuがアコギ弾いてたとか、ライヴで見た時気づかなかったから、やっぱりライヴでは色々見落としていた要素って沢山あるんだなと実感。
あとなんとなく"THE
DAY"いつもよりちょっとテンポ早めでアグレッシブな印象だったけど、気のせいか。
"螺旋"はもうギターと手元がたっぷり堪能できるので、もうずっと目がスクリーンに釘付けになっていた。スクリーンで見るレスポールカスタム格好良すぎるだろ。
フロントピックアップであんなに綺麗に伸びる音色出すの地味に凄いよね。
"Jazz up"〜"狼"は因島ならではの流れ。"Jazz
up"は横浜2日目でもやって発狂した。"狼"は横浜では"OLD
VILLAGER"の前にやっていた。
"Jazz
up"見てて思ったんだけど、地元でそこそこ島民となんなら多分親戚とかも見ているはずのステージで「Dive
in the mother's
sky」「乳房求めて(アクション付)」「ジョリジョリでもいいから」とかぶちかますの"OLD
VILLAGER"よりロックすぎる。
ていうかよく考えたらこの人たちそもそも「ポルノグラフィティ」って名乗ってたわ。
そして新曲"ヴィヴァーチェ"へ。
因島ではここでやってたんだね。
曲が配信されてじっくり聴いたあとなので、しっかり聴き比べられた。ライヴの方がよりバンドゴリゴリなバランスになっていて、これはこれでカッコイイ。
映像も、最後にステージ裏からのショットで岡野昭仁と太陽が抜かれた映像があって、それが凄く良かった。"Aokage"とかでも裏からのソフトフォーカスの映像あったけど、あのまま印刷して部屋に飾りたいくらい綺麗だった。
そういえば横浜だとこの"ヒトリノ夜"の前って"ひとひら"だったんだよね。
だから、因島のライヴ通しで見た時に「後半ずっとアッパーだな」って思いながら見ていた。
本編の終盤は基本的には同じ流れだけど、因島ではここで"ネオメロドラマティック"が入っている。ギア上がりっぱなし。
この気温の炎天下でこの流れだから、そりゃみんな暑さにやられるわな。本当にお疲れ様でした……
岡野さんこの辺りでシャツを脱ぎ捨ててたと思う。
あと本編終盤で気づいたことを。
"ミュージック・アワー"
岡野さんのうさぎちゃん暑さのせいか気合い入りまくりで「恋する🔥うさぎちゃん」になってる。松岡修造にリクエストするな。
"アゲハ蝶"
岡野カメラ映像がとても良かった。
時折自撮り風にしたり、ギター映したときなんて「相方目線じゃん」ってなった。
ていうか全編通してなんだけど観客の声めちゃくちゃ大きいな。
最後のサビに入るとこ岡野昭仁が自撮り顔アップになって「あなたに」と歌う映像があったんだけど、なんかそのシーンで不意に泣けてしまったんだよね。
みんなポルノグラフィティに出逢えて良かったと思ってるんだよ。
"解放区"
ライヴそのものと暑さによる疲弊もあるだろうけど、これまで聴いてきたなかで最も鬼気迫る、気迫あふれる演奏と歌だった。
因島でやったことで、解放区はポルノグラフィティにとってライヴという空間であり、2人の故郷であることもまた重なっていた。
人によるのは重々承知の上だが、故郷というものは自分に戻る場所であり、自身を解放できる場所でもあると思う。
いや、故郷の八王子にまだ住んでる自分が言うのはおこがましいにも程があるけど。
あと最後に出るメッセージ「あなたにとってポルノグラフィティとは?」の後は横浜初日と同じく「いつか答え合わせしよう」だったね。
※最終日は「また答え合わせしよう」に変化した
アンコール
アンコール1曲目は因島高校の生徒たちとはっさくんが登場し、この日限りの特別演出。
楽曲は"はっさくんのテーマ"
ここで登場した高校生たちがとても良かった。若さ爆発でポカリのCMみたいだ。
ハイタッチスルーのとこ爆笑した。
あとアンコール出てきて西日の眩しさにサングラスかけたけど、試しに薄めのサングラスかけたら「あ、やっぱダメだ」って濃いサングラスに掛けか直した新藤晴一が地味にウケた。
でも本当に西日真正面で大変そうだ。
メインヴォーカル2人がとても素晴らしくて、この2人でバンドデビューしなよってくらい。
音源でも良かったのに、こんなステージでこれだけ堂々と歌えるのは逸材だと思う。売れるバンドの売れる歌声をしている。
因島の土壌どうなってんだよ。畑でミュージシャン採れんのか?
でもこういう子たちが現れてくれるのも、ポルノグラフィティという存在があったからこそ、なんだと思うんだよね。
曲としても岡野昭仁が「迷わず出来ました!」と自ら太鼓判を押す楽曲は、はじめて聴いた時に本当にド肝抜かれた。
そりゃ「さかな さかな さかな〜」みたいなのとか"だんご3兄弟"みたいなの来ると思うもん。
エモエモ青春パンクが来ると思わんじゃん。
それに対して「僕らに依頼してきたんだから、ロックな曲にしたい」って言ってて悔しいくらい腑に落ちたんだけど。
こういうパンキッシュな曲はもう自分の思春期全盛期に通ってきた道なので、もうたまりないのです。ギターのリフとかもはやSum41の"The
Hell Song"ライクで、刺さらないわけがない。
※余談だけど"バベルの風"のギターも相当Sum41の"Still Wating"
この後、岡野昭仁は暑さのせいか新藤晴一に繋ぎを頼んで、一度ステージからはける。
晴一:この曲は昭仁が親戚に「昭仁、はっさくの曲書いて」ってお願いされて書いたんだけど。それで俺が歌詞を書いたんだけど。
自分ことを書いたわけではないけど、今日演奏してみて「あ、俺も、我々か。我々もこの島で生まれて、育って、まぁ淡い恋の一つもしたな」って。
東京に住んで長くなるけど、自分たちの中に育まれきたんだなと。
良い話だったのでカーブの話しなくて良かったよ。あ、まさかそれで反動で横浜スタジアムでカープの話したんか?
メンバー紹介。
新藤晴一を紹介するときに「さっき話したけどまだ話せる?」と言って新藤晴一が「ま、まぁ話せるけど」みたいな返事をしたら「そうだよな」って返す岡野昭仁がマジで先生すぎる。
岡野昭仁は改めてここまで関わった人々への感謝を示す。
関わった人々に何度拍手しても足りないくらい、想像以上に多くの人の支えでこの時間は生まれたはずだ。
昭仁:もう1人。2000年までポルノグラフィティにおった男がおります。彼とは今は違う道を歩んでますが、彼もまだ東京で音楽活動を続けてます。
少し前にも会って「今度因島頑張るよ」「頑張れよ」と言ってくれました。彼も東京で頑張っています。白玉雅己、Tamaという男です。Tamaに大きな拍手を。
Tamaがおってくれたから今のワシらがあります。
その中でTama
の名前も出て、思わず感極まってしまった。
このタイミングでここで触れてくれるなんて。ライヴの少し前に言葉を交わしていたというエピソードがもう、エモい(脳が働かない)
"ジレンマ"
ソロ回しでtasukuと皆川真人の順番間違える岡野昭仁に爆笑した。ちなみにこの日は2人とも"ハネウマライダー"を演奏してた。
「まだ終わりません。最後にアホになってバカ騒ぎして帰りましょう」という言葉から、ラスト1曲。
"Ohhh!!! HANABI"
間違いなく全員が最後の気力を振り絞っていたと思う。
それはステージだけでなく、この場にいた全員が。特に岡野昭仁はハーモニカ吹くあたりで本当に苦しそうだった。これ後のステージ終了後の映像で過呼吸と言っていたから尚更。
最後の「自信持っていけ、胸張っていけ」のとこで「君たちは凄い」と言っていたのが印象的だった。
ライヴ終了後の映像も少しあり、先ほど触れた岡野昭仁の様子や、高校生たちからメッセージを受け取り写真を撮る場面が映り、メンバーからのコメントへ。
新藤晴一の「自分たちからは(無理だと思ってしまうから)因島でやろうとは言い出せない。それがスタッフが「やれるかも」と言ってくれたから、こうして(ステージに)立つことができた」という言葉が印象的だった。
そして岡野昭仁の山、次の目標の話は横浜スタジアムのMCにも通じていて、こうして因島のライヴを受けての言葉なんだったと分かってグッとくるね。早く横浜見返してぇ。
ステージセットはほぼ組めずに鉄骨が剥き出しの状態ではあったけど、それはそれで結果的には音楽そのものが主役になって、何より周りの因島のロケーションそのものが大きな舞台にもなってたと思う。
ただし、もちろんステージセットを組み上げたかった設営スタッフたちの無念を思えば、それが良かったとは言い切れるものではない。
その分、横浜での完全版のセットも最高だったぜ。
因島ロマンスポルノの映像を見届けて。
その景色は横浜スタジアムで見たそれとはまた違っていて。
故郷に来てくれたとメンバーが嬉しそうにしていたのが印象的だった。
映像から伝わる因島の空気、美しい瀬戸内海の景色、因島の人々。
僕はまだ因島に行ったことがないけど、いつかきっと訪れるだろう。
この目で、この耳で、この肌でそれを感じたい。
そん時まで、心に吹き抜けた因島の風を大切に秘めていよう。
「あなたにとってポルノグラフィティとは?」
答えは風に舞っていて、その風は導かれている。
愛が呼ぶほうへ。
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